みなさん、「勝利への旅立ち」って映画、ご存知でしょうか。

インディアナ州の田舎の弱小高校バスケットボール部が、あるコーチの就任によって州大会の決勝に挑む、っていう、俗に言うスポ根ものなんですが、いやいやスポ根とバカにすることなかれ、これがもう全編鳥肌感動の嵐で、実話をもとにしてるってのも相まって、号泣のまま最後まで突っ走ります。邦画で言えば「ルーキーズ」に近いですかね。

わたし、高校一年の時に“E.T.”を観て映画にハマって、いまや蔵書ならぬ蔵DVDが3,000本を超えるんですが、そんなわたしの、一番好きな映画です。☺️

わたしは、後のトラブルがイヤなのであんまり人に物を薦めるってことをしないんですけど、この映画はぜひ観てほしいと思います。

主演が、わたしが神と崇めるジーン・ハックマン。「スーパーマン」でレックス・ルーサーの役をやって低迷していた我が神が、事実上の復帰作となった映画で、さすがのアカデミー俳優の、しかもこれぞジーン・ハックマンという演技を存分に魅せてくれてます。

 

 

 

 

わたし、20歳の時にアメリカのカリフォルニア大学リヴァーサイド校に留学してましたが、ジーン・ハックマンの生家の隣町で、それだけで感動してたのに、なんとこの映画がちょうど封切られたところで、まだまだ英語を喋るのもおぼつかないのに観に行きましたよ。😅

映画館はめちゃくちゃ盛り上がってましたね。さすがバスケットボール発祥の国、て感じでした。初めて観に行ったときは観客も少数だったんですけど、そのあとすぐにどこかのテレビ局が、「これぞアメリカのバスケットボール」ってこの映画の特集組んだものですから、翌日から映画館が長蛇の列になると言う、観る方もさすがアメリカ、て感じでした。

帰国してからも試写会で観ましたが、日本でもシュートが決まるたびに歓声が起こったりして、盛り上がる映画、ってことがおわかりいただけるかと。

珍しいジーン・ハックマンのラブシーンも拝めますから、レアでもありますな。相手はバーバラ・ハーシーですけど。σ(^_^;)

 

 

で、もひとつレアなのが、共演が故デニス・ホッパーてこと。アカデミー賞には縁のない人でしたが、映画ファンなら誰もが認める実力派俳優。「ブルーベルベット」で全米映画批評家協会賞を、この「勝利への旅立ち」でロサンゼルス映画批評家協会賞を獲得、アカデミー賞の助演男優賞にノミネートされました。

ジーン・ハックマンは「フレンチ・コネクション」でアカデミー主演男優賞、「許されざる者」でアカデミー助演男優賞を受賞してて、そらもう神です。

その二人のツーショットは、映画史に残すべき貴重なものだと思うのですが、いまいち話題にならないのが不思議でありますね。わたしなんか、それだけで泣いてましたよ。😅

 

 

 

 

邦題は「勝利への旅立ち」ですが、原題は“HOOSIERS ”。「インディアナ州の人たち」って意味です。日本で公開された時の原題は“BEST SHOT”てわかりやすく改題されてましたが。😁

全編流れる音楽も秀逸。これもわたしが一番好きな作曲家、故ジェリー・ゴールドスミス。「オーメン」でアカデミー賞を受賞したほか、「猿の惑星」「エイリアン」「スタートレック」「ポルターガイスト」「ランボー」「グレムリン」「スーパーガール」など、枚挙に暇がありませんね。

これだけすごい人たちがよってたかって作った映画ってのもなかなかないですが、加えてバスケットボール部の高校生たちが、一人を除いてみんなオーディションで選ばれた素人だ、ってことも特筆です。ジーン・ハックマンが彼らに演技指導して(羨ましいにもホドがあります)、彼らがジーン・ハックマンにバスケ指導する、というとっても良い雰囲気で終始撮影が進んだそうです。

ということで、さっきも言いましたようにいまいちマイナーなのが納得いかないのでありました。

とにかくまあ、なにも考えずに没頭できる2時間弱。ぜひ観ていただきたい一品なのであります。

 

 

レビュー さくいん