素粒子 結婚して子どもももうけたブルーノは嫁では勃起しなくなっていた。クローン技術の研究をしてその道で一目置かれているミヒャエルは女性との交際経験がない。異父兄弟の二人は母親に育児放棄され、互いの存在を思春期になるまで知らなかったが、仲が良かった。

それぞれ違う形ではあるが、奔放に生きた母のトラウマから女性に対するコンプレックスを持つ。教え子の女子生徒に挑発されていると思ったブルーノは彼女を誘う。しかし断られて失意の彼は取り乱し、その足で自ら精神科へ行く。なお性的欲求は抑えきれず、ヒッピーだった母を憎みながら彼もそのキャンプに足を踏み入れ、そこでクリスチアーネと出会った。ミヒャエルの場合は母への憎しみがないが拒絶反応を示した。幼馴染の穴ベルに迫られ、彼も彼女に好意を持っていながら応えることができなかった。兄弟の愛の末路は喜劇的と悲劇的と対極に位置するように感じたが、悲劇のほうもまた取りようによっては幸せである。

「ラン・ローラ・ラン」のモーリッツ・ブライプトロイとフランカ・ポテンテが共演、それ以来の二人を見て彼のほうは当時と変わっていないと思ったが、彼女のほうは認識できないほどだった。こんな顔だったっけか。