★★★★★★★☆☆☆

2006年 110min.

ネタバレ あ、してます。

敬称略

グロ写真あり〼

 

 監督 ジョン・ムーア

 製作総指揮 デイヴィッド・ハーフィールド、ジェフリー・ストット

 製作 ジョン・ムーア、グレン・ウィリアムソン

 脚本 デイヴィッド・セルツァー

 音楽 マルコ・ベルトラーミ

 

 ロバート・ソーン:リーヴ・シュライバー

 ダミアン:シーマス・デイヴィ=フィッツパトリック

 キャサリン:ジュリア・スタイルズ

 キース・ジェニングズ:デイヴィッド・シューリス

 ブーゲンハーゲン:マイケル・ガンボン

 ブレナン神父:ピート・ポスルスウェイト

 ベイロック夫人:ミア・ファロー

 

 

 えと実はですね、前回観た「CUBE キューブ」があまりにもアレでしたので、もうここは定番安定を誇る「オーメン(1976)」を観ようとしたのですね。そしたらこれ、ずいぶん昔にWOWOWから録画したやつなのですけれども、画面がとっても小さいんですよ。2005年くらいに録画したものですから、当時はまだワイドとかなくってですね、そもそもウチのテレビも当時はブラウン管テレビでしたしね、WOWOWでもそんなサイズだったのですね。で、そんならそれでテレビの画面サイズ切り替えればいいじゃんと思われそうですけれども、デッキがパナソニックでテレビがSHARPですとなんかそれができないんですよ。ちょっと前まではできてたのですけれども、最近になってメーカーが違うとそういうことができない構造になってしまったようでしてね。パナのデッキでテレビ観たかったらパナのテレビを買いな、ってことみたいですよ。そもそもわたし、パナソニックのDVDデッキを、DVDデッキというものが世に出たばっかりの時に購入して、あまりのその劣悪ぶりに完全にキレましてね、パナの技術屋を家に呼びつけて、こんなクソみたいなもん売りつけてお前ら恥ずかしないんか、技術屋としてのプライドはないんか、と怒鳴りまくったことがありまして。その技術屋に、「あんたこんなヒドイもん、自分でいま見て、買う気になるか」って言ったらその彼、「なりません」て言ったんですよ。覚えてらっしゃいますかね?「アテネオリンピックが全部録画できる」なんてキャッチコピーで、ボブ・サップがCMやってた「DIGA」って商品です。で、あまりのひどさに、ちゃんとしたもん持ってこい、って言ったんですけど、そしたら後日なんかエラい人から電話があって、どうしてもオリンピックに間に合わせるために不完全なものを販売してしまいました、とか謝罪されて。それから昨年に新しいブルーレイデッキを購入するまで、DVDデッキ2台とブルーレイデッキ1台、すべて交換で対応してもらってまして、いっさい自分でお金払ったことはありませんでしたよ。そういういわくつきのパナソニック、わたしはもうすっかり「クソパナ」と呼んでいるのですけれども、それも昨年購入したブルーレイデッキが、ようやくわたしの指摘した「不具合」がある程度解消されるようになってましてね、苦節18年でなんとか「クソパナ」から「クソ」を取ってやるかと思っていた矢先の出来事なのでありました。

 

 画面サイズの変更はできないと言われてまたキレまして。それまでのことがありましたからね、「なんて薄汚いことやりやがるんだ!」ってまた技術屋呼びよせましたが、どうにもなりませんで、要するに今回も、観ようと思った「オーメン」(1976年)は観られず、しかたないので早急にTSUATAYA DISCAS で借りるようにして、とりあえずこちらの「オーメン」(2006)を観ることといたしたのでした。

 

 すみません、導入が長くなってしまいましたが、ここから本文です。m(_ _)m

 

 さて、で。

 

 監督のジョン・ムーアは「ダイ・ハード/ラスト・デイ」とか「エネミー・ライン」の監督さんだそうですけれども、わたしどちらも観ましたが、印象に薄いということは、そういうことなのですかね。でも音楽はマルコ・ベルトラーミです。つい最近「ドラキュリア」で観た人で、ホラー映画音楽の巨匠ですからね、それはそれで興味は沸きますよ。なんかどことなく、旧作でアカデミー賞を受賞したジェリー・ゴールドスミスの名曲に似せてるところもありましたね。

 

 で、オープニング。いやあ期待通り、音楽がいいです。さすが巨匠ですね。ま、「巨匠」言うてもわたしより年下ではありますが。

 

↑このシーンはなんかホッとしますね。落ち着きますよ。「死霊館」効果ですね。

 

 主役のロバート役、旧作でグレゴリー・ペックに当たる役は、リーヴ・シュライバーです。「スクリーム」に出てた人ですが、ああそういえば、くらいの印象ですかね。グレゴリー・ペックの役をやるわけですから、プレッシャーは大きいでしょうが、熱演してました。

 

↑リーヴ・シュライバー。

 

 えと、ここのシーンはオープニング早々なのですけれども、ハンディカムなんですよ。もうなんかゆらゆら揺れてて、とっても観にくいのですけれども、このハンディカムってやつはなんの効果を狙ってるのでしょうか。ゆらぐ心を表現したとでもいうのでしょうかね。まさかとは思いますが、もしそうならそんなことは辞めてほしいものです。どうやっても観にくいのだ、ということはわからないのでしょうか。試写とか観ても気付かないものなのでしょうかね。

 

 奥さんキャサリン(ケイト)役はジュリア・スタイルズ。「ボーン・アイデンティティー」以下「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム(ボーン・アルティメイタム」の3作に出演しておられる方ですよ。

 

↑ジュリア・スタイルズ。かわいいまんまですね。でもお母さんぽくもあります。

 

 内容も良いですよ。のっけから車が炎上したりして、夫妻の友人が亡くなるなんて、けっこう激し目で始まります。

 

↑いきなりハデですねえ。さすが現代版ではあります。

 

 悪魔の子ダミアンは、最初のうちはカワイイです。ま、それはデフォルトですけれども、

 

↑隠れてお母さんをビックリさせたりして。

 

 普通のお子ちゃま様(よう)でちょっとほのぼのっとしてしまいました。内容知らずに観たら、のちの裏切りにはショックを受けるでしょうね。

 

 そしてなにやら怪しげなイヌが出てきて、さあいよいよです。

 

↑怪しいしかないです。

 

↑で、乳母、ぶらさがります。現代版らしく、観せ方も生々しいです。

 

 もう旧作のリメイクですからね、そらま似てるっていうのはこちらにも織り込み済みではありましたが、内容はほぼ一緒でしたから、とっても観やすいです。当然、だから、カメラマンのキース・ジェニングズ(演じるのはデイヴィッド・シューリス)も安定に出てきます。

 

↑デイヴィッド・シューリス。

 

 どこかで観たことある気がしましたが、「ハリー・ポッター」に出てたそうですよ。わたしは「ハリー・ポッター」は一作目しか観ていないので、よくわかりません。なんか、だからってわけでもないでしょうが、アラン・リックマンに似てるな、なんて思ってました。

 

 ブレナン神父にはピート・ポスルスウェイト。こちらは先日「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク)に出てた方です。

 

↑全然イメージが違いますね。

 

 さあ、そしていよいよ核心に入ってくるわけです。

 

 そう、核心といえばやっぱり新しい乳母ですよね。ベイロック夫人。こちらはミア・ファーロー。「ローズマリーの赤ちゃん」に出てた方ですからね、よく考えたらこんなハマリ役もないってもんです。

 

↑めっちゃキレイですね。これで61歳だそうですよ。

 

 ダミアンは子供ですから、先にも書いたようにちょっとお茶目なところもあったのですが、ここから悪魔の子になってきますよ。て、いやちょっとこのダミアン役の子、シーマス・デイヴィー=フィッツパトリックは子役にしてはあまり演技が上手ではないようでした。

 

↑がんばって顔をしかめているのでしょうが、ちょっとかわいくってわたし笑ってしまいましたよ。

 

 なんかですね、ほんとこれ、1976年の作品が30年経ってよみがえる、って感じで、オールドファンにしてはうれしい限りでした。当時とは違っていろいろと技術も進歩してますから、ケータイがあったりパソコンがあったりはしますけれども、これ、だからって大勢に影響はまったくないのですね。これはスゴイことですよ。意識したわけではないでしょうけれども、30年経ってもまったく色褪せないのですよ。名作ってのはやっぱりいろんな意味で歴史に名が残るんだなあと思った次第です。

 

↑若干こうしてビックリするところもありますが、フツーにビビリました。

 

 まあ、かってな事ばっかり言ってやってるミア・ファーローがどうしてクビにならないのか、ってのはギモンではありましたが、それは旧作でも同じでしたしね。

 

 だからなのでしょうか、役者も熱演を繰り広げます。わたし、「ボーン」シリーズですっかりファンになってしまったジュリア・スタイルズも、しっかりとこの映画の出来に恥じない演技を魅せてくれてました。

 

↑「ボーン」シリーズと同時期での出演です。

 

 いい役をもらえてよかったね、と思って観てました。かわいいだけではないのですね。

 

↑この部屋はいったいなんなんでしょうか。

 

 歯磨きジュリア、の映像でしたから、洗面所なのでしょうか。セレブの考えることは昔も今もよくわからないですね。

 

 ただザンネンだったのは、ビックリ手法がちょっとだけあった、てとこでしょうかね。これはやっぱりウザいです。「死霊館」で、その手法なんかなくても十分怖い映画は作れるということが証明されてますから、今後ホラー映画を作る映画人はしっかりとそれを見習うべきだと思いましたね。

 

↑役者さんたちはみんなよくって、こちらもいい演技でしたよ。とくにピート・ポスルスウェイトは、恐竜追っかけてた人とはとても思えませんでした。

 

 そしていよいよブレナン神父が串刺しになる有名なシーンが出てきますね。まあ観ているこっちとしては、待ちに待った感なのですけれども、

 

↑こうなって、

 

↑こうなりました。さすが現代版、であります。

 

 ところでですね、これ前にもどっかで書いたと思うんですけれども、この神父の串刺しのニュースは、しっかり写真付きで、新聞で記事になってるんですね。これってほんとにそうなんでしょうか。こんなグロテスクな写真、ほんとにモザイクなしで見せるんですかね。わたし留学してた時にこんなの見たこと一回もなかったですけどね。どなたかご存じの方おられたら、ぜひ教えてほしいものです。

 

↑モザイクなし、です。子供も見ると思うのですけれどもね。

 

 けっきょくリーヴ・シュライバーがブレナン神父の言うことを聞かなかったばかりに、奥さんのジュリア・スタイルズが悪魔の子に重傷を負わされる、てことになります。ほれ、人の言うことをちゃんと聞かんから、て思ったりもしますが、でも実際問題、こんな得体のしれない神父がやってきて、お前んとこの子供は悪魔だから殺しなさい、さもないとお前が殺される、なんて言われても、気がふれたやつがおかしなことを言っている、としか思えないですよね。たとえ、どうにも息子がおかしいと思ったとしても、しかもその息子が、自分の本当の子ではないとしても、さすがにまさか悪魔の子とは思わないでしょうしね。よくできた話なのでありますね。

 

↑後悔あとを絶たず、なのです。

 

 そして事態はいよいよカメラマンのキースも巻き込んで大変なことになってきます。キースとロバートが二人で話して、いよいよ種明かしとなるシーンは、旧作を観たおしてすっかり内容は知り尽くしているはずなのに、やっぱりキンチョーするわけです。

 

↑ドキドキしてしまいますよ。

 

 ダミアンが産まれた病院が元凶だということが判明してその病院へ行くと、火事で燃え尽きてしまった、と。ただ、当時の神父が重傷を負っても生きている、ということでそのスピレット神父に会いに行くのですが、その神父の見てくれがもうどうにも、でした。

 

↑スピレット神父。いくらなんでもこれはやりすぎだと思いました。よう生きとったな、て感じです。若干笑ってしまいました。

 

 有名なお墓のところも、なくてはならないシーンですね。

 

↑逆さ十字架も出てきて、お、「死霊館」か、て思いました。

 

 そしてとうとう我らがジュディが激ヤバ乳母の手にかかります。ほんとはダミアンの一撃で死ぬ予定だったのでしょうが、一命をとりとめたので乳母自ら手を下しに来た、というところなのでしょうかね。実力行使も辞さない、ということで恐ろしさは増しますが、ただこれ病室(しかも個室)での出来事ですからね、モニターとか監視カメラとかはなかったのでしょうかね。

 

↑声をあげさせないように口をふさいで、点滴に空気を入れて殺害、と。

 

 う~ん、「CSI」とかではすぐバレそうですけどね。

 

 えと、肝心なところでハンディカムになるのもどうかと思いましたね。まあ全体を通して2回しかありませんでしたけど。ビックリさせる演出も、極力抑えているのかなとは感じましたけど、全体を通して2度ありましたし、あとはこの殺害シーンがちょっと地味だしバレへんのか、というところでそれで4つ減らしてます。それがなかったら、旧作効果もふくめて8個は行ったかなとは思います。CGの技術で、各種殺害シーンはほんとに生々しかったですからね。

 

 特に、デイヴィッド・シューリスが殺られるシーンはなかなかでしたよ。賛否両論あるみたいですけどね、わたしは好きでした。まあここも、「お前がやらないなら俺が殺る」なんてことさえ言わなきゃこんなことにならなかったのに、と、ザンネンでなりませんけれどもね。今回は工夫を凝らした殺害方法でしたが、首が飛ぶのは変わりなかったので、それを期待されている方はご安心を、です。とはいえ旧作で首が飛ぶのはガラスでスパッと切断、でしたから、旧作はほんとに怖かったですけどね。子どものころに月曜ロードショーで親と一緒に観たのですが、しばらくガラス恐怖症になったものです。て、今考えたら、よくこんな映画、小学生の時に観たなと、よくウチの親が観るのを許したな、と思いましたよ。まあ昔はいまのようにR指定なんてない時代でしたけれど、それにしてもこれ、情操教育には間違いなくよくないとは思いますけどね。ちなみに本作はR15指定でありました。

 

↑これが...、

 

↑こうなって、

 

↑こうなって、

 

↑こうなって、ほんでもって

 

↑こうなりました。まあいずれにしてもトラウマにはなりそうです。

 

 さあそしていよいよ、奥さん殺されて、カメラマンも首ちょんぱになって、ロバートがキレました。ダミアンをさらって教会へ連れて行き、という大団円になりますが、これ、あんな派手にさえしなければちゃんと悪魔を抹殺できたのに、と思わずにはいられませんでした。

 

↑あ、レクサス!

 

↑そしてラストです。もうちょっとタイミングよかったらなあ、と、旧作の時も本作も、それがほんとにザンネンでした。

 

↑かわいいんてすけどね。

 

 エンディングロールでちょっとだけジェリー・ゴールドスミスのあの名曲が流れます。わたし鳥肌もんでした。これにて、ほんとは6つなのでしたけれども、ひとつ増やして7個、となった次第です。やっぱりホラーはこうでなくっちゃ、の現代版でありました。

 

 

今日の一言

「けっきょく教会は、いつもなにもしない……」

 

 

 

レビューさくいん

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