★★★★☆☆☆☆☆☆

1986年 100min.

ネタバレ

 一作目の続きですから。

敬称略

 

 

監 督

 トビー・フーパー

製 作

 メナヘム・ゴーラン

 ヨーラム・グローバス

脚 本

 L. M. キット・カーソン

音 楽

 トビー・フーパー

 ジェリー・ランバート

特殊メイク

 トム・サヴィーニ

 

レフティ:

 デニス・ホッパー

ヴァンティア:

 キャロライン・ウィリアムズ

LG:

 ルー・ペリーマン

レザーフェイス:

 ビル・ジョンソン

チョップトップ:

 ビル・モーズリー

コック:

 ジム・シードウ

グランパ:

 ケン・エヴァート

 

 

 えと、前回紹介しました「悪魔のいけにえ」の続編ですね。12年ぶりの続編と言うことで、監督のトビー・フーパーも気合が入っていたようですが、わたし自身は本作が公開されたときはまだ一作目を観ていませんでしたので、こちらがオリジナルみたいな感覚ではあります。登場人物は、殺人一家のアホどもは前作を踏襲してはいるものの、役者として前作からの引き続きとなるのはコック役、要するにアホ一味の父親であるジム・シードウのみで、あとは役者が交代していたりニューキャラだったりしておりますから、まあ本作から先に観てもなんら問題はないです。

 

 今回はわたしも本作久々の鑑賞となりましたので、けっこう楽しみにして観始めましたよ。なにせ特殊メイクがトム・サヴィーニですからね、どれほどのおぞましさか、ということでしょう。

 

↑キャノン・グループのロゴですわ。

 

 これはほんと懐かしいですね。当時はなんかこのオープニングロゴ、めちゃめちゃたくさんあったように思いますけどね、寿命は短かかったですね。

 

 で、またこれおどろおどろしい曲がBGMでかかりながら幕開けなのですけれども、音楽担当は前作に引き続きトビー・フーパーとゆかいな仲間たち、でありますよ。なんかどう聴いても、ハリー・マンフレディーニの「13日の金曜日」にしか聴こえないんですけどね。

 

 で、本編が始まりますと、さっそくトム・サヴィーニがやってくれます。

 

↑なんももったいぶることもなく、開始10分経たずしてレザーフェイス登場です。

 

 ノリノリですな。

 

↑チェーンソーで頭切られて上半分がずり落ちてきてます。

 

↑血がぴゅーっ、て。

 

 こんなのっけからトム・サヴィーニが大活躍でしたら、そらもうワクワクするわけです。

 

 ただ、ですね、わたしどうにも本作でのデニス・ホッパーが合わない気がしてならんのですよ。当時はとくにこのデニス・ホッパーて人がどれほどの名優なのかってのを知らなかったものですからね、まあそれも多分に影響しているとは思うのですけれども、彼がほんとに素晴らしい役者だということを「勝利への旅立ち」で認識して以来の今でも、やっぱりなんか違和感は拭い去れないのですね。なんでなんでしょう。ホラーには向いてないのかな、とか思ったり、役柄がなんかこの映画に合ってないんじゃないのか、とかいろいろ考えるんですけれども、それでもなんかザンネンながらよくわかりません。

 

↑このお方がデニス・ホッパー。

 

 なんかね、ぽくないんですよねえ……。そんなん思うの、わたしだけなのでしょうか。

 

↑こちらは、前作、本作と続けて演出なさったトビー・フーパー監督です。

 

 出たかったのですね。

 

 今回のお話は、冒頭の頭ズリ落ち事件は導入でありまして、ラジオパーソナリティーのヴァンティア(キャロライン・ウィリアムズ)がアホ一家の猟奇殺人に巻き込まれ、前作で甥っ子をこのアホ一家に殺されて復讐を誓ったデニス・ホッパーと組んでこやつらを退治する、というものであります。話としてはそれだけですね。まあホラー映画なんて、内容説明しようと思ったらこんなもんなんでしょうけどね。「ホッケーマスクかぶった大男が、エロいアホティーンエイジャーどもをナタで次々と成敗する話」とか、「夢から出てきた爪の長いハットをかぶった老人が、授業中に寝ているぐうたら生徒にお仕置きする話」とか。前者なんか、ほとんど桃太郎侍とやってることは変わらないです。

 

 で、やっぱりキャロライン・ウィリアムズもなんだかウザいんですよ。ウザいから巻き込まれる、みたいな。おとなしくしとったらいいのに、って。そもそも警察に行かずに、どこの馬のホネともわからないデニス・ホッパーと共闘なんてしようとするから巻き込まれたりするんですけどね。まあ巻き込まれないと映画にならんですけど、ただやっぱり、だからウザい、というわけですね。

 

↑ファーストコンタクトのシーンですが。

 

 キャロライン・ウィリアムズ、出しゃばるからトンデモなことに巻き込まれるのです。

 

 キャロライン・ウィリアムズはマーゴ・キダー似ではありますね。だからやっぱりウザいのか……。

 

↑まさに悪の親玉、ですかね。コックと紹介されとりますが、ジム・シードウ。

 

 こちらのお方は、なんか前回からそう変わってないですね。前回54歳でわたしより年下ってのもビックラです。今回は干支が一回りしたので、66歳ですね。

 

↑で、ちょぃちょいこうしてデニス・ホッパーがなんか一人で暴れてるとこが映るんですよ。

 

 甥っ子を殺されて復讐の鬼と化す、と言えば聞こえはいいですけど、なんかちょっと狂気じみてて、やってることはアホ一家とそう変わらん気もします。たぶんそういうことなのでしょうね。

 

↑キャロライン・ウィリアムズの仕事の相棒、LG役のルー・ペリーマン。

 

 なんかこいつも、ペッペッペッペッ、どこでもツバいうかタン吐いて、もう汚いことこの上ないです。この放送局の中でも平気で、かーっ、ペッ、てやっとりますよ。普通に考えたら、オフィスの床にタン吐いてるてことですよ。うへえ、てなります。

 

 ここまでで30分経ちました。オープニングはスピーディーで、しかもあの特殊メイクですからね、おいおいいったいどう楽しませてくれるんや、とワクワクしたのですけれども、そこからがもう遅いです。長いわ、てなります。なんもおこらないんですよねー。そらもちろんこれからトンデモなことが起こるのは承知してはいるのですけれども、それにしてももうちょっとなんかなかったん?という「?」はつきますよね。一作目は本作より上映時間はもっと長かったですけど、そう変わらんような気もしてしまいました。

 

↑30分経ってこうして一本の電話がかかってきました。

 

 ここからようやく動き出しますが、長かったですね。

 

↑キモいんですよ。

 

 なんかね、怖い、言うよりキモい、ウザい。キモウザい、てことでしょうか。生理的に受け付けられません。

 

↑レザーフェイスも再度登場しましてね、

 

↑キャロラインもこうしてタイヘンなことになるのですけれども。

 

 やっぱりでもここのキャロラインはウザいんですよ。余計なことに首突っ込むからだろ、って。ヘタな正義感とか後先考えない好奇心は命取りなわけですよ。

 

 ところで、今回はアホ一家にニューキャラが登場します。えと、前作では、一家の長男(?)はラストでトラックに轢かれて見事に他界しましたけど、今回なんか似たようなヤツが出てきよったなと思ったら、その双子の兄弟だそうです。まあね、本作やっぱり足りなかったんでしょうね、殺し屋一家的には実行犯が。でもこれ、そんなシチュエーション、安易すぎると思いますよ。もうちょっとほかにやりようがなかったか、とは思いますけどね。そもそも前回、お前どこおったんや、てならないですか?じゃあどうしたらよかったんや、とは言いませんけど。わたしは観る側ですからね。作る側はやっぱり観る側を満足させてくれないと、と思うわけです。

 

↑こちらがニューキャラ、チョップトップ役のビル・モーズリー。

 

 さっきのキモいやつです。この人、本作が初の大作映画の出演だそうで、本作以降の役者人生大丈夫だったんか、って思いましたけど、なんかものすごくたくさんのホラー映画に出演されとりましたよ。ビックリしましたが、なにせよござんした、という感じでホッといたしました。

 

↑で、LGがまず血祭りなのですね。

 

 まあ順番的には至極妥当、ではありますが、とはいえLG、めっちゃ長生きではありました。こんなにハンマーで何度も頭ぶったたかれてるのに、ずーっと抵抗してましたからね。普通は一発で終わりだと思います。

 

 えと、たしかにホラー映画ですからね、こうした猟奇的なところも魅せてもらわないとおもしろくはないわけですけれども、だからって常軌を逸してしまって、現実にはあり得ないようなことになってしまっては、それはそれで本末転倒だとも思うのですよ。ハンマーで頭ぶったたいてんですよ。生きてるわけないじゃないですか。当たり所が悪いなんてことはまったくないんです。どう見ても、すべてがクリティカルヒットですよ。なのに、身体はけいれんしてるけど、しっかりと防御姿勢とって悲鳴をあげてるなんて、だれもナットクしないと思うんですよ。なんかね、トビー・フーパー、気合入りすぎちゃったのかなあ、という感じでガッカリすることとなってしまいました。

 

↑こんなエロいシーンがいるのか、てこともありますしね。

 

 そもそもキャロラインが助かるのって、このレザーフェイスが性に目覚めるから、なんですよ。そんなんもう、B級通り越してんじゃねえかよ、ってわたしお嘆きの貴兄になってしまいました。わたしもこれ初めて観たの、20歳ですからね。こんなシーンみせられたらホラー映画どころじゃなくなっちゃうじゃないですか。もうちょっと考えてホラー映画作んないと、とは今になって思うことですけどね。

 

↑で、せっかく助かったのにまたもや不要な正義感。

 

 もうウザいのオンパレードになってきました。

 

↑久々に出てきたと思ったらなんかこの人はやっぱり芝居がかってて……。

 

 わざとなんですかね、芝居的なのは。そこらへんの演出はわたしにはわかりませんけど、ただひとつはっきりしてるのは、わざとにしろそうでないにしろ、デニス・ホッパー、なんか違和感、てことですかね。

 

↑これ、ちょっとわかりにくいですけど、

 

 レザーフェイスがLGの顔の皮をはいで、それをキャロラインの顔にかぶせようとしている、というシーンです。

 

 ここはさすがのトム・サヴィーニでしたね。かぶらされるときにキャロラインが、「なんか冷たい」っていうのも功を奏して、めっちゃキモかったですよ。ホラー的に。

 

 でもね、やっぱ長いんですよ。トビー・フーパー、「ポルターガイスト」はそんな感じませんでしたけど、「スペースバンパイア」、「スペースインベーダー」長かったですからね。2017年に亡くなってしまいましたけれど、もうちょっとスピーディーに撮ってたら、ものすごい伝説の監督になっていたのになあ、という気がします。もちろん本作だけで伝説にはなりましたけど、世界に名をとどろかす、というところまではいかなかったように思いますからね。なんかザンネンな気はしますね。

 

↑LGが生きてたってのもどうかと思います。

 

 あんだけむちゃくちゃされてたのに、そらアカンやろ、です。間違いなく頭は陥没骨折してたはずですが、その傷跡はまったく見られませんね。

 

 まあ、上の写真でもわかるように、さすがと言いますか、特殊メイクはトム・サヴィーニのおかげで前作の3つから5つくらいには上がったかとは思うのですが、それは特殊メイクの良し悪しだけのことであって、やっぱりやり過ぎの感は否めません。

 

↑キャロラインも相変わらず、首つっ込みたがりガールです。

 

 せっかく瀕死のLGのおかげで(しかもその後LGは亡くなります)監禁部屋を出られたのに、わざわざこうして声のするほうに行ってのぞくわけですよ。とっとと逃げろや、て言ってしまいました。

 

↑で、けっきょく見つかるという……。

 

 矢印の先が、逃げるキャロラインです。その場に居合わせた全員が見てますね。

 

↑一方、デニス・ホッパーですが、

 

↑車いすのミイラを見つけます。

 

 要するにこれ、前作の犠牲者、デニス・ホッパーの甥っ子というわけですね。でもね、なんです。

 

 そもそも本作でのデニス・ホッパーは、12年前に殺された甥っ子の復讐に燃えて犯人を見つけ出して殺そうとしている、というシチュエーションなのですけれども、その甥っ子フランクリン、つまりはこの車いすミイラの主なわけですが、前作ではお姉さんがいて、要するにデニス・ホッパーにとっては姪っ子もいたんですよね。たしかに姪っ子は唯一の生き残りだったわけですが、その話はいっさい出てこないんですよ。まあ、出す必要はなかったんじゃないかと言えばそうかもですけれど、とはいえ姪っ子の「め」の字も出てこないのも、不自然すぎるような気もするんですよね。わたし的にはどうしてもそれが腑に落ちなくって、けっきょくまたひとつ減となって、総合で4つとしとります。

 

 あ、でもわたし、字幕で観てましたからね。原語で聞いていたわけではないので、ひょっとしたら niece の「N」の字くらいは出てたのかもしれないですけど、まあそれは翻訳者を信じるしかないですね。

 

 閑話休題。

 

 さらに、レザーフェイスにも疑問符です。

 

↑「13日の金曜日」のジェイソンのモデルにもなったこのレザーフェイス。

 

 でも根本的にジェイソンと違うのは、けっして殺戮マシーンではない、というところですかね。簡単に、有無も言わさずバッサリ、というわけではないですから、性に目覚めた部分も含めて、人間的ではあり、いいじゃないですか。

 

 とはならないです。どっちかってえますと、わたし的には容赦ないジェイソンのほうがはるかにホラー的にいいと思いますよ。女に色気を出すレザーフェイスなんてもうこれ、キモいだけです。生理的にダメなわけですよ。

 

 それにしてもトビー・フーパー、「ポルターガイスト」なんて映画も監督できるのに、どっちが正解なんでしょうね。ただ思うのは、監督の演出も、製作がだれかによって変わってくることもある、ということですかね。製作って言ったっていろんな人がいて、完全にお任せの人もいれば、自分のやりたいようにやる人もいるし、助言しながら共同作業する人もいる、それがよくわかった一作になった、ということです。要するに「ポルターガイスト」は製作がスピルバーグ、本作はメナヘム・ゴーランとヨーラム・グローバスだ、ということなわけですね。後者二人が、今いちハリウッドに受け入れられなかったというのもわかる気はする、というわけです。何事も、出しゃばったらいかんのですよ。

 

↑キャロライン・ウィリアムズはこうしてずっと叫んでました。

 

 撮影は、ホットパンツでずっと走り回って、M字開脚して、その股間にチェーンソーをあてられて、と、まあいろいろタイヘンだったでしょうが、よく頑張ったとは思います。

 

↑いよいよデニス・ホッパー、念願かなってアホどもを成敗してくれるわ、のシーンです。

 

 キャロラインのことを「ヘイ、シスター」みたいに呼んでましたけど、あんまかっこよくはないです。ていうか、どうせやるんなら、チェーンソーにこだわらず銃を持ってくりゃよかったのに、と思ったのはわたしだけですかね。チェーンソーにはチェーンソーを、てことなのでしょうか。まあそれはそれでもいいですけど。

 

 あ、そうそう、前作に引き続き、このアホ一家の一番の年長であるグランパが出演しとりましたが、御年134歳という設定だそうで、なんかみたところ前作より元気になってましたよ。しっかりハンマーでキャロラインの頭、ぶったたいてましたからね。LGと違ってキャロラインは一撃で気を失っとりましたので、すみませんわたし、笑ってしまいました。

 

↑こうして頑張ってるシーンもあるんですよ。

 

 CG全盛の今じゃ考えられないですけどね、

 

↑スタントマン、ほんと素晴らしいです。

 

 このあと転がって行って、奥に見える鋼管の中に転がり落ちていくのですけれども、これちょっと間違ったら鋼管の切り口のところで首チョンパになる可能性だってあるわけですからね。今だったらCGでもっと危険なシーンも撮れるのですけれども、だからこそほんとに素晴らしい、貴重なシーンであるとは思います。

 

↑これでラストです。

 

 前作のラストはレザーフェイスでしたから、それを踏襲した、という感じなのでしょうか。

 

 まあなんにせよ、終わってよかったです。今いち、デニス・ホッパーがどうなったのかはよくわかりませんでしたが、アホ一家は一掃できたはずですので、ハッピーエンド、ということでしょう。スパッと終わるところは好感持てました。4つでフィニッシュです。

 

 

今日の一言

「きったねえ映画だな、これ」

 

 

レビューさくいん

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