2005年 104min.
★★★★☆☆☆☆☆☆
ネタバレ:若干アリ
敬称略
オープニングタイトルでジョン・ハートの名前を見て、おっと思いましてね、ちょっぴり気合入りましたね。こりゃおもしろくなるんじゃないか、との期待感満載で観はじめたわけです。
まあ、のっけからのホスピスで亡くなる人の話は、つい先日、入院していた母を亡くしたわたしには、リアルすぎではありましたけれども。
わたしこの映画、まったくなんの前知識もなく観たものですから、いきなりのなんかありそうな雰囲気でちょっと座を正しましたね。なにしろジョン・ハートですからね。後ろ姿でもわかりますよ。
↑どう見てもジョン・ハートですね。
↑やっぱり!
ヒロイン、なんでしょうか、26歳にしては老け顔のケイト・ハドソンは、でもかわいいですね。(すみません、わたしやっぱ55歳とはいえ男のはしくれなものですから、ついついかわいい人には反応してしまいます。どうぞご了承ください)
↑ホラー映画のヒロインにふさわしい感じです。
にしてもケイト・ハドソン、看護師として働くために新しい街に来たわけですけれども、まあいったいどんな街やねん、というほどヘンなやつしかいませんね。ガソリン屋さんも不気味というよりも汚いです。
で、新しい家に住み込みで働くこととなり、なんかいろいろと不気味なことが起こっていくのですが、ちょっと展開がゆっくりすぎるかなあ、の感です。サム・ライミの「スペル」(スペル | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))を観たあとですからね、余計にそう感じるのかもです。
全編約1時間40分のうち、開始25分でようやく事が起こるわけですけれども、ジョン・ハートからの「ヘルプ・ミー」サインは想像がつきましたね。しかもこのサインに気付いたケイト・ハドソンが、その家の弁護士役のピーター・サースガードに見せようとしたら消えている、なんてのも語りつくされた手法ですよね。
いや、わかりやすくていいんですよ。小難しくしても入り込めませんからね、ホラーなんてわかりやすい方がいいんです。だからこそのこの展開の遅さには、観ているほうは若干へきえき、ということになっちゃうのですね。退屈になっちゃうのです、わかりやすいのに。
ちなみにピーター・サースガード、どっかで見たと思ったら「フライトプラン」に出てましたね。これはいいサスペンス映画でした。ジョディ・フォスターはやっぱすげえなあ、と思ったことです。あ、閑話休題。
↑こちらのお方です。馴染みは薄いかと。
で、本作ですけれども、ホラー映画としていろいろ手法を凝らしてはいるのですけれども、なんかいまいち乗り切れない。乗り切れてないし、だからこちらも乗り切れない、みたいな。わたしのキライな、ホラー映画のくせに突然大きな音を立ててビックリさせてやろう、って卑怯な演出も健在ですが、だからまったくビックリすらしませんね。
脚本家のアーレン・クルーガーは、「ザ・リング」や「トランスフォーマー」の人なんですけどね。
途中ケイト・ハドソンが、やられっぱなしでなるものか、的に強気に出てくるところがありますけれども、これはけっこう斬新ではありました。こういう対処法もあるんやな、と目からウロコではありましたね。でもそれだけ、でした。続かないなあ、て感じです。
で、けっきょくブードゥー教の話になってきました。もともとそういう話だったのか、なんか脚本書いててわけわかんなくなって、しょうがないから宗教の話に持って行ったのかはわかりませんけれども、苦しまぎれ感満載で、これまたザンネンです。
↑う~ん、実際これがラストで重要になってくるんですけどね...。
それでもあくまでケイト・ハドソンを強気な性格で押し通したってとこは評価できる部分ではありますかね。そもそも彼女、まったく幽霊を信じてませんでしたからね。そら強気にもなるってもんです。ホラー映画では珍しいことですね。
その強気がどこからくるのかは、おじさんのわたしにはわからないところでもありますが、まあ今の若い子ならこういうのもアリなんでしょうね。そこはムリせず納得はできますよ。ただ、強気すぎて深入りするのはマズイんでないかい、なんて思いましたけれども、でもそうやって考えてるってことはのめり込んでるのかな、とか思ったり、まあなんだかよくわからない事態なのでありました。たぶん、もうちょっとスピーディーだったらほんとうにおもしろかったんだと思いますね。たかだか1時間40分がすごく長く感じられて、後半ほぼめんどくさくなっちゃいましたからね。
↑ジョン・ハートの迫真の演技も、お、エイリアン出てくるのか、とか思ったり、
↑こんなシーンでドキドキしてしまったりするのですね。もうすっかり気が散ってます。
リアルな部分はリアルなんですよ。よくある、閉ざされた門を車でつき破るなんてシーンも、この映画では門がしっかりと鎖で閉ざされていたのでつき破ることはできなかった、なんて、ほんとはこうなるんだろうなというのは分かりますけれども、そこはそれ、つき破ってもいいんじゃないの、なんて思ったりもするわけですよ。ほかの映画では間違いなくすんなりつき破るわけですからね。トロッコが向こうのレールに飛び乗るわけじゃないんですよ。なんか脚本がちくはぐしてるような気がしてならんのですね。
そしてラスト、まあけっきょく悪いのはこいつやん、てのは最初っからわかってたことではありましたし、そこにもう一人悪いやつが出て来ますけれども、それもわかってたし、みたいな。とっととあのばばあを殺しときゃよかったのでは、と思ったわけです。
↑あのばばあ、です。
なんて思ってたら、最後の最後でどんでん返しが待っておりました。これにはさすがにわたしもビックリだったわけですが、ただここまで積み重ねられたマイナス要素をひとつでも払しょくするにも至らず、もうちょっと途中なんとかなってれば、と結局ザンネンな結果となってしまったのでした。
だれも救われませんでしたねえ……。
今日の一言
「なんか途中、ちょっとだけTDLの『カリブの海賊』の最初のとこがでてきたような……」↓