★★★★★★★☆☆☆
2018年 128min.
ネタバレ しまくってます。m(_ _)m
敬称略
さあいよいよ、現在公開作鑑賞にむけて、復習編の最後となりますね、シリーズ第5作ですよ。
監督はJ・A・パヨナ。当時43歳の、こちらも前作の監督コリン・トレヴォロウ同様若き精鋭ですね。「怪物はささやく」で一躍有名になった人だそうです。さて、どんな演出を魅せてくれるのか、こうご期待、てとこでしょうかね。ちなみにスピルバーグは前作同様、製作総指揮、音楽もマイケル・ジアッチーノが続投です。
で、本作は今までと違って冒頭のシーンは海の中から始まりますね。まあたしかに恐竜は、陸だけでなく空だけでなく、やはり海にもいたわけだからな、なんて思ってたら、そういうことではなかったみたいですけどね。まあいずれにしても、これまでとは違う始まりを見せた、というところでは斬新ではありましたね。
あ、とはいえちゃんと魚竜も出てきますよ、モササウルス。本シリーズ最大の肉食恐竜とされてますね。実際は恐竜ではないそうですけど。ただ、そんなどでかい怪物が、あんなちっちゃい人間を食べてなんかの足しになるのかどうかは、はなはだギモンののこるところではあります。
↑人間で言ったら、豆一粒程度だと思いますが...。
その後、なんか公開議論みたいなことが始まりますが、すっかり老けてしまったジェフ・ゴールドブラムがやはり熱く語っておられます。それによると、なるほど、生き残った恐竜を生かしておくのかどうすべきかを、生かしておく派と絶滅させる派にわかれて喧々諤々しているようです。話の流れとしては当然のことだと思いますよ。なるほど、ではありました。
↑ジェフ・ゴールドブラムも66歳だそうで、ちょっとビックリです。
ここで新顔、ジェイムズ・クロムウェルが出てきますが、なんかリチャード・アッテンボローのハモンド氏と共同で、ジュラシック・パークを造ったインジェン社の出資者だったとか、後付けの話でした。まあ、つじつまを合わせるためのよくある話ですから、そこは突っ込まなくていいところですかね。
↑ジェイムズ・クロムウェル。昔から老け顔でしたから、あんまり違和感はなかったです。
そうこうしてると、運の悪いことに、恐竜たちのいる島の火山が噴火し、残っていた楽園壊滅の危機、恐竜たち絶滅の危機、ということになるわけですね。こちらもムリはない話だと思いますよ。いい流れです。で、恐竜たちを救おうと、いやいや絶滅させるのも自然の流れじゃないかと、意見が二分されて、タイヘンなことになる、ということなのですね。とはいえけっきょく恐竜たちを救うべく、われらが闘うおばちゃんブライス・ダラス・ハワードが立ち上がり、最初は絶滅させるべきだ、なんて言っていたクリス・プラットもすぐに思いなおして、他の有志たちと恐竜救出に向かうことになるのでした。まあ映画ですからね、そうしないとなにも始まりませんから、それはお約束なのです。もちろん前作で手なずけたヴェロキラプトルのブルーも生きているという。そうでなくっちゃ、なのです。
↑生きていたブルー。あの状況でよく生きていたなと思いはしますが。
お約束と言えば、前作でいい仲になったはずの二人が、時がたって別れていた、なんてありふれた話もありますが、本作ではすぐにヨリを戻しますよ。どれほど別々にいたのかはわかりませんけれど、すぐに元に戻るのもお約束っちゃお約束ですかね。まあ、いいです。大勢に影響はないです。
ていうか、なにしろこの主人公たちが、前作同様とことんいい人に描かれてるんですよ。なんか気が強そうなのかな、なんて見た目のブライス・ダラス・ハワードも、男前に過ぎるクリス・プラットも、ほんとにいい人なんですよ。ケンカなんてゼッタイしないですもん。もうこれだけでいい映画、っていうか、前作と同じですから、観ていて安心感に包まれる、というわけで、どんどんのめり込んでいきます。
↑ブライス・ダラス・ハワード。よく見ると、目が優しいですね。
↑見れば見るほど男前です。
本作で新顔は、さらにダニエラ・ピネダがいます。メガネの似合うキュートな女子ですが、コメディアンだそうでビックラでした。
↑ダニエラ・ピネダ。わたしが大学時代に好きだった子にそうとう似てます。心奪われました。
CGの進化もすごいですねえ。前作ではまだまだアニメ感が残っていた恐竜たちのシーンも、もうほとんど違和感ないです。科学の進化は日進月歩と言いますが、それをまさに体現している、素晴らしいお手本だと思いますね。
↑もうブラキオサウルス、そこにいますよ。
なんて言ってる場合ではないです。前作は、全編2時間のうち、前半のまるっと1時間はけっこうダレるシーンが多かったですが、本作はその教訓を活かしたのかどうなのか、ほとんどノンストップで恐竜たちとの大小さまざまなバトルが繰り広げられていくのです。油断しているヒマはありませんよ。
↑さっそく当たり前のようにブルーと再会しますが、キンチョーしますね。
それで案の定、探検隊が実はろくでもないやつらだと早々に判明するわけです。要するにですね、こいつら恐竜を救出するとかなんとか言っといて、実は恐竜たちを連れて帰り本国でオークションにかけて売り飛ばし、しこたま儲けよう、とまあそういうあくどい言うか、アホな奴らだったというわけです。もうそんなんなら、早よ喰われてくれと願わずにはいられません。
↑雇われ傭兵のウィートリー役、テッド・レヴィン。わたし、生まれて初めて自分ののお金で買った車がトヨタのレヴィン(GT-APEX)でしたので、なんかイヤな気持ちになってしまいました。まあ、俳優さんの本名はなんの関係もないのですけれどもね。
↑元凶はこの人、レイフ・スポール。ジェイムズ・クロムウェルの財団の、実質的な運営者です。いい人そうだったんですけどね。
でもそんな中でも、ちょっとずつコメディ要素も入ってましてね、緊迫感の中にほど良い休息感があって、とっても観やすくなってます。キンチョーばっかりだと疲れてしまいますが、だからそんなことは決してなくって、あっという間に時間が過ぎ去っていくのです。ホラー映画ではないのですからね。
↑こういうお決まりのシーンもありますね。この構図はよほど好きなようですよ。
↑これは圧巻でしたね。
↑観ているこっちも焦ります。
最終的に島は壊滅しますが、けっきょくもちろん全部の恐竜を助けられるわけではなく、持ち帰ることができるわけでもなく、取り残されたブラキオサウルスのシーンでは、わたしちょっと泣いてしまいました。
↑寂しげに、悲しげに立ち尽くす...。なんかもう切なくって、胸がキュンキュンします。ラスカルの最終回のようですね。
↑ゴジラのラストシーンにも似てました。
ただですね、だからって細かいところをおろそかにしてもいいというわけでは、決してないですね。あれだけ激しく火山が噴火しているのに、逃げている人には火山弾がほとんど当たらないってのはどうかとは思うんです。もうちょっと、あの火山噴火から逃げられた理由付けがしっかりしていればよかったのに、とは思いました。些細な事ではないと思いますよ。映画だから、と流せる範囲からはちょっと外れてるかな、とは思ったわけです。
さて、そして本国に戻ると、なんと場所をジェイムズ・クロムウェル扮するところのロックウッド氏の財団、ロックウッド邸に移し、恐竜たちの競売のシーンとなりますよ。ちょっとこれまでとは違う展開ですね。
で、そこで登場したのが、トビー・ジョーンズ。拙ブログで紹介した「ミスト(ミスト | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」でスーパーマーケットの店員役やった射撃の名手の方ですね。今回は悪いヤツの役ですけど、なんかほんとに悪いヤツっぽくって、ビックリしましたよ。
↑いい人要素はまったくないです。
ちなみにお屋敷には、ジェイムズ・クロムウェルの孫娘役でイザベラ・サーモンちゃん、その世話役としてジェラルディン・チャップリンがいました。
↑イザベラ・サーモン。激カワです。 鮭ではないですね。
↑ジェラルディン・チャップリン。名前で分かるように、チャーリー・チャップリンの長女の方です。
そしたらここで、トビー・ジョーンズが衝撃の事実を明かします。なんと、懲りずにまたまたハイブリッドのそのまたさらにハイブリッド恐竜を創り出した、と。なんにも学んでへんやないかとあきれるやら疲れるやらですわ。ブルーとクリス・プラットの絆が明らかになってほっこりしようとした矢先ですよ。どうのしようもなりませんね、これじゃ。
もう要するにですね、悪いヤツらはとことんクサっとるんですよ。これはシリーズ通じても初めての展開で、いろいろお初をしてやろうという意欲は認められますけれど、でもそうなってくると、なあんだやっぱりアメリカ映画の定番じゃん、てな事にもなってしまいますね。はじめはものすごく面白い話だったのに、なんか人気が出てくるとけっきょくバトルものの話に展開していく、という週刊少年ジャンプのようです。そして本作は、とうとう恐竜を戦略兵器にしてしまおうという、そういう話になってしまいました。今のご時世ということもありますけれども、そうでなくてもやっぱりそんな話とは絡めてほしくなかったなあ、というのが本音ではあります。
そんな折に、初めてジョン・ウィリアムズのシリーズのテーマ曲がちょっとだけ申し訳程度に流れるんですけれども、そんなのもなんの足しにもなりません。
そして最後の最強恐竜は、ロシア人が落札するという...。あまりにタイムリーで、わたししばしぼう然とすることとなってしまいました。恐竜をプロトタイプ(試作品)と言ってしまうのは、オークション出場者のいやらしさを際立たせるにはもってこいで、ますますこちらもイヤな気持ちになりますし。
↑最終兵器、だそうです。生き物ですよね。
でもですね、そんな中で、ほっとするのは、出演者たちの素晴らしい演技ではありましたよ。とくに、この最終兵器と言われるインドミナス・ラプトルを見つめるクリス・プラット。神への冒涜、そしてそれとは別に生きものに対する愛情、そうした様々なすべての感情の見える顔は、最高に良かったと思います。
↑素晴らしい演技です。
↑このシーンは怖かったですしね。麻酔を打ったはずなんですけど、いやいやひょっとしてかかったフリしてるだけなんちゃう、みたいな。そういう疑心暗鬼にさせる演出は、冒頭からの伏線が効いていて、やられた感満載になりました。いい演出です。
↑そしてようやく殺られてくれましたね。ここはほんと、溜飲が下がったものです。
なんかだから、本作も前作同様、前半と後半でガラッとかわってる感じなのですよ。前半では、今までの流れを汲んだれっきとした恐竜映画だったのに、後半になってイヤな人間の汚いお話、みたいになっちゃっいまして。そうなるとやっぱり、後味悪い方が観ていてイヤになるわけですよ。
イザベラ・サーモンが実はクローンだなんて衝撃な事実も明らかになり、やさしいと思っていたジェイムズ・クロムウェルでさえロクでもないヤツだったてことになっちゃいますし、以上を踏まえての☆7つとさせていただきました。一番良いと思ってるのが第1作目で☆10をつけまして、その次が第3作の☆9つ、前作が三番目で☆8つでしたので、前作よりは落ちるのかな的な本作を☆7つとした、というわけです。漫才グランプリのM-1の審査方式と似ていますね。
ただ、最後の最後はやっぱりちゃんとはしてくれましたね。イザベラ・サーモンちゃんがインドミナス・ラプトルに襲われるところは1作目をほうふつとさせましたし、
↑これは怖いですよ。いやこええって、と思わず言っちゃいましたよ。
なにしろイザベラちゃんの決断には、やっぱり泣かされましたから。
ブルーは意思をしっかり持っていて、クリス・プラットとは離れることを決断(したように見えます)、森の中に入る前に振り向くところは、とりはだもんではありました。
↑思い出深いラストシーンです。
はてさて、新作はいったいどういう話になりますやら。ちょっと聞いたところだと、おもしろかったとも、そうでもなかったともの賛否両論。しっかり観てみて、自分なりに決着つけたいと思った観了でありました。(ちなみに、これを書いた後に観に行きました。賛否両論、わかる気はします。またDVD化されたらアップします。m(_ _)m)
今日の一言
「やっぱり最後はT-Rex!」