はじめに
拙ブログの、わたしのただの備忘録である「ディズニー珍道中」におきましては、たくさんのご訪問いただきありがとうございました。単なる備忘録ではありますが、実際にディズニーで体験したことを赤裸々に綴っておりましたので、今後ディズニーを訪れるみなさんのほんの一助にでもしていただけたら幸いでございます。
また今日からは、年間300本ほど映画を観るわたくしの、映画感想ブログとして通常運転してまいります。こちらもまたどうぞご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
既報の通り、約1か月後にはまたディズニー旅行を計画しております。みたた家始まって最初で最後のディズニーホテル二連泊敢行バージョンです。拙ブログでまたご紹介できましたら、その際はご訪問いただけますようお願い申し上げます。
それでは久々の映画感想再開、トップバッターはこちらの映画でございます。笑
★★★★★★★★★★
1983年 101min.
ネタバレ してるっちゃしてる感じです。
敬称略
監督 ジョン・ランディス
スティーヴン・スピルバーグ
ジョー・ダンテ
ジョージ・ミラー
脚本 ジョン・ランディス ほか
製作 スティーヴン・スピルバーグ
音楽 ジェリー・ゴールドスミス
ナレーター バージェス・メレディス
ドライバー1:ダン・エイクロイド
ドライバー2:アルバート・ブルックス
ビル:ヴィック・モロー
レイ:チャールズ・ハラハン
ブルーム:スキャットマン・クロザーズ
ヘレン:キャスリーン・クインラン
ウォルトおじさん:ケヴィン・マッカーシー
ドライブインオーナー:ディック・ミラー
ヴァレンタイン氏:ジョン・リスゴウ
えとこの映画、わたしまだ高校生の時に観ましてね、映画狂いの世界への入場門に足を踏み入れる、ほんとに直前にいるころでして、けっこうな衝撃を受けましてね、だからこの映画がその門をくぐる後押しをした、と言っても過言ではない、わたしにとってはけっこう伝説的な映画なのであります。あ、映画って言っても劇場用ではなくって、1960年代にテレビで放送していたドラマの映画化で、テレビ用のオリジナルスペシャル映画(日本でいう2時間ドラマみたいなもんですね)ではありますけど。
オムニバス形式っていうのもなかなかに斬新で、そういうところでも興味をそそられるというか。アメリカのテレビ業界がどういう事情かわかりませんので、オムニバスっていうのはどこらへんの位置づけになってるのかわからないですけれども、ひとつ言えるのは、本作がその後のオムニバス映画の火付け役になったのだろう、ということでしょうかね。幼少期に本作のオリジナルのテレビドラマを観て育ったスピルバーグ製作、ということでもそうとう話題になりました。
そもそもオムニバスって、そうとうお得感があります。映画っぽくはないですけれども、でも映画ファンとしたらこんなにうれしいことはないですよ。ジョン・ランディス、スティーヴン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラーの映画が一度に観られるなんてのは、垂涎ものではないでしょうかね。おいしすぎるってもんです。あ、もちろん高校生当時はそんなこと露にも思わなかったですけどね。今から思えばこんなおトクはない、ということですね。
ちなみに、ですけど……。
ジョン・ランディス
マイケル・ジャクソンの「スリラー」の監督で一躍トップ監督になりましたけど、そもそもコメディ映画の監督で、「アニマルハウス」(1978)、「ブルース・ブラザース」(1980)、「大逆転」(1983)、「スパイ・ライク・アス」(1985)、「サボテン・ブラザーズ」(1986)、「星の王子ニューヨークへ行く」(1988)などを監督してます。
ジョー・ダンテ
けっこう不思議な感じの映画だったりホラーだったりSF映画だったりが得意な監督ですね。そういうところでいえば、本作にはもってこいの監督さんかもしれません。この監督の映画には必ずチョイ役で出演するディック・ミラーはわたし、大好きな役者さんです。「ピラニア」(1978)、「ハウリング」(1981)、「グレムリン」(1984)、「エクスプローラーズ」(1984)、「インナースペース」(1987)など、です。
ジョージ・ミラー
オーストラリアの監督さんですけど、一番有名なのはメル・ギブソンの「マッドマックス」(1979)ですね。これがデビューってんですから、すごい監督さんなわけです。「マッドマックス」シリーズと「イーストウィックの魔女たち」(1987)、「ベイブ」(1998)などがありますけれど、作品はそれほど多くはないです。
もうひとつ話題になったのは、本作の第1話に出演していた主役のヴィック・モローが、撮影中の事故で亡くなった、ということですね。ベトナム戦争の世界に飛んだヴィック・モローがベトナム人の子供二人を両わきに抱え、爆弾がばんばん落ちてくる池を必死で逃げる、っていうシーンで、空撮していたヘリコプターがトラブルで落ちてきて、そのローター・ブレード、いわゆるプロペラに巻き込まれて一瞬にして粉々になってしまったという、そうとうショッキングな事故でした。このせいで、監督をしていたジョン・ランディスが遺族から訴えられたりしてすごく落ち込んでしまったのですけれども、その後、ハリウッド仲間がなんとかしてランディス監督を立ち直らせようと、出演者のほとんどが友情出演という「眠れぬ夜のために」っていう映画で復活した、って後日譚までが有名な話です。
また、ストーリーテラー的な存在がいるってのもわたしにとっては斬新でした。本作では、オープニングとエンディングにしか出てきませんし、厳密に言えばストーリーテラーというわけでもないのですけれども、それでもそこにバリバリのコメディアンであるダン・エイクロイドとアルバート・ブルックスを持ってきたってのも、なかなかにいいスパイスであるとは思います。まあコメディアンと言ってもダン・エイクロイドはすでに「大逆転」で見事な役者ぶりも披露してましたのでね、しかも監督が同じジョン・ランディスですから、必然と言えば必然なのかもです。アルバート・ブルックスにしたって1987年の「ブロードキャスト・ニュース」でアカデミー助演男優賞にノミネートされますし、そもそも日本のコント芸人さんたちもそうですけど、演技上手いですからね、コメディアンて。ただ、これはあくまで私見なんですけど、日本で不定期にやってる「世にも奇妙な物語」でのストーリーテラーをタモリにしたのは大間違いだと思ってますが。あまりにタモリすぎて、まったく違和感しかありません。あれは演技というよりもナレーション的な要素が大きくって、さすがにいつ見てもザンネン感しかないです。ま、あくまで私見、ですけど。
音楽がジェリー・ゴールドスミスってのも、わたしにとってはうれしい限り。テレビドラマ版でも作曲に参加していたそうですから、こちらも必然ちゃ必然なのですかね。スピルバーグ映画でジェリー・ゴールドスミスっていう感覚があまりないですから、今観るとけっこう新鮮だったりもします。スピルバーグと言えばジョン・ウィリアムズですからね。貴重な映画なのかもしれません。
ところで本作を観た人ってのはどの年代が多いのでしょうか。オールドファンなんかはオープニングタイトルで歓喜したのでしょうね。ナレーションがバージェス・メレディスってのもなかなかに粋な計らいだと思いますよ。オリジナルのテレビドラマの1エピソードに出てまして、それが本作のオープニングでダン・エイクロイドとアルバート・ブルックスの会話にでてくるという。そのエピソードはけっこう衝撃的な話ではありました。ちなみにオリジナルテレビドラマでのナレーションは、原作者のロッド・サーリングが担当してまして、本作でもエンディングでちらっとその部分が流されてますが、そういうところのリスペクトはさすがではあります。
映画自体は、まずオープニングでのダン・エイクロイドとアルバート・ブルックスの他愛もない会話からはじまります。アルバート・ブルックスが夜の街灯もない真っ暗な道で車を運転してて、同乗者がダン・エイクロイド。退屈しのぎにテレビドラマの主題歌当てクイズなんてのを始めるけれども(わたしには一曲もわかりませんでしたけど)、しばらくして状況が一変するという。まあこれ、当時はわたしもまだまだホラー映画でドキドキする時代でしたから、ここのシーンはけっこう怖かったですね。それで第1話に突入するわけですから、オープニングからすっかり引き込まれる、というわけですよ。シャレもきいてましたしね。でもってこれがエンディンクにもつながりますので、さすが「スリラー」の監督、というわけです。
↑アルバート・ブルックスです。「ブロードキャスト・ニュース」では涙ものの、ほんとにいい演技してました。
↑ダン・エイクロイド。せっかく楽しかったのに……、
↑一変するというのが恐怖です。
で、第1話は、お亡くなりになってしまったヴィック・モローの話です。いわくつき、とでもいいますかね。全部で4話ありますけれど、この話が一番怖いのではないでしょうかね。一番「トワイライトゾーン」っぽい、て感じです。
↑ヴィック・モロー。シブいですね。人種差別主義者的な、ものすごくイヤなヤツの役です。遺作がそんな役では、とってもザンネンではありますが。この人の事故のシーンはその昔、けっこうテレビの「衝撃映像」とかで日本でも流れてましたので、ご存じの方も多いかもしれませんね。スタントマンを使わなかった、というのがザンネンでなりません。スタントマンだったら事故にあってもいいやというわけでは決してないですが、このあとの映画界のことを考えると大きな損失だったのかもしれませんよ。テレビ「コンバット!」の鬼軍曹、その名もカーネル・サンダース(サンダース軍曹、の意)。そのイメージが強すぎて、本作では「脱・鬼軍曹」として気合入ってたそうですので、悔しかっただろうと思います。わたし、「トワイライトゾーン」なんだからなんとかならんのか、って高校の時はほんとにそう思いましたよ。
↑チャールズ・ハラハン。「遊星からの物体X」に出てましたが、決して主役にならないけれどもどこかしこかでいい味を出すわき役者、という感じの人です。けっこう映画を観ている人なら、「あれ、この人どっかで見たよなあ」て感じになるのではないでしょうかね。ザンネンながら、1997年に心臓発作で54歳という若さで亡くなってしまいました。このエピソードのうちの2人が亡くなってしまっているのに、ちょっと衝撃を受けた今回の鑑賞ではあります。
話はほんとうに不思議な内容でした。会社の出世をユダヤ人にとられた主人公のビル(ヴィック・モロー)が、レストランで友人のレイ(チャールズ・ハラハン)たちに、ユダヤ人だけでなく黒人、東洋人の悪口を友人の制止も聞かずに汚い差別用語でがなりたて、怒って店を出るとそこは大戦時のドイツで、自分はユダヤ人としてドイツ軍につかまって。追いつめられて窓から落ちると今度は黒人となって忌まわしきK.K.K.団につかまり火あぶりにされそうになり、なんとか逃げると今度はベトナム戦争に放り出され、アメリカ軍兵士に東洋人として銃で撃たれ、次の瞬間またドイツに戻って捕まって強制収容所へ送られる列車に乗せられて、でもそこから見えるのは現代のさっきのレストランで、という感じです。これわたし映画を観たあと本も読んだんですけどね、ノベライズ、わかってるのに緊張しまくりで手に汗握って読んでました。オープニングから第1話目でこれですからね、そら引き込まれるってもんです。
↑昔ってこんなデザインだったのですね。それはそれでまたも衝撃でした。
↑もめてます。熱演ですよ。ヴィック・モロー自身のなみなみならぬ決意が見られる素晴らしいシーンです。イヤな役だろうのに、これに賭けてたってのがありありとわかって、わたし涙してしまいました。
↑絶体絶命なわけです。
↑で、落ちます。あ、終わった、て思ったら今度は黒人になってしまうわけです。演じるのはヴィック・モローですから、我々観客には黒人ではないですけれど、向こうの世界では黒人に見えている、ということです。
ていうか、ここまで観てわかりましたけど、どこもスタントマン使ってないんですよ。どうしてスタントマン使わなかったのか、て思うともうつくづくもったいない気がしてなりません。決意はわかりますけど、自分の身は自分で守らないと、って建設業のわたしは心から思いました。映画もやっぱり安全第一じゃなけりゃいかんのですよ。
↑このあとこの身体が一瞬のうちに木っ端みじんになってどこいっちゃったかわかんなくなっちゃうんですよ。そんな悲しいこと、ないじゃないですか。遺族は顔を見ることさえできなかったんですよ。もうザンネンでザンネンで、そればっかり気になっちゃいました。
↑強制収容所行きの列車の中から友人を見て声を掛けます。このシーンが一番怖かったかもです。
↑ヴィック・モローからはこう見えているわけです。
で、こうして第1話が終わるのですけれども、わたし高校時代はこのあとどうなるのかがものすごく気になってました。あとはご想像にお任せします、的な終わり方はそれまで体験したことなかったですからね、ハッピーエンドになるのかそれともこのままバッドエンドなのか、ってものすごく気になって。でも今になるとそういう思いはないですね。まあ、数多く映画を観てきたからってのもあるのでしょうけれども、映画ってこういうもんだからね、というのが一番なんでしょうね。なんか自分も年齢を重ねたんだな、と、それはそれで感慨ではありました。
さて、そしてバージェス・メレディスのナレーションで第2話に入ります。スピルバーグの監督作ですね。怖い、というのではなく、不思議なファンタジー映画、です。4エピソードのうちこの話だけファンタジーで、なんか自分だけちょっと狙ったのか、という気もしないでもなく、それはそれで気になりはしました。
↑こういう構図はスピルバーグらしいですね。後ろがこのエピソードの主役、スキャットマン・クロザーズ。
若さを取り戻したいと願う老人ホームの老人たちが、新たにやってきた入居者のスキャットマン・クロザーズの力によって子供に戻る、というお話です。よくできた話だと思いますね。さすがスピルバーグ、という感じです。ただね、わたしそろそろ還暦も近くなってきて、この老人たちの「あの頃に戻りたい」って気持ちもわかるにはわかるんですけれど、でもね、わたしは決して子供に戻りたいとは思わないです。今のこの状態はこれまでのわたしの人生そのものなわけですから、それを無にしてまた子供からなんてのは、はっきり言ってウンザリ、です。もちろん、だからって、ここに出てくるコンロイ老人のように偏屈になったりはしませんよ。60歳になってもマスクとプロテクターとレガース付けてキャッチャーやって、盗塁阻止したいわけです。阻止できないまでも、セカンド送球したいな、って。
↑真ん中がコンロイ老人です。
で、みんな子供に戻ります。
↑子供たちの演技も秀逸ですよ。この時代のスピルバーグはものすごく子供を使いたがりますけど、やっぱり自分がそうであったように、子供のもつ無限の可能性を信じてる、てことなのでしょうね。
↑このスキャットマン・クロザーズの笑顔がすべてを物語ってますでしょうかね。わたしも気が付いたら笑顔になってましたよ。
でもね、ふと我に返るんですよ、子供たちが。いや、老人たちが、ですかね。この先だれが自分を養ってくれるのか、先に死んでしまった夫にはもう会えない、もう一度愛する人と別れるのはつらすぎる、って。ああ、わたしと同じ気持ちだったんだな、ってなんかホッとしました。と同時に、わたし自身にも人生を顧みさせてくれて、最後は、最後まで信じなかったコンロイ老人も含めて涙がとまりませんでした。ここまで生きてこられてよかった、って。
わたし今年で57歳。あと何年生きられるのでしょう。10年?もって20年でしょうか。もうちょっと生きられるかな。いのち、大切にしなきゃ、って心から思った次第です。
ところでこれ当たり前ですけど、この老人役の俳優さんたちが実際にほんとに子供に戻るわけではないですよね。でもおそらくこの役者さんたちも、この映画に出演したことでその思いは味わえたと思うんです。観るほうもしかりですよ。だからね、だから映画ってすごいんだよ、って思いました。いやあ、映画ってほんとにいいもんですね。
第3話はジョー・ダンテ。不思議な少年と出会う女性教師のお話、です。
↑ダンテ作にはディック・ミラー、です。
↑こちらがキャスリーン・クインラン。わたし、うへえ、超絶美人やん、て言いましたよ。
↑で、少年の乗った自転車とキャスリーン・クインランの車が
↑ぶつかって物語が始まるわけですが、
↑これけっこう激しめにぶつかってんですよねえ。
↑大丈夫やったんか、って真剣に思うほどの勢いで、ほんとに大丈夫だったのでしょうかね。
↑真ん中がケヴィン・マッカーシー。ホラー映画界では有名な方ですね。当時69歳とは思えない若々しさですが。「ピラニア」「ハウリング」とダンテ作品に出演してます。2010年に96歳で亡くなられました。
↑わたしほとんど知らない方ばかりですが、テレビ等で活躍されてた方たち、なのでしょうか。さすがの名優ぞろい、というところでしょうね。
最初のうちは何が何やらさっぱりわかりませんでしたよ。どうして大人たちがあんなにおどおどしてんのかってのが最大のギモンで。でもそれは徐々に解決されていきますね。その種明かしの流れはさくさく進んでまったくムリはなく、さすがホラー映画の巨匠ではありました。
↑テレビでやってるアニメも、楽しそうなんですけど、よくよく見ると実はすごく怖いシチュエーションだったりしてとってもゾッとします。
↑これはほんとに怖かったです。
↑これは映像美ですね。やっぱりCGよりもこっちのが断然いいと、わたしは思います。「エクスプローラー」のジョー・ダンテならでは、なのですね。
↑これは衝撃ですよ。イヤなシーンです。
で、明らかになったのは、この少年、自分が願ったことはすべてかなうという力の持ち主だった、ということでした。まあ、子供のうちにそんな力持ったらこうなっちゃうのもわからんでもないですが、でも親がちゃんと育ててたらこんなことにもならなかったかも、というのもありますよね。「炎の少女チャーリー」が良い例なわけですよ。親の責任が大だと思ったわけです。作中でも少年が「親は僕を見捨てた」って言ってましたしね。
↑こういうのが出てくると「グレムリン」ぽくって、さすがジョー・ダンテだな、と思います。
それでもくじけなかったキャスリーン・クインランがよかったですね。怖い中でも明るい光が見えるわけです。ハッピーエンドのハリウッドならでは、といったところでしょうか。
↑くじけなかったキャスリーン・クインラン。とっても凛々しいですね。いいキャスティングです。
↑ここはめずらしく幻想的ですね。そういう挑戦もしてみた、ということなのでしょうか。若干ウルトラセブンみたいですけど。
第4話は、飛行機嫌いの男が、自分の乗った飛行機が嵐の中を飛行中、不幸にも窓の外にグレムリンを見てしまってパニックになる、というお話。オリジナルテレビドラマ版でもあったお話だそうですよ。「グレムリン」てのは「いたずらをする妖精」でしてね、大戦時、アメリカ軍の飛行機が次々と墜落したのはグレムリンのせいだった、なんて話もあるくらいで、それを映画にした、て感じでしょうか。
ジョン・リスゴウが熱演です。この人、ちょっとヘンな人の役をやらせたら天下一品なのですけれども、「フットルース」では牧師さんの役もやったりして、名優中の名優です。ここでは主人公の飛行機嫌いの男の役ですが、アメリカだとどれだけ飛行機が嫌いでも出張ってなったら飛行機に乗らなあきませんからね。ザンネンなことでありました、と同情してしまいました。
↑ジョン・リスゴウ。わたしこの人みると、いつも誰かに似てるって思うんですけど、いつも誰かわかんないんですよねえ。今回もわかりませんでした。佐野史郎、ではないです。もっと別の誰か、です。
↑いや、飛行機の中でタバコ吸ってるやん、て。「ダイハード」でも思いましたし、わたしも留学から帰ってくる飛行機内でタバコ吸ってましたから、時代はかわったんやなあ、とちょっと懐かしくなったりしましたよ。
↑で、よりによってカミナリ鳴るわけですね。そら恐怖でしょう。
↑いやこれ、パンチもきいてますよね、この新聞記事の見出し。「フライングハイ!」かって突っ込みました。
↑そらね、こんなん見たら、
↑こうなりますって。
で、このあといったん我に返って落ち着きますけど、そういったところはメリハリが効いてていいです。もちろん観てるこっちは、そんなんではだまされへんぞ、とは思うわけですが。
↑窓の外がどうしても気になるのですよ。さきほどの新聞記事といい、笑いのペーソスもちゃんと入ってて、最高です。
↑で、こうなって……、
↑こうなりました。
↑ふたたびパニックになる、という。いや、だから、そらそうなるわさ、と笑いながら観てました。
ここまでくると、なんで拘束せんのやろ、とは思いましたけど、そしたら間髪を入れずにまたパニックになってそれどころじゃなくなって、と。うまく作ってありますよ。そのあと今度はほかの乗客がパニックになるのですけれども、そのときはジョン・リスゴウは落ち着いていたりして、とことん笑わしてくれます。
↑でも容赦はしませんよ。またまたグレムリン、見ちゃいます。
↑で、写真を撮るのですが、この出来上がったポラロイドの写真てのが秀逸なのでございました。ほほう、なるほど、って感じです。
↑元凶はこやつなのです。
↑ちっちっちっ、です。最後までエンターテインメントなのでありました。
いやあなにしろ楽しめました。怖さあり、涙あり、笑いあり。しかも名監督4人の競演。こんなぜいたくで楽しい時間はそうそうないぞと思いつつ、最後は笑顔で終えるというのがたまらなく至福の時間でありました。
まったくマイナスポイントがなく、ジェリー・ゴールドスミスの音楽が花を添えて、10点満点フィナーレ、でありますね。
余談ですが。
わたしこのオリジナルテレビドラマを始めて観たのは、私立大学受験で品川プリンスホテルに4泊して、そのうち翌日が空き日の夜中にホテルのテレビで、でした。なんか、船(豪華客船)の事故の死者の亡霊が、近くの海域を航行する船に乗った人たちを手招きして海に引きずり込む、って話だったんですよ。で、わたしは私立受験には失敗して、その後母校である岐阜大学に現役で合格し、でも留年したのでアメリカに留学することになります。アメリカでは、昨年読売ジャイアンツに在籍した投手であるアンドリースくんと同じカリフォルニア大学リヴァーサイド校に通ったのですけれども、そこの寮に住んでまして、寮にあるテレビルームで「トワイライトゾーン」やってるぞということになりまして観に行ったのですね。そしたらその受験の時に初めて観たお話をやっていた、とまあなにやらいろいろ不思議なご縁なのでありました。さすが「トワイライトゾーン」ですね。
今日の一言
「プロテクターとレガース、新調しました!」