Motor Manの「ドア、ドア、ドアドアが閉まります。まもなく蕨、蕨です」をカラオケの十八番にする友人がいた。疎遠になった彼を思い出させるネタ四つ打ち。東京パノラママンボボーイズのコモエスタ八重樫が監修したこのアルバムには、はせはじむも参加している。ネタと侮れない。
テレビ東京系列で放映されている「スチーム係長」のサウンドトラックらしい。まずシュールであることは間違いないであろうその映像を見ないと。1998年誕生とはカルト・サブカル・アングラとしては意外と息が長い。
クラシック・プーとディズニー・プーという言い方も気に食わないのだが、百歩譲ってそれはいいとする。しかしディズニー・プーのほうがかわいいという意見に対しては、センスを問う。A・A・ミルンによるこの著書が傑作であることに疑いの余地はない。しかし、E・H・シェパードによるイラストの功績も大きいと思う。彼が描いたプーはもちろん、ユニセックスなクリストファー・ロビンにも親しみを感じた。小学生の低学年まで、僕は女子によく間違えられていた。
ブログを始めた当初、僕は友人の名前を実名で出していた。了承を得ないままこれはいけないと反省し、途中でそれをやめる。大人になって、田舎で書店を営んだクリストファー・ロビン。彼は父を恨んでいたらしい。昨年の今頃は訪問者数が30人程度だった。
- A.A.ミルン, E.H.シェパード
- プーのはちみつとり
トレーラーハウスの貧しい生活は、職に就くことの障害になっている。唯一の家族である母親はセックスとアルコールに依存している。そんな母を見ているからか、ロゼッタは自尊心が高かった。施しは受け取らず、生活保護も拒否する。彼女はまっとうな暮らしをしたいだけだった。笑うことは少ない。
リケという友人ができた。彼はおそらくロゼッタに好意を寄せている。食事を誘ってその際の微妙なBGMとそれに対する彼女の対応、その後はこぶしを握ってのぎこちないダンス。ロゼッタの性格を細かく表現した。湖の魚をとろうとして、リケは足を滑らせて溺れた。ロゼッタは助けることを躊躇する。友人や恋人よりも、優先順位として仕事が上だった。彼がいなくなればその後釜として職を手に入れられるとよぎる。結局助けたが、彼が仕事でちょろまかしていることを密告し、職を得る。しかし、そうまでして勝ち取った仕事を、ロゼッタはすぐに辞めた。彼女は抜け出せない。
まず視線を送る姿を映す。ロゼッタが何かを見て、仕草は微妙な変化をきたした。その変化を提示してから視線の先にあるもの、変化の原因となる事象を撮る。カメラはロゼッタに接近して彼女の人となりを、独自のリズムで捉えた。
ジャン・ピエール・ダルデンヌとリュック・ダルデンヌが作るワッフルに当てはめる言葉は、しつこいがそれが端的であるがゆえに繰り返すと、武骨である。ロゼッタに未来を見出すのは僕、または受け手それぞれ次第だ。
適材適所に充てるキャスティング。日本で公開されたダルデンヌ兄弟の4作品全てに、オリヴィエ・グルメは出演している。分厚い眼鏡と屈強な体つき、それは紛うことなく彼だとすぐに分かるのだが、主人公ブリュノを演じたジェレミー・レニエが「イゴールの約束」のイゴールだったと気づかなかった。人生や生活を易しくしか考えることができないが、ブリュノは優しい。前半は執拗なまでに彼の幼児性を描く。
ブリュノとソニアの若いカップルに子供が生まれた。良くも悪くも無邪気という点で二人は共通していたが、ブリュノはさらに責任感がなかった。その場しのぎで生きてきたブリュノにとって、息子の誕生は抱えきれないほど大きすぎるものだった。
乳母車を押しながら、車の往来が激しい道を渡る場面が多い。無機質で暴力的なパワーとスピードの合間を縫う、弱き人間の姿が印象的だった。武骨で媚びることは一切ないが、演出は綿密に計算されている。極限までそぎ落として必要最低限、しかし必要な情報は全て揃えている。
ラストでブリュノは変化を見せる。受け入れた現実と決めた覚悟。懺悔は辛く、そして慟哭から一転、暗幕と無音とエンドロールで、僕はしたり顔で頷く。通ぶって、やはりなと。


