
島の神に仕える一族として太家は、しかし近親相姦の血を含み、島の人間から侮蔑された。現在の太の長、山盛は出戻りの娘とでき、根吉とウマが生まれた。根吉は妻との間に亀太郎とトリ子をもうけたが、その妻と死別してからは妹のウマと怪しい。亀太郎とトリ子の関係も島中で噂された。ウマはノロと呼ばれる巫女で、切れ長の目とふくよかな肢体が色欲をかき立てる。演じた松井康子がピンクで名を馳せたというのも頷ける。トリ子は頭が弱く、太い眉毛とエキゾチックな顔で常に男を誘う。沖山秀子は銀幕デビューでその役を射止めた。
今村昌平の作品を多く見ていないが、エロチシズムを前面に出しているように感じる。カラーを存分に利用してその艶やかなこと。海と山の生物もまた官能的に映した。人間結局最初、つがいの男女から生まれた子たちがまたつがいになって、最近までの皇族よろしく近しい人と交わって、タブーも何もあったものではない。