女は女である 映画に“オサレ”は全く求めないのは、流行ほど普遍と遠い存在はなく、クールを装った作品でも下手したら数ヵ月後にはださい代物になっている可能性がなくはないからである。時代によって色あせることなくオサレを保てる稀有メイカー、ジャン・リュック・ゴダールによる本作は実験的思考が強い。

男女ともにタバコの量が半端ではない。ひっきりなしに吸っている。それでも彼、彼女はキスを繰り返し、ヤニにまみれたそれは見ていて口臭が気になる。しかし不滅オサレにとってそんなことは凌駕する。

アンナ・カリーナが24時間以内に子どもが欲しいというストリップ女優アンジェラをコケテッィシュな魅力で好演する。赤や青のストッキングから連想されるのはトリコロールで、純粋かつ奔放なロリータ・エロスがたまらなかった。「勝手にしやがれ」ジャン・ポール・ベルモンドが彼女に思いを寄せるアルフレッドを、「いとこ同志」ジャン・クロード・ブリアリが彼女の恋人エミールを、それぞれ振り回されながオサレ・エスプリが展開される。理解が困難なものは全てエスプリで。ただただオサレで。