★★★★★★★★★★

1988年 132min.

ネタバレ みなさんご存じのことと思いますし。

敬称略

 

 

監督 ジョン・マクティアナン

製作 チャールズ・ゴードン、ジョエル・シルバー

音楽 マイケル・ケイメン

 

ジョン・マクレーン:ブルース・ウィリス

ホリー:ボニー・ベデリア

アーガイル:デヴロー・ホワイト

ハリー:ハート・ボックナー

タカギ社長:ジェイムズ・シゲタ

ハンス:アラン・リックマン

カール:アレクサンダー・ゴドゥノフ

アル:レジナルド・ヴェルジョンソン

ドウェイン:ポール・グリースン

ビック・ジョンソン:ロバート・デイヴィ

リトル・ジョンソン:グランド・L・ブッシュ

ソーンバーグ:ウィリアム・アザートン

ゲイル:メアリー・エレン・トレイナー

 

 

さあ、ということで、おそらくご想像通りだったと思いますが、クリスマス特別第3弾では「ダイ・ハード」であります。

 

↑あ、20世紀フォックスやん、というところで始まりですね。

 

↑ここ、ロス・アンジェルス空港がいきなり出てきて、わたくし的にはちょっと盛り上がるところですね。だいたいこの時期にわたしもここの空港の、まさにこの場所でちょっとドキドキしながら留学の第一歩を踏み出したわけですから、とっても懐かしいわけです。懐かしついでに、やっぱりタバコ吸っとりますよ。この時代はどこででも平気でタバコ吸えましたからね。今じゃ考えられないことです。

 

↑こうして日本人が出てきて、しかも企業の社長役となりますと、そういうところでもうれしくなったりしますが、ザンネンながらその昔はハリウッドで日本人が出てきてもその文化が正確に受け入れられてはいず、そもそも日本人の名前が「バンザイさん」だったり「ヤカモチさん」だったりしてたわけで、今回はタカギ社長なわけですから、わたしとっても嬉しかったことを覚えてます。

 

 今回は、わたしこれDVDで観たんですけれど、最初設定を間違えて吹替になってしまっていたんですね。で、あわてて原語の字幕に直して観たんですけれど、ここのシーンでタカギ社長が「あ、おかげさまで」って言ったときは、あれっおかしいな、と、吹替は原語に直したはずなのに、なんて思ってしまいました。それだけちゃんとした日本人の方を使っていただけているということでも、やっぱりこの映画はいい映画、と言えると思ったりもするのです。まあ、なにが「おかげさま」なのかはわかりませんでしたが。

 

 ちなみにこのタカギ社長のジェイムズ・シゲタさんは、本名をジェイムズ・繁田と言われる日系三世で、ハワイの日系移民の家にお生まれになられましたから、厳密には日本人ではないのですけれども、日系移民なので母国語は日本語、英語は学んで身につけた、ということです。日本でも歌手として活躍され、紅白歌合戦にも出られたそうですよ。

 

↑このシーン、真ん中の妊婦さんが上司であるボニー・ベデリアに「妊婦ですけどお酒飲んでもいいでしょうか」と相談するところなのですけれども、この時代はそれもヨシとされていたのですね。今ではとうてい考えられないことですが、さきほどのタバコと言い、いろいろ時代のギャップは感じさせられました。

 

↑ブルース・ウィリスの奥さん役、ボニー・ベデリアです。夫婦はスレ違いですけれど、いい奥さんの役なんですよ。このあと意見の食い違いで言い争いみたいなことにはなりますけど、それも単に「言い合い」でいどで、決してケンカしているという部類のものではなくって、二人ともが愛し合ってるというのはよくわかります。だからわたし、どうしてもこの「ダイ・ハード」シリーズの3作目であっさり離婚したことになっていた意味がまったくわからんのですね。さすがの「ダイ・ハード」シリーズも、2作目までしかもたんかったか、という感じでした。「ダイ・ハード3」の監督は本作と同じジョン・マクティアナンだったのにこれでは、心からザンネンに思ったことでありました。

 

↑ブルース・ウィリスを空港まで迎えに行ったアーガイル。この役を演じたデヴロー・ホワイトはとってもいい味を出していましたけれど、なんか現在の情報は無いです。ほかの映画にチョイチョイ出ていたみたいですけど、いまどこでなにをしてるのか全然わかりません。2020年の「ダイ・ハード」という名前のカー・バッテリーのコマーシャルに出ていたらしいですけどね。

 

↑撮影監督、ヤン・デ・ボンです。ご存じかと思いますけれど、このあと1994年に「スピード」で監督デビューされとりますよ。そのあとも、1996年に「ツイスター」、1997年「スピード2」、2003年には「トゥームレイダー2」なんて監督されましたが、「スピード」がキャリアハイというザンネンな結果に終わっとります。今後の巻き返しに期待したいところです。

 

↑ブルース・ウィリス、このころからもう、ちょっと頭が寂しくなってますが、でもかっこいいですよね。2022年の3月に、失語症であることを告白してあっさり引退されてしまいましたが、第二の人生、めげずにいてもらいたいものです。まさかあのジョン・マックレーンが、という気がして、わたしもあまりにショックでしたけれど、いまは心身のご健康を祈るばかりです。寂しいですね。2022年なんて自身の年間最高本数、11本の映画に出演(ほぼ主演)されとるんですよ。衝撃は大きかったです。

 

↑ここがさきほど言った、言い合いのシーン、です。ケンカというほどのものではなく、しかもこういういがみ合いも最小限に抑えられてます。ラストではこのシーンが感動に結び付くわけで、やっぱりいい映画だなあ、と思わせてくれるわけです。

 

↑アレクサンダー・ゴドゥノフ。わたしこの人、まず「刑事ジョン・ブック 目撃者」で見て、またまたロン毛のえらい男前が出てきたな、て思ってたんですよ。どことなくクリストファー・ランバートに似てますけど、こちらのほうが目がかっこいいです。で、その次に「マネー・ピット」で見て、ああ、やっぱり男前やん、と。でもふたつとも、若干軟派だったんですよ。そしたらこの悪役ですわ。わたしすごくうれしくってですね、こりゃあ今後のハリウッドも安泰やな、なんて思ったんです。そしたら1995年に46歳で亡くなっちゃって……。わたしあまりにビックリして、あわてて雑誌の「ロードショー」編集部に電話かけたんですよ。そしたらなんか理由はわからないけど亡くなってしまったのは事実だと知らされて、仕事中でしたけどちょっとしばらく立ち直れなかったですね。のちに判明したのは、急性アルコール中毒だったらしい、ということなのですけれども、それならもうほんと、なんでなん、とザンネンでならないです。

 

↑アラン・リックマン。さあ、この人が出てきていよいよ事が始まりますが、開始18分ですよ。様々な紹介を15分程度に抑えて、あとはもう最後までノンストップとなるわけです。

 

 ていうか、アラン・リックマンも亡くなっちゃったんですよね。多くの方には、「ハリー・ポッター」シリーズのスネイプ先生、ということなのでしょうか。わたしは「ハリー・ポッター」は一作目しか観たことないのでよくわからないですけれども、けっこう人気のキャラだったらしいですね。イギリスの方で、舞台出身、映画は本作が初出演。それでこれですよ。とんでもない役者さんだと思いましたね。まあ舞台ではシェイクスピアをやられていたそうですから、実力は折り紙付きなのでしょうけれども、初出演でこれはスゴイことです。しかも悪役ですしね。イギリスが主戦場で、映画は「ハリー・ポッター」シリーズが多いとなると、必然的にわたしはお目にかかる機会は少なくって、昨年に「スウィーニー・トッド テリート街の悪魔の理髪師」で見たときはもうすっかり出来上がった感があられました。まさか69歳で亡くなってしまうとは、ですが、すい臓がんだったそうですね。なんかほんと本作を観るといろいろザンネンな思いにさせられてしまいます。「アラン・リックマン死去」の報をYahoo!ニュースで見たときはほんと、アレクサンダー・ゴドゥノフと同じくらい衝撃だったのをつい最近のように思い出しますけれど、あれからもう7年もたつのですか。寂しくて悔しいですね。

 

 ああ、いやいや、そういうお話はもう終わりにします。そういうブログではないですね。映画の感想を言うブログですから、ちゃんと映画に目を向けるといたしましょう。

 

 さて、ということで、開始20分でアラン・リックマンが出てきて、いきなり銃をぶっぱなしますよ。戦争開始の号砲ですね。わたしこれ初めて観たときは、なんだなんだ、何が始まるんや、とワクワクしてました。あと2時間、どうやって楽しませてくれるんや、てなりました。

 

↑で、あっという間にこうやってブルース・ウィリスが孤軍奮闘することになりますが、

 

↑こやつは……。

 

 「リーサル・ウェポン」でも言いましたけど、こういう緊迫した映画にちゃんとこうやってちょっと笑えるホッとできるシーンがあるから、映画って素晴らしいんですよね。このメリハリのおかげで、われわれ観客は最後まで緊張感を持続できますし、心から映画を楽しむことができるわけです。

 

↑正直この先どうなるのか、って、ほんとにドキドキしてましたよ。

 

↑そしたらこれでしょ。今度はブルース・ウィリスからの宣戦布告なわけですよ。しかもアラン・リックマンたちからしてみれば、見えない敵からの、ってことになりますからね。ドキドキはここでワクワクににかわりますよね。

 

 その後ブルース・ウィリスは、あの手この手で外部と連絡を取ろうとしますけど、なかなかうまくいきません。警察無線で今起こっているテロ事件を通報しているのに、イタズラすると逮捕しますよ、とか言われる始末ですわ。

 

 こういうことはよくありますよね。映画を盛り上げようとして、ほんまこんなやつおるんか的なわからずやを登場させて、主人公を窮地に追い込む、みたいな。ここも若干それに近いのかなと思いましたが、それもあまり苦にはなりませんでした。

 

↑おいおい、ほんまにこんな融通きかんもんなのか、って思ったんですけどね、そんなんほんのちょっとしたことにしかすぎず、すぐにまたトンデモなことが起こってわれわれ観客は映画の世界に引き戻されて、終わるころにはすっかり忘れてしまっているのです。やっぱりね、長い映画はダメだわねと思い知らされますね。畳みかけて畳みかけて、さらにまた畳みかけてくれるほうが、観ているほうは疲れますけど充実するんですよ。そういう基本的なことが全部詰まっているのがこの「ダイ・ハード」だとわたしは思いますね。

 

↑ここの場所を二度目に通るブルース・ウィリスが、このヌードポスターにタッチして“Girls.”って。もうわたしここ、大好きです。

 

↑かと思えばまたすぐ次にこんなシーンでしょ。うれしい限りですよね。

 

 ところで本作、ブルース・ウィリスは次々とピンチになるのですけれども、それをまた次々と切り抜けていきますよね。で、その切り抜け方が、まったくムリがないんですよ。一瞬、そらムリやろ、と思うんですけど、でもすぐ次の瞬間にブルース・ウィリスが切り抜けると、ああなるほど、できんこたないのか、って思わせられるんです。それがこの映画の、心底スゴイところだと思うわけです。要するにブルース・ウィリスは、超人じゃないんですよ。シルヴェスター・スタローンでもなければ、アーノルド・シュワルツェネッガーでもないんです。一般人とは言いませんけど、普通の武闘派警察官、というのがしっかりと描かれていて、だから人気が出たのでしょうね。まあただ、とはいえ、「こちらブルームーン探偵社」に出演されていた方とはとうてい思えないですけどね。

 

↑レジナルド・ヴェルジョンソン。この人も本作で人気が出ましたよね。わたしは、1986年に「クロコダイル・ダンディー」で、オーストラリアの未開の地から大都会ニューヨークにきたポール・ホーガンを乗せるリムジンの運転手の役で、ものすごく印象にあったんですけど、だからここで警察官の役で登場したときはひそかに心の中で拍手しましたよ。ただわたし、このかた見ると間違いなく水野晴郎氏を思い出しますけどね。

 

 で、このレジナルド・ヴェルジョンソンが期待に違わず、まあこれいい演技を魅せてくれましたよ。

 

↑最初はこうして、せっかく大銃撃戦が起こっている「ナカトミ・ビルディング」の偵察に来たのになにごともないと帰ってしまうのですけれども、

 

↑そしたら乗り込んだパトカーに上から人が降ってきて、

 

↑あわててバックして、ここでようやく警察、FBIを巻き込むド派手なアクション映画に変貌するのですね。

 

↑でもやっぱりこやつはこうですけど。

 

 まあなんにせよ、小気味がいいというか、流れがいいです。まったく飽きさせないのですよ。脚本力、演出力、そして演技力。どれをとってもマイナスなどみじんもないというわけです。

 

↑ウィリアム・アザートン。略してウザートンですね。ほんとにこの人、出る映画、出る映画、どれをとってもウザい役ばっかりで、本人的にはどうなんやろといつも思うのですが、でも貴重な存在ですよね。こうした人がいないとやっぱり映画が成り立たない部分もあるわけで、だからほんとウザいんですけど、ありがたい存在なわけです。

 

↑わたし本作、好きなところたくさんあるんですけどね、このブルース・ウィリスがタバコを吸うシーンも大好きなわけですよ。

 

 わたし、20歳の大学生のときにアメリカ留学しましたけど、向こうでタバコを覚えまして、以来2003年の10月13日までずーっとタバコ吸ってました。喫煙歴17年間ですね。(どうして辞めたのかはまた別のお話です。いつかこのブログで話す時があるかもしれません)多い時は一日40本というチェーンスモーカーだった時期もありました。世界各国のタバコを買いあさって、パッケージを自宅の壁に画びょうで止めていた、なんてこともしてましたしね。ですから、タバコをおいしいとおもったこともあったわけです。もちろん今はまったく吸ってません。10月13日以降、一本も吸ってませんし、吸いたいとも思いません。でもね、この映画のブルース・ウィリス見ると、ほんとにおいしそうにタバコ吸うんですよ。だからいつもちょっとだけ、タバコまた復活させようかな、なんて思ったりもするのですけれども、もちろんそうはなりませんね。高いですしね、この辞めていた時間をムダにしたくないですし、なにより長生きしたいですからね。まあやっぱり古い映画は、いろいろ時代の流れを感じさせる、ということですね。

 

↑「リーサル・ウェポン(リーサル・ウェポン | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」でも紹介しましたけど、わたし大好きな、メアリー・エレン・トレイナー。今回はこうしてテレビキャスターの役で、ブラウン管(!)越しの映像のみでしたが、やっぱ好きです。

 

↑ここのシーンではブルース・ウィリスが無線でレジナルド・ヴェルジョンソンと話してるんですけれど、そこでテロリストたちの説明をするのに、「やつらはシュワルツェネッガーなみに武装している」って言ってます。1985年の「コマンドー」、1987年の「プレデター」は両方とも20世紀フォックスの映画ですからね。なるほどですが、わたしは大いに笑いましたよ。

 

↑ポール・グリースン。この人もいい脇役者ですよ。ここではウザい警視なんですけど、FBIがきたとたんにヘーコラしだして、憎めない感じではあります。ただこの方もザンネンながら2006年に、67歳で亡くなられました。アスベストによる中皮腫が原因だそうで、またこれもザンネンでならないです。どちらかというとテレビのほうが多いのですかね。

 

↑このひともまた出てきましたよ。「リーサル・ウェポン」に出てらしたアルバート・レオン。まあやっぱりロッチ中岡ですけどね。

 

 さあ、で、こうしていろいろ役者がそろいだしますと、映画もハデさを増しますね。

 

↑せっかくロス・アンジェルス警察(L.A.P.D.)の装甲車が来たのに、

 

↑爆破されますよ。

 

↑それでさらに大爆発。いやあ、わたし初めて観たときは、ほんとド肝を抜かれましたね。ここまでやるんか、いや、やってくれるんか、て。

 

↑ウィリアム・アザートンも“Oh my God!”て、ここだけはわたしも彼に同感です。

 

↑でもすぐ次にはこうやってちょっと落ち着くシーンがでてくるわけですよ。なんか監督にいいように転がされてる感じですけど、それがまた心地よい、と。ここでは、ブルース・ウィリスがレジナルド・ヴェルジョンソンと話していて、最後に“Thank you , partner.”って言います。なんかうれしくなりますよね。そういうことなわけです。

 

↑もう一人ウザいのが、このボニー・べデリアの同僚、ハリーです。アホすぎて同情の余地もないのですけれども、そもそもこやつ、いったい会社でどんな地位だったのでしょうね。こんなのがこんな大会社にいて、なんかの役にたっていたのかと考えると、理解不能にはなります。演じるのはハート・ボックナー。1984年に「スーパーガール」で見たときは、なかなかのイケメンだったのですけれども、4年経って鳴かず飛ばず、すっかりどうでもいい役になってしまっていました。本作でも大した演技力を求められるわけでもないのですけれども、でもこうしてウザいならウザいなりに、最後アセりまくって殺されるところのシーンは、けっこう上手いとは思いました。この写真の笑顔がそれなんですけど、まあ俳優人生にもいろいろあるわけですね。現在もう66歳。とはいえまだ66歳。頑張ってほしいものです。

 

 ところでこのシーン、ちょっと腑に落ちない点が……。いえね、ブルース・ウィリス演じるマクレーンとハート・ボックナー演じるハリー、本作ではマクレーンがこの会社に来て初めて顔をあわせてるんですね。その時も、ちょっとした会話はあったものの、大した話はしてません。で、その後すぐにこうしてパニックになって、それ以後このシーンで二度目の対話、となるわけです。でも対話と言ったって、無線越しですからね、声の質も鮮明ではないでしょう。でもマクレーン、無線機越しの声を聞いて、その声の主がハリーだとすぐに判別いたしましてね。これはないやろ、てわたしは思いましたよ。いや、まあ百歩譲って、声はわかったとしましょうよ。でもね、名前は出てこんと思うわけですよ。名刺もらったわけでもないですしね。

 

 ところが、ですわ。ところがわたし、ここで再度思いましたよ。いやいやブルース・ウィリスは刑事やん、と。しかもニューヨーク一のやり手刑事との触れ込みじゃないですか。そんな刑事の能力なら、人の名前と声を覚えるのくらいわけないのではないか、いやいやそれが仕事ですらあるだろう、って。まあ、そういう映画なわけですよ。要するに、疑問はあっても次々に解消されていくわけです。用意周到にことは運ばれていくのです。

 

↑で、ハート・ボックナー、殺られました。その時の銃声を聞いた、ボニー・ベデリアです。でもおそらく観客は誰も、ザンネンな気持ちにはならなかったでしょうね。なんなら、なんで撃たれるとこ見せてくれへんねん、という欲求不満のほうが勝っていたかもしれません。少なくともわたしはそうでした。

 

↑こやつもいいかげんアホなわからずやなのですけれども、

 

↑それに怒りの形相で反発するレジナルド・ヴェルジョンソンがまたかっちょえいんですよ。泣けてしまいますね。

 

 さて、そうこうしてますといよいよ満を持して、役立たずのFBIが登場します。

 

↑ロバート・デイヴィ。いいですよねえ、このいかにもワルそうなFBI。FBIは二人くるのですけれども、二人ともラストネームが「ジョンソン」ですので、わかりやすくするために、ビッグ・ジョンソンとリトル・ジョンソンと呼び分けていて、こちらはビッグ・ジョンソンのほうです。

 

 ビルの中ではさらに緊迫感を増してきてますよ。

 

↑アラン・リックマンとブルース・ウィリスが初対面、ですが、不意を突かれたアラン・リックマンが、ブルース・ウィリスに自分も逃げてきたのだとごまかしてます。咄嗟にこんなしてごまかせるもんなのか、と一瞬思いましたけど、でもマニュアルがあるのかもしれんな、と思い直しました。

 

↑またまた「リーサル・ウェポン」からの引継ぎで、グランド・L・ブッシュも登場します。こちらがFBIのもう一人、リトル・ジョンソンですね。まあ、そう背丈は変わらないんですけどね。

 

↑で、ビルではこうなりました。外と内を交互に見せていく手法はよくありますけれど、本作ではそれがとってもスピーディーにほどこされていて、まったく違和感がありません。

 

 ところでこのときブルース・ウィリスがアラン・リックマンに、「おお、声をようごまかしとったな」と言うんですけれど、そこだけはわたし、「ごまかせてへんわ」と突っ込んでおきました。声色、ぜんぜん一緒でしたからね。でもやっぱり無線でしか聞いてなかったからわかんなかったのですかね。そしたらさきほどのハート・ボックナーの説明が脆弱になりそうですし、まあ結果、よくわかりません。

 

 先にも言いましたけど、役者はみんな演技が上手いんですよ。そういう人材が豊富だったということもありますし、そういう人たちを集める資金力もあったということなら、やっぱり映画は80年代が最高だと思うわけですね。

 

↑レジナルド・ヴェルジョンソンがブルース・ウィリスに、自分がなぜ内勤にまわったのか、どうして銃を撃てなくなったのかを説明するシーンですが、このブルース・ウィリスの表情がもう秀逸なわけですよ。最高なのですね。

 

 そうそう、そういえばここらへんでちょっと思ったのですけれども、わたしこの映画、クリスマスに観るべき3大映画として、「グレムリン(グレムリン | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」、「リーサル・ウェポン」に次いで観たわけですけれども、もちろんクリスマスパーティーのさなかの出来事ではありますが、映画では全編ずーっとベートーヴェンの交響曲第九番(いわゆる「第九」)がかかっているので、クリスマスというよりニューイヤーの色が濃いのですね。どちらかというと「ダイ・ハード2」のほうがクリスマスではあります。

 

↑ここはわたし、この映画で一番笑ったシーンですが。これね、ビッグ・ジョンソンのロバート・デイヴィが本部に電話するのですけれども、ここでロバート・ディヴィが言いますよ。“This is agent Johnson... No, the other one” めっちゃ笑いました。相手はなんて聞いたんでしょうね。“Little?”とか?ちょっと失笑気味に“No.”と言うロバート・デイヴィは大好きです。

 

↑ここはいよいよクライマックスに近づいて、ブルース・ウィリスとアレクサンダー・ゴドゥノフとが壮絶な殴り合いをするシーンですがこれ、やりすぎの感は否めませんね。いやもちろん映画ですからいいんですけど、でもこんなん、実際にやったらこれほどのクリティカルヒット、一発で失神するか当たり所が悪ければ死んでしまいますよ。そんなパンチをお互いに何発も何発も繰り出してるのにぴんぴんしてるのは、「リーサル・ウェポン」でもそうでしたけど、あり得ませんね。まあ映画だからいいんですけどね。だいたい映画でもリアリティをださなければ、とかいって一発で倒したりしていたら、たぶん全然人気でないでしょうからね。それをわかったうえで作ってるし、だからこちらも、わかったうえで観なくてはならない、ということではあるのですね。つまらんこというな、ということですね。

 

↑このシーンもなんかわたし好きです。なんでやって言われても困るんですけど、なにしろ好きなシーンなわけです。ワーグナーの「ワルキューレ」がかかってそうです。

 

↑ここはほんとすごいです。すっげえ、しか言えませんでした。手に汗握りまくりなわけです。

 

↑ダブル・ジョンソンズも殺られてしまいました。ザンネンです。

 

↑アーガイルも悪者退治に貢献しました。いい笑顔であります。

 

↑さあいよいよブルース・ウィリス、捕らわれの妻を救い出しに来ましたよ。ていうかボロボロやんけ、てわたし思いましたけど、それは出演者も同じだったようで、この姿を見たボニー・ベデリア、目を疑うような顔をして“Oh my God!”と言われましたよ。そらそうなるわな、というわけですね。

 

↑こちらのお方も迫真の演技です。実際に落ちるときはどんな気持ちなんでしょうね。一説によれば、途中で気を失うから最後まで意識があるわけではないとも聞きますけど、わたしはそうは思えないので、ほんと怖いです。もちろんこの高さから落ちれば、落ちた瞬間に即死なのでしょうけれども、そのあいだずっと意識があったらいろんなことを思い出したり悔いたりするのですかね。飛び降り自殺は許せるって言った人がいて、どうしてって聞いたら、死ぬ瞬間までに時間があってそのあいだに改心するかもしれないから、なんてのもたしかなんかの映画であった気もしますが、許せる許せないは置いとくとしても、その時間は当の本人にとって長いのでしょうか、短いのでしょうか。このシーンがスローモーションなので、ついついいつもそんなことを思ってしまうのです。

 

 さて、こうして親玉アラン・リックマンが死んでめでたしめでたし、とはならないのがこの映画の素晴らしいところなのですね。これでもかこれでもか、っていつまでたっても恐怖から解放されないってのは、1984年の「ターミネーター」以来の定番となりましたが、これは予期してなかったので、わたしそうとううれしかったのを覚えてます。

 

 ということでラストは、アレクサンダー・ゴドゥノフからレジナルド・ヴェルジョンソン、そしてウィリアム・アザートンと次々と肚落ちいたしまして、完全にスッキリして観了の運びとなったのでした。

 

 ブルース・ウィリスとレジナルド・ヴェルジョンソンの初対面のシーンはもう涙無くしては観られない、映画史上に残る最高に美しいシーンであります。

 

↑初めて劇場で本作を観たとき、このシーンを観て隣に座っていたお姉さんが彼氏に、「よかったねー」って言ってました。ほんと、おっしゃるとおり、であります。

 

↑ブルース・ウィリス、ここでアーガイルに“Merry Christmas.”って。もうなにからなにまで、さいごは笑顔ですよ。

 

 フランク・シナトラ、最高でした。

 

 

今日の一言

「あ、靴はちゃんと履きましょう」

 

ていうか、レジナルド・ヴェルジョンソン、アレクサンダー・ゴドゥノフ、名前長いっての。

 

 

レビュー さくいん