★★★☆☆☆☆☆☆☆
2006年 89min.
ネタバレ ご容赦ください。m(_ _)m
敬称略
監督 ロルフ・カネフスキー
製作総指揮 アリス・グレン
製作 ロルフ・カネフスキー ほか
脚本 ロルフ・カネフスキー
音楽 クリストファー・ファレル
エレン:ブライス・メッツ
ビリー:ルシアーノ・シュザファー
ミア:ティファニー・シェピス
ジャック:ジェイムズ・フェリス
エヴァンス医師:ロバート・ドノヴァン
クジ引いて、なんじゃこの題名は、てところで始まります。原題も“NIGHTMARA MAN”ですから、そのまんまやん、的な。
で、オープニングなんですけれども、ちょっとですね、アルバトロス的なにおいがしたわけですよ。もうこれのっけからヤバい雰囲気しかありませんね。それに合わせたように、音楽もダサダサですし。とりあえず出だしの男女二人の演技は最悪です。
↑もうなんか、絵も三流のにおいがぷんぷんですね。
なんかセリフとかもあやしいですよ。突然電気が消えて、「ヒューズが飛んだ」とかってもうこれ、いつの時代やねん、て。で、そんなん思ってたら、すぐ次のカットで「ちゃんとブレーカー見たの?」とか言ってますよ。イミわかってんのかよ、とか思ってたら、けっきょくヒューズが飛んでたそうです。ブレーカーじゃなかったのですね。やっぱり違いはわかってないようです。
で、開始10分で登場人物がはっきりと「ナイトメアマン」て言ってますね。命名しちゃいました。しかもダサい。イタイ瞬間です。
その後、車が突然ガス欠となって、夜の森に取り残されます。よくあるパターンですよ。で、なんですって?夜の山道を?ガソリンスタンドまで10マイル(約16km)も歩く?しかも復路は同じ距離を、ガソリン持って歩くって?しかも真っ暗な中を?おいおい・・・・・・。
アホやろ、て思いますよ。わたしの足でも、16kmは160分、すなわち2時間40分かかりますからね、あり得ませんよ。しかも、悪夢見るからって精神科の病院に連れて行く途中だった妻をひとり車に残して、ですよ。ありえませんね。(まあその件に関しては、あり得ることがのちのち判明しますけれども……)
でもまあ、悪夢男を出さなきゃならんですからね、映画的に。でもって案の定、現れましたよ。読み通りですね。
あ、ていうかここまでですけど、とにかくずっと暗いです。本来なら、スクリーンで観ていれば多少の暗さは見えないことはないんですけれども、これスクリーンでもたぶん暗くてなにやってるかわかんないと思いますよ。車で襲われるところも、まったくなにが行われてるのかわかりませんでしたからね。
↑見えません……。ちなみに主人公のエレンさんです。
で、そんな中でありがちな、大きな音でびっくりさせる邪道。まあたしかに、こういうモンスターものならそれも普通にあるんだろうなとは思ってましたけど、だからこちらも、案の定、でした。とにかく先読みが全部当たりますね。
そしたら今度は、登場人物の“Fuck you!”の訳が「犯すわよ」て……。あまりの直訳にわたし、ずっこけました。もう訳までむちゃくちゃです。本作とは関係ないのに。
だからまあ演出も、なにがしたいのか、なにを観せたいのか、さっぱりわかりませんよ。みんなでワイワイやってるシーンとエレンが襲われるシーンを交互に見せてるんですけれども、何を狙ったのかわかりません。エレン、ぜんぜん襲われないですし。それどころか悪夢男氏、エレンに反撃されてましたね。開始30分でもうすっかりめんどくさいです。オルガズムのまねごとのシーンとか、もうジャマでしかないですよ。するんならちゃんと服脱げよ、と思ったのはわたしだけではないと思いますけどね。ほんと、めんどくさいのです。
そうかと思ったら、なんか突然エレンがおかしくなりますよ。何の映画なんだこれは、とわたしのメモには書いてありますね。
で、45分経ってやっと一人亡くなられました。本作、全長89分ですから、すでに半分以上終わってる計算ですね。しかもそれにしたって、あーあー、そんなとこ立ってたらやられるに決まっとるやろ、的なあからさまな立ち位置ですよ。またも「案の定」ということになりました。
↑いや、そんなわかりやすいとこに立たんでも……。
↑当たり前のようにこうなりますよね。
ただですね、じつはここらへんからグッと話が変わってきますよ。まあ残り時間が少ないってのもあって、ちょっと頻繁に人が殺されていきます。一番かわいい子が殺されたところは、この子は最後まで残るんちゃうか、て思ってましたから、ちょっとビックリではありました。
↑こんなかわいいのに……、
↑あーあ、なのです。
↑がんばって怒ってる演技をしている夫の方も……、
↑こうなりました。
ということで、ほんでこれいったい何の話なんや、てなって、なんだ殺人鬼か、と、そうなりますね。まあそれならそれで、「13日の金曜日」にはかなわんですわね。登場人物6人しかいませんからね。
あ、でもここでわかりましたよ。登場人物が少ないから、前半の時間延ばしで、何にも起こらんかったのか、と。いやもうほんと、めんどくせえのです。
1時間過ぎると、ガソリン買いに行ってたビルがようやく戻ってきますね。ただそれがもうアホすぎてアホすぎて、疲れでイライラマックスになってたわたしは、怒りに震えてましたよ。
↑ビル。シブい顔して、アホでした。
で、もうずいぶん前からわかってましたけど、ようするにビルの妻殺しのお話、だったわけですね。友達と共謀して悪夢男になりすまし、妻を殺そう、ということになってたわけですよ。たしか、どうして妻を殺すのかの理由は言ってなかった気がしますが、言ってたら、ごめんなさいです。
そいでもって、その事実が判明したのは残り20分地点です。まだなんかひと波乱もふた波乱もありそうな残り時間ですよね。なんかちょっぴりワクワクしてきた自分がいたりします。
そして残り15分。おお、そうきたかぁ、と驚かせてくれましたよ。ただねこれ、やっぱり、今ごろなんなん?、てことになっちゃいます。遅いんですよ、展開が。こういう話なら、もうちょっとなんとか話し広げられたんちゃう、って思ったのはわたしだけではないはずですよ。ほんともったいないのですね。どんでん返ししてやったぜ、的なところで満足してしまってるんですよ。せっかくそれはそれでおもしろいのに、てことです。
↑これはちょっと驚きでした。
↑悪夢男さんです。て、テッド・ダンソンやん!
そこから最後までは面白かったです。なるほどー、て最後でつながりました。でもだからよけいに前半がザンネンなのですね。そこまでの持っていき方は、まだまだ勉強の余地あり、と思いましたね。前半はまったくの駄作です。はっきり言って。ところが残り20分はけっこうおもしろい、と。なのにその20分を楽しむためには、前半の駄作部分は観ておかねばならないわけで、ほぼ拷問に近い話となってしまいますね。そうなるとやっぱり脚本力、てことなのでしょうね。題名もダサいし、つくづくもったいないのでした。
今日の一言
「警察、遅っ!」
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