2014年 100min.
★★★☆☆☆☆☆☆☆
ネタバレ あるでしょう
敬称略
グロ画像 アリ
エロ表現 アリ
監督 デイヴィッド・ロバート・ミッチェル
製作総指揮 フレデリック・W・グリーン、ジョシュア・アストラカン ほか
製作 レベッカ・グリーン、ローラ・D・スミス、デイヴィッド・ロバート・ミッチェル ほか
脚本 デイヴィッド・ロバート・ミッチェル
音楽 ディザスターピース
ジェイ:マイカ・モンロー
ポール:キーア・ギルクリスト
グレッグ:ダニエル・ゾヴァット
ヒュー/ジェフ:ジェイク・ウィアリー
ヤラ:オリヴィア・ルッカルディ
ケリー:リリー・セーペ
久々のホラー映画ですね。
冒頭はとりあえずいきなり事が巻き起こります。緊迫感満載で、なんやなんやと思っていたらすぐに若き女性おひとり様が亡くなられますね。ホラーですから他殺です。殺人ですね。しかも異常な殺され方になってますから、霊的なものも感じられて、お、本格ホラーやな、とワクワクしてしまいますよ。まあただちょっと、娘を持つ親としては心苦しいところはありますけれども。
↑けっこう怖いですね。
えと、こういうB級(?)ホラーにはありがちな、キャストもスタッフもわたし全然知らない人たちばかりなのですけれども、だから逆にそれが不安をあおります。
音楽もなかなかで、その相乗効果で不安はどんどん膨らんでいきますね。
ところが、ですよ。冒頭でいきなり煽っといて、その後しばらくは事が動きませんね。20分後にようやく動きだしますが、全裸のお姉さんが出てきました。
はてはて、と思っていますと、全貌が明らかになりますね。
要するに、なにか霊的なものが襲ってきて殺そうとするのだけれども、その殺されそうになっているターゲットが誰かほかの人とセックスすると、その「なにか」はセックスの相手を襲うようになる、と。ただ、その新しいターゲットがザンネンながら「なにか」に殺されてしまうと、またその「なにか」はひとつ前の相手をターゲットにする、とそういうわけで、いやいやそれひょっとして絶対に終わらんやん、と思うと同時に、始まりはどうやったんや、というギモンが渦巻くこととなるのですね。
えとね、ということはつまり、間違いなく最終的に自分に戻ってくるわけですよ。自分が先になんらかの理由で死なない限り、あるいはターゲットになった人が次々とセックスしてその都度逃げていかないと、確実に「なにか」は戻ってきますね。助かる道は、自分がほかのことで死ぬまで、ターゲットたちが次々とセックスしていかねばならない、というわけですね。
絶望じゃないですか。なんじゃこの映画。いや、これ考えたやつ、アホか天才かどっちかやろ、と思いますよ。
まあいずれにしても、襲ってくる「なにか」がだれかの全裸である必然性はまったくないのですけれども、若い女性もおばちゃんも、ときには屋根の上のおじさんまで、全裸です。服を着てる人もいますが、全裸率は決して低くはないですね。この映画考えたやつ、アホか天才か、って言いましたけど、確実に言えるのは、どえらいスケベだ、ということでしょうかね。
天才の片りんはありますよ。だって、確実にダメですもん、ねらわれたら。「動きは遅いけど、確実にやってくる」だそうですよ。矢場とんか、て。「あいつは突然やってくる」。(すみません、名古屋ローカルです)
海外に逃げようがどうしようが、やってくるんでしょうね。まさか「なにか」が全裸で飛行機に乗ってくるとも思えませんが、まあほかの人には見えないという霊的な「存在」なわけですからね、乗ってくるかもしれませんね。ご愁傷さまです。m(_ _)m
ただですね、なんかいいようにわたし書いてますけど、実は★3つなんですよ。だって、流れが遅いんですよ。冒頭でいきなりな事がおこって、おおこれは、と思っていたのに、その後の展開がちょっと間延び感です。上映時間100分ですから、前回紹介したウォルター・ヒルに言わせれば許容範囲なのですが、もうちょっとスピーディーにことを進めれば90分あるいは80分台にはなりそうで、さらに理想形に近づく形となりますのでね。(筆者注:「トゥ・ヘル」参照ください)
まあ、大学構内でばあさんが襲ってくるところは(さすがにばあさんは全裸ではないですよ、念のため)ビビリます。そうやってちょっとずつ怖いところもあるので、なんか活かしきれなかったところがザンネンでなりません。けっきょく、進みが遅い、につきるわけです。わたし、眠くなっちゃいましたね。
↑われわれ観客には後ろの人が見えてますが...、
↑映画の中の人たちにはその「何か」が見えないので、こんな感じになります。ちょっと「エルム街の悪夢」入ってます。
↑一応主人公的なポール役の子が、KAT-TUN中丸雄一にそっくりで笑ってしまいました。
↑なんか「サイコ」みたいなシーンもありましたよ。どっちかっていうと「サイコ2」ですけど。
で、わたしがホラー映画で一番キライな、突然大きな音を立ててビックリさせる、て演出もあって、これけっこう多投されてますから、辟易してしまいますな。いつも言いますけど、これ邪道ですからね。そんなんただビックリするだけで、ホラーじゃないです。「ホラー」て「恐怖」ですからね。「驚き」じゃないんですよ。お化け屋敷じゃないんだから、といつも思うわけです。
そうなってくると、やっぱりどうしても内容が入ってこなくなりますね。
↑こちらはキャンディ。
↑で、こちらがサンディ。
同じ写真やん、てそんなことが気になりだします。
さらには、主人公の女の子ジェイが、一緒に映画観に行った彼氏の名前を知らないとか、ようやく本名をつきとめて話を聞きに行くとこはけっこうアナログやな、とか、その彼氏の本名がジェフで、ジェイとジェフと似てるな、とか、でもって話を聞いてみるとジェフがえらい細かいことまで知ってて、なんやこいつえらいつわもんやな、とか、ここまでそうとう逃げまくってたってことだろうけど、その割にそんな緊迫感なかったな、とか、もうどうでもいいようなことのオンパレードが頭の中で繰り広げられてしまうのですね。
↑えと、ジェフです。
↑で、なぜか縛られてますけど、ジェイです。
いやね、もう一度言いますけれど、怖いのは怖いんですよ。内容的にも絶望ですからね。でも、なんかせっかくのそんないい題材を、活かしきれてないのがもどかしいんですよ。だからわたしこの時点で、★6つくらいやなあ、て思ってました。
ところがそこからですわ。そこからもうなんか、え、それはアカンやろ、とか、それはないわ~、的なことが次々と露呈されていきますね。
ジェイがせっかく一人で逃げることができたのに、直後に事故ってしまうとか、その事故のあと気を失って、次に気がついたのは病院で、すっかり治療も終わってて、いやいやそこは襲ってこんのかい、とか、要するにツメが甘いんですよ。
で、またわたし、他ごとが気になりだします。ジェイが中丸くんとセックスするところですね。
筆者注:次の段落、エロ表現があります。ご了承ください。
重要事項は、セックスしてターゲットを移す、ということなんでしょうけれど、じゃあ「セックス」の定義てなんだ、と。単に結合すればオッケーなのでしょうか。コンドームつけてれば、中出しじゃなくてもオッケー?外出しでも男がイけばいい?やっぱり女性もイかないとダメ?そういう説明をしてくれないと、と気持ちよさそうな中丸くんの顔を見て思ってしまいますよ。「中丸」で、「中が○」だから中出ししないとダメなのか?なんて。それもこれも中だるみのせいなのです。「中」つながりで。
ラストはなんか廃墟みたいなところのヘンな施設のプールに逃げ込みますが、このプールにしたって水はキレイなんか、なんていらぬ心配までしてしまいます。
そもそもこのプールに「なにか」を追い込んでやっつける、って銃持ってるんですけど、いやいや銃ではやっつけられんやろ、て嘆息です。いまさらなにやっとんのや、て。銃でやっつけられるならとっくに誰かがやってます。
案の定、すったもんだありましたが、けっきょくなんかこのプールが功を奏したようで、一応の終わりを迎える結果となったのですけれども、たぶんみんなこれではナットクせんやろなあ、なんて思ってたら、最後の最後、「えっ、えっ、えぇぇぇーっ」でエンディングタイトルに入ってしまったのでした。
ということで、このラストがなければ★6つでもよかったのですけれども、このラストがあったがためにすべて台無し、★3つでも甘いなあ、という結果になってしまいましたとさ。
まあところどころは怖かったので、の大甘採点ですね。
ザンネンなことでした。
今日の一言
「ほら、後ろー!後ろー!」