★★★★★★☆☆☆☆

1985年 91min.

ネタバレ いや、まあ、ロッキーですから。

敬称略

 

 

 さてそこで、シリーズ4作目です。

 

 えと、じつは今わたし、映画視聴のクジを再編しましてね。

 

 クジのそもそもは、録画した映画すべてを付箋にひとつずつ書いてコンビニ袋に入れ、そこから一本ずつ取り出して、ってやってたんですけど、もうなにせ映画の本数が2,000本を超えちゃってまして、そうなるとほんとはこれを先に観たいのに、ってのがたくさん出てくるわけですよ。またそういうのに限ってなかなか引かない。そこで、一度再編しまして、とりあえず早く観たい映画、ってのをピックアップしたのですね。ところがわたし、自分で言うのもなんなんですけれど、なにをトチ狂ったのか、映画以外の、録画したテレビドラマとかスカパー!で録画した「ナショジオワイルド」の動物もんとか、果てはテレビ番組の動物もん(たとえばNHKの「ダーウィンが来た!」とか「ワイルドライフ」とか)までクジに入れちゃったんですね。で、けっきょく、せっかくピックアップして本数減らしたはずなのに、やっぱり1,500本近くなっちゃいましてね、いやいやこりゃアカンやろ、ということで、そうした「映画以外のもの」は極力排除したクジを作って、それでも800本近くにはなってるんですけれども、そちらをメインでクジ引いてるとまあ最近はそういうことなんです。爆  笑

 

 で、さらに直近では、夏休み企画と題しまして、ホラー映画メインのクジを150本ほど作りましてね、今はそのクジを引いて映画を観ているのですけれども、あくまでもホラー映画は「メイン」ということで、そのほかにも観たい映画をなん本か厳選して入れてます。その一環が今回のこの「ロッキー」シリーズ、というわけですね。ニコニコ

 

 で、わたしルールをつくりました。すなわち、こうしたシリーズ物はたとえば「ロッキー」シリーズなら、「ロッキー」から「ロッキー6」まであるわけですけれども、とにかくどれを引いても一作目から順に観ること、としました。要するに、「ロッキー2」を引いてもまず「ロッキー」を観る、ということですね。で、さらにそれに加えて、シリーズ物は一つおきに観る、ということも付帯しました。ので、一回「ロッキー」のどれかを引いたらまず「ロッキー」(一作目)を観て、次はクジを引いて違う映画を観ますけれども、その次はクジは引かずに「ロッキー2」を観る、観終わったらまたクジを引いて出た映画を観ますが、その次はやはりクジは引かずに「ロッキー3」を観る、ということになるわけです。そうしないと、間が空きすぎちゃって、えっと前作ってどうだったっけ、なんてことが出てくる可能性が大なわけですからね。それを回避するためなのです。

 

 そういうことで、「ロッキー3」を観たあといったん「裸の銃を持つ逃亡者」を観てそのあとのこの「ロッキー4」ということになってます。照れ

 

 さて、で、ようやく本題ですけれども、冒頭に戻って、シリーズ4作目です、となりますね。

 

 いやあそれにしても本作、批評家からは酷評されてますねえ。びっくりするくらいこき下ろされてますよ。びっくり でもそれに反して、一般受けはものすごくいいんですね。まあ、批評家がすべて、ではないですからね。そもそもそんな「批評家」なんて言ってる輩は、その名の通りエラそうに「批評」するわけですから、ひねくれてるんですよ。解説者くらいが妥当だと思うのはわたしだけではないはずですよ。で、もちろんわたしも本作は、全然悪い映画じゃないと思います。そもそも脚本、監督はシルヴェスター・スタローンですからね。下手な脚本家なんかより、よっぽど期待できるわけです。

 

↑楽しそうですしね。ニヤリ

 

 ただ、若干の不安要素は、音楽がビル・コンティでない、ってのと、これまで3作のようなストーリー重視の話からは離れて、完全なエンタメに方向転換した、というところでしょうかね。ジェイムズ・ブラウンのミュージックビデオみたいなところもありましたからね。おかげでサントラもなんかのミュージック・ジュークみたいで、映画ファンとしては物足りませんでしたね。

 

↑まあ、この方も楽しそうですけど...。笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 前者は確かに不安ではありますね。だって、ビル・コンティでないってことは、あの感動的な名曲を聴くことができない、ってことじゃないですか。ていうか、そんな感動するシーンがないのかも、なんてことにもなっちゃいますよ。だからこれは確かに不安ではあります。ショボーン MTVみたくなってたとこもあって、これはさすがにいらんなあ、と思ったことでもありました。

 

 後者については、まあ時代の流れもありますしね。さすがに今こんなことしたら、間違いなく猛烈ブーイングにあうことになるとは思いますけど、当時はこれでよかったのだと思いますよ。批評家にはウケなかったけど、興行収入はシリーズ最高だった、と。そういうことなのでしょうね。

 

 そんなことがあっても、オープニングはブレてないのは笑えます。前作のエンディングから本編に入る、っていうあの手法ですね。おかげで観ているほうもすんなり入って行けますが、これはスタローンのこだわりの勝利、ということでしょうか。でも今回に限っては、この手法はとっても重要なんですね。とにかくスタローンとカール・ウェザーズが殴り合いを通じて親友になった、ということを示しておかねばなりませんからね。こだわりが功を奏しているわけです。

 

↑公私ともに親友だそうです。

 

 にしてもこれ、今回の相手はロシア人、ていうか、ロシアそのものなんですよねえ。今では本作は、本土での上映はおろか、テレビ視聴もできないんでしょうね、きっと。冷戦がゴルバチョフのおかげで雪解けムードになって、だからこそできた映画なわけですから、今後一切を封印される、なんてことにもなりかねませんね。貴重な一作ではあります。まあスタローン、とはいえそんな本作を最近になって完全リメイクしちゃってますから、さすがですわね。それがロシアとアメリカとの関係をよくするかと言えば、そんなことはゼッタイにないのでしょうけれど、スタローンは公私ともにチャレンジャーではあります。びっくり

 

 シリーズものですから、登場人物はかわりませんし、それぞれを同じ役者が演じてるので、登場人物が多すぎてわけがわからん、みたいなことはないです。新参者は、ロシアのアイヴァン・ドラゴ役のドルフ・ラングレンとその妻、ブリジット・ニールセンです。

 

 ドルフ・ラングレンは本作の印象が強すぎて、わたししばらくキライな役者でした。肉体派を誇って本作のあともいろいろアクション映画に出てましたけど、演技力もなかなか上達しませんでしたしね。ところがこの人、じつは本作出演に対しては並々ならぬ努力をしていたそうでして。なんかオーディションは不合格だったそうですよ。でもどうしても本作に出演したいからと、そうとう身体を作り上げてスタローンにアピールして、出演を勝ち取ったということだそうです。それ聞いてわたし、思いが180度かわりまして、好感の持てる役者さん、となったわけでした。

 

↑これでもうちょっと演技力があったら重宝されたのでしょうにね。

 

 ブリジット・ニールセンは、「ビバリーヒルズ・コップ2」でエディ・マーフィから“Big bitch”笑い泣き笑い泣き笑い泣き と言われるほど大きいイメージしかなかったのですけれども、今回こうしてまた見直してみて、けっこうかわいいことに気付きました。この映画がきっかけでスタローンと結婚しちゃいましたけど、まあお似合いっちゃお似合いでしたかね。すぐ離婚しましたけどね。「コブラ」で共演しておのろけてましたけど、今は「コブラ」観られるんでしょうかね、気持ち的に。ガーン

 

↑笑顔は素敵でしたよ。ラブ

 

 タリア・シャイアは年齢を重ねてまた一段とお奇麗になられておりましたよ。かわいい、と思わせるようなところもあって、さすがの女優魂なのでありました。

 

↑上流階級のお方、みたいですね。

 

 バート・ヤングは相変わらずクズなんですけど、にぎやかし的には貴重な存在ですよ。この人がいてくれるおかげで、なんてシーンもけっこうあって、なくてはならない存在ですよね。

 

↑金持ちになってさらにウザさが増してましたね。ショボーン

 

 トニー・バートンはシリーズ通じて出てるわりには印象薄いですよね。わたし的にはそれがザンネンでなりません。主演でなく、助演でもなく、単なる脇役者なんだけれども、でもいないと映画の質そのものが落ちてしまう存在。そういう人わたし大好きですから、もっとメジャーになってほしいなあ、といつも思ってます。ただ、そうした気持ちはスタローン的にも同じなのですかね、今回は「アポロは自分の息子みたいなもんなんだ」なんて初めて心境を吐露するシーンがあって、あまりのかっこよさにわたし、感動してしまいました。

 

↑シリーズ全作出演中です。照れ

 

 ジュニアはかわいかったですよー。あれくらいの男の子はほんとかわいいですねえ。わたし、息子がいませんから、そういうのはやっぱりうらやましいなと思ったりしますけれども、自分の子供の時のこと考えると、やっぱり娘でよかったと思ったりもしますね。笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

↑ヒゲのリングアナもご健在でありました。

 

 脚本はですねえ、じつはここが評価のわかれどころだとわたし勝手に思ってるんですけれども、いい脚本だと思いますけどやりすぎの感は否めない、て感じで……。ショボーン

 

 スタローンですからね、脚本。間違いはないんですよ。「ロッキー」を知り尽くした男、ですからね。当たり前ですけど。でも、なにもアポロ殺さんでも、とも思うんです。たとえば打たれすぎて再起不能になってしまうとか、負けて立ち直れなくなってしまった、とか、いろいろとやりようはあると思うのですけれども、ただ書いてるほうは少しでも悲劇にしたくなるものでもあるんですよね。わたしも小説書いてますから、その気持ちはよくわかります。でもファン的にはやっぱりアポロには生きていてほしかった、と思ってしまうのも仕方ないですね。

 

 でもそういえばわたしの小説も悲劇ではありましたかね。そちらもあわせてお読みいただければ幸いであります。↓

 

 

 展開も、若干速いです。エキシビジョンでアポロがダウンして、そのまますぐにお葬式、次のカットでは再戦の記者会見、て、とんとん拍子です。展開速いのはわたしは全然オッケーなのですけれども、これはあまりに速すぎます。えっ、えっ、えっ、て、「?」三回で再戦ですからね。ちょっと苦しいですね。ショボーン

 

 でも、タリア・シャイアがロシアに行くところなんかはけっこうなサプライズだったですし、試合前にバート・ヤングにグッとくるセリフしゃべらせたり、そういうところではやっぱりスタローンの非凡さが出てて、とってもいいわけです。単なるエンタメには終わってない、的な。まあさすがにモスクワでのロッキーコールはやりすぎですけどね。ガーン

 

↑ここはけっこうな感動シーンでした。

 

 にしてもいったいロッキーて、なんなんですかね。わたしはここまで観てきて、たぶんサイボーグだと思ってます。バトルサイボーグ。ジェロム・レ・パンナ。笑い泣き笑い泣き だって、アポロが死んでしまうほどのパンチを、あれだけくらって、何発も何発もテンプルに食らっても、立ってるだけじゃなくって、反撃してますからね。もうターミネーターでしょうよ。ビルドアップされまくった身体を見ても、人間ではないものをほうふつとさせてましたね。

 

 ドラゴとの対戦のシーンで、ちょいちょい入る日本語の実況がウザいとか、最後のロッキーへのインタビューで、ロシア語の通訳はぜったいちゃんとしてないだろ、とか、はたまた音楽はビル・コンティに似せてはいるものの、やっぱりバッタもんやろ、なんていろいろありますが、それでも結局の興行収入大成功は、アメリカとロシアが雪解けムードになったから、というだけでは決してなく、要するに最後はやっぱりアメリカが勝ったから、てことなのでしょうね。わざわざゴルバチョフのそっくりさんまで連れてきて、スタンディングオーベージョンをさせるなんてことまでしてみせて強調してましたよ。そっくりさんは、たしかにそっくりでしたけど、なんかめっちゃダサいゴルバチョフ、でしたけどね。ガーン まあでもそれはそれで、みんなが楽しむのであれば、それぞ映画、ということでしょうかね。

 

↑まあ、似てますけど、でもよくみたら、とても大国の大統領には見えませんね。ガーン

 

 わたしは、おもしろかったですよ。

 

 あ、さいごに、ちなみにですけれど、スタローンのほうがカール・ウェザーズよりひとつ年上ですけれども、それでいて二人ともあの身体は驚きでした。あそこまでなりたいとは思いませんが、ちょっとは鍛えなおさなきゃ、と思った観了後なのであります。

 

↑すげっ、て言ってしまいました。笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

 

今日の一言

「お、ロシアでもやっぱり高級車はベンツなんや」

 

 

レビュー さくいん