☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆  0個

2007年 100min.

ネタバレ この映画は観る必要ないのでネタバレしときます。笑い泣き笑い泣き笑い泣き

敬称略

 

 

 まあ、ですね、結果としてわたしの感想は、☆の数とおりなんですけどね。

 

 一応「28日後...」の続編だそうですけれど、出演者はダブってる人は一人もいないですし、なにしろ製作者は一緒ですが監督、脚本は別の人ですので、不安しかありません。このブログで紹介したように、映像はけっこうだったものの別段そんなに面白いわけでもなかった前作の「28日後(28日後... | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」ですけれど、それをさらに踏襲させずに新しい人たちで新しい話を作ったとなると、もうこれイヤな予感しかしないわけですね。はてさて、どうなりますやら、とまったく期待せずに観始めた、ということなのですが...。

 

↑逃げるドン。ロバート・カーライルです。

 

 いきなり悲惨なんですよ。愛する妻を捨てて逃げる夫ですよ。早速イヤな予感は的中してしまいますね。ガーン

 

 あ、ていうか、とりあえずこれ一作目ありきで話が始まってますので、一作目観てないとなんのこっちゃかさっぱりわかりません。ので、もしこれ観られるという方がいらっしゃいましたら、とりあえず先に一作目は観ておいていただきたいと思うわけです。もちろん本作はお世辞にもお薦めはしませんけどね。

 

 音楽は同じ人ですよ、ジョン・マーフィ。ですので、緊迫感はあったりはします。でも音楽によって前作を思い出すので、というところが大いにありますから、騙されてはいけないわけです。

 

 で、その後の説明でわたし愕然としますけれど、なんか感染者は5週間かなんか経って、飢餓が原因で死に絶えた、と。え、て。てことはですね、ゾンビではなかった、ということですね。う~ん、たしかに「感染者」って言ってた気もしますが、すっかりゾンビだと思ってましたから、それはそれは驚いたのです。そうなんや、て...。ま、それはわたしの問題でもあるのですが、そうした説明は前作ではあんまりなされてなかったはずですから、なにやら騙された感ですよ。先にも言いましたけれど、騙されてはいけないのです。爆  笑

 

 知った顔は、ドイル役のジェレミー・レナー。「ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル」や「同 ローグ・ネイション」に出てた人で、わたし直近では「ヘンゼル&グレーテル」で観てました。

 

↑ジェレミー・レナー。知った顔が出てくると、ちょっとはホッとします。照れ

 

 で、この人、軍の人の役なんですけれどね、えと、感染者はもういなくなった、てんじゃなかったのでしたっけ、とちょっとギモンに思いました。まあすぐに、隔離されているとはいえ感染者の死体は残されたまんまだし、その場所には野犬や野良ネコがいて病原菌もまん延しているて説明がありましたから、そのギモンも払しょくはされましたが、それならそれで、また軍が仕切ってるのかと思うと、不安感は増しますよ。大丈夫なのでしょうか。ショボーン

 

 “Welcome back to Britain.” て言ってましたから、やっぱりイギリスの話で、こうしたところで前作の続編ということはわかりますね。ので、前作でロンドンにいなかった人たちが、感染者がいなくなったことにより戻ってくる、という状況になってます。なんか要するに前作はイギリスだけの話だった、ということなのでしょうかね。まあイギリスも、日本と同じ島国ですからね、それはそれでアリなのかもではあります。

 

 ただ、なんかイギリスに入ってくるのにものすごい検査とかするのですけれども、いやいや感染したら10~20秒で発症するんだから、こんな検査いらんのちゃう、とは思いました。まあ結果的には、やっぱり検査は必要だったんだなということになるわけですけれども、でもこの時点ではそれはわかってなくって、だからやっぱり「この時点では」こんな検査をする必要性はなかったとは思います。感染者かどうかを見分けるための検査、でしたからね。まあいいですけど。そんな細かいことはどうでもいいほど、つまらん映画でしたし。

 

 で、その後、逃げおおせたロバート・カーライルが、当時海外に修学旅行に行っていて両親と一緒にイギリスにはいなかった娘と息子に再会します。歳の違う姉弟なのにいっしょに修学旅行に行っている、という設定もよくわかりませんが、まあ外国のことですから、ひょっとしたらアリなんでしょうかね。どうでもいいですけど。

 

↑この時点ではパパとふたりの子供は楽しそうですけどね。照れ

 

 なんかですね、オープニングはさすが前作の続きやな、と思うほどすさまじかったのではありましたけれど、それが終わるとその後は、30分経っても感染者いうかもうあえて「ゾンビ」と言いますけれども、ゾンビは出てきませんよ。なんかしれーっと退屈なシーンが続くわけです。

 

 ジェレミー・レナーと同僚のヘリパイロット、フリン役のハロルド・ペリノー・ジュニアがおちゃらけてるシーンとかもあったりしますし、なんか普通に生活してるシーンとかも出てくるし、このあとほんとにまたゾンビが出てくるのか、とっても不安になります。もちろん出てくるのでしょうけれども、そこまでが長いんですよ。30分も余分なシーン観させられたら、誰だって飽きてしまうのは必至なわけですね。わたしもうこの時点で、イライラしだしましたよ。プンプン

 

↑ジェレミー・レナーは好きな役者さんですけど、この時はさすがにイラっとしましたよ。

 

 そんな中で、チョイチョイ置き去りにされて死んでしまったママ・アリス役のキャサリン・マコーマックの怒った顔が映し出されるのですけれども、これそういう構図なんですかね。置き去りにされてパパに怒ってるママ、ていう。そんなんどうしようもなかったやん、て思うのはわたしだけではないと思いますけどね。

 

↑怒ってますよねー。ショボーンショボーン

 

 て、じつはこれもまた結果から言っちゃいますと、全然そんなことはありませんでした。ママはパパに怒ったりはしてませんでしたよ。であるならば、こうして観客の不安を不用意にあおるようなことは辞めてもらいたいものですよね。だって、オープニングであれだけ愛し合ってた二人なのに、そんないがみ合う様相なんて、こんな荒廃した話の中では見たくないじゃないですか。純粋に、ゾンビものホラーとして楽しみたいわけですよ、こっちは。人間どうしの中での愛憎劇とか、余分でしかないわけです。あの名作、ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」でさえ、わたしデイヴィッド・エンゲとゲイラン・ロスがいがみ合ってるシーンは、ほんとイヤでしたからね。そういうのアメリカ人は好みますけど、それは映画には悪い影響しか与えない、ってことにいい加減気づいてほしいと、いつも思うわけです。ムキー

 

 で、そうこうしてますと、行っちゃいかん、入っちゃいかん、と言われているところにアホガキどもが侵入します。要するに、これから起こる大パニックの元凶は、このアホ姉弟、ということなわけですね。

 

↑あーあ、ってなりました。ショボーンショボーン

 

 ところでですね、前作でもわたし思ったんですけれども、死体とか腐った食べ物とかがたくさん出てきますが、そこにハエの飛ぶ音がかぶさってるのですけれどもね、なんか1~2匹くらいしかいないのですよ。これおかしくないですか。あれだけ腐乱死体が転がってたら、ハエなんてもう何万匹どころか何億匹といたっておかしくないと思うわけですよ。なのに1~2匹?いや、1匹でも2匹でもいる音はしてるわけですから、真冬で冬眠している、というわけでもないじゃないですか。こういう中途半端なことはほんとにアカンのですよ。臭いに対する描写もないし、全然細かいところにまで行き届いてないのです。これでは映画として、この時点で落第点ですよね。

 

 でもって、アホガキどもが立ち入り禁止区域に入っていくのは、自分たちの住んでた家に行って、懐かしのものを取りに行く、っていう理由なのですけれども、道中がなんかまたロードムービーみたくなってましてね、わたしまたウンザリですよ。前作のロードムービー場面は、それはそれでまだ効果的でしたよ、コントラストとして。でも本作でこの時点でのこのロードムービーっぽいシーンは、この世界ではまだゾンビも出てきてませんし、そもそもゾンビは死に絶えたって言ってるわけですから、ここでいきなり、いや実は死んでませんでしたー、的な感じでゾンビに出てこられても、そらもう拍子抜けいうか、怒りでしかなくなるわけですよ、フザけんな、みたいな。やることなすこと、マイナスでしかないわけです。ムキームキー

 

 で、最大の不可解シーンが出てきますよ。すなわち、ママ生きてた、と...。なんでかはわかりませんよ。理由はわかりませんけれど、5週間以上経っても、ママ生きてました。家族的にには喜ばしいことなのでしょうかね。理由わかんないのに、喰われたはずのママが生きてた、ってことのほうが怖いですよ。ほんとに死んだかどうかわかってない子供たちにしたって、こんな隔離されたゾンビの死体が転がる中で5週間も生きてたママは、うれしいけど不安もあるでしょうに。生きてた理由はのちに語られますけれども、でもここではそれにはまったく触れられてませんから、いきなり感が強いわけです。

 

 もちろんパパは、驚愕しますよね。それはそれで仕方ないです。置き去りにしたわけですし、生きてたら間違いなく責められる、と思うのもわかりますしね。さらに、あれで生きてたってことに驚愕するのも当然ですし。もちろんですよ、あの状況でも、助けようとしなかったパパに否があるというか、負い目があるのは間違いないところではあります。そのせいでの驚愕、っていうのはよくわかりました。本作でゆいいつ共感できたシーンじゃないでしょうかね。

 

 その後、ママは感染したけど発症しない保菌者だ、ということがわかります。血液検査しましたから、それは間違いないところのようです。となるとですよ、そら実験台にするにはもってこいなのですから、拘束してしまうのはムリのない話なのですが、それよりなにより、健常者(ていうのかはわかりませんけど)が接触したらマズイのではないかと、わたしその時点で思いました。だって、血液とか唾液とか、体液で感染するんですよね。そしたらパパや子供たちは、ママに近づいたらアカンのじゃないか、って、普通なら思いますよね。なるほどー、だったのですが、始まって40分過ぎてようやくそんな話になりましたのでね、やっぱりこれちょっと長いやろ、と改めてウンザリしたのでした。で、話はやっぱり「案の定」で進むこととなりますね。

 

 まあね、ママが保菌者だっていうのをパパは知らなかったから仕方ないのですけれどもね、パパ、無謀にもママに謝りに行くわけですよ。でもママは素晴らしい女性でした。パパを許すどころか、許す許さないの問題じゃなくって、再会を喜び、「愛してる」とまでいうのですよ。そしたらパパ、感動するじゃないですか。で、ちゅーして唾液からパパ感染、と...。「案の定」なのですね。

 

↑感染中、まさに「感染ちゅー」なのでした。m(_ _)m

 

 そして話はここから悲惨な状況に陥っていきますよ。なにせパパはゾンビ化してママを殺してしまうのですからね。もうサイアクなわけけですよ。なにこの胸クソ悪い映画は、て思いました。前作も「胸クソ悪い」て思いましたけれど、それをはるかに凌駕するほどの嫌悪感です。なんの救いもないですし、なんの共感も、なんのおもしろみも感じられません。ただただ気分悪いだけです。

 

↑ママをぶっ殺してます。むちゃくちゃなのです。ガーン

 

↑けっきょく悪いの、こいつらですし。その事実も、嫌悪感に拍車をかけますよ。ムキー

 

 もうこのあとはパニックです。姉弟ははぐれてパニック、保護のためだからとその他住民を隔離部屋に入れたのに、閉じ込められたとか言って大勢がパニック、それを見て軍もパニック...。こうなってくるともう、映画の出演者たちがパニックに陥って、というよりも、映画自体がパニックになっちゃってるのでは、と思うほどむちゃくちゃに展開していきます。えーん だから観ているこちらもパニックですね。パニックだらけです。あとは勢いで乗り切ろうとしているかのようで、ここでもまた嫌悪感なわけです。

 

 なんなんですかね、これ。何が言いたいのでしょうか。ゾンビでなく本当に怖いのは人間なのだ、とでもいうのでしょうか。そんな教訓めいたもの、この映画ではまったく必要ないですよ。なんなんでしょうね、ほんとに。もうわたしももちろんパニックなわけです。

 

 で、やっぱりというかなんというか、パパ一人のせいでゾンビがあっという間に増殖しだしました。とどまるところを知りません。なにせ10~20秒で感染しちゃうのですからね。増殖力でいったらエイリアン・クイーンなんか足元にも及びませんよ。ガーン ただですね、これ、もう全編暗すぎるんですよ。画面が暗くって、何やってるか全然見えません。ハッキリ見えるのは、ちょいちょいアップになるゾンビパパの顔だけですよ。ほんとにヒドイです。何も見えません。

 

↑ゾンビパパ。パパゾンビ。まあどっちでもいいですけど。

 

 で、とうとう軍が決断を下しますよ。まあ通例なのでしょうけれども、パニックになってどれがゾンビでどれが人間かわからんから、動くもん全部殺せ、て...。むちゃくちゃですね。映画として、なんの救いもありませんし、なんの共感もわきません。ただただウザい映画、というわけです。

 

↑みいんな死んでしまうのです。

 

 そのあともことごとくこちらの鑑賞意欲はそがれます。姉弟はものすごく偶然に出会いますし(いや、そんなんならそもそもはぐれるなんてシチュエーションは不要でしたよ)、そもそもこのパニックはこいつらのせいなのにまったく悪気を感じてないですし。撮影もハンディカムで手ブレで観にくいし、暗くて観にくい上にカット割りも多すぎて、目がついていけません。どうしようもならないですよ。で、究極、街を焼き尽くす、とまあこれもうホラー映画ではないですね。

 

↑むちゃくちゃです。そればっか言ってますけど、むちゃくちゃなのです。

 

↑しかも生き残ってますしね、ゾンビ。どうすんのこれ、って言ってしまいました。ショボーンショボーンショボーン

 

 なんとかこの映画の主役であるべき人たちが、遊園地みたいなとこへ逃げてきて、若干落ち着いたようなところが出てきましたが、あとまだ30分近く残ってますよ。でもね、そのときわたし思ったのは、あと30分どうなるんやろ、ではなくって、あと30分?もうええわ、でした。すっかり眠くなっちゃってます。パニックのシーンがあってのこれですわ。☆0個でも多いくらいですよ。ムキームキームキー

 

↑夢うつつで覚えているシーンです。

 

 確かにですね、追われて逃げてのシーンは、そらやっぱり観ていてキンチョーめいたものはありますよ。身体はこわばりますしね。でもこの映画では、ちょっと身が固くなる程度で、手に汗握る、なんてことにはわたしはなりませんでした。とにかくハンディカムとカット割りの多さでなにをやっているかさっぱりわかんなくなっちゃいましてね、サイアクという言葉しか見当たらないという結果になってしまったのでした。

 

↑ジェレミー・レナーはカッコよかったんですけどね。宝の持ち腐れ感満載でした。

 

 けっきょく最後はパパ、実の娘に殺されちゃいました。なんかですね、ものすごく悲壮感漂わせて、娘が懸命の演技してましたけれども、でもこのバカがパニック引き起こしたわけですからね。それを忘れてはならないわけですよ。自分でパニック起こして、自分で父親殺して、って、もういったいなんなんやこの映画、てことになりました。誰に何を訴えようとしたのでしょうかね。わたしにはまったく理解不能でありました。

 

 弟はパパに襲われてましたが、姉よりも強くママの血を引いているみたいなのできっと発症することはなく、保菌者で終わるのでしょう。でもけっきょく最後まで、どうして発症しないのかはわからずじまいでした。パニックするだけして、肝心なところは解明されない。ちょっとこれ、ほんとに近年まれに見る駄作だと、わたしは思いました。エンディングも唐突でしたしね。

 

 2作目は駄作が多い、の典型的な例であります。観ない方がいいですよー、時間をムダにするだけです、とはわたしの老婆心でありますね。

 

 

今日の一言

「あー、目が痛い...」

 

 

レビュー さくいん