☆☆☆☆☆☆☆☆☆

2018年 90min.

ネタバレ してると思います。

敬称略

若干エロ表現あり

 

 

監 督 ジョン・クラシンスキー

製作総指揮 ジョン・クラシンスキー

製 作 マイケル・ベイ

脚 本 ジョン・クラシンスキー

音 楽 マルコ・ベルトラーミ

 

出演

 リー・アボット:ジョン・クラシンスキー

 イヴリン・アボット:エミリー・ブラント

 リーガン・アボット:ミリセント・シモンズ

 マーカス・アボット:ノア・ジュープ

 ボー・アボット:ケイド・ウッドワード

 老人:レオン・ラッサム

 

 えー、ということで、ジョン・クラシンスキーのやりたい放題の映画、ということなのでしょうかね。わたし、キャストもスタッフも、みなさんよく知らないです。ジョン・クラシンスキーはもともと俳優さんで、妻役のエミリー・ブラントとは実際も夫婦で、結婚直後の映画だそうです。離婚しなきゃいいけどなあ、などと余計なことを思いながら、一抹の不安を持ったまま観始めることとなりました。びっくり

 

 まず冒頭の音楽なのですけれども、わたしこれ、え、「死霊館(死霊館 | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」?と思ってしまいました。ただ確認しましたけれど、マルコ・ベルトラーミですからね、違いますよ。でも前回紹介の「オーメン(2006)(オーメン(2006) | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」で聴いたのとは明らかに違う雰囲気で、そこらへんはさすがなのですけれども、とはいえ「死霊館」のジョゼフ・ビシャラに似ていても、それはそれでどうかな、という感じではあります。

 

 で、いきなりの「89日目」です。画面に「89日目」と出てきまして、はて?となります。

 

 まあ要するにですね、これは事前にあらすじを見たのですが、静かにしてないと何か怪物に殺される、って内容なんですね。簡単ですけど。一家の長女のリーガンちゃんは補聴器みたいのしてましたけれど、とりあえずそれはそれとしてなんかこまごまと、けっこう音がしたりしてます。どこまでいいのでしょうかね。そもそもなんでこの家族だけ助かってんでしょうか。そういう説明はまあのちほどなんだろうな、とちょっぴり判然としないままのオープニングではありますね。

 

 それにしてもまあ、静かー、ですね。当たり前ですけどね、でも音楽もないし、わたしこの映画ヘッドフォンで聴いてて、自分の耳鳴りの音しか聴こえないですよ。爆  笑

 

↑ジョン・クラシンスキー。やりたい放題の人、ですね。

 

 なんて言ってましたら、家族の末っ子があっけなく殺られました。

 

↑あ……。

 

 そしたらそっからさらに383日経って、472日後になりました。末っ子が死んで1年以上が経っている、ということですね。その間はどうやって生き延びたんでしょうね。そういうとこもなにかしら必要なんじゃないでしょうかね。いきなり1年以上ですよ。これそうとうな端折りだと思うんですけど、違いますかね。ショボーン

 

↑こんなしてリーガンちゃん寝てますけどね、いびきとかは大丈夫なのでしょうか。こんな簡単に当たり前のように寝てる場合じゃないような気がするのですけれどもね。ウチなんかたぶんのほほんと寝てたらまずわたしとヨメは助からんですね。ガーン

 

 ところで15分近く経ちますが、だーれもなんもしゃべらないので、事前に下調べとかしとかないと誰が誰かさっぱりわかりませんね。なんかめんどくさいです。

 

↑ということで、こちらが奥さんのエミリー・ブラントです。映画でも実生活でも奥さんですから、「奥さんの」でいいですね。どっかで見たような気もしますけど、やっぱり知らない人でした。m(_ _)m

 

↑リーガンちゃんのミリセント・シモンズ。最初っからずっとなんかお父さんに怒ってます。なぜかよくわかりませんけどね。反抗期なのでしょうか。いちいちお父さんに反発してます。ちなみにミリセント・シモンズ、実際にろうあ者だそうです。がんばってますね。ニコニコ

 

 ていうかですね、お母さんこの時点で妊娠してます。いやいや、ちょっと待たんかい、ですよね。ことが起こって472日なんですよね。オープニングで末っ子を亡くしてから1年以上経過してるわけですよ。なんでこんな状態でそんな子供作るんや、てなりません?ゼッタイにおかしいですよ。そんなんしてる場合じゃないし、そもそも赤ちゃんて泣くのが仕事じゃないですか。産むときだって産んでからだって、音がしないようにするなんて不可能でしょうよ。そんなこともわからんのか、ですよ。もし仮に、これが最大のピンチとなってそれをどう乗り切るかが映画の主題だ、なんていうなら、そんな駄作わたし、観たことありません。だいたいそんな不用心なやつ、小作りに励んでるところで声出して殺られますって。ちゃんと避妊しろよ、という以前の問題のような気がしますね。プンプン

 

 なんかですね、もうこっからずっとギモンだらけになってきました。われわれ観客を怖がらせようとしてなのでしょう、家族が住む家の屋根になんかが飛び乗ったようなドンドンドンなんて音をさせて、じつはアライグマでしたー、なんてシーンもあるのですけれども、これにしたって、その音には怪物、反応せんのか、ということがギモンですしね。なんて思ってたら、そのあと普通に歩いてたアライグマ、あえなく怪物につぶされてました。そうか、やっぱり動物のそういう音にも反応するんだな、じゃないんですよ。ならどうしてここまでこのアライグマ、生きとったんですかね。おかしくないですか?野生動物ですよ。音、立てないわけないじゃないですか。人間の前にまず動物が絶滅してるはずではないんですかね。もうなんか、一気にわたし冷めましたね。ええ……、って。ガーンガーンガーン

 

↑よう生きとったなあ、ですよ。

 

 そうなってくると猜疑心もわいてきます。音がないですからね、こりゃ間違いなくビックリさせるあのクズ演出満載やぞ、てなりました。

 

 でもね、構成としてはまあまあなところもあるんですよ。例えば、30分近くで夫婦が踊るシーンがあるのですけれどもね。これ、二人でウォークマンで音楽聞きながら踊るのですが、それまでずーっと音がなかっただけに、音楽に合わせてって普通のシーンがとっても新鮮には映りましたよ。こういうとこはメリハリが効いているので、めんどくさくはないです。上手いとさえ思いました。でもやっぱり、それをおもっきし凌駕するほど内容がチープなので、この映画の評価をすっかり落としているということなのですね。

 

↑せっかくのシーンも台無しなわけです。

 

 娘が怒っている意味もなかなかわかりませんでしたよ。気持ちも荒廃している、ということなのでしょうかね。でもわたし、「死霊館」を観たから言うわけでもないですがね、やっぱりこういう時こそ「愛」なんじゃないのか、って思いますよ。どうせけっきょく最後はわかりあって家族愛のもとに、ってなるんだったらこんな娘が怒るなんてストーリー、わたしは要りませんし、もしこのまま怒ったまま死んでしまうなら、もうそれは映画としてダメ作品ということでしょうしね。

 

↑長男のマーカス。この子もお父さんキライなんかなあ、となんかちょっと悲しくさえなってしまいましたよ。ショボーン

 

 まだまだあります。やっぱり俳優さんが監督、脚本やってるから、細かいところまで行き届いてないんですかね。地下室に下りる階段にクギが出てて、けっきょくのちほどそれがもとでお母さん大変なことになるんですけどね、

 

↑いやこれ、こんな出方あります?て話ですよ。誰がどうするとこんなところにこんな具合でクギが出るんでしょうか。誰かがわざとやったとしか思えない出方ですよね。いやいやそもそもこの階段、日常的に使ってる階段なんじゃないんでしょうか。もうムリです。

 

 40分経って、ようやく娘の気持ちが判明しました。なんかですね、冒頭で死んでしまった弟に対して責任を感じているということらしいんですよ。う~ん、そっかあ、とはなります。わたしだって、あのとき自分がもっとちゃんとしていれば、って思うかもしれません。でもね、それ、誰のせいでもないですよ。なんなら、弟自身のせいです。お父さんもお母さんも、もちろん娘ちゃんの責任なんて、まったくないですよ。なんか悲しくなってしまって、ホラーじゃねえじゃん、とはなりました。まあでもそこはナットクの部分ではあります。

 

 さて、そうこうしていると、森を歩く一家の前に突然、なんかヒゲもじゃの老人が出てきました。奥さんが死んでて、突然大声を張り上げます。おそらく老人は、愛する妻も死んで自分一人になって、もうダメだってなって自殺めいたことをしたのでしょうが、たしかに気持ちはよくわかるんですけれども、それよりも、いきなり、ほんとに突然に現れたその老人にこっちはパニックです。いやいやあんたこれまでいったいどこにおったんや、って。話の前後を考えると、ここらへんはちょくちょくお父さんが歩いてた道のようですよ。そんなとこに、どうやって潜んでたのか。いや、潜んでたのかもしれないですけど、お父さん家族の存在には気づかなかったのでしょうか。気持ちはわかるんですけど、なんか甘いんですよ、ツメが。

 

↑叫んでます。もちろん殺られました。

 

 そんなときに、奥さんは奥さんで破水します。ほれみろ、て感じですよ。あーあ、って。それでもって、あわてて地下室へ降りようとして、案の定、クギ踏み抜きました。笑ってしまいますね。言わんこっちゃない、です。

 

↑盛大に踏み抜きます。自業自得なのです。

 

 いやもうほんとにですね、なんでこんなにいろいろ慎重にやってきてたのに、子供作ったんや、ですよ。一時の快楽のためなんですかね。その気持ちはわかりますよ。ええええ、わかりますとも、わたしも男ですからね。でも、なら、ちゃんと避妊しろよ、ですよ。ゴムがないじゃないか、ですか?なら外で出しなさいよ。パイズリでも口内発射でも顔射でもいいじゃないですか。それくらい、命かかってんだからできるだろうが、ってわたしなんかもうハラたってきました。同情の余地はないですよね。ムキームキームキー

 

 で、いよいよ怪物のお出ましです。

 

↑怪物の鼓膜のようですね。普通にキモいです。

 

 そこで奥さん、一計を案じたのか、アラームを鳴らしてそちらに気をむけさせている間に脱出しようとします。まあそれは確かに見事な技ですが、それを今できるなら、この1年でもっといろいろ考えられなかったのか、とも思いますね。なにせ事が始まって1年以上が経過しているという時間の流れが、今まで何しとったんや、的な突っ込みに、全部つながってしまうのですよ。

 

↑そう!そうなんですよ。花火だっていいじゃないですか!って一瞬思いましたけど、よく考えたら、花火師でもないのにこんなことができるのか、って疑問がまた湧いてきました。なにしてもギモンばかりが蓄積されてしまうのです。

 

 だいたいですね、陣痛の痛みって一瞬じゃないですよね。長い人だったら何時間も、時には日をまたぐことだってあるじゃないですか。そもそも無事に子供産んだとしても、赤ちゃんは間違いなく泣きますよね。この夫婦、実生活で子供はいないのでしょうか。いないから様々わからないのでしょうか。いやいや、いないにしたってそんなん常識ですよね。たまたま陣痛もなく、一瞬で子供産まれたってことなんですか?そらアカンでしょう、てことですよ。

 

↑なんて思ってたら、しれっと子供産んでました。花火が上がっている一瞬の間にお母さん大声上げて、産声も上げて、産まれてきたようです。もうめちゃくちゃですね。しかもこれ、赤ちゃんすでにうんともすんとも言ってませんよ。死産ではないようですが……。

 

 なんて、夫婦で喜んでいるその時に、息子は逃げてます。

 

↑追われて逃げますが、こういう場合、どんなでも下手に逃げない方がいいのに、って思いますよね。怖いから逃げるのでしょうが、だからなんかもうもどかしいです。

 

 そしたらやっぱり赤ちゃん、泣きだしました。遅いですけどね、まあ泣くならそれは自然です。

 

↑ここで泣いてます。さあどうするのでしょうか。

 

 そしたらなんとお父さん、赤ちゃんをなんかゆりかごのような箱に入れて、蓋を閉めるという暴挙に出ました。

 

↑このあと蓋を閉めるわけですが、もうこれでは幼児虐待ですね。

 

 はあ、と嘆息してますと、今度は娘ちゃんが襲われますが、なんかお父さんが作った耳に当てる補聴器みたいなやつで怪物は逃げていきました。なんなんでしょうね。もう別にどうでもいいですが、そういう説明はなんもないです。

 

 なかなか子供たちと両親が会えないのですが、別々になってしまったのには理由があるので、それはそれでいいですけれども、子供たちが、お父さんが捜しに来るからと言ってトウモロコシ畑にあるサイロの屋上でお父さんを待つんですね。でもね、自分たちで家に帰ればいいのじゃないですかね。音立てなきゃいいわけですよね。そんなん1年もやってきたことじゃないですか。ほらほらだから、そんなことしてるから落ちるんだよ、的に、サイロの中に落ちる羽目となりましたね。

 

↑ぼやぼやしてる場合ではないのです。家族が一つにならんでどうするんですか、ですよ。

 

 家のほうでは今度はお母さんがタイヘンなことになります。お父さんは子供たちを捜しに行きましたから、今は家にはお母さんと乳飲み子だけです。そんなお母さん、地下室に潜んでますが、なんと同じ部屋に怪物がいるではないですか!

 

↑さっきこの部屋で夫婦で話してなかったでしたっけ。なんでその時は襲ってこなかったのでしょうか。

 

↑そんでこうなります。もうこれ、オワです。

 

 でもオワにはなりません。なぜか赤ちゃんはちらっとも泣きません。母乳をあげてるふうもないのに、空腹ですらないのでしょうか。もうむちゃくちゃですね。わたしの常識をはるかに超えてますよ。

 

↑あ、そうそう、子供たち、サイロに落ちました。なんとか音をたてないようにと、わたしが見るかぎりがんばっていたようですが、そんな音には怪物は反応するのですね。赤ちゃんの泣き声には反応しないくせに、です。赤ちゃんのちょっとした鳴き声のほうがはるかに刺激が強いと思うんですけどね。

 

 その後、なんだかんだでお父さんと二人の子たちは再会します。でももうこれ、なんだかんだです。どうでもよくなってきました。

 

↑ホッとはしましたけどね。

 

 そしたらお父さん、はじき飛ばされましたよ。ホッとはできないのですね。ていうかわたし、もうすでにここで笑ってましたよ。

 

↑音はたててませんでしたけどね、観たところ。

 

↑お父さんを助けようと、自分に気を引かせるために声を張り上げる長男のマーカスくん。見上げた根性ではありますが……、

 

↑まあ思った通りこうなりましたね。

 

 で、今度は逆にお父さんが、子たちを助けようとして声を上げます。でもこれは、お父さんの自己犠牲の大声でしたね。さすがお父さん、最後は自分の身を投げ捨ててまで子供を助ける。いい話じゃないか。とはならないですよ。そもそもお父さん、死ななくても逃げればいいんです。大声上げて、怪物の気を引いたら、あとは口をつぐんで身を潜めるんですよ。そうやってこの1年乗り切ってきたのじゃないのですか?なんでわざわざここで自殺めいたように死ななくちゃならなんのです?これではもう何も救われませんよ。カッコいいとこ見せたかったのですかね、ジョン・クラシンスキー。まあ初監督作品ですからね。でもこうも最初っから最後までわけわからん続きだと、評価も何もあったもんじゃないです。ほれみろ、役者が無謀なことするからだわ、って他の監督さんたちからは笑われてんじゃないでしょうかね。わたしはそんなヒドイことは思いませんけれど、そう思われてんじゃないかってかわいそうになってしまいました。

 

↑かっちょよさげですけどね。

 

 ちなみにその間ですけど、赤ちゃんはいっさい鳴き声を上げませんでした。

 

 最初に子どもが殺されて、そのあとはずっとギモンだらけ、そして最後にお父さん殺される、と。ほんとに酷いバッドエンドですね。

 

 ラストはお母さん+娘ちゃん VS 怪物です。

 

↑ここでももちろん赤ちゃんは泣きません。

 

↑怪物はキモいです。

 

 で、怪物の弱点を偶然にも娘ちゃんが発見して、最後は弱い者いじめよろしく怪物をやっつけたのでした。

 

↑構えて、

 

↑撃ちます。

 

↑あ、怪物死んだ……。

 

 いやなんかこれ、撃ったら普通に死ぬんですね。拍子抜けじゃないですか。そんならこれまでいったい軍とかはなにしとったんや、てことですよ。そもそも軍もなにも生き残ってないのに、なんでこの家族だけ生き残ったんやってのが最大の謎ですわね。なんやこれ、なんて思ってたら、あ、終わっちゃいました。

 

 わたしマイケル・ベイって好きなんですよ。「トランスフォーマー」シリーズなんてめっちゃ面白いと思います。でも今回のこれはどうにもちょっとでした。製作と監督は違うのでしょうかね。

 

 ちなみに怪物の造形は、ヴェノムそっくりでしたね。

 

 まあ、最初のうちはちょっぴりキンチョーもあったので、1つというところでしょうか。なにせギモンだらけで終わりましたのでね。以下のギモンにだれか答えられる人いらっしゃいましたら、ぜひとも教えていただきたいと思う次第です。

 

 ・この怪物どもはけっきょく何?

 ・なんでこの家族だけ助かったのか?

 ・あのクギはいったい誰が?

 ・アライグマはなぜ生きていたのか?

 ・陣痛の痛みは一瞬なのか?

 ・産みの苦しみはなかったのか?

 ・赤ちゃんはなぜ泣かないのか?

 ・赤ちゃんはミルクを飲まなくてもちゃんと生きていけるものなのか?

 

 まあ最大のギモンは、やっぱり出産ってのはあんな花火の一瞬では終わらん、いうことでしょうかね。溜息しかでませんね...。

 

 

今日の一言

「ギモンは何ひとつ解決せず」

 

 

レビュー さくいん