高校を卒業した仲の良い女の子二人が、世の風潮に不満を抱きつつ不安定に生きる姿が綴られる。ソーラ・バーチが演じるイーニドと、スカーレット・ヨハンソンが演じるその友人レベッカ。二人の気だるいやりとりは現代のニーズにフィットしている。原作のコミックといい、サブカルチャーの香りが漂う。生活のために就職をしたレベッカと、勤めてもニヒリズムが枷となって続かないイーニド。次第に温度差が表れる二人に焦燥感がにじむ。互いが互いによりどころを求めていながら、多感ゆえに些細な事柄が大きな亀裂になる。他によりどころを探しても、結局は自分の想像と違ったり気持ちが裏切られたり。それはよくあることである。迎合はしなくても何かにすがる気持ちが痛々しい。

Red Hot Chili Peppers「By The Way」のPVで出てくるサイコなタクシー・ドライバーが、本作でコンビニの客そのままのキャラクターという元ネタであることを知る。強烈なインパクトは確かに映画の脇役だけではもったいない。