Motor Manの「ドア、ドア、ドアドアが閉まります。まもなく蕨、蕨です」をカラオケの十八番にする友人がいた。疎遠になった彼を思い出させるネタ四つ打ち。東京パノラママンボボーイズのコモエスタ八重樫が監修したこのアルバムには、はせはじむも参加している。ネタと侮れない。

テレビ東京系列で放映されている「スチーム係長」のサウンドトラックらしい。まずシュールであることは間違いないであろうその映像を見ないと。1998年誕生とはカルト・サブカル・アングラとしては意外と息が長い。

スチーム係長 ORIGINAL SOUND TRACK&more

便秘気味。快便が自慢 の僕にとってこれは耐えがたい。出そうで出ないもどかしさを普段は味わわないため、いら立ちが募る。そこでウォシュレットである。最大の水圧にして肛門を刺激した。効いた。

しかしどうだろう。これを日常的に使用してはいけない気がする。機械に頼ることによって、腸という人体の機能が堕落してしまうのではないだろうか。慣れることを恐れる。

クローゼット 元旦にブンレツグランマがホームから帰ってくることになった。1日だけだが、正月くらいは我が家で過ごさせてやろうと、大変ではあるが孝行する。

グランマのクローゼットは僕のDJブースになろうとして、ものを移動中である。2畳の城。老人の服とミキサー、プレイヤーが渾然一体となって異様な空間だ。これはグランマにとって改めて知ることになるので、せいぜい取り繕うと思う。

クラシック・プーとディズニー・プーという言い方も気に食わないのだが、百歩譲ってそれはいいとする。しかしディズニー・プーのほうがかわいいという意見に対しては、センスを問う。A・A・ミルンによるこの著書が傑作であることに疑いの余地はない。しかし、E・H・シェパードによるイラストの功績も大きいと思う。彼が描いたプーはもちろん、ユニセックスなクリストファー・ロビンにも親しみを感じた。小学生の低学年まで、僕は女子によく間違えられていた。

ブログを始めた当初、僕は友人の名前を実名で出していた。了承を得ないままこれはいけないと反省し、途中でそれをやめる。大人になって、田舎で書店を営んだクリストファー・ロビン。彼は父を恨んでいたらしい。昨年の今頃は訪問者数が30人程度だった。

A.A.ミルン, E.H.シェパード
プーのはちみつとり

チタンコイルレーベンワイヤー

見つけてしまった。この、えげつない画像はどうだ。グロテスク極まりないが、それでもそそられる。感嘆の声をあげて、どちらにしようか悩む。

家の中で、暇さえあれば耳をほじくっている 。大きいほど価値があることは当然として、色はグラデーションがあるほうが良い。それでいて乾燥しすぎず、湿りすぎず。良好な状態のものが捕獲できた日には、空腹になるまで眺めるだろう。その夢のようなハイテクノロジー耳掻きで、どれほどの大物がほじくり出されるだろうか。しばらく禁欲してため込むのも手だ。

トレーラーハウスの貧しい生活は、職に就くことの障害になっている。唯一の家族である母親はセックスとアルコールに依存している。そんな母を見ているからか、ロゼッタは自尊心が高かった。施しは受け取らず、生活保護も拒否する。彼女はまっとうな暮らしをしたいだけだった。笑うことは少ない。

リケという友人ができた。彼はおそらくロゼッタに好意を寄せている。食事を誘ってその際の微妙なBGMとそれに対する彼女の対応、その後はこぶしを握ってのぎこちないダンス。ロゼッタの性格を細かく表現した。湖の魚をとろうとして、リケは足を滑らせて溺れた。ロゼッタは助けることを躊躇する。友人や恋人よりも、優先順位として仕事が上だった。彼がいなくなればその後釜として職を手に入れられるとよぎる。結局助けたが、彼が仕事でちょろまかしていることを密告し、職を得る。しかし、そうまでして勝ち取った仕事を、ロゼッタはすぐに辞めた。彼女は抜け出せない。

まず視線を送る姿を映す。ロゼッタが何かを見て、仕草は微妙な変化をきたした。その変化を提示してから視線の先にあるもの、変化の原因となる事象を撮る。カメラはロゼッタに接近して彼女の人となりを、独自のリズムで捉えた。

ジャン・ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌが作るワッフルに当てはめる言葉は、しつこいがそれが端的であるがゆえに繰り返すと、武骨である。ロゼッタに未来を見出すのは僕、または受け手それぞれ次第だ。

ある子供 適材適所に充てるキャスティング。日本で公開されたダルデンヌ兄弟の4作品全てに、オリヴィエ・グルメは出演している。分厚い眼鏡と屈強な体つき、それは紛うことなく彼だとすぐに分かるのだが、主人公ブリュノを演じたジェレミー・レニエが「イゴールの約束」のイゴールだったと気づかなかった。人生や生活を易しくしか考えることができないが、ブリュノは優しい。前半は執拗なまでに彼の幼児性を描く。

ブリュノとソニアの若いカップルに子供が生まれた。良くも悪くも無邪気という点で二人は共通していたが、ブリュノはさらに責任感がなかった。その場しのぎで生きてきたブリュノにとって、息子の誕生は抱えきれないほど大きすぎるものだった。

乳母車を押しながら、車の往来が激しい道を渡る場面が多い。無機質で暴力的なパワーとスピードの合間を縫う、弱き人間の姿が印象的だった。武骨で媚びることは一切ないが、演出は綿密に計算されている。極限までそぎ落として必要最低限、しかし必要な情報は全て揃えている。

ラストでブリュノは変化を見せる。受け入れた現実と決めた覚悟。懺悔は辛く、そして慟哭から一転、暗幕と無音とエンドロールで、僕はしたり顔で頷く。通ぶって、やはりなと。

大学の友人連中とジャグジーズ を結成して、単に酒を飲んだり温泉に入ったりするだけなのだが、10年近く交流を持ってきた。そのメンバーも入れ替わり立ち代わり。学友だった女の子が恋人を連れてきて、彼女は留学し、なき後もその男と彼女抜きで遊ぶこと もあった。彼もまた海外へ旅立つという。絶妙なパサー でもあるメンバーのリーダーと3人で、ささやかながら送別会を兼ねて飲んだ。高みを臨んで精進する人。僕はそれを見守ろうではないか。

あ行
愛妻日記
アイデン&ティティ
愛の昼下がり
赤線地帯
赤ちゃん泥棒
悪夢探偵
明日へのチケット
アダプテーション
あにいもうと
アメリカ,家族のいる風景
アララトの聖母
蟻の兵隊
あるいは裏切りという名の犬
ある子供
イーオン・フラックス
言い出しかねて
硫黄島からの手紙
イゴールの約束
いつか読書する日
いとこ同志
インディアン・ランナー
インファナル・アフェア
インファナル・アフェアⅡ 無間序曲
インファナル・アフェアⅢ 終極無間
ウィスキー
ヴィタール
雨月物語
受取人不明
うつせみ
生れてはみたけれど
裏窓
運動靴と赤い金魚
エターナル・サンシャイン
エリ・エリ・レマ・サバクタニ
エレクション
エレニの旅
おいら女蛮
オーシャンズ12
ALWAYS 三丁目の夕日
王手
おじさん天国
オペレッタ狸御殿
女は女である

か行
カーテンコール
怪談 蛇女
かえるのうた
隠された記憶
過去のない男
カサノバ
カスパー・ハウザーの謎
風が吹くまま
風の武士
風の又三郎
カナリア
神々の深き欲望
紙屋悦子の青春
カミュなんて知らない
かもめ食堂
カリスマ
聴かれた女
気違い部落
鬼畜大宴会
君とボクの虹色の世界
キムチを売る女
CURE
饗宴
侠客列伝
恐怖奇形人間
嫌われ松子の一生
空中庭園
ククーシュカ ラップランドの妖精
クルシメさん
黒い眼のオペラ
痙攣
ゲームの規則
ゲルマニウムの夜
ゲンセンカン主人
恋する幼虫
幸福の鐘
コースト・ガード
ゴーストワールド
CODE46
コーヒー&シガレッツ
この胸いっぱいの愛を
コフィー
コントラクト・キラー

さ行
THE 有頂天ホテル
魚と寝る女
サクリファイス

座頭市物語
裁かるるジャンヌ
サマータイムマシン・ブルース
サマリア
サヨナラCOLOR
THE LONG SEASON REVUE
残菊物語
サン・ジャックへの道
山椒大夫
サンセット大通り
自殺サークル
疾走
シッピング・ニュース
シティ・オブ・ゴッド
ジプシーのとき
自由学校
春夏秋冬そして春
ジョゼと虎と魚たち
シン・シティ
SWEET SIXTEEN
スーパーサイズ・ミー
好きだ、
スキャナー・ダークリー
スクラップ・ヘブン
スパイダーマン3
青春☆金属バット
世界
絶食
絶対の愛
そして人生はつづく
素粒子
それでもボクはやってない

た行
ダーウィンの悪夢
ターネーション
太陽
旅芸人の記録
魂萌え!
たまもの
ダメジン
ダンス・オブ・ダスト
暖流

近松物語
父親たちの星条旗
父、帰る
チャーリーとチョコレート工場
痴漢電車 感じるイボイボ
DEMONLOVER
東京ゾンビ
東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
独立少年合唱団
年をとった鰐
となり町戦争
トラベラー
トリコロール 青の愛
トリコロール 赤の愛
トリコロール 白の愛
ドレミファ娘の血は騒ぐ
トンマッコルへようこそ

な行
渚のシンドバッド
虹色モンタージュ
二十四の瞳
にっぽん零年
日本製少年
ニュー・ワールド
ニワトリはハダシだ
猫と庄造と二人のをんな
猫目小僧
ねじ式
眠り姫
野菊の如き君なりき
ノスタルジア
紀子の食卓

は行
パーマネント・バケーション
博士の愛した数式
ばかのハコ船
肌の隙間
バッシング
バッド・エデュケーション
花よりもなほ
バニシング・ポイント
ピエロの赤い鼻
ひかりのまち
秘密のかけら
ひみつの花園
ヒューマン・ネイチュア
ビリケン
ファザー、サン
ブラック・ダリア
フリージア
ブリキの太鼓
ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12か月
フリック
プルーフ・オブ・マイ・ライフ
ブロークン・フラワーズ
ヘアスタイル
ベルリン・フィルと子どもたち
亡国のイージス
放送禁止歌
ほえる犬は噛まない
北北西に進路を取れ
ホッテントットエプロン-スケッチ
ホテル・ルワンダ

ま行
MAKOTO
M/OTHER
またの日の千華
マタンゴ
松ヶ根乱射事件
真昼ノ星空
まぶだち
瞼の母
間宮兄弟

三池 終わらない炭鉱の物語
みえない雲
Mr.&Mrs.スミス
ミツバチのささやき
麦の穂をゆらす風
蟲たちの家
宗方姉妹
夫婦善哉
メゾン・ド・ヒミコ
モード家の一夜
モンド

や行
約三十の嘘
やわらかい生活
ヤンヤン 夏の想い出
ユニットバスシンドローム

ゆれる
妖怪大戦争
楊貴妃
四畳半襖の裏張り
夜よ、こんにちは
歓びを歌にのせて

ら行
ライフ・アクアティック
ラブ・アクチュアリー
ラマン
ランド・オブ・プレンティ
リチャード・ニクソン暗殺を企てた男
リンダ リンダ リンダ
レフト・アローン1
檸檬のころ
煉獄エロイカ
ロゼッタ
LOFT

わ行
ワイルド・アニマル
若様やくざ 江戸っ子天狗
WATARIDORI
悪い男

さかえ湯 さかえ湯 渋谷区東1-31-19

高校時分は買い物ツアーと称して、平気で原宿から渋谷を通って代官山まで歩いていた。並木橋の交差点から猿楽橋を渡る。当時は銭湯の魅力を知らず、変なところに風呂があるぞと、その程度にしか思っていなかった。今となっては渋谷から代官山まで歩くこともない。10年以上も前からその存在を認知していた銭湯に、初めて入る。

昼の3時に雪がちらついた。入口の前に老人が3人。僕がきょろきょろしながら靴を脱ごうとしていると「まだよ」と止められた。声をかけた老婦人の斜め向かいに座る。携帯をいじっていたらまた声をかけられた。「開いたわよ」いそいそと後ろに続く。中は狭く、天井も低い。銭湯という雰囲気はおよそなかった。あまりの寒さですぐにでも湯船に浸かりたかったが、マナーとしてそれは法度である。シャワーをひねると湯がぬるく、足を震えさせながら速やかに体を洗った。

2つある湯船も熱くない。一緒に開店を待っていた老人は、湯から頭だけ出して目をつぶっている。そこへもう一人、湯に浮かぶ顔より一回り若い男性が入ってきた。彼は湯船をバシャバシャと体にかけながら「よう、今日は寒いねえ」と、そう言われて浮いていた頭が持ち上がってにゅっと首から下も水面に出し、半身浴の格好で会話が始まった。「何だかぬるくないかい」その声のほうを見ると、目が合った。「ぬるいっすね」とっさだったのでぶっきらぼうになってしまった。ここは弾ませなければ。少し眉間にしわを寄せて「今日は寒いからもっと焚いてほしいですよね」無難な話で膨らませる。

すぐに体が冷えるのか、彼らは小まめに湯に入る。髪を洗っては浴槽へ、体を洗っては浴槽へ、髭を剃っては浴槽へ。「じゃ、お先です」と僕は湯船に浮かんでいる頭に会釈した。