監督に「ヴァイブレータ」の廣木隆一、脚本に「のんきな姉さん」の七里圭、挿入歌にポラリスの「光と影」。組み合わせが興味深く9時過ぎからレイトショーで観賞する。

3人の男に買われた17歳の少女が、毎日のように抱かれながらお互いを知っていく。年をとって醜くなることを拒み、自分自身を葬るつもりで1年間の愛人契約を結ぶ。時の残酷さを知って不安になる10代。「光と影」が流れる、4人で花火を見るシーンで、彼女は男たちの悲しみを発見する。「彼らの悲しみが私の中に流れていく」。自分の体に戯れるだけの無機質のように思えた男たちの内面を初めて感じて、少女は少し成長した。

少女を演じた安藤希は今後を嘱望されているのか、きわどい場面は黒子を使用していた。裸のシーンは後姿が多い。表情を映す時は切り替わって肩から上だけになる。それでも後半、男に命じられて下着を脱いでスカートを捲くる。股に指をあてがい恍惚となる場面は本人が頑張っていた。伸びるかもしれない。

おそらく、原作であるやまだないとの漫画の空想的な世界観が忠実に現わされているのだろう。異質な空間と関係がアンバランスながら保たれる。