★★★☆☆☆☆☆☆☆

2017年 109min.

ネタバレ ネタバレはデフォルトで。m(_ _)m

敬称略

 

 

 ということで、熟考に熟考を重ねた結果、公開年順に観るのではなく、時系列順に観ることにいたしまして、本作の鑑賞とあいなった次第でございます。パトリック・ウィルソンとそのあまりの美しさにわたしすっかり虜になってしまったヴェラ・ファーミガが出てないのはザンネンではありますけれども、なにごともガマンが肝腎だということで、要するにの一作目から観る、というわけですね。ニコニコ

 

 もちろんジェイムズ・ワンは絡んでおりまして、監督、音楽は別の人ですけれども、ジェイムズ・ワンが製作に名を連ねてますから、そんなにひどいことにはならないだろうとの期待は持てますね。

 

 監督はデイヴィッド・F・サンドバーグ。ホラー映画を撮ってる監督さんだそうですが、わたしは知りません。なんか本数もそう多くないみたいですね。音楽はベンジャミン・ウォルフィッシュ。「IT/イット“それ”が見えたら、終わり。」の人です。あんまり印象には残ってませんが、まあこちらもホラー映画の世界の人、ということなのでしょう。

 

 さて、ということで観始めますが、いきなり目玉おやじが出てきたのは笑いましたよ。

 

↑間違いなく「鬼太郎!」とあの声で言っていますね。

 

 そしてさらに、あの人形を指して「良質な手作り人形」とのたまいますよ。まあね、そらそう言わないと、てとこもありますけれども、どうひいき目に見ても(別に「ひいき目」に見る謂れもないですが)「どこがやねん!」と突っ込みたくなりますね。笑い泣き

 

↑ああ、作りが良質、てことでしょうか。ならナットクですが...。

 

 で、その人形を作ったのが、アンソニー・ラバーリアです。どうでしょうこの方、日本ではなじみが薄そうですが、けっこうたくさんの映画には出演してます。ドラマ「WITHOUT A TRACE / FBI 失踪者を追え」でなら見たことある方も多いのではないでしょうか。それから時を経ること10年弱、ちょっと太られましたかね。

 

↑いや、ちょっとどころじゃないですな。びっくり

 

 そして、このアンソニー・ラバーリアの娘さんが事故で亡くなることで、すべてが始まるのですね。

 

↑最初、お孫さんなのかと思いましたが...。スティーヴ・マーティンにそっくりです。ガーン ので、なんか最初はまったく入り込めませんでした。

 

 一応、話の主役はあの人形ですし、それがもうあんな状態ですからなにやら不気味は不気味なわけですが、ホラー感はまだまったくありません。出だしはこんなものなのでしょうが、わたし的には一抹の不安がよぎりましたよ。ショボーン

 

 で、タイトルが出てきて、いきなりスティーヴ・マーティン、じゃない、娘さんビーちゃん、つまりアナベル・マリンズ役のサマラ・リーちゃんが車に轢かれて亡くなるわけです。まあこれが始まりですからね、これがないと何も始まりませんよ。痛ましいことですが、仕方ないです。ていうか、「死霊館」ではあの看護師たちが住むアパートの一室で亡くなったということだったような気もしないでもないですが...。

 

↑CGの技術はスゴイです。ほんとに轢かれたようにしか見えませんでした。びっくり

 

 15分経つと、時が移って、マリンズ家を孤児院として提供することになります。一人娘を亡くして、寂しさからということもありましょうが、奥さんがひどいことになっているようで、不穏な空気は流れてきます。とはいえ、ホラー要素はまだ薄くって、開始15分程度なのですが、わたしそろそろイライラしだします。プンプン

 

 ただ、こうして人が増えてくると、やはりなにかしらのことは起きるわけで、どうやら孤児の中のジャニスという娘に霊感があるのかしら、ということにもなります。そういうところで、なんとか観客は画面にしがみつくことができるわけですが、それも「なんとか」という感じで、のめり込むまでには至りませんね。

 

↑孤児院の子、ジャニス役のタリタ・ベイトマン。めちゃめちゃ演技うまいです。

 

 さあさあ、その後はジャニスの友だちのリンダ(ルル・ウィルソン)も絡みながら話が進みますよ。霊感のある子と仲のいいその友達。いよいよなにやら起こりそうです。

 

↑ものすごくかわいいです。左のルルちゃんは、清野菜名ちゃん似ですね。

 

 で、ジャニスが「私をみつけて」なんて奇怪な手紙をもらったりしだして、奇妙な現象が家の中で起こるようになりました。ただですね、これ、別に普通のホラーなんですよね。ま新しいことはなにもなく、ただよくあるホラーなんです。たしかに「死霊館」が強烈すぎたってのはありますけれども、やはりそれと比べてしまいますからね、どうしても物足りないと思ってしまうわけです。ショボーン

 

 で、いよいよジャニスちゃんが人形を見つけるわけですが、たしかに怖い描写にはなってますけど、あの人形、別に暗くなくても、明るいとこで見ても怖いですからね。新鮮味はありません。

 

↑見慣れた光景、になってしまってます。

 

 ただし、直後に人形が動き出しますと、やっとちょっと怖くはなりました。普通のホラーとして、ですけど。まだそこからは脱却できません。

 

↑これは怖かったです。

 

 ここまで時間として30分です。ようやく、の感が強くって、展開の遅さばかりが気になるわけです。なにしろ「死霊館」は最初っから最後まで、ずっと怖かったですからね。

 

 孤児院の年長の子たちがいよいよファースト・コンタクト、なんてことになっても、単発で終わってしまい怖さが長続きしません。リンダちゃんが清野菜名ちゃんに似てるとか、今日の先発は大野雄大かあとか、村神様はホームラン打つのかなあ、とかもうどうでもいいことばっかり考えてしまうのです。もうね、長いんです。画面も暗いし。いえね、別にホラーですからね、暗いのはいいんですよ。でもね、画面上で何が起こってるかさっぱりわからないほど暗いのは要りませんよ。おかげで眠くなってしまいます。

 

↑ファースト・コンタクトのとこ。いよいよか!て色めき立ったものですが...。

 

そうこうしてると、

 

↑悪魔?が出てきました。ビーちゃんは亡くなってるので、出てくるとしたら幽霊なわけですが、これってことは、要するに悪魔がビーちゃんの身体を借りて悪さする、ってことなわけですね。まあそもそもビーちゃんが人間に悪さできるほどの年齢でもなかったですしね。

 

 なんて思ってましたら、なんとビーちゃんが交通事故で亡くなってからもう12年も経ってる設定のようで、わたしそれにはビックラでしたよ。

 

 まあ、ね、前日譚の前日譚、てわけですからね、本作。こんなもんなんでしょうかね。気がついたら1時間経ってまして、もうすっかり眠いわけです。「死霊館」のようにどんどん畳みかけてほしいのですが、そういうわけにもいかないでしょうしね。「愛」も描かれてないですし、もうほんと、パトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガが恋しくなりますよ。なんか小児麻痺の子が狙われるって設定もどうかと思いますし、なにしろまったく愛が感じられんのがイヤなわけです。

 

 で、そうこうしてましたら、

 

↑お父さんがこうなりまして、

 

↑こうなりました。

 

 人形に殺られたわけですよ。人形には娘ではなく悪魔が宿ってますね。その悪魔人形に殺されるお父さん。愛などあるはずがありませんよ。

 

 ところが、お父さんがこんな状態になってしまったというのに、それを見てみんなギャーギャー悲鳴をあげていたというのに、次のシーンではなんかシスター、普通に歯を磨いてます。

 

↑ホームビデオか、的な。平静すぎませんか、てことです。

 

 このシスターの歯磨きシーンは必要だったのかとギモンに思いはしましたが、ところがここへきて突然ジェットコースター的に事が起こりだします。1時間20分は経ってましてね、のこり30分もありませんが、まあなので、ようやくか、の感は否めませんよ。じらされてじらされて、いよっ、待ってました!じゃないんです。はあ、ようやくかぁ、て感じでため息が漏れる、という感じなわけです。ショボーンショボーン

 

↑お母さん、事の理由を説明しだしました。

 

 要するに、怪奇現象の説明としては、弱い心を悪魔に利用された、ということですね。最初は娘だと思って、人形に宿るのを許可したのですけれども、じつは娘ではなく悪魔であって、けっきょく人形に悪魔が宿ってしまった、ということなわけです。ただ、悪魔ってそんななんかにヤドカリしないとなんもでけへんのか、って若干の疑問は残りますが...。びっくり

 

↑奥さんがなんでこんなことになったのかはよくわかりませんでした。ちなみにここで奥さんの名前がエスターで、ビーちゃんがアナベルということがわかりましたよ。遅いっての。

 

 で、1時間24分。ジャニスちゃんがとうとう悪魔に乗っ取られましてね、奥さんのエスターは半分にちぎられてはりつけにされます。

 

↑みごとに半分でした。

 

 やっと怖くなってきたのですが、ここでシスター言い放ちます。

「警察に連絡して!」

……。

 

 いやこれ、警察て、どないすんねん、て感じです。まあ確かに、頼れるのは警察なのかもですが、だからって警察がきてもジャニスちゃんを逮捕するわけにもいかないでしょうし、パニックが増幅するだけなのでは、という違和感を持ったのはわたしだけではないと思うのですけれどもね。これ実際はどうなったのでしょうね。

 

 まあですね、残り30分はようやく怖くなりましたのでね、まあそのためには最初の1時間10分は頑張って起きてましょう、という感じです。演出に難はあれど、終わりがこんな感じなら、まあ救われた、ということですね。

 

↑これは熱いと思います。ヤケド案件です。

 

↑子供たちは演技上手いですしね。これもうまったく楳図かずおじゃないですか。笑い泣き笑い泣き笑い泣き 実写でこうも楳図かずおなのは初めて見ました。

 

 総評すると、ホラーとしてはじれったいです。おもしろいのは残り30分のみ。ビギニングに敬意を表しては3つです。後半の30分だけなら満点でもいいほどですから、ほんともったいない気がしました。

 

↑こんなことを言ってますよ。悪魔が宿っていようがいまいが、わたしはこんな不気味な人形は、要りません。

 

 えと、それでジャニスちゃんはどこに行ったのでしょうかね。なんかジャニスちゃん、ラストで自分の名前をアナベル、言うてましたけど、どういうことですかね。アナベルはビーでしょ?でもビーちゃんはいないわけで、そもそもビーちゃんと言って悪魔が偽ってたわけですから、総合するとジャニスちゃんに悪魔がとり憑いた、てことなのでしょうかね。え、じゃ人形はなんなんでしょう?んー、ま、次回作に期待、ということですかね。楽しみにしましょう。

 

 

今日の一言

「悪魔でも手をぶたれると痛いんかなあ」

↑懐中電灯で悪魔の手をぶっ叩いてます。悪魔は悲鳴を上げて手を引っ込めてました。笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

レビュー さくいん