☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 0個 

1997年 90min.

ネタバレ するほかないですね。

敬称略

グロ映像 ありますのでお気をつけを。m(_ _)m

 

 

 監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ

 製作総指揮 コリン・ブラントン

 製作 メーラ・メー、ベティ・オア

 脚本 ヴィンチェンゾ・ナタリ、グレーム・マンソン ほか

 音楽 マーク・コーヴェン

 

 クエンティン:モーリス・ディーン・ウィント

 ハロウェイ:ニッキー・グァダーニ

 レブン:ニコール・デ・ボア

 レン:ウェイン・ロブソン

 ワース:デイヴィッド・ヒューレット

 カザン:アンドリュー・ミラー

 オルダーソン:ジュリアン・リッチングス

 

 

 いやこれはちょっと、です。

 

 えと、じつはこの映画の前に、どうしてもジェイムズ・ワンの映画が観たくて「ソウ」を観たのですけれども、なんかこれどうやらずいぶん前にテレビでやってた字幕版を録画してとっておいたやつでしてね、本編111分のはずのものが89分まで端折られておりまして、もちろんこのあとDVDを借りてちゃんとしたやつを最後まで観ますけれども、じゃあその前に、似たようなシチュエーションの本作を観ようと思い立ち、クジは引かずに観てみた、ということなんですよ。若干「ソウ」と混同してた部分もありました1997年の作品で、たしか一度観てはいるはずなのですが、全然覚えてませんで、ほぼ初観で鑑賞、ということになったのでした。

 

 で、ですが、いやこれいったいどこがこんなに評価高いんだろう、ということです。

 

 なんか評価高いですよね。ネットでいろいろなレビューの星の数見てみましたけど、どれも5点満点で高得点ですよ。Yahoo!映画 3.8、映画.com 3.5、filmarks 2.8、allcinema 3.5、TSUTAYA 3.5 となってますね。(allcinema のみ10点満点で、☆7つでした)

 

 すみませんがこれ、わたし、まっっったく理解できません。どこをどうするとこんなに評価が高くなるのでしょうか。わからないわたしが悪いのでしょうかね。それならわたしの責任なのですが、いやほんと申し訳ないですけど、ひとつもおもしろいとこありませんでした。

 

 とりあえず出だしの映像はきれいでしたよ。ホラーというよりは、SFなんちゃうか、と思ったほどです。だから、キレイやなあと思いながらも、ホラー映画としては不安を感じて観始めることとなります。

 

↑キレイですよね。映像美、って感じで、「2001年宇宙の旅」を思い出しました。

 

 で、ある男が、目が覚めたらなんか知らない場所にいて、いったいここはなんなんや、っていうシチュエーションで始まりましたので、だからまあ「ソウ」と混同するのもいたしかたないですかね。

 

 そしたらいきなりその男の方、バラバラになりまして、わたしそのグロさに思わず笑ってしまいましたと同時に、おうおうのっけからこれなら、そうとう期待できるんじゃないの、と、そら軒並み評価高いのもムリはないわな、なんて思ったのでしたよ。

 

↑爆笑ものですね。

 

 ただ、わたしの興味をそそったのは、ザンネンながらそこまででした。このあと別の人たちが最初のバラバラ男と同じように、知らないところで目覚めてなんやなんやってなって、そんなみんなが集まってきてさあここから脱出、となるわけですけれども、そもそもですね、誰が何のためにどうしてこいつらを、っていうのがなにも語られないわけですよ。とりあえずこの箱のような部屋からなんとかして脱出しようと、でも行く手を何やらの誰かに阻まれて難航する、たまには死ぬやつも出てくるのだろう、いうことはかろうじてわかりますから、それはそれでおもしろいかな、とも思いはします。内容としては斬新さがうかがわれますよね。「ソウ」も同じシチュエーションで始まりましたけれど、本作の方が製作年は早いので、こちらが元祖ということであれば、まあ期待はします。でもその期待はあえなく裏切られるのです。

 

 あ、ところで、始まって早々に、食事のことを心配するシーンが出てくるのですけれども、これわたし、それもそうだけれど、入れる方があるならら出す方も心配したほうがいいのじゃないか、とは思いました。まあいつも思うのですけれどもね、「ゾンビ」ものなんかはよくある、どこかにたてこもって、なんて話だと、これ切実な問題だと思うわけですよ。でもなかなかそういう部分はスルーされてましてね、もちろん脚本的にも難しいのでしょうけれども、そういうところにもこだわった方がいいとは、いつも思います。女性もいるわけですしね。

 

 さて、それはそれとして。「ソウ」では二人でしたが(あ、もう「ソウ」はいいですね。まだアップしてませんしね。もうやめときます)、こちらは5人、のちに自閉症の若者が加わって、総勢6人という大所帯となります。そこでまずわたし、不安になりました。こういう様々な人種(黒人一人、白人女性二人、白人男性三人という人種構成で、うち刑事一人、脱獄犯一人、医者一人、学生一人、人生を儚んだ男一人、自閉症一人となってます)が集合すると、やれリーダーが誰だの、お前の言うことなんか信じられるかだので、ものすごく殺伐とした空気になるものですよね。それね、観ててものすごくイヤ~な気持ちになるじゃないですか。きっとこの映画もそうなるだろう、と思ってしまったら、もうそこからは落ち着いて観てられませんよ。

 

 なんて思ってましたら、脱獄犯のレンさん(ウェイン・ロブソン)が、なんかかっちょえいこと言ったとたんに殺られました。

 

↑なんか全然かっちょえくない容姿でかっちょえいことを言ってましたが、

 

↑殺られました。

 

 ここはまだこの特殊メイクで、おっ、なんて思ってはいましたよ。まあ、ごたくを並べる悪党は早々に消えるのだろうな、とは思ってましたが。

 

 でもね、なんか黒人刑事クエンティンがリーダーシップを取り出したころからわたし、おいおい、ってなってきます。

 

 だってですね、この人、めちゃくちゃ演技下手なんですよ……。どうにもなんかわざとらしい、言うか。セリフ一つ一つが全部芝居がかってる感じです。

 

 いえね、出演者のみなさんはわたし、どなたも知らない方ばかりです。どうも世間的にもお世辞にも有名とは言えないような方たちばかりのようですけれども、だからそれはそれで信ぴょう性は出ますが、それでも演技は上手くないとまったくの台無しですよ。

 

↑黒人刑事クエンティン役のモーリス・ディーン・ウィント。

 

↑レブン役のニコール・デ・ボア。かわいかったですけど、演技はやっぱり、です。

 

 ていうか今見たら、わがドラゴンズのジャリエル・ロドリゲスに似とりますなあ。

 

 ひとりひとりの性格設定もなんかもうどうにもブレブレて感じでして、ニッキー・グァダーニ扮するハロウェイ医師なんかはもうその最たるものでしたね。いや、そもそもスレてるのがうっとうしいのですけれども、輪をかけるようにずっと憎まれ口をたたいてウザいことこの上ないのですね。

 

↑左の女性がハロウェイ医師です。

 

 「猿の惑星」のコーネリアスというサルの役や「フライトナイト」なんかに出演していた往年の名優ロディ・マクドウォール似です。

 

 そうこうしてると、途中から新キャラが増えるのですけれども、これが「精神病患者」だそうですよ。いやいやその言い方もどうかと和訳にも常識を疑うところですけれども、要するに自閉症なわけですが、そういうキャラを出すのもどうかとも思いますよ。のちのちその能力がしっかりと内容にかかわってくるのですけれどもね、だからってわざわざ自閉症患者にしなくても、と思うのですね。わたし身近に自閉症の子が何人かいますのでね、このキャラ設定はよくわかりますよ。でもよくわかるからこそ、なんかこうして映画の一アイテムみたいな感じで出してほしくはないです。「レインマン」じゃないんです。

 

↑カザン役、アンドリュー・ミラー。

 

 こういう人がこういうシチュエーションにいれば、その能力で助かるところもあるでしょうがイジメの対象にもなりますよね。まさにそういう両極端が描かれていて、観ているほうもそうとうツライですよ。

 

 何事にもやる気のない男、ワースってのもでてきます。そもそも名前が「WORTH」て、フザけてんのかとも思いますけどね。そのままなら「価値」って意味ですけど、おそらくですよ、憶測にすぎませんけど「WORSE(悪い)」も掛けてんじゃないかなと思いますね。そんな遊びはどうでもいいわけです。

 

↑彼は怪しい、とクエンティンからは早々に疑われます。

 

 まあそんな感じをぷんぷんさせてましたからね、ワース(デイヴィッド・ヒューレット)。でも、だからこそ彼は怪しい人ではないのでしょう。そういうこともまるわかりです。

 

 あ、ちなみにカザンが出てきて、トイレするって言って隅っこでしてましてね、さきほど書いたトイレの問題を解決させたようにしてましたけど、いやいやけっきょくやっぱりしたのはカザンくんだけでしたからね、女性陣はどうするのかとかの解決には至ってませんね。そういうとこも中途半端なわけですよ。

 

 レブンの性格もハッキリしません。最初の自己紹介の時は「単なる退屈な学生」とかって言ってたのに、その割に「素数」による法則を発見したり、それによって部屋の危険度を証明したりと、突然頭脳明晰な優等生になったりして、もうどいつもこいつも人物設定がブレブレというわけです。

 

↑レブンちゃんはかわいいはかわいいのですけれどもね。

 

 二階堂ふみちゃんにも似てますなあ。

 

 さあさあ、そうしてますとハロウェイがとうとう政府の陰謀だとか言い出します。で、ワースはそれを否定したりして。なんかね、もうめんどくさいです。そもそもこれ、ホラーなんか、てことでしょうよ。案の定、みんなで責め合いがはじまりまして、不安的中、40分経ってすっかり眠くなってきましたよ。ここまでの段階で、ホラーっぽいのって、最初のバラバラ事件とレンが殺られたところだけですからね。

 

そしたら、↓

↑クエンティン、キレました。

 

 ま、そうなるでしょうね、って感じですよ。まあ、田中要次にしか見えませんけど。

 

 あ、そうそう、観ていて思いましたけれど、やっぱり英語って、数字を言うのめんどくさいですよね。1万7576。これを英語で言いますと「seventeen thousand five hundred and seventy six」でしょ。日本語なら「いちまんななせんごひゃくななじゅうろく」で済みますよね。ああ日本人でよかった、などともうすっかり映画とは関係ないことを考えているのです。

 

 なんか、空腹を紛らわすために、ボタンをなめれば唾が出てきて空腹を感じなくなる、なんて生前のレンさんが言ってましてね、まあお亡くなりになる直前でしたけれどもね、そしたらそのあとずっとみんなそれを実践してるんですよ。いやね、もうそれ、ほんと、なんだかなあ、です。そのあとそれが何かにかかわってくるのか、っていったら、ハロウェイが飲み込んでちょっとムセるくらいの話でしたしね。ハロウェイがまず最初の一人として隣の部屋に入りますと、突然苦しみだして、それを見ていたレブンが「ガスだ」とか言って騒ぎ出す、ということなんですけれども、わたし、ああボタン飲み込んだな、ってすぐわかりましたよ。どうでもいいんですよ、そんなシーン。

 

 もうね、開始45分でわたし、寝落ちしました。10分寝て起きて、ちょっと気分良くなって速戻しして観なおしましたけど、起きたらおもしろくなってるというわけでもなく、その後もだらだらとつまらない映画が続いてました。

 

 音に反応して殺人トラップが発動する部屋に、なんとか音を立てずに入って、次の部屋に移る際に開ける扉の大きな音には反応しませんでしたし、どれもこれも中途半端ですよ。

 

 ほんとにいったいこれ、誰がどの部分を指してこんなに絶賛してるのですかね。お願いだからわたしがナットクするように教えてほしい、ああいや、でもめんどうくさいからいいや、て気分で観てました。

 

 で、いよいよみんな責め合いからケンカに移行しますよ。思った通りです。めんどくさいことったらないですね。もうホラーじゃなくなりました。

 

 なんか嫌われ者どうしのハロウェイとワースにロマンスが芽生えそうになってますしね。おいおいもうやめてくれよ、と。なんて言ってましたらハロウェイ、クエンティンに殺されました。

 

↑なんか、さようなら、です。

 

 せっかく「キューブ」の外に出たのに、クエンティンに落とされるという……。

 

 そしたらみんな、寝てしまいました。えええ~……、て。

 

↑ぐっすりです。もうわけわかりませんね。

 

 なんかね、もうずーっとイヤ~な気持ちになるんですよ。人の醜いところばっかりずっと観させられてるようです。

 

 いったんカザンと離れ離れになってしまうなんて、ちょっぴりキンチョーする場面もありましたけれど、けっきょくなんの紆余曲折があるわけでもなくすんなり再合流してましたからね、そもそもそんなシーンなんて不要だったわけですよ。もうわたし、最後のほうなんかずっとレブンちゃんのかっこばっか気になってました。

 

↑太ももが……。

 

 なんかですね、彼らがとらわれているいくつものキューブが安全なのかそうでないかを、そこに書かれている数字の素数がどうのこうのでレブンちゃんが判断してまして、ちんぷんかんぷんですよ。レブンちゃん、「数字に弱いの?」とか言ってましたが、国立大学の土木工学科出身のバリバリ理系のわたしでも、なんのこっちゃかさっぱりわかりませんでした。ひょっとしたらもっかい観たらわかるようになるかもですけれど、もっかい観る気にはとうていなれません。もうそれでじゅうぶん、という映画でございました。

 

↑なんか最後、ゴールに着いたみたいですけど。

 

 そんならもう、「はよ行けや」て突っ込みです。

 

 で、ラスト。これも想像はついてましたが、クエンティンが壊れてレブンちゃん殺してけっきょくクエンティンも死ぬって、だったらレブンちゃん殺すなよ、て話でしょうよ。

 

 せめてですね、何がどうでどうしてどうなったか、って説明くらいはして終われよ、てことです。こんな、なんの説明もなくはいおしまい、なんて脚本は子供でも書けるだろ、ってことなんです。なんかイライラマックスで、ハラ立ってエンディングを迎えることとなったのでした。

 

 はい、0個です。もうなんならマイナスでいいです。そんな映画でした。

 

 

今日の一言

「いや眠いのはこっちや、言うねん!」

 

 

レビューさくいん

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