★★★★★★★★★★

2013年 112min.

ネタバレ ネタバレというほどでもないですが、あるっちゃあります。てへぺろ

敬称略

 

 

 さあ、久々の正統派ホラーやぞ、ということでちょっとワクワクします。照れ

 

 じつはわたしこの映画、過去に二度ほど観ております。でもですね、一回目に観たのはもう6~7年ほど前でしてね、そのあと観た2回目は2年ほど前だったかと思いますが、そのときはこのシリーズを連続で観てなにがなにやらわからなくなってしまって、のでほぼ覚えてないんですね。ということで、今回ちょっと座を正しまして、たしか怖かったはずだという思いを胸に、しっかり怖がらせてもらおうとワクワクしていた、というわけです。いろいろシリーズ合わせると全8本、ですか?まあそれだけ人気のあったシリーズ、というわけですからね。

 

 ちなみにこのシリーズを公開年から並べますと、

 

 2013年 死霊館

 2014年 アナベル 死霊館の人形

 2016年 死霊館 エンフィールド事件

 2017年 アナベル 死霊人形の誕生

 2018年 死霊館のシスター

 2019年 ラ・ヨローナ 泣く女

 2019年 アナベル 死霊博物館

 2021年 死霊館 悪魔のせいなら、無罪。

 

 となります。若干2021年のフザけた邦題が頭に来ますが...。ムキー

 

 話の流れ的に言うと、

 

 2017年 アナベル 死霊人形の誕生(「アナベル 死霊館の人形」の前日譚)

 2014年 アナベル 死霊館の人形(「死霊館」の前日譚)

 2013年 死霊館

 2019年 アナベル 死霊博物館(年代としてこの位置)

 2018年 死霊館のシスター(「死霊館 エンフィールド事件」の前日譚)

 2019年 ラ・ヨローナ 泣く女(スピンオフで、年代的にはここ)

 2016年 死霊館 エンフィールド事件(「死霊館」の正統派続編)

 2021年 死霊館 悪魔のせいなら、無罪。ムキームキームキー

 

 が流れとなりますよ。わけわかりませんね。「ラ・ヨローナ 泣く女」だけ別ものですしね。

 

 これ、どうなんでしょう。どういう順番で観るのが正解なんですかね。やっぱり話の流れ的に言う順番で観るのが、話のつながりという点では正解なのでしょうけれど、やっぱり公開された順に観なければ意味がない気もしないでもないですし...。ショボーン ちなみに、わたしの視聴予定としては「スター・ウォーズ」シリーズもクジに入っていまして、これは公開年順ではなく話の流れ順に観ようと思ってますが、一度それをやって失敗してるんですよねえ。「スター・ウォーズ」シリーズの場合は年代が飛びすぎていて、同じ登場人物でも演者が違っていたっていうのがその理由でもありましたけど...。まあ本作の場合は、もうこれシリーズでいったら3番目の「死霊館」から観てしまったわけですから、けっきょく公開年順に観るのでしょうかね。もし、これが正解、というのがあったら教えていただきたいものです。まあ、ちょっと考えます。m(_ _)m

 

 で、監督はジェイムズ・ワン。「ソウ」の人ですね。なんか漢字だと「温子仁」て書くみたいですけれど、オーストラリアの人だそうですよ。ちょっとビックリです。びっくり

 

 出だしから怖いんですよ。そもそもですね、人形がチョー怖いんです。どうしてこう、向こうの人形ってのはグロテスクなのですかね。しかもそれを「かわいい」とか言って愛でている。まったく理解できません。あのおぞましい顔の、いったいどこがかわいいものか、と。その昔、キャベツ畑人形なんて不気味でしかない人形がアメリカで大はやりして、それが日本に上陸するとかで、発売初日におっさんやおばはんがデパートの開店前に「ソアリン」並みに行列作って、開店と同時にダッシュして買って、「いやあかわいいですねえ」とか言ってたニュース映像がありましたけれど、わたし子供心に寒気がしたもんですよ。あんな人形、それこそホラーでしかありませんでしたね。たぶん当時の子供たちは、夜にうなされたでしょうし、たぶんそのおっさんやおばはんはその人形の処分に困り果てたことでしょう。

 

↑これはもう怖い、いうかキモいです。さわることすらできませんね。

 

↑キャベツ畑人形。わたしにはムリです。たぶん、うなされます。えーん

 

 いえね、一説によると、日本人と違って欧米の人って瞳の色が黒くないじゃないですか。あれ、色素が足りていないためだからだそうで、そのせいで見えてる景色が日本人とは違うそうですよ。だからなんかコミックもやけに劇画調のへったくそな絵ですしね、日本人のようにデフォルメがうまくできないんだそうです。まあ、あくまでこれ、聞いた話ですからね。その真偽のほどはわかりませんけれど、わたしはなんかナットクしましたけどね。ニコニコ

 

 で、その人形のドアップから入るものですから、おどろおどろしさしかないわけです。しかもそれが実話をもとにした、ってことになるともう怖さ倍増ですね。実話をもとにした、ってだけですので、どこからどこまでが実話なのかはわかんないですけど。ただ、霊能者の夫婦は実在の人物ですから、1968年の話ですけれど、やっぱちょっと身を固くして観ることになるわけですね。

 

 その後すぐに、その不気味な人形の説明から入ります。いわく。

 

 7歳の女の子が、今はある看護師の女性たちがルームシェアしているアパートの一室で死んでしまった、と。その事実を知らずにその女の子が亡くなった部屋に越してきた、看護師の一人が持っていた人形にその女の子がとりついて、それ以降、奇怪な現象が起きるようになった、ということだそうです。その女の子の名前が、アナベル、なわけですね。

 

 いやまあ、何度も言いますけれど、そもそもその人形が不気味に過ぎるんですよ。不気味だから霊がとり憑いたりするんじゃないのか、とも思いますしね。だって、テディベアとかミッキーマウスの人形にとり憑いたなんて話は聞いたことないじゃないですか。そこからなんとかしたほうがいいと思ってしまいますけれど、まあ見え方が違っていて、美的感覚的にそれをかわいいと思ってるなら、仕方ないのでしょうけれどね。笑い泣き

 

↑恐怖でしかないです。わたしこんなん遭遇したら、たぶんチビります。ガーン

 

↑もうやめてくれ、て感じです。えーんえーんえーん

 

 ただ話はですね、最初は日本の幽霊的な話で、こりゃ怖いと思ったのですけれども、5分で悪魔の話になりました。エクソシスト的な。ただ、それはそれで怖いですよ。そもそも宗教の違いで解釈に違いはありますけれど、要するに元は(と言うのか?)同じことですからね。アメリカの正統派ホラーになった、ということですね。「エクソシスト」や「オーメン」みたいな。

 

↑そしてこの霊媒師夫婦が戦いに挑む、というわけです。

 

 さあそして時代は3年後、その夫婦が体験した中でも一番恐ろしかったという話に入っていきます。若干、あれ、人形カンケーないんか、てなりましたが、まあそれはそれで、霊媒師夫婦がどんな人なのかを説明するシーンだったわけで、人形自体の話は、最初に説明しましたようにシリーズの別の映画で紹介されていますので、よしとしましょう。いずれにしても話の流れとしては違和感はなく、とってもスムーズですね。

 

 競売で購入した、田舎の古びた家に越してきた、夫婦と5人の子供たちが、その家にいた悪魔にとりつかれてとんでもないことになる、というお話です。2行ですべてを表してますが、それが1時間50分ほどの映画になると、それはもう、怖いのオンパレード、となるわけです。ほんとに怖かったです。

 

↑まずイヌが邪悪なものに気づきます。ウチのプー太くんもちゃんと気づくだろうかと思ったりもしましたが、たぶんムリやと思いますね。笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

↑5人の娘さんたちはもうめちゃめちゃかわいいです。ラブ 全米の美少女を選りすぐった、みたいな。キャスティングには力入ってましたね。

 

↑長女は特に超絶美少女でした。

 

↑次女。メガネがキュートすぎます。

 

↑あどけない笑顔が子供らしくてチョーかわいいです。親はさぞや自慢のことでしょう。

 

↑ボーイッシュでかわいいですが、この子の演技がまたすごいのです。

 

↑マスコット的存在、なのでしょうね。末っ子はいつの時代もかわいがられます。

 

 設定は、冒頭の人形の話から3年後、ということですかね。1971年のこととなります。それまで携わった仕事の中で、邪悪なものがとりついていたグッズを封印してある部屋が出てきますけれど、3年でものすごい数のグッズであふれてました。びっくり まあ誇張はあったのでしょうが、実際にはどうだったのですかね。ほんとにこんなに悪魔祓い的なことをしてきたのであれば、まだまだ科学では解明できないことがたくさんあるのだろうなあ、とちょっとゾッとしますよ。わたし、霊感はまっっったくないですけれど、でもそういう霊的なものの存在というようなことは、じいちゃんが僧侶だったこともあるのですけれども、完全に信じてますのでね。

 

↑すごい数です。日本にも出張したのですかね。

 

 にしてもですね、この事件の元になる一家、なんの下調べもせずにこの家を購入したのですかね。競売のものを買った、とかいってましたけれど、家ですからね。ちゃんとしたほうがいいとは思いましたよ。ワンちゃん、かわいそすぎましたよ。あれでは浮かばれません。ショボーン

 

 家具とかなんかも残ったままの競売のようで、またそれ、そんなんようヘーキで住むなあ、とわたしには考えられません。中古ってそもそもわたし、キライですよ。誰がどう使っていたかなんてゼッタイにわからないじゃないですか。図書館だって利用しません。どこのどいつがトイレで読んでいたか、う○んこのついた手で触っていたかもしれないですし、鼻くそついてるかもしれない、食べかすがページの間に入っている、って想像しただけで寒気がしますよ。ましてやそんな、家を買うなんて考えられません。カーシェアとかシェアサイクリングとかだってわたしは、ムリです。まあ、だからこの映画、不気味だっていうのもあるのですけれどね、わたしにとっては。

 

↑こんなんもありましたが、まあなにしろ出てくるものすべてが不気味なんですよ。ようもまあ、こんなピエロが顔を出すオルゴール鳴らして笑ってられるな、てなもんです。頭腐ってるんじゃないか、って思いました。ガーン

 

 その後、一番小さい子がまず怪奇現象に気づく、ってあたりは王道ですかね。実際もそうなんでしょうね、きっと。幼い子の方が操りやすいのでしょう、悪魔的にも。「ポルターガイスト」の様相です。

 

 で、そんな不気味な家で、かくれんぼをするんですよ、その末娘とママが。そんなことするからアカンのやて、と思ってしまうのは観客だからなのですけれども、怖さは増します。

 

↑かくれんぼ直後のベッドでのシーンはもうマックス恐怖ですよ。演技もうまいですしね。

 

 演出も、もちろん素晴らしいです。こうした怖いシーンと、別場所で繰り広げられる霊能者夫妻の活動を対比させて、しかも夫妻には「めったに霊現象はおこらないんですよ」とか言わせてますしね。脚本も秀逸なわけです。

 

↑階段ころげ落ちるところは、スタントマンに感謝です。m(_ _)m

 

 先にも述べたように、話的には「ポルターガイスト」と一緒です。まああちらは悪魔ではなく霊現象でしたが、これも先に書いたように、もともとは同じなわけです。ただ違うのは、「ポルターガイスト」はさすがのスピルバーグ、最後はちゃんとエンターテインメント的に終わらせてましたね。もちろん実話ではなかったわけですし。でもこちらはそうではなく、あくまでも実話が元ですから、エンターテインメントとは程遠いわけで、だからなにしろ怖いわけです。

 

↑もうこれ、アカンです。わたしですら鳥肌もんですからね、ホラーに弱い人はたぶん失神しますよ。間違っても、彼女と観たりは厳禁ですからね。ましてや嘘ついて怖がらせてやろうなんて観せたりしたら、間違いなく別れ話です。ガーン

 

 ちょっと話はそれますが、霊能者夫婦(エドとロレインのウォーレン夫妻。エドはパトリック・ウィルソン、ロレインはヴェラ・ファーミガが演じてますが、あまりの男前と美女に、そこだけがちょっとエンターテインメントでした)が大学で講義を終えて車に乗り込もうとした時に、ある人物がその問題になっている一家のママ、キャロリン(リリ・テイラー)を連れてきます。ウォーレン夫妻が怪奇現象の権威と知ったキャロリンがふたりの講義を聞きに来て、たまたまそこに居合わせたその人物、ドルー(シャノン・クック)に頼んで連れてきてもらった、とそういうことですね。で、ドルーはすぐに立ち去るのですが、その別れ際に夫妻に “See you later.” って言ったんですね。わたしこのとき、ああこんなチョイ役でもちゃんとセリフもらって、たぶんもう二度と出てくるわけでもないのに「また会おう」なんて、脚本もいろいろほんとに凝ってんなあ、なんて思ってたら、じつはこのドルー、あとで夫妻の信頼すべき助手だということが判明しましてね。へえ~、なんて思いました。

 

↑ドルーのシャノン・クックと巡査役のジョン・ブラザートン。ジョン・ブラザートンは悪魔祓いの儀式のときにものすごい身体はってました。好感持てる役でしたよ。

 

 で、そろそろ1時間すぎてのこのころになると、夫婦も家族も愛にみちあふれているということがよくわかってきますので、ものすごく感情移入して、のめりこんでしまいますよ。なんとかしてあげたい、って本気で思っている自分がいるわけですね。

 

↑この娘がこうなってしまったときは、もうほんとに「何とかしてくれーっ」て思いました。同じ娘を持つ父親として泣きそうになりましたよ。で、こここから最後までめっちゃ怖くなります。

 

 一時も休ませてくれません。悪魔は、家にとりついていたのではなく、そこに誰かが越してくるのをずっと待っていたわけですよ。だからモーテルへ行こうが、それが終わりではないわけです。家族にとり憑いてしまったわけですからね。どこまでもついてきます。

 

↑「ポルターガイスト」ではこれで終わりだったですけれど、そうは問屋が卸しませんね。本作では、なんならこれが始まりとなるわけです。

 

 さらに、ことはこの一家のみではおわらせませんよ。夫妻の娘にまで危険が及びます。アナベル人形まで絡ませて、ではもう絶望しかありません。

 

↑もうね、怖いんです。

 

 で、いよいよラスト近くになって、とうとうキャロリンにとり憑いた霊がなんかしだします。でもそんな時に夫妻が言うんですよ。モーテルに家族を送りに来て、そしたら家に残してきたキャロリンに異変が、の知らせがきましてね、で、おれが一人で行くという夫パトリック・ウィルソンと、わたしも行くという妻ヴェラ・ファーミガ。

 

 パトリック・ウィルソン

 「君を失いたくない!」

 

 ヴェラ・ファーミガ

 「失わせたりはしないわ。二人で終わらせるのよ」

 

 もうわたし、泣いてしまいました。

 

 これが、この映画のすごいというところを如実に表してます。この映画、怖いんですよ。それは間違いないです。でもね、こうして随所にいちいち愛を感じられるんです。なんかこうして、すごく泣けたりするんですよ。「ポルターガイスト」も家族愛を描いてましたが、これほどではなかったと思います。ほんとにすごいと、終盤はずっとウルウルしてました。ま、ホラーとひとくくりにはできない、素晴らしい映画だと思います。

 

↑ここらへんの静と動も、恐怖と愛に通じるものがあって、溜息すら出てしまいます。

 

 まあ、そういうところはホラーではないですけれども、映画自体ではホラー要素が全面に押し出されてますので、ホラーが苦手な人はゼッタイに観てはならない映画ですが、ちょっとでもガマンできるのであれば、これほどの愛を題材にした映画を観ない手もないと思いました。

 

 わたしの中では、まぎれもなく珠玉の「映画」だと思います。

 

 今日の一言

 「愛」

↑ラストはずっと涙が止まりませんでした。

 

追記

 29分30秒あたりで、パトリック・ウィルソンが「明日はトゥモロー」て言います。空耳、お聞き逃しなく。笑い泣き

 

 

レビュー さくいん