2002年 115min.

★★★☆☆☆☆☆☆☆

ネタバレ 言うまでもございません。

敬称略

 

 

 ということで、15分ぶんだけ先に観てましたが、戻ってきて観なおしました。

 

 最初に観たときは、いろいろそりゃやっぱり期待はしてましたよ。映画を観ながら感じたことを書き留めているメモ見ましたら、「さあ、日本一いうか日本唯一の怖いホラーをアメリカでリメイクするとどうなるか、と。」なんて書いてましたからね。

 

 監督はゴア・ヴァービンスキー、音楽はハンス・ジマーということですから、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のコンビですね。イヤでも期待しますね。ニコニコ

 

 とりあえず鈴木光司の原作も、この一作だけでしたけど怖かったわけですし、ビデオテープを現代版にしたらどうなるか、なんて期待も膨らむわけですよ。

 

 たしかに、やってることは日本版と大筋で変わらないわけですから、そういうところで次にどうなるかのドキドキワクワク感はありませんよ。それはでも当然の話で、織り込み済みで観はじめますね。

 

 にしても、ナオミ・ワッツはかわいいですねえ。ま、おぢさん全開でモノ申してますが、かわいいんだからしかたないです。でも個人的には菜々ちゃんのが好きですけど。

 

↑いやいや、美人です。ラブ

 

 で、エイダンて名前の子供が出てきて、なんかちょっとナオミ・ワッツの実の子供かどうかわからないような演出の中、こまっしゃくれ感全開で、でもそれがアメリカっぽいっちゃぽくって、そうそうここで「リング」を観ることにしたのでした。

 

↑すみません、なんか「ウザっ」て思ってしまいました。(;^_^A

 

 それから戻ってきて真っ先に思ったのは、やっぱり特殊メイクはすごいなあ、と。子供にちゃんと演技をさせるのもアメリカぽいですし、そこかしこに日本版との差別感は出てますね。原作(この場合は「映画」としての、です)に敬意を表しながらも、いやいやこっちはこんだけやってまっせ、どうだい、すごいやろ、という感じなわけですね。

 

↑わたしこの閉じてない感じが大きらいです。ちょっと気になりました。

 

 で、ここでハタと気づきました。いやいや待てよ、そうか勘違いしてたけど、これ2002年の作品だから、まだDVDって普及してないんや、と。ビデオ主流ですし、ケータイもない時代だったのですね。勝手に期待してましたが、ちょっぴりザンネン感は残りました。でもこれはどうしようもない仕方のないことですから、逆に、いい時期にリメイクしたな、ということなのでしょう。今じゃこれ、ムリですもんね。

 

 もちろん、今リメイクしたらどうなるかってのは観てみたい気満載ですけれども、やっぱりDVDだとデジタルすぎて、うまくいかない気がしますね。アナログ感、てのがこの作品の世界観なわけですからね。でもやっぱり観てみたいですけど。爆  笑

 

 こちらのビデオの映像が長いのはどうなんでしょうね。もちろん「リング」の代名詞でもある「貞子」の「貞」の字はどうやったって出せませんから、その分長くしたのかも、なのでしょうか。そういうところはやっぱり日本は得してるな、という気もします。一文字でいろいろ表せるわけですからね。瞳の中に「貞」の一文字、で恐怖を演出できるわけですよ。アメリカじゃ、黒目の中に「Mary」とか書けないですからね。ホラーではなくなってしまいます。笑い泣き

 

 先にも言いましたけれど、大すじは同じなのですから、なんか細かいどうでもいいところの設定を変える必要があるのかは、わたし若干ギモンに思いましたね。たとえば、冒頭出てくる二人の女の子のうち一人は生きてる、とか。なんかそんなことでちょっとずつ時間が延びるくらいなら、余計なことせずに90分で納めてくれた方がわたしはうれしいのですけれどもね。

 

 「リング」では真田広之がグイグイ引っ張ってましたが、本作ではやはりナオミ・ワッツが主役で、闘う女性という構図はこれまた日本とアメリカの文化の違いが如実に出てますね。わたしはキライではないですよ。やっぱり同じ映画でこうした「文化」の違いが演出されるのは当然ですからね。無理やり異国の文化をねじ込んでも、違和感だけで受け入れられなくなってしまいます。でもね、だからと言って余計なことをしなくてもいいんですよ。

 

 「リング」では劇中いっさい「リング」という言葉は出て来ませんでした。そこは観客の判断にゆだねられたのですね。ところが本作では、おそらくわかりやすくするためなのでしょうけれども、子供が「リング」の絵を描くんですよ。しかもセリフでもはっきり「リング」と言ってしまっている。これはマイナスですよ。そもそも「リング」の意味が違っちゃってるじゃないですか。わたしこれで一気にさめちゃいましてね、☆が5つ減ることとなってしまったのでした。プンプン

 

 なんかそこからなぜか、余分なシーンが頻発されるんですよ。フェリーで馬が暴れるシーンもいらないです。たしかに本作は、「リング」とは違って馬がひとつ重要なファクターでもあるんですが、わざわざあんなシーンを盛り込む必要はまったくないとわたしは思いますよ。なんかCGを使いたかったのか、演出のすごさをみせつけたかったのか、と、うがった観方をしてしまいます。

 

 だから、確かに本作は、単体として観れば良作だったのでしょうけれども、そもそも元に「リング」があるわけですから、差別感を図ったことが逆に日本人には大きなマイナス、となってしまっているのですよ。「リング」では真田広之がしっかりしていたので、松嶋菜々ちゃんといいコンビで描かれていて、それが共感を呼び怖さにつながったわけなのですけれども、本作はてえと、真田広之の役に相当するマーティン・ヘンダーソンがけっこうだらしなく、ほぼナオミ・ワッツ単独で描かれてますからね、たしかにその方がアメリカ人ウケはするのでしょうけれども、やっぱり元を知ってるわれわれには「どうもなぁ……」となってしまうわけです。

 

↑いかにもダメダメ的な...。ショボーン

 

↑ブライアン・コックスも出てました。「グリマーマン」(グリマーマン | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))でスティーヴン・セガールにボコられたお方です。笑い泣き

 

 なんかオマージュなのか何なのか、チョイチョイ漢字が出てくるのもイミわかりませんし、息子はヘンな絵を描いてるし、女性を主役にしてその子供がカギを握ってるってのも、いかにも狙ったな感が出てて、さすがにことこの映画に関しては、イヤな気しかしないのでした。

 

 で、そうこうしてましたら、半分過ぎたあたりから、全然違う話になってきましたよ。もちろん、行きつくところは同じなのでしょうけれども、プロセスはまったく違うんですね。30分ぶんだけ、元になかった話が増えている、と。そうなるとこれもう「めんどくさい」しかないです。ガーン

 

↑「リング」では落とす方が殿方ですが...、

 

↑本作では女性です。行きつくところは同じだけれど、プロセスが違う、の典型です。なんでも女性にすりゃいいってもんでもないでしょうに。

 

 最後の井戸のところでは、こちらはちゃんと地下水っぽくなってましたが、なんかもうそういうところも逆に鼻につく、いうか。井戸の蓋開けて中を覗いたときと、ナオミ・ワッツが落ちてからの井戸の深さも全然違う感じですし、最終的に一番怖いのは、貞子=サマラがテレビから出てくるところだった、なんてことになると、結局日本版を超えられなかった、てことなのでありました。

 

↑まったく一緒...。ショボーン

 

 事情聴取しないってとこだけ同じにされてもなあ、ということなのです。期待感が大きかっただけあって、とってもザンネンでありました。ショボーンショボーンショボーン

 

 

今日の一言

 「エンディングロール、8分以上って……」

 

↑「くそっ、☆3つかよ」的な...。笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

レビュー さくいん