★★★★★★★★★

2001年 92min.

ネタバレ しないようにがんばってみましたが、一部あります。笑い泣き

敬称略

 

 

 さあそこで、2作目の「大失敗」びっくり という悪夢を払拭すべく、元凶である(?)スピルバーグは一線を退いて製作総指揮にまわりまして、監督を「ミクロキッズ」、「ジュマンジ」のジョー・ジョンストンに託した、シリーズ3作目です。いやあ、ジョー・ジョンストンならなんとかたて直してくれるんじゃないか、と、我がドラゴンズの監督に立浪が就任したときと同じような期待を抱きつつ、なるべく前知識を入れないままに観はじめました。ニコニコ

 

 あ、断っておかねばなりませんが、もちろんわたしこの作品、ていうか「ジュラシック・パーク」シリーズはすべて一度は観ております。ただザンネンながら、あまりに映画を観すぎているため、なかなか忘れてしまっていることも多い、というわけで、でもだからこそ逆に何度観ても新鮮に観られるという利点もあるわけですが、ということでほぼ初観という感じで観はじめたのでした。m(_ _)m

 

 全体は94分ですか……。けっこう短くなってますね。それが吉と出るかどうか、てところでしょうが、いろんな意味で期待は膨らみますね。

 

 前知識は入れないようにしましたけれども、一度観てしまってはいるわけですから、若干覚えていることもあるわけで、監督がジョー・ジョンストンに代わったということもそうですし、実は音楽はジョン・ウィリアムズじゃない、ってことも覚えていたのですね。ところがなんか冒頭は、いつもの音楽が流れてます。あれ、なんか覚え違いしてたかな、とちょっと不安になりましてね、しかたなくそこだけ情報を見てみたのですが、メインテーマはジョン・ウィリアムズとなってはいるものの、音楽担当はやはりドン・デイヴィスという方になっておりましたね。おねがい

 

 あのですね、わたし以前も言ったことあると思うのですけれども、このキャストやスタッフのクレジットを後に回すのって、だれがいつ始めたんですかね。これ、観ている側からするとなんの得もないですよ。けっきょく、え、これは誰が担当や、だれやだれや、てなって、そればっかりが気になって、映画の内容が入ってこなくなっちゃうこと、けっこうあるんですよ。まあ大体の映画は、事前に情報戦略とかでいろいろ前知識が入ってきちゃうのですけれども、だからわたしはそれがイヤで今回はなるべくなんの情報も得ないまま観ようとしているわけですよ。でもいくらなんでも、スタッフとキャストが誰なのかは把握していないと困ってしまうわけですね。なんとかならんもんかと、いつも思います。本作の音楽にしたって、けっきょくこれだけのパクリをしていれば、だれもが音楽は引き続きジョン・ウィリアムズだって思いますよ。ところが映画が終わってクレジット見て、ええっ、ジョン・ウィリアムズじゃないじゃん、てなったらなんかもうだまされた感満載ですよね。ていうか、逆に、おっドン・デイヴィス、なかなかやるじゃん、てなことにもなりますし。ほんと、やめてもらいたいのです。えー

 

 なんて思いながらオープニングのパラセーリングを観ていましたら、次のシーンでサム・ニールとローラ・ダーンが出てきました。2作目では影もなかったお二人が出てきたというところで、わたしはとってもな安心感を抱いたものです。ジェフ・ゴールドブラムは出ていないというのは知ってましたから、まあそうやって一作目の名残の人が出てくれていれば、なんとか形にはなるのかな、とちょっと期待です。

 

↑サム・ニール。今回の主役です。

 

↑ローラ・ダーン。若干老けましたが、おキレイですね。

 

 ザンネンながら、一作目ではたしか恋人どうしだった二人でしたが、ローラ・ダーンが別の人と結婚したみたいで、なんか最初出てきたとこは明らかに二人が結婚したんだ、みたいな見せ方だったので、それをすぐ落とすところは、若干不安になってしまいましたけれども、まあそれは些細なところで、とりあえず知った顔が主役になってくれるのであれば、と観進めることとします。

 

 そしたらなんと次のシーンで、ジョン・ディールが出てるじゃないですか!わたし歓喜ですね。おおおっ、て。この方、ドン・ジョンソンのドラマ「マイアミ・バイス」で、バイスの仲間だった人ですよ。いまいち華がなかったのか、ドラマでも不遇な扱いを受けてましたけど、なんかそういう役者人生なんでしょうかね、ほかのどのドラマでも、どの映画でも、チョイ役ばかりでしてね、今回はそんなことなければいいな、と思いつつ、やっぱり旧知の人が出てきてくれれば、それだけでうれしいですよね。

 

↑ジョン・ディール。「マイアミ・バイス」ではジートの役でした。

 

 そしてもう一人、今度はドラマ「ER」からの参戦は、ウィリアム・H・メイシー。ERの外科部長、モーゲンスタンですね。なかなか本編が始まりませんが、こうしたところではワクワクさせてくれますよ。まあ、このお方たちを知っていれば、の話ですけど……。

 

↑ウィリアム・H・メイシー。いろんな役をやれる、演技派なんですよ。今回はめずらしい役でした。

 

 その後、撮影中のヘリの影が雲に映ってる、なんてハプニングをしれっと流して、いよいよ本題に入って行くことになりますよ。

 

↑誰も気づかなかったのでしょうね。気づいたら消してますね。

 

 にしても、ちょっと作品全体にインディ感があるのは気のせいでしょうかね。サム・ニールがハットを被ってると、それだけでハリソン・フォードでした。そういうパロデイ的な要素はまったくいらないのですが、実際どうだったかはわかりません。

 

↑ムチは持ってなかったのでしょうか。笑い泣き

 

 ところでそんな中、紅一点とでもいいますか、ウィリアム・H・メイシーの奥さん役で、ティア・レオーニて方が出てますが、あまりの美しさにクラクラしてしまいました。まったく場にそぐわない美貌は、その後けっこう様々やらかしますけど、全部許されるほどの神々しさでありましたね。

 

↑ティア・レオーニ。なんか違う映画に出たほうがよかったのでは、と余計な心配をしてしまうほどでした。照れ

 

 で、ようやくここで、最初のパラセーリングのシーンと話がつながりましたよ。要するに、パラセーリングをしていて行方不明になった子供のほうが、ウィリアム・H・メイシーとティア・レオーニ夫妻(元夫妻、ですが)の息子で、それを捜しにきたのだ、ということなのですね。いいですよ、話としてはまったくムリはないですよね。いい感じです。

 

↑トレヴァー・モーガンくんです。「シックスセンス」でいじめっ子の役やってた子ですけど、いやこれ本作では全編通じていい演技してくれましたよ。

 

 いい感じでしたが、やはり心配していた通り、ジョン・ディールは喰われてしまいました。まあ、予想通りのお約束、ですけど、ファンからしてみるとやっぱり悲しい出来事ではあります。活躍を期待していたのにやっぱりチョイ役やったんか、て……。

 

↑ジョン・ディール喰われる。あっけなくパクリといかれました。ガーン

 

 さあしかし、です。いよいよここで恐竜とのファーストコンタクトなんですけれども、これ3作目にして最高にすさまじかったのではないでしょうかね。初めて出てきた恐竜との遭遇シーンがこれなら、これから先もじゅうぶん期待できる、というものです。

 

↑いや、観ているほうも力入りますよ。

 

 で、怪獣映画になりました。いや、そうなってくるとちょっとやりすぎかな、という感じになるもんですが、今回はこれ、ここまでけっこう焦らされてましたので、逆に怪獣映画になったほうがうれしかったですね。ワクワクしているところへ持って来ての、子供心をくすぐる演出は、妙と言えると思います。こにくったらしい演出ですね。

 

 若干、いきなりの「サイトB」というセリフには、なんじゃそりゃ感はあったものの、そんなこともどうでもいいほど緊迫感で話が進んでいきますね。あ、でもやっぱり今から思うと、「サイトB」て何なんでしょうね。

 

 そしてここで、スピノサウルスが出てきたところで、こんなセリフがありました。曰く、「スピノサウルスはインジェン社のリストにないが、いったい裏でどんな恐竜を創っていたんだ」と。要するにですね、わたしが前回アップした「ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク」のときに投げかけたギモン、前作にはいなかった恐竜たちはどこから出てきたんだ、という問いの回答をしている、ということなんですね。簡単に説明してますけど、インジェン社ならそらそんな隠れてやるなんてことはお手の物やわな、と肚落ちさせちゃうのですから、脚本力は明らかに前作より優れている、ということでしょう。ますます今後に期待できますよね。

 

 そうなってくると、全編インディ感満載なのも、苦にならなくなります。現金なものかもしれませんけど、観ているほうはナットクできるものを求めているわけで、それが満たされれば、ちょっとしたことはどうでもいいわけですよ。そしてインディがヴェロキラプトルの卵を見つけたら、もう一気に緊迫感が増すじゃないですか。しっかりと観ている側の心理を理解して作っている、ということですよ。称賛に値しますよね。

 

 そして、信頼していたはずの、サム・ニールの学生役、アレッサンドロ・ニヴォラがやらかします。映画的にはそうこなくっちゃなんですけどね、実際のことを考えると、やっぱり学生はしょうがねえよなあ、と自分の大学時代を思い出しながらちょっぴりため息ですね。ショボーン

 

↑アレッサンドロ・ニヴォラ。やらかし顔はしてますね。笑い泣き

 

 それにしても、ほんとにこの緊迫感の連続は、下手なホラー映画より格段に面白い(怖い)ですよ。

 

↑いやこりゃビビりますよ。わたし、あまりのことに笑ってしまいました。

 

↑サム・ニールも大ピンチです。ガーン

 

 なんて言ってたら、え、え、こいつが助けんのかよ、ってなりますよ。ちょっとここでネタバレしますので、もしこれから観るんだという方がおられましたら、飛ばしていただければいいのですけれども、なんと捜しに来た息子がじつはこの島でサバイバルを生き抜いていた、というわけなんですよ。そりゃだれもそんなの思いもしませんよ、きっと。

 

 さっきも言いましたけど、ちょっとずつ粗はあるんです。手で持って食べてたかじりかけのチョコレートが、次のカットでは袋がかぶったままになってるとか、そういうのもあるにはあるんですが、それが気にならないほど面白いのです。前作をはるかに超えてるんです。もう楽しみしかないですよね。92分が短すぎて、45分すぎて、え、もうあと半分しかないじゃん、なんて思ってましたからね。ニヤリ

 

 息子と両親の再会、なんていうちょっとした感動シーンもありーの、プテラノドンのシーンは手に汗握りまくりーので、エンターテインメントにしっかりと徹していて、とても好感が持てます。

 

↑絶望ですよね。なんならT-Rexとかスピノサウルスより怖いんじゃないかって思います。えーんえーんえーん

 

 怖さに関してだけだったら、細かいところまでしっかりと考えてあるし、ひょっとしたら一作目よりも怖いかもですね。

 

↑トレヴァー・モーガン。めちゃめちゃいい演技してました。

 

 若干ですね、CGのアニメ感は気になりますよ。

 

↑違和感は否めないですね。

 

 でもこれ、当時の最高技術なわけですから、これが限界なら仕方ないことでもあります。今ならもうちょっと実物感が出せるのに、と思ったところで、それはないものねだりなわけですからね。2001年という時代なら、これはこれで素晴らしい映像だと思わなければいけないのですよ。

 

まあなにしろですね、どこにでも現れるスピノサウルスが、まるでジェイソンのように怖すぎますね。だからってムリがあるわけでは決してなく、どうしてこの一頭しかおらんのや、なんてヤボな思いは捨て去って、とにかく怖さを堪能すべきだとわたしは思いました。まあヤボな思いに浸っているほどの余裕は、観ている側にはまったくないですけどね。それもまた術中なのかもですが。

 

↑まさかT-Rexを凌駕してしまうとは……。

 

↑最後の最後まで息を抜けさせてはもらえません。

 

 ただ、この上の写真のあとの切り抜け方は、実は伏線が効いていて秀逸です。ラプトルが頭よすぎる、ってのはありますけどね。

 

 ちょっとしたジョークなんかもパンチが効いていて、そうかと思えばラストのヘリコプターのシーンでは泣かせてくれるという、若干の、ほんとにほんの若干の違和感を除けば、すばらしいエンターテインメントの良作だったとわたしは思います。

 

↑若干泣きました。

 

 さあ、これを踏まえて、シリーズでは興行収入最高額の4作目です。期待することといたしましょう。

 

 

今日の一言

「いや、エンディングロール、8分て……ガーン

 

 

レビュー さくいん