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2000年 99min.
ネタバレ しまくってしまい、オチもバラしてしまいました。すみません。m(_ _)m
敬称略
題名を見てまず思ったのは、ん、「ドラキュリアン」ではないのだな、ということでした。「ドラキュリアン」、1987年のホラーコメディですけれども、まあこれが「ハッピー・デス・デイ」とは違っておもしろいことおもしろいこと。子供が主役のヴァンパイア映画ですけれど、わたし何度も観なおすほどおもしろいです。でも、それではないですね。「ドラキュリア」です。「ン」がないわけですけれども、原題は “DRACULA 2000” ですので、間違いなくドラキュラ=吸血鬼、の映画ですよね。
なんて思って観始めましたら、オープニングクレジットでウェス・クレイヴンと。そこで一気に期待感が高まりました。
オープニングの音楽も、こりゃなんかすごいぞ、なんて思ってましたら、マルコ・ベルトラーミじゃないですか。ホラー映画の音楽ばかり手掛けてる人ですね。そりゃすごいはずですよ。
原作はブラム・ストーカーってありましたから、完全にドラキュラの話、なんですかね。ドラキュラの2000年版て意味ですしね、原題。そういうことなのでしょう。
↑で、まず出てくるのがこの人、クリストファー・プラマー。とっても懐かしいですが、その風貌からすればドラキュラ映画にこれほどぴったりな人もないというくらいハマってました。
さて、で、とりあえず冒頭部分はこのクリストファー・プラマーのおかげでドラキュラっぽくなってましたけれど、その後いきなり強盗団が出てきて「ダイハード」みたいになりました。まあでもこれ、現代版ドラキュラというなら、いろいろアリでよいのかもしれません。逆にまたワクワクするというもんです。なにしろウェス・クレイヴンですしね。楽しみでしかないわけです。
ヴァンパイア・ハンターのヴァン・ヘルシングが実在していて、クリストファー・プラマーはその子孫。でも劇中のセリフでは「ブラム・ストーカーの読みすぎ」なんてのもあったりして、なのにドラキュラは存在していて、となにやら様々混同していてよくわからない部分もあったりはしますが、そういうのもまあ映画的にはよくある話ですし、けっこうおもしろそうで観入ってしまう、という感じでした。
↑こういうのもおもしろいですよね。まあ、吸血鬼なのに前歯がキバになってるってのはどうかとも思いますが...。
↑そしたらすぐ棺がでてきました。展開が速くていいです。あっという間にツーダウンしてしまいましたよ。
↑ワンダウン。
↑ツーダウン。
いやあ、おもろいです。始まって15分でもうすっかりとりこになりましてね。まだこの時点では、出演者たちの関係性はまったくわかりませんけれども、とにかくおもろいな、と。
そしたら突然場面が変わって、めちゃくちゃかわいい子がでてきました。
↑マリー役のジャスティン・ワデル。セクシーですし。
ていうか強盗団、アホばっかしでした。ヒルにはやられるわ、棺の中に頭突っ込むわ、それがとっても命の危険だなんて、子供でもわかりそうなもんです。まあおかげで観ているこちらは盛り上がりますけどね。
↑ああっ、そんなんしたらアカンことになるの決まってるやん、です。(←盛り上がってます)
で、いよいよ真打登場、ドラキュラ伯爵ですよ。現代版ですから「伯爵」ではないのでしょうけれども、なにしろの男前にビックリです。
↑ドラキュラ役、ジェラルド・バトラー。めっちゃ男前です。
↑ソリーナのジェニファー・エスポジート、殺られました。めちゃくちゃ美人ですが、それ故に冒頭から、あっ、すぐヴァンパイアになるな、って思ってました。案の定です。
で、場面場面で先ほどのジャスティン・ワデルのシーンが挿入されますよ。別の場所で同時進行しているけれど、意識としてつながってる、みたいな。謎めいていて、どんどん引き込まれますね。
↑もうこんなセクシーなん、鼻血ものです。おじさんには刺激が強すぎるのですね。まあ若い子にも刺激強めでしょうけど。
ところでですね、棺を運んでいた飛行機が、棺から出てきたジェラルド・バトラーにやられて墜落するのですけれども、その墜落現場を取材に来たテレビクルーが、「パイロットの死体は凄惨で」とか言って、その焼けただれたパイロットの死体の映像をニュースで流してるんですね。いやいやアメリカってそういうこと平気でやるんでしょうかね。わたし留学してた一年の間では、そんなニュース観たときなかったですが、時代が時代ですから、今ではこういうこともアリなんでしょうか。ちょっとこれはギモンではありましたよ。
↑夕食時のニュースとかでも流すのでしょうか。
そのニュースクルーで、ドラマ「ER」のレイ・バーネット役やってたシェーン・ウェストが出てました。おお、久しぶりやん、て思ったらすぐに殺られました。「ER」に出るのはこの4年後ですからね、まだまだチョイ役なのでした。
↑「ER」感はもうすでにありますけど...。
だいたい30分もすると、ひとつわかったことがありました。吸血鬼は、昔から総じて女好きなんやな、て。どのヴァンパイア映画観ても、吸血鬼は男前で女たらし、だったような気がします。うらやましいやらなんやらですけれども、これ映画とはいえセクハラとか言い出すのがいないかと、ハタと心配になったりもしましたよ。ブラム・ストーカーが書いた時とはもうすっかり時代が違いますからね。気をつけなければいけないかもです。
さらに感じたのは、けっこうグログロだったりするのですけれども、そんな中でコメディ要素とまではいかないまでも、ちょっと遊び心というかそんなのがちりばめられている、ということでした。
たとえばこのシーン。↓
↑サイモン役のジョニー・リー・ミラー。
なんかこれ、「死霊のはらわた」のブルース・キャンベルに見えませんか?このあとしっかりと吸血鬼やっつけますしね。やるな、さすがのウェス・クレイヴン、なんて思ってしまったらもうあとは、おもろい、しかないですよ。
若干、サイモンが、実体験しているにもかかわらず、説明聞いても信じない、なんてところがあって、めんどくせぇな、とか思ったりもしますが、それもつかの間のことですから、なんら影響はないです。
殺しても殺しても死なない、って設定はジェイソンぽくって、そこはちょっと都合がよすぎるかな、なんて思ったりもしましたが、そうしないとこの話は成り立ってきませんし、まあいいのでしょう。物語なわけですから、なんでもアリでいいのですよ。
そうこうしてると、ジャスティン・ワデルがクリストファー・プラマーの娘だということが判明しますね。こりゃなんと、て感じでビックラですが、これで話がつながってくるわけです。めっちゃおもろいですよ。
↑ほんと、めちゃめちゃ男前なのです。現代のドラキュラはこうなるんか、と目からウロコですね。
で、です。ここまできてわたし、とうとうわかりました。いえね、本作、これあの80年代のヴァンパイア映画の名作「フライトナイト」のさらに現代版やん、て。てことは、なるほどサイモンが意外に強いってのも、ウィリアム・ラグズデールのことを考えたらナットクでした。ヴァンパイア・キラーなんて謳っていたロディ・マクドウォールなんかよりもあの高校生のほうがはるかに勇敢で強かったですからね。愛する女性のために、ってのも同じです。
↑そうかと思えば「ブレイド」をほうふつとさせるようなシーンもあったりして。後ろはマーカス役のオマー・エップスです。
↑これは「寄生獣 完結編」のオマージュですね。(うそです)
えと、ということで、じつはなんか出てくる登場人物がみんなすごく強くてですね、その分怖くはないのですけれども、めちゃくちゃおもしろいんですよ。
↑なんて言ってたら、クリストファー・プラマー、突然お亡くなりになりました。経緯はよくわかりません。あまりに唐突で、ちょっぴり「?」が頭の上を飛び交いました。
劇中、吸血鬼は銀に弱い、なんて言ってましたけれど、わたし、それは違うよなあなんて思ってましたよ。銀に弱いのは狼男やん、て。そしたらジェラルド・バトラー、オオカミに変身しましてね、おおっ、ハリウッド得意のごった煮映画にしてしまったのか、とちょっと不安がよぎりました。
↑なんか優しい顔のオオカミでしたけど...。
いろんな解釈をしようとしたのでしょうかね。平気で教会に入ってきたりもしますよ、ジェラルド・バトラー。教会って十字架いっぱいあるのに、なんて思ってましたら、おもっきし十字架蹴飛ばしてました。それされたら、「ああ」て言うしかありませんよね。ムリやりナットクさせられた感はありましたかね。要するに「新解釈」なわけです。
で、いよいよ吸血鬼たちとヴァンパイアキラーの末裔たちとの一騎打ちになりますが、まあとにかくちょっとしたギモンと腑に落ちない点はあるものの、笑いも効いてて話がしっかりできあがってるし、怖くはないですけどおもしろいです。
↑これはちょっと、いや、ものすごくうらやましいし。
つまりは、「ドラキュラ」の現代版が「フライトナイト」で、そのまたさらに現代版が本作という感じです。なんなら「フライトナイト」のリメイク、なんて気もしますしね。とにかくめちゃめちゃおもろいです。さすがウェス・クレイヴンと感嘆してしまいました。
で、なんと最終的にこのドラキュラ、つまりはドラキュリア、ですか、は、ジュダだった、とまあこれほんと、とりはだ立ちましたよ。なるほど、だから十字架も銀も嫌いだけれど、同じ嫌いでも銀は苦手だけれど、十字架はムカつく、ていうのがよくわかりましたね。ものすごい解釈じゃないですか。結果的にマリー(ジャスティン・ワデル)に裏切られたヴァンパイア=ジュダが、「わたしに裏切りを教えるつもりか」なんてイキなセリフまであって、わたしもうこれ天才かと思いましたね。
でもまあ、じゃあどうしてジュダがこんな吸血鬼になってしまったのか、って説明はあいまいではありましたけれど、そこまでしっかりと説明してほしかったな、ということで、それまでのもろもろの腑に落ちない点も含めて☆3つ減としております。ジュダが死なずに吸血鬼になったのは「死を拒否られたからだ」なんて説明はラストでサラッとされているのみでしたのでね。
まあ要するにサイモンが終始うらやましいということで、幕を閉じることになったのですが、わたし最後の最後でとんでもないことに気づきました。
↑これ、太陽の光が当たって燃え尽きるジェラルド・バトラーなのですけれども、えと、ヴァン・ヘルシング以下子孫は、殺しても死なないこのヴァンパイア、すなわちジュダの殺し方を何年も何年も探し続けていたのではなかったのでしょうか...。こんな当たり前の普通のことで死んでしまうのなら、いったいヘルシング一家は代々なにをやっていたのでしょう...。ちょっとだれかわかる人、教えてください!(???????☆☆☆はそういう意味です)
今日の一言
「↓これはこうしろという指示が監督からあったのですかね?」