★★★★★★☆☆☆☆

1984年 106min.

ネタバレ まあだいたいわかってしまいます。

敬称略

 

 

監督 ジョー・ダンテ

製作 スティーヴン・スピルバーグ ほか

音楽 ジェリー・ゴールドスミス

脚本 クリス・コロンバス

 

ビリー:ザック・ギャリガン

ケイト:フィービー・ケイツ

お父さん:ホイト・アクストン

お母さん:フランシス・リー・マッケイン

ディーグル夫人:ポリー・ホリデイ

フッターマン氏:ディック・ミラー

ハンソン先生:グリン・ターマン

ジェラルド:ジャッジ・ラインホールド

ピート:コリー・フェルドマン

保安官:スコット・ブレイディ

保安官補:ジョナサン・バンクス

頭取:エドワード・アンドリュース

 

 

 えと、おっいきなり「グレムリン」やん、という感じで、遅ればせながらの季節外れなのですけれども、要するに昨年クリスマスに観た映画、というわけです。

 

 毎年クリスマスになるとどうしても観たくなる映画が3本ありましてね、そのうちの一本が本作、というわけで、なので今回と次回、次々回はクリスマスをほうふつとさせる映画のご紹介、となります。新年を迎え正月も過ぎ、いまさらの感はなきにしもあらずですが、年が明けて多忙な折、クリスマス気分を再び味わって現実逃避するのもよいのではないでしょうか。

 

 ということで「グレムリン」始まります。笑

 

 

 これ観ると、いつも高校3年生のことを思い出すのですよ。

 

 当時は、「冬の3G決戦」なんて言いましてね、この「グレムリン」と、「ゴーストバスターズ」、それに日本で「30年ぶりに悪魔が復活」と銘打って満を持して公開された「ゴジラ」が同時公開されたんですね。その頭文字を取って「3G」なわけです。まあわたし的に言いますと、そりゃ子供のころから東映まんが祭りとかいっては必ず祖母に連れて行ってもらって「ゴジラ」シリーズを観て育った世代ですからね、「ゴジラ」に対しては並々ならぬ思い入れがあったわけですよ。で、高校3年生、わたし迷うことなく「ゴジラ倶楽部」なるものの会員になりまして、試写会を観に行きましたさ。そこには、東映シンデレラガールで華々しくデビューした沢口靖子もおられまして、上映前には握手会なんぞもしてわたしも大いに青春を謳歌したわけだったのですけれども、思えば謳歌できたのはここまででありました。いざ映画が始まりますと、高校3年生の当時でもわかってしまうくらいの駄作。いやもう内容もむちゃくちゃなら、鳴り物入りの沢口靖子の演技も、とうてい「演技」と呼べるような代物ではなく、観ているこっちが恥ずかしくなるという体たらく。その2年前に「E.T.」を観て映画のすばらしさを知り、続いて「ランボー」を観て映画にハマったわたしも、あやうく映画をキライになるところでありました。なにが「3G」か、というわけで、いつもそれを思い出したりするのですね。

 

 で、わたしが思うにこの「3G」というくくりでは、本作が一番好きだと、まあそういうわけです。

 

 それにしてもこれ、わたし高校3年生で観たのですけれども、その前に「トワイライトゾーン 超次元の体験」を観ておりまして、そのわずか2年の間に早くもジョー・ダンテ作2本目、スピルバーグに至っては「E.T.」も含めて3本目ってんですから、やはりこの二人の当時の飛ぶ鳥を落とさんかの勢いが如実に表れている、という感じではあります。

 

↑このワーナー・ブロス社のオープニングロゴも懐かしいですね。いろんな映画会社のオープニングロゴがあって、20世紀フォックスのロゴを観ると「スター・ウォーズ」を思い出しますし、「ロッキー」と言えば「UA」(ユナイティッド・アーティスツ)ですし、で、この「ワーナー・ブロス」はやっぱり「グレムリン」なわけですよ。あ、もちろんわたしの偏見ですけれども、なんかそういうイメージではありまして、久々に観てちょっと感動してしまいました。

 

↑物語はこうしてお父さんのホイト・アクストンが出張旅行先のチャイナタウンでモグワイ、いわゆるタイトルロールのグレムリンを購入するところからはじまります。ただこれ、公開されるまでこのモグワイの見てくれはいっさいわかりませんでしたから、いったいどんななんやろってワクワク感はハンパなかったですね。またそれでここで流れるジェリー・ゴールドスミスの曲がなにしろいいわけですよ。しかもそれをモグワイがかわいく口ずさむなんてなったら、期待度はマックスとなります。

 

 まあお父さんば実はモグワイを正規に購入したわけではなくって、店主がダメだって言ってるのを、その店主の孫が、ウチはどうしてもお金がいるから、と店主に内緒で渡しちゃう、ということなんですね。でもここが一番重要なところなんですけれども、その孫が言うのに、飼うには3つの注意事項があり、これをやぶってはゼッタイにならない、となるわけですよ。こんなん言われたらもう子供心はくすぐられまくりますよね。さすがのスピルバーグなわけです。

 

 で、タイトルが出ると話は一転してアメリカの主人公のもとに移ります。つかみでしっかりと引き付けておいて、さあいよいよ、となるわけです。

 

↑ところでここのシーン、いつも思うんですけれど、なんかこうしてクリスマスになるとみんながみんなクリスマスツリー用にと、もみの木を買いに来るんですね。これクリスマス終わったらどうするんでしょうね、大量のもみの木。捨てるんでしょうか?どこかに植え付ける?いやいや、来年また再利用?ちょっとわからないです。ご存じの方おられたらお教え願いたいと思う案件ではあります。アルパカが全部食べるとも思えませんしね。

 

↑ダンテ監督ですからね、当然こちらのお方も出ておられますよ。ダンテ作にはディック・ミラー、です。やっぱいい味、出されております。

 

 もちろんジェリー・ゴールドスミスはオープニングから大活躍です。

 

↑ここで流れる曲は、とてもジョン・ウィリアムズの曲に似てます。知らなかったらおそらくわたし、作曲担当はジョン・ウィリアムズだと思うと思います。ジェリー・ゴールドスミスってそういうとこがありましてね、この監督のこの映画は、この監督が前に撮った作品で音楽担当した人の曲に似せよう、とかそういうことが簡単にできちゃう人なんですね。ものすごい才能だと思いますよ。それでいて、いやこれジェリー・ゴールドスミスだよ、っていわれると、ああなるほど、ってナットクしちゃう、みたいな。まさに天才なわけです。「オーメン」と「グレムリン」と「エアフォース・ワン」を同じ人が作曲してるなんて、言われてもわかりませんからね。すごい人なのです。

 

↑主人公のザック・ギャリガン。う~ん、イケメンではないけどブサイクでもなく、演技は下手じゃないけど上手いわけではなく、てとこからやっぱりこの人、本作だけで終わってしまった感がありますか。なかなか難しい世界ではありますね。2003年には、CD店で万引きして捕まったそうでして、なんかザンネンです。

 

↑大金持ちのディーグル夫人です。借金取りで、その返済には容赦はしませんところがもうスクルージですね。クリスマスキャロル感もあって、とってもいいですよ。まあこちらの方は最後も改心はしませんでしたけど。

 

↑「ビバリーヒルズ・コップ」のジャッジ・ラインホールド。「ビバリーヒルズ・コップ」は本作と同じ年の公開ですから、わたしすっかりこの人も大ブレイクすると思ってたんですけれど、なんかそうでもなかったですね。ザック・ギャリガンと同じ理由かと思われますが、好きな映画に出られてた役者さんたちが、その後は鳴かず飛ばずと聞くと、なんかものすごい虚無感を感じてしまいますね。陰ながら応援することしかできませんしね。この人も今年でもう65歳ですか。なんか2016年に空港で職員に暴行を働いて逮捕されてるそうで、やっぱりザック・ギャリガンと同じになってしまってますよ。村田兆治か、て突っ込んでしまいました。

 

 ところで、この時期のスピルバーグの製作する作品は、監督作とは違って必ずと言っていいほどちょっとコメディ要素が入ってますよね。先にも言いましたけれど、そういうところが子供心をくすぐるわけですよ。まさにエンターテインメント、という感じです。

 

↑玄関のドアを閉めるたびに落ちる、飾ってある剣だとか、

 

↑役に立たない卵割り器とか。

 

↑それでもって、その役に立たないものを作り続けてるお父さんのホイト・アクストンがまたいい味を出してるのです。

 

 落ちる剣なんか、このあとも何度も落ちてますよ。それを映像で魅せるのではなく、音だけで表現するってのがまた秀逸なのですね。製作のスピルバーグはもちろん、のちに「ホーム・アローン」や「ハリー・ポッター」なんかを監督することになるクリス・コロンバスの脚本もそうですし、監督のジョー・ダンテは言わずもがなで、それだけではないすべてがしっかりと絡みあって、こうした素晴らしい作品が出来上がったというわけです。

 

↑そうして引き付けておいて、満を持してモグワイ登場、となりました。われわれ観客はもうそこまでですっかりテンション上がってますから、間違いなくここでキュンキュンすることになるのです。

 

↑あざとい表情もお手のもの、という感じでしょうか。

 

 で、ここで3つの注意事項のおさらいをしますよ。観客の頭に再度しっかりと埋め込ませる、ということなのでしょうね。いわく、

 

1.   光にあててはならない

2.   水をかけてはならない

3.   【最重要】真夜中過ぎにエサを与えてはならない

 

と。

 

 いやあワクワクしますよ。いったいこの禁を破ったらどうなるのだろう、てことですよね。もちろん破るに決まってるわけですから、このあとの展開からもう目が離せなくなった、というわけです。自分の中で、どんどんどんどんワクワク感が広がっていくのが手に取るようにわかり、なんかもうそれだけでわたし、ウルウルしてしまいましたね。

 

↑モグワイ改め「ギズモ」です。新製品、という意味でお父さんがつけたのですが、このシーンで象徴されるように、音楽との融合がものすごくいいです。決してそれを主題にしているわけではないのですけれども、こうしてギズモがきれいな高音でジェリー・ゴールドスミスの曲をハミングすると、それだけでもう心は癒されますよ。癒されるどころか、感動すらしてしまいますね。まあ、無粋なこと言っちゃいますと、これ間違いなくジョン・ウィリアムズではできなかったと思います。そうしたところでもジェリー・ゴールドスミスの起用は大正解だったと思いますね。

 

↑お父さんの発明で部屋中にオレンジが飛び散ってます。

 

 そうして感動させておいて、でもこうやって笑わせる。いいようにもてあそばれてる気もしますが、それこそが映画、それこそがエンターテインメントだと思えば、心地よさすら覚えます。ただこれ、こういうのわたしいつも思いますけど、片付けるのタイヘンでしょうね。このあとこの家はもっとヒドイことになるわけですから、そういうところではちょっと疲労感を覚えたりもしました。まあ、余計なことなんですけどね、映画ですから。でもやっぱりこれ片付ける人がいるわけですから、取り壊すにしても掃除するにしても、そういう方たちには感謝せねばなりません。たくさんのいろんな人がいて、一本の映画ができあがってる、というわけです。

 

↑コリー・フェルドマン出てきましたよ。かわいいですねえ。今もほとんど変わってないですから、驚きですよ。この風貌で本作と同じ年に「13日の金曜日 完結編」に出てたのですから、それはそれで恐ろしいです。

 

 さあ、そうこうしてますと、いよいよ禁を破る時がやってまいりました。まあここは不可抗力っちゃそうなんですけど、水の入った瓶をコリー・フェルドマンがギズモの上にぶっ倒してしまうのですね。

 

↑そしたら繁殖しました。わたしここのシーンを観るといつも鈴カステラを食べたくなります。

 

↑新しく産まれたのはこやつらです。

 

↑まだこの時点では二人に余裕はあります。まあ、まさかあんな事態になるとは思いもしないでしょうからね、カワイイのが増えてうれしい、的な。なんなら、だれかに売りつけよう、そういう笑みなのかもしれませんよ。

 

↑こうやってチョイチョイお父さんの発明品がでてきて、観客の目をそらすことも忘れませんね。コーヒーメイカーですけど、なんかドロドロになって、コールタールみたいのが出てます。お母さんの表情見てると、ものすごく笑いをこらえてるようで、ひょっとするとこれ、どういう状況になるのか伝えてなかったのかも、とは思いました。そういうの好きですからね、スピルバーグ。まあわかりませんけど。いずれにしてもこのコーヒーメイカー、なにが出てきてるにせよ、そのほうがスゴイのでは、とは思いました。

 

↑酔っぱらったディック・ミラーが「グレムリン」について語ってます。そういう重要なところをこの人にやらせたっていうのは、ファンとしてはうれしい限りでありましたよ。

 

↑フィービー・ケイツ。もうね、激カワなわけです。当時のわたし、まだウブウブ童貞くんでしたからね、もうイチコロでしたよ。こんなカワイイ子がこの世におるんか、て。青春ですねー。もちろん「初体験リッチモンド・ハイ」も観ましたよ。ええええ、観ましたとも。鼻血ブーでした。ご愁傷様です。

 

↑こうして古い映画がちょっとだけ出てきます。モノクロの時代の映画ですけどね。そういうので育ったスピルバーグらしいですね。こちらの映画は「ボディ・スナッチャー 恐怖の街」です。「トワイライト・ゾーン 超次元の体験」の、ジョー・ダンテ監督のエピソードに出演しておられたケヴィン・マッカーシーが映ってます。そういう楽屋落ちもファンにはうれしいところなのです。

 

 まあ、ただちょっとギモンなのは、どうしてギズモみたいないい子から繁殖して出てきたのが、あんな悪いヤツばっかなんでしょうね。ギズモなんか、12時過ぎてエサをやろうとしたのに食べなかったんですよ。同一個体から繁殖いうか、細胞分裂したわけですからね、遺伝子は同じなはずじゃないですか。そういうところの説明はほしかったなとは思いましたね。

 

↑でもって、12時過ぎてエサを与えた結果がこれです。エイリアンのまゆですね。

 

 で、そうなるといよいよ話はガラッと変わって、「ジョーズ」を監督したスピルバーグに、「ピラニア」、「ハウリング」を監督したダンテが融合して、トンデモな展開になってきます。まあね、イヤな予感はしてたわけですよ。こんなほのぼので終わるはずがない、って。でもまさかあれほどのことになるとは思いもしてませんでしたね。

 

↑ファーストコンタクトはお母さん、フランシス・リー・マッケイン。本作と同じ年に「フットルース」、翌年には「バック・トゥ・ザ・フューチャー」、そのほか「スタンド・バイ・ミー」や「スクリーム」にも出てらして、ハリウッドでは欠かせない女優のわき役者さんです。ここでは、チャーミングだけど強い、というなんか昭和の母親みたいなのを見事に演じておられますよ。

 

↑スピルバーグがカメオ出演してますが、このシーンはもうすっかり有名ですね。自分の監督作品には必ずどこかでチョイ出演しているというヒッチコックを真似たみたいですけど、スピルバーグはこの映画の後はそういうことはなくなりましたね。同じようなことで、ジョン・ランディス監督が自分の映画では必ずどこかに“See you next Wednesday!”というフレーズを入れる、っていうのがあって、わたしはそれとても毎回楽しみにしてたりもします。会話だったりポスターだったりいろいろですから、なかなかに見つけるのが難しくっておもしろいです。やっぱ監督たるもの、なんかそうやって自分の作品にサインみたいなのを残しておきたいんでしょうね。わたしも土木工事の現場監督っていう監督のはしくれですから、じつは自分が作った公共物には、必ずどこかにサインを入れてます。もちろん決してわからないように、ですけどね。公共物ですから、わかってしまったらマズイですのでね。そういうところが映画監督とはちょっと違いますけど、自己満足ですからそれでいいのです。

 

 ちなみに、世の中に職業って言えるのって、とってもたくさんありますよね。それこそ、星の数ほどあります。でもその中で、「監督」って呼ばれるのって、映画監督などの映像関係とプロスポーツ関係、で、われわれ工事現場管理者だけ、なんですよねー。わたしなんて、大卒一年目で、右も左もまったくわからないのに、自分の父親以上の年齢の作業者の方から「監督」って呼ばれましたから。なんか面はゆいというか、むず痒い感じがしましたけど、なかなか貴重な職業なんだな、と思ったことではありました。

 

 閑話休題

 

↑もうね、笑えます。でも、いよいよ、なんです。

 

↑こうして激カワのフィービー・ケイツがちゃんとお色直しして出てきますから、あっちもこっちもで気持ちがとっても忙しいのです。でもそのほんろうされている自分がやっぱり心地よい、ということなんですね。ていうか、ほんとにむちゃむちゃカワイイですよ。

 

 ところで、なんですが。これ、最初の犠牲者は、コリー・フェルドマンが繁殖した一匹を持って行った小学校の理科の先生なんですけど、亡くなっちゃったんでしょうか。そういうところをハッキリさせないのはどうなんでしょうかね。あいまいにして子供も楽しめるように、ということなのでしょうか。でもこれ、おそらく亡くなってるわけですから、そう考えると決して子供向けの映画ではない気はします。いや、この後の展開を考えたら、子供向けではない、です。ここからエンディングまでは、「ジョーズ」とか「ピラニア」とかのパニックホラー的な要素がふんだんに出てくるわけですからね。なんなんですかね、スピルバーグ。ひょっとして子供たちを前半の天国から後半の地獄へ突き落として、泣き叫ぶさまを見てやりたい、なんて人類史上まれにみるサディストなんでしょうか。その昔、テレビの「トワイライト・ゾーン(ミステリーゾーン)」を観て育ったから、と言ったって、そっちはこんなに映像的に恐ろしくはなかったですからね。まあ、巨匠を甘く見たらイカン、ということなのでしょう、きっと。知らんけど。

 

↑だって変異してこの手ですよ。ギズモのあのカワイイ手からは想像もつかないじゃないですか。

 

↑当のギズモももうなすすべなしですし。

 

↑で、いよいよお母さんが決戦の場に向かうわけですね。ていうかこれじゃもうホラーですよ。まるっと「サイコ2」です。

 

 いややっぱりこれ大人にはおもろいですけどね、子供にはトラウマでしょうに。

 

↑もうね、そらないわー、的な。

 

 でもって、ここからの「お母さん vs グレムリン」がもうスプラッター映画の様相です。

 

↑こんなしてエクスカリバーして、

 

↑もう鬼の形相で、包丁でめった刺しにします。

 

 このあともお母さん、グレムリンを電子レンジに閉じ込めてチン、て。衝撃映像ですよ。あえて載せませんけどね、その写真は。

 

↑まあ、でもですね、外に逃げ出したのがこやつと、もう一匹、さっきの先生を亡き者にした学校へ持ってった一匹だけならなんとかなるか、なんてわたし思ってましたよ、高校時代は。なのにそんなわたしをあざ笑うかのように、

 

↑一番悪いこのストライプが自らプールに飛び込むわけですよ、しっかり鼻つまんで。頭はいいですね。ずるがしこい、いうか。こんなん無制限に繁殖しちゃうじゃないですか。

 

 あ、ていうかこれ、第2形態で繁殖すると、産まれてくるのもやっぱり第2形態なんですね。生物学的にどうなんでしょうかね。まあグレムリンって言ったら妖精ですから、それならなんでもありなんでしょうけれど、ここでグレムリンって言ってるのは、あくまでなぞらえただけであって、実際はやっぱり生物ですからね、新種だろうですけど。ちょっとご都合主義っぽいかな、とは思いました。

 

↑突然ジョナサン・バンクス出てきました。なつかしいですねえ。「ビバリーヒルズ・コップ」に出てた人ですね。この人、ジャッジ・ラインホールドと二度目の共演、ということですか。ちなみにジャッジ・ラインホールドは、「初体験リッジモンド・ハイ」でフィービー・ケイツとも共演していて、なんかいろいろ話題の作品に出てはいたのになあ、ってまた思ってしまいました。

 

↑雪にもぐるストライプ、なんですけど、ここでハタと思いましたが、雪では繁殖しないのでしょうかね。雪もとければ水ですからね。寒いからとけない、っていったって、グレムリン自らの体温ではとけると思いますよ。まさか体温、0℃以下なのでしょうか。それはありえないと思います。そういうところの細かいシチュエーションが、ここへきてちょっとおろそかになっちゃったかな、の感は出てきました。

 

↑パブに来てなんか酒飲んでるし、

 

↑その相手をフィービー・ケイツがしてる、っていう。

 

 この一連のパブのシーンはまったくイミがわからないです。なんでここでフィービーは襲われないのか、っていうよりなんで相手してんのか、って。ちょっとフザケすぎだとは思いました。いつもこのシーンではわたし、顔をしかめることになるのですね。雪で繁殖しないということと、このシーンでやっぱり3つマイナス、という感じでしょうか。

 

 そうそう、そういえばわたし大学生の頃なんですけど。えと、もう亡くなっちゃいましたけど、当時、関光夫って映画音楽評論家がおられましてね。で、その人のラジオ番組があったわけですよ。映画音楽の夕べかなんかって。でもね、この人そうとう古い人だったのでしょうかね、新しい映画とかはどうも観てなかったようでして、観てないのに80年代の映画と映画音楽をなんかエラそうに評論とかしてたのですよ。(すみません、なんか言い方キツくて申し訳ないですが、ちょっとヒドイので……)だいたいですね、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を観てもいないくせになんで番組でその曲を流すのか、ってことなんですよね。しかも、流す曲って、アラン・シルヴェストリの名曲の誉れ高きテーマ音楽でもなければ、ヒューイ・ルイスの「パワー・オブ・ラブ」でもなく、もうわたしなんの曲だったかすっかり思い出せない曲だったんですよ。次は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」です、って言われて期待してたのに、ですわ。で、あげくの果てにこのお方、「なんでこの映画、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』って言うんでしょうね」なんて言ったんですよ。信じられないじゃないですか。観てないことまるバレだし。こんな男に映画音楽のなんたるかを語る資格はないわ、ってハッキリ思いましたよ。で、本作「グレムリン」の曲もですね、やっぱり恐れていた通り、ジェリー・ゴールドスミスのこれまた名曲の誉れ高いエンディングテーマなどではなく、このパブのシーンでかかっていたスペンサーとか言う人の「メガ・マドネス」だったんですよ。ええぇぇぇ、てなりましたね。こんな曲(またまた言い方悪くてスミマセン)、わたし当時聴いてもわかりませんでしたよ。いったい映画のどこでかかってたんか、って。このパブのシーンではいつもそれを思い出すわけです。

 

↑すると突然映画が若干落ち着いて、フィービー・ケイツが、どうして自分がクリスマスを嫌っているのかの説明をしだします。まあね、どうなんでしょう。映画的にメリハリをつけたかったのでしょうかね。でもね、これ、ハッキリ言ってこんなんいりませんよ。なんでこんな設定にしたのか、わけわかりません。クリスマスは楽しいイメージでいいじゃないですか。なんでわざわざ悲しくするのか、ってこれは当時からそう思ってましたね。ここでまたひとつマイナスです。

 

↑ここはご愛敬ですけど、こちらに開くドアにあんなつっかえしても、全然開いちゃうと思いますけどね。まあそれはいいです。なんかそれらしいつっかえをしたと思えば乗り切れますし。ご愛敬、でいいです。

 

 ところでわたし、またここで思いましたけど、これ、街をこんなんにしてしまって、モグワイを持ち込んだお父さんはなんの罪にも問われないのですかね。こういう映画にはよくありがちで、このあとどうやって警察に説明するんやろ、みたいなのたくさんありますから、そういうツッコミはご法度なのかもですが、でもやっぱりそれはそれで心配にはなりますね。どうなんでしょうかね。

 

↑こういう造形はでも大したもんですよね。これ、CGではなくって、パペットなんですよ。それでこの質感と動きですからね。さすがハリウッドはいつの時代も技術の進歩はスゴイと思わせてくれます。わたし的には、CGは好きじゃないですけどね、いろんな意味で。まあでもここはそれは置いておきます。

 

↑さあ、いよいよ佳境ですよ。ボウガン発射したりします。

 

↑けっこうピンチになります。ふたたびここで、ワクワク感がまた増してきます。

 

↑「悪魔のいけにえ」だってでてくるわけですよ。

 

↑悪い顔してますよねー。わたし笑ってしまいました。

 

↑ちなみにこのストライプが持ってる銃ですけど、ここのお店で見つけたものなんですよ、売り物として。でもここっておもちゃ屋じゃないんですかね。だからわたし最初これ、偽物だと思ったんですけどね。でもちゃんと弾丸が発射されるという……。どういう倫理観なんでしょうか。そういう常識はやっぱりわれわれ日本人からはかけ離れてるのでしょうかね。

 

↑いや、グロ……。こんなラストでダンテ色出さんでもいいのに、とは思いましたが、ダンテ監督にとってはこここそ見せ場だったのでしょうね。ほくそ笑んでる顔が目に浮かびます。

 

↑で、最後はこうなりしまた。骨です。

 

 これほんと最後、一匹も生き残りおらんのやろなと思いつつ、ホッと胸をなでおろしてエンディングとなりますよ。

 

↑最後はこうしてモグワイに癒されて終わるのでありました。

 

 まあですね、いろいろと突っ込みどころはありますし、理不尽なところ、腑に落ちないところ、常識では考えられないところもあるにはありましたが、でもそれも含めて総合的には、エンターテインメントに徹した良質な映画、ということだとは思います。決して子供向けではないですけど、だから子供心を失ってない大人が観るのに最適、という感じで、そういうところがスピルバーグらしいのだな、ということですよ。

 

 わたし的に間違いないのは、やっぱり「3G」の中では本作が一番好きだ、ということですね。

 

 また来年のクリスマスまで、楽しみに取っておくことといたしましょう。

 

 ジェリー・ゴールドスミスのエンディングテーマは、名曲です。

 

 

今日の一言

「じつはよく見ると全然かわいくないけどね」

 

 

レビュー さくいん