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2009年 84min.

ネタバレ してやりましたよ、ふふん。

敬称略

 

 

 監督 ジョン・シンプソン

 脚本 ジェイク・ウェイド・ウォール

 音楽 マルコ・ベルトラーミ

 

 男:キア・オドネル

 タバサ:キャサリン・ウィニック

 シェルビー:ローラ・ブレッケンリッジ

 リサ:ジェシカ・ルーカス

 ロブ:タッド・ヒルゲンブリンク

 ダン:リード・スコット

 

 えと、出演者は誰も知りません。監督もまったく知らないです。というところから始まりましたので、とにかくB級どころかC級、D級の臭いがしながら、覚悟して観始めることとなりました。とりあえずホラー、的な感じです。一縷の望みは、音楽がマルコ・ベルトラーミってことだけでした。いやそもそも監督、ジョン・シンプソンて……。ドン・シンプソンかと思って、「おっ」とかなりましたよ、最初は。

 

 なんかですね、オープニングもまあどこかで観たような感がぷんぷんしてますね。おどろおどろしい感じからタイトルが終わると一転して現代の明るい雰囲気になる、なんてのは「王道」というよりももはやありふれすぎてて、不安感しかないわけですね。

 

↑主人公なのですかね、シェルビー。

 

 めっちゃかわいいです。でもね、彼氏の車に乗ってて仲がよさげなのに、すぐこれケンカするんですよ。しかもスピードの出しすぎとかで、ですわ。もうね、たしかにそのケンカするってのは、アメリカっぽいっちゃぽいのでしょうけれどもね、いやこっちは映画観てるわけですから、せっかくそんなときくらいはケンカなんてギスギスしたとこ観たくないわけですよ。で、すぐまた仲直りするでしょ。だったら、なんなんその時間、てなっちゃいますよ。やめてほしいわけです。

 

 まあ、とはいえその後開始10分で、いや、まだなにかは全然わかんないですけど、不穏な空気になる、っていうのはスピーディーでいいですよ。全編84分しかないわけですから、どんどん進んでいってくれればいいのですね。

 

↑そしたらなんか降ってきました。

 

 えと、シェルビーと彼氏が高速道路を乗用車で走ってましたら、前のトラックと後ろの乗用車とでコンボイを組むことになりまして。(筆者注:「コンボイ」=主に大型トラックなどによる隊列(直列)走行)で、3台で高速を降りてガスステーションで話をして、先頭のトラックの運転手が「この先渋滞しとるからついてこい」みたいなことになって、そしたらその前のトラックから女の子が降ってきた、ということです。ふーむ、わけわからん、となりました。まあ、わけわからんでも、最終的に回収されればいいので、とりあえず「?」を頭につけながらも観ることとしますよ。とはいえ題名の「アミューズメント」の意味はわかりませんが。

 

 で、後ろの運転手とシェルビーが、降ってきた女の子を介抱している間に彼氏がトラック追いかけます。そしたら途中で逆にトラックから迫ってこられるハメになって、けっきょくトラックには逃げられ、しかたなくさっきの場所へ戻ると、シェルビーも降ってきた子もいなくって、後ろの乗用車の運転手が倒れている、となりました。おお、いよいよなにやら始まってきたやん、ということですね。要するに、後ろの男が「二人はさらわれた」と言いましたので、なるほど「アミューズメント」、人身売買の話やな、となるわけです。ただそれだと、どこがホラーやねん、という気もしないでもないですが。

 

↑そしたら乗用車の男、豹変しました。こやつが悪いやつだったということですね。

 

 なんかね、だから「え?」てなりますよね。「あ、そうなん?」的な。そもそもこの男、演技ヘタすぎなんですよ。普通の人の演技はそれなりだったのに、豹変して狂気の男は、あまりにも、なんです。いやいや、だいじょうぶか、てなりましたね。そしたら……。

 

↑突然場面かわって、タバサちゃんが出てきましたよ。

 

 女の子はみんなかわいいんですけどね。いや、ここでもう20分経過です。残り1時間。なんかね、ホラー音楽の帝王、マルコ・ベルトラーミの曲がなかったら、ホラーでもなんでもない気がしてなりません。全然怖くないわけですよ。

 

↑夜中にこうして不気味っぽいのが訪問してくるわけです。

 

 タバサがちっちゃい男の子(甥っ子)二人のベイビーシッターしてるときに、ですね。でもね、インターフォンがないわけですよ。アメリカでそれって、ほぽ致命的じゃないんでしょうかね。普通にドア開けちゃってますしね。いやもちろんドア開けるのに躊躇はしましたよ、ちょっとはね。でも開けたらアカンやろ、じゃないですか。いくら2009年の作品、13年も前だって言ったって、ですよ。なんなら13年前なんて、つい最近じゃないですか。そんなときにアメリカのどっかわかんないですけど住宅街で、夜中に突然訪問してきた男にドア開けるか、って。

 

 いえね、西暦何年の出来事、っていうのはなかったですよ。でも、なきゃないで、ならわれわれ観てるほうは、現代としてとらえるじゃないですか。要するに2009年の話、って。それでこれもそうですし、一番わたしが腑に落ちなかったのは、ケータイ持ってない、ってことなんですよ。最終的に、どっかでケータイ出てきましたけど、出てくるのはそこだけで、どんなにピンチになってもケータイで話そうというところがまったくないわけですね。たしかにホラー映画でケータイってなると、ホラー自体が難しくなっちゃう部分もあるにはあるでしょうけれども、それを乗り越えての映画じゃないですか。それを安易に「ケータイ?は、なにそれ?」みたいな感じで話進められても、なわけですね。もうここで0個まっしぐら、となってきました。

 

↑このピエロ人形にしたって、こんな人形、だれが買うかっての、てことでしょうに。

 

 ほかにもたくさんピエロの人形はありましたよ、この家にはね。男の子たちが好きなんですかね、ピエロ。普通でも不気味なのに、こんなにたくさんそろえるのはどうなんや、ってのもありますけど、そこはそれ100歩ゆずったとしても、ですよ。写真のようなこんな人形はいくらなんでもヒドイじゃないですか。てことは、ははーん、これは犯人が置いたものか、いやいや等身大だから犯人が化けてるに違いない、ってなっちゃいますよね。そんなクソみたいな演出はもうわたし怒りすら覚えましたよ、正味の話。

 

 で、タバサ、久々にこの家に来て、そのピエロのある部屋で寝る、て……。もはや理解不能なわけです。怒りを通り越して失笑することとなりました。

 

↑寝てるし。

 

 そしたら……。

 

↑あっち向いてたピエロが……、

 

↑こっち向く、という……。

 

 えと、要するに思ってたことが大正解となったわけですけれどもね、犯人がピエロに化けてるっていう。ていうか犯人、どんだけ忍耐強いねん、て。タバサ以外はちっちゃい子二人しかいないわけですよ。しかもタバサ、寝ちゃってますしね。なんでここまでなんもせんかったか、てことじゃないですか。もうわけわかりませんね。

 

↑そしたら電話かかってきます。

 

 タバサのおばさんからですね。で、タバサ、ピエロに背中向けて話してると、案の定こうしてピエロが立って、て。目を離したらアカンやろ、というのは、「志村、うしろー、うしろー!」にも通じますね。コントか、て。

 

↑で、襲われます。

 

 わかりやすすぎなんですよ。やっぱりケータイはないし。

 

 そしたらまた突然場面がかわりました。タバサ、FBIにいます。上映時間的にはもうあと1時間切ってますよ。そもそもシェルビーはどないなったんや、なんですよ。わけわかりません。

 

 なんて言ってましたら、今度はこれまた突然、子供の頃の話になりまして。回想ですね。そしたらタバサとシェルビーは友達だったんですね。まあだいたいの想像はついてましたけど、おお、それならそれでどうなっていくんや、という興味は、若干湧きました。だってなんかもう一人、知らない女の子いるし、男の子もいてるやないの、て。しかもこの男の子がそうとうなサイコパスで、ネズミ磔にしたりしてるわけですよ。なるほど、じゃあここから巻き返してくれるのなら、それはそれで良しとしようじゃないか、ですね。わたし、上から目線なのは否めませんけど。

 

↑これ、小学校の文化祭でその男の子ってのが作った作品だそうで。

 

 ホラーではなくスプラッターだったわけだ、て。小学校の文化祭ってのはイミわかりませんけど。

 

↑右の子がもう一人の女の子、リサです。やっぱりかわいいです。

 

↑そのサイコパスがこやつです。

 

 で、この子だけじつはオープニングでも名前の紹介されませんでしたし、ここのシーンでも名前呼ばれてませんよ。

 

 オープニングではですね、

 

↑こうやってまずタバサの子役の子が映し出されて、

 

↑で、こう変わって、

 

↑こうやって名前入りで紹介されて、ってなってたんですよ。

 

↑リサも子供時代。リサ子ですね。

 

↑こうなって

 

↑こうなってましたし、

 

↑シェルビーも

 

↑こうして

 

↑こうなってましたよ。

 

 でもね、男の子だけは、

 

↑こっから始まって

 

↑変わっても男の子のままで、

 

↑やっぱり最後も男の子のままだったわけです。名前もないし。

 

 まあ要するに、この男の子が犯人や、てことですよね。ここまで出てきた男のどれかがこの男の子のなれの果てで、人身売買に加担しているかなんかだと、そういうことが丸わかりになってしまった、ということなのですね。もう怖くもなんともなくなってしまいました。あとはスプラッターに賭けるのみ、ということなわけです。

 

 ただここでまた不安なのは、三人の女の子たちがそろいもそろって激カワということですよ。なんかね、そらそういうことも万に一つくらいの確率ではあるかもしれませんけどね、でも映画でこれやられちゃうとすっかりウソくさくなっちゃうんですよ。いや、だからってブサイク出せ、って言ってんじゃないですよ。でもことこの映画に関しては、あまりにも可愛すぎて、そっちばっかりが気になってしまう、というかなんかそんな感じになってしまうのですね。

 

↑そしたらここでフツーの感じの男がでてきました。

 

 名前は、ダン。モロボシ、ではないですけど、ダンくん。リサの彼氏ですが、なんかもうホラー映画では真っ先に殺される的な顔してますよ。ヒゲ濃いし。わたし、笑ってしまいました。いやこいつ、ゼッタイ殺されるやん、て。

 

↑えと、リサのルームメイトが行方不明になりました。

 

 そのルームメイトが、行方不明になる直前に会話した男が泊っているというペンションを探しに、リサとダンが来たのですけれども、そのペンションてのがこれですわ。ホーンテッドマンションやがな、てなりました。

 

↑ペンションの周りの景色もこれです。

 

  なにここ……、てなりますよね。

 

↑で、もちろんダン隊員が調べに行かされます。

 

 ウルトラ警備隊員だから、ではなく、衛生局の役人だから、だそうですけど、ペンションの男はこんな感じで顔が映りません。ダン隊員のうしろにペンションの男が立ってるんですよ、じつは。で、そうなると、なんや、じゃあこいつ(ペンションの男)が犯人やんと、まあもちろんそれはそれでよいのですけれどもね。

 

↑なんて言ってたら意外にあっさり顔出ししてしまいました、ペンションの男。

 

 もうこうなってくると、何がしたいのかわけわかりませんね。ひとつ言えるのは、全然こわくないてことだけはハッキリしている、ということではあります。

 

↑で、ダン、そんなとこのぞくから、(アンヌの「ダン、気をつけてね」の声が聞こえてきそうですよ)

 

↑こんなんなって

 

↑目に刺さるわけですよ。ウルトラ警備隊員、殉職です。

 

 わかりやすすぎて、なんの感動もないですね。

 

↑で、リサはってえますと、こんな真っ暗になっても外で待ってますよ。

 

 おかしいと思えよ、と突っ込みましたね。いつまで待っとんねん、て。

 

↑そしたらケータイ、出てきました。

 

 もうこれ、とってつけた感しかないです。このシーンによって、ああ、この映画はケータイのある世界なんだ、ってなりましたから、そうなるともう、ここまで一切ケータイが出てこなかったこと自体が不自然になりまして、ますます理不尽ワールドに突入していきますね。オムニバスなのかと思うくらい、三美人の話がつながってこないですしね。

 

↑リサは意外にアクティブではありますが。

 

 ただこのおかげで、どんどんホラー感がなくなってきます。

 

↑そしたらニューキャラ出てきました。もうほんと、めんどくさいです。男か女かもわかりませんし。

 

↑そしたらこのニューキャラも豹変しましたよ。笑うしかないです。

 

 なんて笑ってましたら、また突然タバサに戻っちゃいました。いや、なにしろこれほんと突然なんですよ。え、なんやなんや、て。なんならタバサのことなんて、すっかり忘れてましたからね。なんやったっけ、てちょっとしゅん巡しましたよ。で、あ、そうそう、FBIにおるんやった、て。ね、めんどくさいでしょ?

 

 で、さらにめんどくさいことに、事情聴取かなんかしてるかと思ったおばちゃんが、シェルビーとリサもこの建物の中で見つかった、とか言い出して、え、じゃあこの建物ってなんなん?、とかなってきます。FBIかと思ったらぜんぜんそうでなかったわけですよ。

 

↑その建物内なんですが……。なんじゃここ、て。

 

↑で、FBIだとばかり思ってたらじつはこやつという……。

 

 と、ここでようやくわたし気づきましたよ。さっきニューキャラだと思ってたやつ、じつはこやつだったのですよ。ダン隊員が殉職したペンションにいたのもこやつです。だから、カッパ着て家に現れたのも、なんならあの気色悪いピエロも、全部こやつやないかい、て。要するにオープニングで一人だけ子供だったあの男の子なんや、ということですね。ようやくつながりましたよ。ほほ~、なるほど、すっかりだまされたわい、すごい映画じゃないか、とはなりませんね。もうそれまでのシチュエーションやら展開やら時代背景やらがむちゃくちゃなので、ふ~ん、で終わりました。もうね、いいからさ、早よ終わろまい、てなりましたよ。なんなら、お願いだから早よ終わって、て懇願ですね。

 

↑タバサ、部屋に押しつぶされそうになる、て感じでしたよ。

 

 でもつぶされないわけですよ。つい最近、「ソウ」かなんかで実際に押しつぶされたシーン観たばっかりですし、助かるなら助かるで「スター・ウォーズ」的な緊迫感もないですし、もういいや、みたいな。タバサが主役なん?というくらいしか思いませんよ。

 

↑そしたらとつぜんシェルビーがこうなって現れました。

 

 いや、生きてられるんかこれ、て。とりあえず内臓はおちるやろ、て。「死霊のえじき」と比較してみたらいいわけですよ。トム・サヴィーニ激怒案件なわけです。

 

↑はりつけリサ子もでてきました。

 

 で、これを見てタバサひとこと。「なにをされたの!」て……。タバサ、かわいいけど、おバカなんでしょうか。そもそも、そこは叫べよ、的な。

 

 でもね、これまだまだわれわれ観客の神経を逆なでするようなことが起こるのですよ。

 

↑だいたいですね、いややっぱりこれ、ゼッタイ生きてられんやろ、痛さで起きてられへんやん、て。

 

 でも、なんですよ。ここで衝撃映像となるのです

 

↑あ……。

 

 たぶんですね、これみんな騙されたと思いますよ。写真ではわかりにくいかもですが、なんかつくりものの内臓をはりつけていだけ、みたいな。でも、なんとこれだまされたわ~、やられたわ、素晴らしいやん、とは間違ってもなりませんね。まったくおもんないです。ザンネンでしかないです。「えぇぇ……」てなりました。

 

↑タバサ笑って

 

↑犯人も爆笑して、

 

 まあ、楽しそうで何よりですね。

 

↑そうこうしてますと、あわてて逃げようとしてリサ子、刺されますよ。

 

↑でも、それをエサにして後ろの二人はまんまと逃げるわけですね。「今のうち、今のうち」て感じで、そそくさと。

 

 もう倫理観もなにもあったもんじゃありません。

 

↑で、ハシゴで逃げますけど追いつかれて、

 

↑男と激カワシェルビーちゃん落ちました。

 

 まあ、そりゃタバサが主役的なところはありましたけどね。わたし個人的にはシェルちゃんイチオシでしたから、ちぇっ、です。

 

↑で、タバちゃんが逃げ込んだのがこのトラックだそうですよ。トラックの箱の中。

 

 もうどうやってこの中に入るハメになったのかの説明はなにもありません。まあ、どうだっていいんでしょう、きっと。やっつけ仕事です。

 

 そしたらトラックも、なんかエンストして立往生しますね。ご都合主義にもホドがあるやろ、とまあ、でもそれはもう、今さら感満載でして。すでにわたし、怒りすら湧きません。

 

 で、男、エンストしているのになんか余裕ぷっこいてのぞき穴からのぞくんですよ。もうおわかりですね。あーあ、そんなとこのぞきこむから、って。だいたいさっきお前それ、お前がウルトラ警備隊員にやったやつやん、て、嘆息です。

 

↑ああ、それお前、アホやん、て。

 

↑案の定ですわ。

 

↑爆笑案件です。コメディですかね。一瞬「フライングハイ」を思い出しましたよ。

 

 けっきょく最後の最後で、ああ、男のあの笑い方、あれが犯人を示唆してたんや、てわかりましたけど、もちろんなんの感慨もないです。焦燥感しかないです。

 

 子供のころの恨み、だそうで。ホラーでもなく、スプラッターでもなく、大した驚きもなく。84分しかないのに疲労感だけが残るという……。

 

 「ソウ」、狙ったんでしょうけどね~。0点っす。

 

 

今日の一言

「オープニングのコンボイしてたとこってなんやったん?」

 

 

レビューさくいん

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