★★★★★★★★★☆
2019年 87min.
ネタバレ 当然、してます。ごめんなさい。m(_ _)m
敬称略
監督 アレクサンドル・アジャ
製作 アレクサンドル・アジャ、サム・ライミ
脚本 マイケル・ラスムッセン、ショーン・ラスムッセン
音楽 マックス・アルジ、ステフェン・スム
ヘイリー:カヤ・スコデラリオ
デイヴ:バリー・ペッパー
ベス:モーフィッド・クラーク
ウェイン:ロス・アンダーソン
ピート:ホセ・パルマ
マーブ:ジョージ・ソムナー
スタン:アンソン・ブーン
リー:エイミー・メトカルフ
州知事:コリン・マクファーレン
お、サム・ライミやん、てとこで始まります。
まったく内容については把握していなかったので、ホラーなのかなんなのか、「凶暴領域」だしモンスター系かな、でもサム・ライミだし、の、「お、サム・ライミやん」てことではあります。
て、DVDの音声と字幕の設定したら背景にでっかくワニが出てまして、え、ワニ?てなりました。なんかちょっと構えますけれど、クチコミ評価はいいみたいですし、なにせ「お、サム・ライミやん」ですのでね、いろいろ入り混じっての鑑賞、ということです。
↑サム・ライミでパラマウントなら、と期待は膨らみます。
↑水泳部、ですかね。
わたし高校時代は水泳部でしたので、なんか懐かしくなるシーンでしたね。まあ、ワニ、ですし。水は必須ですね。
あ、ちなみにわたしの書いた小説「あふれ湧く愛の泉に輝いて(あふれ湧く愛の泉に輝いて - 小説投稿エブリスタ (estar.jp))」では、水泳部員が主人公ですので、そちらもあわせてお読みいただけると幸いです。
↑大雨のシーンですね。
こういうシーンは今はもうCGでなんとでもなるのですね。なんか「IT(IT)」のときの、晴れてるのに雨降ってる、みたいなシーンも懐かしくなったりはします。
ただですね、ここでちょっと不安にはなりますよね。だつて、ワニの映画でCGですよ。サメのCGが頭をよぎるわけです。大丈夫なのか、て。
↑そしたら早々に家が川につかりました。
フロリダの大型ハリケーンで川が氾濫してワニ。巨大ワニが大暴れとか、そういうことではないのかな、となりますね。なんかこういう動物パニックものって、なんでかわからないけど必要以上にデカくなってたりするじゃないですか。でもそういうんじゃなくって、ほんとにフロリダの普通のワニが(普通っていってもデカいですけど、ワニは)襲ってくる、ていうのだったら、サム・ライミなのにホラーじゃないんかいな、となるわけです。
ということで、こうやって最初のうちはまったくなにがどうなるのかはわかりませんね。全体80分ほどで15分くらいはなにがなにやら、という感じなんですよ。でもこれさすがのサム・ライミといいましょうか、ムダなシーンがまったくといっていいほどないので、全然苦にならないわけです。もうとりあえず、嵐になって、実家が心配だからって娘が一人で住むお父さんの様子を見に行って、でもそこにお父さんはいない、ってだけで観ているこっちの不安はつのるわけです。なにもまだ起こってないんですよ。でもなんか入り込めてしまう、と。こういうところが、いい作品と駄作の違いなんですよね。根本的に違うんです。エロいシーンなんかまったくいらないわけですよ。
↑そしたら突然木が窓から突っ込んできました。
まあ、こういうシーンはわたし的にはいただけないですけどね。ビックリするじゃないですか。まあ、サム・ライミはよくやりますけど、これだけはわたし、どうしても慣れませんね。
↑洪水でドロドロになった地下室で、手とはだしの足で四つん這いになってます。
このシーンは「うへぇ~」ではあります。このあと、このドロドロになった手で顔についたクモの巣とかはらうんですよ。おおざっぱというか、そういうところを意に介さないアメリカ人らしいといえばらしいですけど、わたしはやっぱり「うへぇ~」となります。
↑そしたらやっぱりというかなんというか、ワニ、出てきました。
いいじゃないですか、これ。サメの不安はどこへやら、ですよ。最近のCGの技術はすげえんだなあ、と、改めて思いましたが、サメはどうなんでしょうかね。
↑ワニ、入ってこられません。
さすがの地下室、いろいろ障害物でワニが入ってこられない場所に逃げ込んで、さあどうやって逃げようか、ってことなんですね。ちゃんとケータイも出てきますよ(前回更新の「ヒルズ・ラン・レッド -殺人の記憶-」つながりです)。落としちゃいましたけど。そもそもこのシチュエーションでは、ケータイがあったところで何の役にも立たなそうですけど。
いえね、話は単純なんですよ。「ジョーズ」の小ぶり版、みたいな。でもね、なんか怖いんです。ワニって実在ですしね。いやまあ、サメも実在ですけど、ただサメなら海に行かなきゃいいじゃないですか。でもフロリダのワニって普通にいますからね。こうやって大雨で川が氾濫して、エヴァ―グレイズからワニが上陸してくるなんて、十分に考えられることなんですよ、たぶん。モンスターとも違いますし、やっぱすごいねこれ、となります。
↑泥まみれで横たわるお父さん、デイヴ(バリー・ペッパー)です。
これ、撮影中にカットがかかっていったんカメラ止めて次のカット、てなってもどろどろのままでいなきゃなんないんですよね。役者もタイヘンだわ、と、そんなことまで思わせてくれるシーンです。
↑そしたらなんとワニ、二頭でてきましたよ。
こりゃ怖いです。そもそもたしかに一頭だけってのはおかしいわけですけどね。で、必死で逃げるんですけど、もうそのシーンはほんと力入りましたね。
ちなみにワニって、上あごを人差し指で押さえるだけで口開けられなくなりますから、とりあえず上あご押さえたったらいいんですけどね、でもこうして二頭出てくるとそれもできなくなりますよ。そういう細かいところも気配りされてていいですよね。まあ、単にワニいっぱい出したかっただけかもしれないですけどね。それはそれでもいいですよ。結果的にこれならまったく問題ないわけです。
↑娘の足に穴が開いてます。
噛まれちゃいましたね。もうこれで水泳部の娘は、水泳できなくなっちゃいました。まあ、ワニに噛まれたからってワニにはなりませんけど。
↑こちらが娘のヘイリー(カヤ・スコデラリオ)です。熱演です。
↑お父さんも当然水につかってますね。
えとこれ、水につかってる二人とも大けがしてましてね、おそらく間違いなく感染症にかかりますね。こういうのってゼッタイに後日譚としても語られないですけど、だからいつもわたしは、せっかく助かっても病気で死んじゃうよね、とは思うわけです。ザンネンではあります。
ただですね、当初はこれパニック映画なんやな、と思ってましたけど、ここまでくるとしっかりホラー映画になってます。そこがやっぱりすごいですよね。完全にモンスターパニック映画だった「アリゲーター」とか「アナコンダ」とはやっぱり一線を画しているというか、次元が違うところを見せつけてくれているわけです。観ていてうれしくなってしまいました。
↑こういう火事場泥棒が出てくるとまたワクワクしますよ。
↑「ジョーズ」的なワニ目線映像です。
こういうのがが恐怖というか、このシーンの場合はワクワク感をあおるわけです。
↑でもって期待通り泥棒どもが襲われて、
↑こうなりますよ。拍手喝采です。
まさに「ジョーズ」ですね。まあ襲われたのはアホな若者ですからね、ロバート・ショーとは格が違いますが、要するにだからやっぱり「ホラー」なんですね。なるほど、です。
ただ、ちょっとここでザンネンに思ったのは、ワニが水中で襲ってるのにデスロールがないところではありました。まあただそれも、ワニの全部が全部デスロールをするってもんでもないでしょうし、ひょっとしたらフロリダのワニはそういう習慣がないのかもしれませんしね。でもやっぱりそこはほしいところではありました。
↑そしたらワニ、いっぱい出てきましたよ。
警察もあえなく撃沈となりました。
↑水が血に染まるという……。ホラーですね。
↑娘は逃げる際、見事なドルフィンキックでありました。
さすが水泳部でありますよ。まあ、実は水泳部員というのはちょっと都合がいい気もしますけどね。でもそれもないとも言えませんし、突っ込むところではないのでしょう。ただお父さんが、お前はワニより速いんだ、って言ってましたけど、それはどうなんですかね。足、穴開いてますし。ま、いいですけど。
↑そうこうしてますと、いよいよ直接対決ですよ。
お父さん、ワニと闘ってるシーンです。
↑その間に娘は、お父さんの指示により地下室の階段を上ろうとします。
この静と動の描写がまたいいわけです。キンチョー感マックスですね。
↑そしたらこれ、ワニの巣が出てきましたよ。
ワニ、ずっとここにおったってことじゃないですか。しかも卵まであるし。こりゃマズイですね。
↑で、とうとう娘も腕を噛まれました。
でもこれ、噛まれたのは銃を持ってるほうの手でしたから、噛まれながらも銃を撃ってますよ。これは斬新です。おもろいですね。
↑その後、あえてワニの通り道であろう鉄管に入っていきますよ。
ここがゆいいつの外界との連絡道なわけです。まったく息をつかせてくれません。
↑ようやくなんとか外へ出ました。
わたし、なんかもうここまで息をするのも忘れてましたね。
↑お父さんに人工呼吸です。
水に頭まで使って意識不明という。もうそれまでの話が秀逸ですからね、ここなんか泣けてしまいますよ。
↑お父さんも助かって、さあこっからです。
どうやって逃げるのか、と。
残り20分、まだまだ息はつかせてもらえませんけど、だからワクワク感も最高潮となってきます。
そしたら……。
↑急に静かになりました。
ハリケーンの目に入った、と。不気味ですよ、ここ。さすがサム・ライミ、という感じです。たまりません。
↑で、こんなことになりますね。
ワニが二人のあいだを泳いでいきます。わたしもうあまりのキンチョー感で、笑ってしまいましたよ。
その後なんとかボートまでたどり着くのですけれども、けっきょくそれも堤防が決壊して無になってしまいます。まだ試練があんのか、と。手を変え品を変え、て感じで、観ててワクワク感しかないですね。
↑役者たちもすごい演技でしたよ。
体張ってる、て感じで。役者さんたちの頑張りを見るだけでも価値はあると思いますよ。
↑そしたらお父さん、とうとうこんなことになってしまいました。
もうこうなったら、生きててさえくれたら、と願わずにはいられなくなりますね。
ちょっとここではたと思ったのは、なんでワニどもはこんなに人間を襲うんや、てことだったんですけどね、よく考えたらなるほど、産まれてくる子供用のエサということか、と思い当たりました。それではもうどうしようもなりませんね。
↑そしたらちゃんとデスロール、です。
やっぱりわかっててくれたわけですよ、サム・ライミ。うれしいじゃないですか。すばらしいじゃないですか。
↑ということでラストシーンです。わたし、ホッとして泣いてしまいました。
が、です。
けっきょくこれ、お父さんは左足が使いもんにならなくなってて、右腕も失ってますよね。娘にしたって、手は噛まれるわ、足に穴は開くわでこの先水泳を続けられるかどうかもわからない状況だと。そもそも、先にも書きましたけれど、ふたりは間違いなく感染症になりますよ。それで命を落としちゃうかもしれません。要するにこれ、全然ハッピーエンドじゃないわけです。でもエンターテインメントとしたらこれ、めちゃくちゃ面白い映画でした。
ということで、ハッピーエンドでない、ってことで★ひとつ減らしましたが、十分楽しめるいいホラー映画でした。疲れましたけどね。
なお、原題の “CROWL” は、水泳のクロールと、あとは「手足で這って歩く」って意味がありまして、まさにこれ、って感じです。邦題の「凶暴領域」は要らなかったと思いますけどね。
今日の一言
「フロリダになんか住むもんじゃねえな」
レビューさくいん
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