2008年 92min.

★★★★★★★★☆☆

ネタバレ:有

敬称略

 

 いや、まあなんか題名に「ジ」って…、とは思いますけど、まあ「ザ」よりはいいかな、て感じですかね。母音の前の“the”を正確に日本語で書き表すのは無理ですからねえ…。そういえばその昔、向こうのドラマ「ザ・ホワイトハウス」で声優やってた夏木マリさんが「〇〇・オブ・ジ・イヤー」って言ってたことありましたけど、これは「ザ」なんだよなあ、て思ったことを思い出しましたね。「イヤー」は“year”ですから、母音じゃないのですね。まあ、どうでもいいですけど。

 

 さて、で、ですが。

 

 いきなり「ニュー・ライン・シネマ」のロゴが出てきましたから、え、ひょっとしてホラー?、なんて思ったりもしましたが、ディズニーですからね、ホラーなわけないですね。そもそもディズニーの中でゆいいつホラーになりそうな「ホーンテッドマンション」ですら、エディ・マーフィー使ってコメディタッチにしてましたしね。まあ、ホラーではないです。

 

 出だしは、研究室閉鎖されて大学を追い出された若い教授が、その日に甥っ子が泊まりにくることをすっかり忘れててあたふたする、なんてどっかで観たようなほぼデフォルトじゃないのかこれ、みたいな始まりなわけですけれども、なかなかにこれが軽快で、あくまでも本編の序章にすぎないよ的なにおいがぷんぷんしてますから、入り込みやすいことはやすいです。すっかりその教授のおじさんが空回りしてるとこは、リック・モラニスか、て思いますよ。「ミクロキッズ」に「グーニーズ」があわさった感じです。

 

 開始10分ですっかりその世界にのめり込んでしまいました。

 

 で、導入はこのへんにして、とっとと本題に入りましょう、みたいな速さでおじさんと甥っ子が飛行機に乗りますね。ただこの飛行機のシーン、二人が三列シートに腰かけて、奥におばちゃんが寝てるんですけど、それおかまいなしに大声で話してるところは若干イラつきました。(笑) そんなでも起きないおばちゃんはスゴイですけど、そらないやろ、みたいな。

 

↑まあ、人のよさそうなおばちゃんではありますが...。

 

 その教授役は、「ハムナプトラ」で一躍スターとなったブレンダン・フレイザーですけれども、この人いろいろありましたからね、ちょっと感慨深く観てしまいましたよ。なにがあったかはここでは書きませんので、ご興味ありましたらネットで検索してみてください。Yahoo!とかで「ブレンダン・フレイザー」で検索したら、すぐ出て来ます。(;^_^A

 

 で、今回は元気なころのブレンダン・フレイザーなわけですが、とはいえ大学教授にしてはゴツすぎる気がしないでもありません。もちろん、そういう教授がいたっておかしくはないですけど、いかにもなアクション俳優的で、ちょっぴり違和感を感じますね。まあでも、そんなことはマイナス要素にはならないです。それだけブレンダン・フレイザーが魅力いっぱい、てことですよ。

 

↑体型はアスリートですよね。

 

 こういう映画の特徴は、言わずと知れたCGなわけですが、ほぼ完ぺきでした。「ほぼ」ですけど。でも最初の山登るシーンなんかは「ソアリン」みたいで感動しましたよ。

 

↑ソアリンはわたし、これまで合計4回乗ってますね。こんなシーンがあったような気がします。ニヤリ

 

 で、開始20分でなんか洞窟的なところに閉じ込められて、さあこれから残り1時間、冒険のはじまりですよー、て感じになりました。ま、でもこれ、ほんとだったら絶望しかないですけどね。「冒険だよー」とか言ってる場合じゃないですね。

 

 それにしても、ブレンダン・フレイザー初め、甥っ子役の子(ジョシュ・ハッチャーソン)も、巻き込まれた女性ハンナ(アニタ・ブリエム)も、三人ともいい演技してますよね。だからコメディタッチではあるものの、例えば深~い穴に下りていくシーンなんかは緊張感漂いまして、笑いとストレスのコラボはとってもいい感じで融合してます。要するに、めちゃめちゃ楽しい、と。

 

↑みんないい表情してますよ。ウインク

 

 で、トロッコに乗って爆走するシーンで、東京ディズニーシーを目の当たりにするわけですね。

 

 とはいえ、ですね、映画「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」でもトロッコのシーンありましたけど、途中レールが途切れてて、ジャンプして向こうのレールにトロッコが飛び移るなんてのは、相当にムリはありますけどね。わざわざこうしてマイナス要素を探してるわけではないのですけれども、でもやっぱりこれだけはいくらなんでも現実離れしすぎてるのでは、といつも思うのですよ。映画「スピード」なんかでもバスが向こうの道路に飛び移ってなんてのもありましたけど、そもそもバスの発車角度がおかしいとかありましたからね。

 

 ので、ここで☆ひとつ減といたしましたのです。

 

↑映画だから、と許容はできないのですね。ムリなもんはムリです。ショボーン

 

 ま、でも、大勢に影響はないです。ムリなもんはムリだけど、おもろいもんはおもろい、と。いろんなハラハラアイディアがあって、楽しませてくれますよ。さっきも書きましたけど、「ミクロキッズ」+「グーニーズ」なのです。

 

 足元の岩が超薄くって、パリパリ割れだして落ちてしまうなんてのも、ありがちですけど、緊張感を高めるには良いアイテムですよ。まあ、もしこういうとこに遭遇したら四つん這いになりましょう、てのは常識なんですけどね。一休さんでもやってました。理系の教授ならわかりそうなもんですが、パニックになってると思えばそれもまあヨシといたしますか。

 

↑いや、パニックになってもあかんやろ、命かかってんだし。笑い泣き

 

 大量の水といっしょに地球の中心に向かって落ちてくとこも見ごたえありましたよ。理屈は通ってますしね。若干、寒くないのか、とは思いましたけど。

 

↑いい映像ですよ。だからやっぱり四つん這いになってほしかったなあ、と思うわけですね。

 

 で、さんざん緊張感をあおった挙句に、地底についての光る小鳥たちのシーンは、もうなんかわたし思わず「すてき」とつぶやいてしまいました。ほんと、エンターテインメントにあふれてて、素晴らしい映画だと思いましたね。

 

↑映像美、ってやつです。

 

 おかげで、やっとみつけたブレンダン・フレイザーのお兄さんの白骨死体を埋葬するシーンなんかは、泣いてしまいました。話のもっていき方が素晴らしいんですよ。笑って緊張して泣く、もう感情ワヤですね。

 

↑感動のワンシーンです。おもわずもらい泣きですよ。

 

 ただザンネンながら、ほとんどのCGがそうなように、やっぱり水のシーン、海のシーンは難しかったようで……。もうちょっとあのクリーチャーに質感が欲しかったと思うのは、わたしだけではないと思いますね。

 

 それでもやっぱりまだまだ続いて畳みかける、食虫植物だったり磁場で浮かぶ岩だったりなんかで、全然飽きませんよ。あの、まあ、浮かぶ岩でジョシュ・ハッチャーソンがしがみついてぐるりと一回転するとこは、バリウムの検査思い出しちゃいましたけどね。

 

↑人間ドックです。笑い泣き

 

 紅一点、アニタ・ブリエムもかわいかったです。そういうとこは男心をくすぐりますね。特に、恐竜の顎の骨のいかだで現れたときのドヤ顔は、今日一でしたね。必見です。

 

 で、こうしたことが積もりに積もって冒険のラストシーンは、やっぱりしっかりと感動させてくれるのでした。

 

 後日談まで軽快で、「つづく」みたいな感じもよくって、なにからなにまでのエンターテインメントは、ほんの若干のマイナスポイントで☆8つではありますけれども、観てよかった、と心から思えた笑顔なのでありました。

 

 

今日の一言

「いや、追ってくる恐竜からフツーに走って逃げるなんてムリですからね」

 

 

レビュー さくいん