★★★★☆☆☆☆☆☆
2019年 106min.
ネタバレ う~ん、あります。
敬称略
監督は、本作で初監督作品のゲイリー・ドーベルマン。もちろん製作はジェイムズ・ワンですけど、イヌか!とか言いながら、なんか不安はよぎりますよ。脚本家ではありまして、死霊館シリーズでは、「アナベル 死霊館の人形(アナベル 死霊館の人形 | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」「アナベル 死霊人形の誕生(アナベル 死霊人形の誕生 | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」「死霊館のシスター」のほか、「IT イット “それ”が見えたら、終わり。(IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」「IT イットTHE END “それ”が見えたら、終わり。」を書いておられますね。「IT」2作は製作を、「ラ・ヨローナ ~泣く女~」では製作総指揮と、まあ経歴はスゴイですけど、それと監督とはわけ違いますからねえ、と観始めはそういう感じでした。とりあえず、パトリック・ウィルソンとヴェラ・ファーミガのウォーレン夫妻が出演してくれている、ということを頼みとして観ることとしましたよ。
話としては、「死霊館(死霊館 | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」のオープニング以降のお話、ということですから、まあ案の定、本作もオープニングは「死霊館」「アナベル 死霊館の人形」と同じですね。これは最初っからわかってましたよ。
↑よく見た光景です。
話を整理しますと、本作は先にも書きましたように「死霊館」オープニング後、ウォーレン夫妻の娘ジュディ(マッケナ・グレイマ)の身に何が起こったか、ですので、シリーズとしては「死霊館 悪魔のせいなら、無罪。」などという腐れ邦題に次ぐ最近の話、ということになりますよ。
ので、オープニングは「死霊館」と同じ、というわけですね。
↑この3人ですね。て、この3人の相談者のうち一番右の男が違うような……。で、観終わった後に「死霊館」観なおしましたが、よくわかんなかったですけど、たぶん違う人でした。なんなら真ん中の女性も違う人のようでしたが、まあそれは別にいいですね。
「死霊館」から数えると6年後の本作は、若干夫妻に6年の月日が加算されているようにも感じますが、いやいやまだまだパトリック・ウィルソンは男前で若々しいし、ヴェラ・ファーミガは超絶美人であられましたよ、髪型変わってましたけど。まあ、違和感なく入ることができますね。
相変わらず、あの人形に対する見解の違いは大爆発しているので、もうこちらも慣れっこになってますね。それがないと安心して観てられません、ということですよ。最初に出てきた警察官なんて、夫妻が車の後部座席に置いていたあの人形見て、“Nice doll.” て満面の笑みで言ってましたからね。ホッとしたわけです。
さあそして直後、墓地の前で車が故障して、なんかヤバそうですよ。演出もなかなかやってくれます。この時点でめちゃめちゃ怖いわけですよ。
↑夫妻が不安そうな顔してれば、そら怖いですね。
その後、今回の主役の娘ちゃん、ジュディが出てきますが、こちらは「死霊館」の子とは違う子でした。まあこれはしゃあないですね。「死霊館」のときより若干歳が上のような気もしないでもないですが、そこらへんの時代背景はわやくちゃでごっちゃになっているので、まあいいです。大勢に影響はないですしね。
で、13分経ってようやくタイトルが出てきますが、原題は “ANNABELLE COMES HOME” ですって。わたし、「お、お、ぉ~っ!」て言ってしまいましたよ。タイトルが怖いって、そうそうないです。
ところが、です。ここから突然様相が変わってきます。どうやらなんかティーンエイジャーの話みたくなってくるのですね。ジュディはまだまだお子ちゃまくらいですけれど、そのベイビーシッターの子とその友だちの女の子二人のお話、的な。ジュディにしても、なんか学校でイジメられてるとかになってますから、そうなるとどうにも、普通のホラーじゃねえかよ、みたいな感じになってしまいます。わたしも小学生のころはイジメられてましたから、親には言えない、ってとこは「そうだよな~」って共感してしまいました。これではホラー映画ではないですし、「死霊館」ではありませんね。えっ、てなります。
↑ジュディは違う子ですけど、かわいらしいことには違いないです。
そうなると、ベイビーシッターのメアリー・エレン(マディソン・アイズマン)の頑張りにかかってくるわけですが、ジュディのよい味方になってくれるのでしょうか、と。
↑若干、矢田亜希子に似てますか。
↑でも、こんなことにはなってしまいますよ。不安はよぎります。いろんな意味で。
その後、ジュディの誕生日パーティーの話になります。でも友達はだあれも来てくれません。親が「行くな」って言ったから、ていうのが理由ですけれど、これじゃ典型的な学園ホラーじゃないですか。いや、ホラーですらないですね。30分経って、怖かったのはオープニングだけ、ということになってます。
↑いったいケーキに何を入れようとしてるんでしょうか。ケチャップマヨネーズ?
で、メアリー・エレンの友だちのダニエラ(ケイティ・サリフ)が様々やらかすようになつてきます。もうね、ドキドキする前に、ウザくてしかたないわけですよ。
↑登場シーンからもうすっかりウザいです。ドア開けようとしてますが、“DANGER!” て書いてあんだろうが!てなります。
↑ダメだ、言ってんのに部屋に入っちゃうわけですよ。ウザいしかないです。
でもここで、ダニエラのアホ行動の意味が語られます。なんかですね、お父さんを事故で亡くしましてね、そのお父さんに会いたいがためにこうして霊に会いたい、的な事をやっていた、とそういうわけなんですね。いやいや、それならこちらも共感はできるじゃないですか、ああ、そういうことか、って。それならそうと、もっと早く言っておいてくれれば、観ているこちらもこんなにウザく思わなくて済んだはずなんですよ。実際、これ聞いた後はダニエラに対する気持ちがガラッと変わりましたよ。脚本ミスじゃねえか、とすら思ってしまいましたね。
ところで、そんな感じでも、そこかしこに怖いシーンは散りばめられてますよ。不穏な空気は、若干ですけど、漂ってはいます。得体のしれない少女が、「エスターに会いたい」って来るところは、いよいよか、なんて座を正したくらいですよ。
↑あれ?て思ったら、「アナベル 死霊人形の誕生」に出てたアナベル(ビー)役の子じゃないですか、サマラ・リー。あのスティーヴ・マーティンそっくりな顔は、忘れもしませんね。 ていうか、ここの場面、この表情でオッケーだしたん?とビックラではありましたが……。
そして40分過ぎ、ようやく怖くなってきました。
↑ようやく、の感です。けっこう怖いです。怖くないわけではないのです。
そう、怖くないわけでは決してないんですよ。怖いシーンは怖いんです。だからどうにも、話の流れというかもって行き方がもったいない気がしてならないわけです。夫妻の話じゃなくって娘ちゃんの話かあ、っていうのもガッカリなとこですしね。期待したわけですから。まあ、勝手に期待したんだろ、て言われればそうなんですけどね。
なんだかんだで、結局はやっぱり基本的にダニエラはウザい、ってキャラも閉口してしまいますし、う~ん、てことになるわけです。
ところで、これ今さらなんですけど、向こうの連中ってみんなずーっと靴はいてんですよねえ...。足むくみまくって、めっちゃ臭そうですよね。どんなかわいい子も、足の臭いはハンパないと思いますから、家の中でくつろいでいるときでも靴を履いてるの見ると、うげってなります。ぜんそくのクスリの吸入器を車にとりに行かなきゃって言って外に出たのに、けっきょく取らずに戻ってくるとか、もう、こんなどうでもいいことばっかり気になりだしますよ。いや、何度も言いますけど、怖いとこは怖いんです、間違いなく。ほんともったいないです。
ピンポンが鳴って、一瞬不穏な空気になりますけど、実は向かいに住んでる男の子ボブがメアリー・エレンに会いに来た、っていうのもまるわかりですからね。
↑ボブくんのマイケル・チミノ。ビミョーな男前ですね。
やっぱりですね、どうにもあの「死霊館」が怖すぎたんですよ。あれにかなうホラー映画はもう出てこないだろうと思っちゃいますね。それではこちらは困っちゃうのですけれどもね。
ダニエラもですね、どうにもはっきりしません。お父さんが亡くなったのですけれども、それはだれのせいでもないのにダニエラは自分の運転のせいで殺してしまったと、ずっと後悔しててお父さんに謝りたいと思っている、ということだそうです。それならそれで、なんですよ、さっきも書きましたけど。だったらもっと良い子の設定にすりゃいいのに、って思いません?なんかね、ダニエラの設定もふらふらしててイヤなんですね。
↑お父さん、現れますが...、
↑豹変します。ここらへんはちょっとダニエラがかわいそうになりました。観ているこちらもブレブレですよ。
ここらへんで、開始1時間です。30分経ったときに、ようやくか、なんて思いましたけれど、その後の展開はまた緩~くなってましたので、こここそようやくか、となりました。ジュディ、メアリー・エレン、ダニエラ、ボブと、次々に襲われていきます。そうこなくっちゃ感は出てまいりましたよ。ちなみにわたしの感情は、なんならダニエラは殺されてもいいから、いい人ボブは助かってくれ、て思ってました。
ただですね、よく考えたらこの家、夫妻の家なんですよね。「死霊博物館」てタイトルの通り、これまで除霊(悪魔祓い)したときのアイテムが全部置いてある家なんですよ。そもそもこんな家に子どもたちだけを残していくってのが大間違いなのでは、と思ってしまいました。夫妻のことは悪く言いたくないのですが、だからやっぱり脚本力かなあ、と思ってしまいますね。
そもそも怖いシーンが出てくるまでがいちいち長いのですね。もっと畳みかけてほしいと思うのは、観客のぜいたくなのでしょうか。そんなことはないはずだと、わたしは思いますけどね。
↑ここも長かったです。もうわかったから、早よつぎ行けや、てなりました。
そんなん言ってると、突然悪魔的なものが出現してビックリするし。
↑さすがのわたしもビックリしましたよ。でも、そんなんええねん、です。ビックリはお化け屋敷で十分ですよ。ホラー映画にビックリは不要なんです。と、前からずっと言ってます。
で、1時間からさらに15分過ぎて、ようやく怖くなってきました。で、何度目かの「いよいよか!」てなって心に余裕ができると、「あれっ、ボブってどうなんたんや」てなりましたね。う~ん、脚本力が、て思ってましたが、そしたら突然ボブが出てくるという……。まさか、そろそろ観客もボブが気になりだしたころだろうから回答してやろう、ということであったなら、それなら脚本力に文句言った自分を戒めなければならないところですが、はたしてどうだったかはわかりません。それはザンネンです。ちなみにボブは、ちょっとだけかっちょえかったです。
↑オオカミ男をギターでぶっ叩いて撃退するところです。そんなアホな、とは言わないようにしましょう。
ちなみに、夫妻の博物館には除霊したアイテムとして日本のよろい冑がありましたけれど、これが映し出されたときに日本語が流れてきましてね。それはそれでわたし、うれしかったです。
↑魂を吸い取られそうになるジュディ。ここは「やべぇ~」てなりました。だから何度も何度も言いますけれど、怖いところは怖いわけです。
で、最後の最後、ボブが出てきてあらまあビックリ、となりましたけれど、いやいややっぱりそんなファミリーコメディみたいなノリはいらんわけですよ。子供たちだけで人形をケースに入れて、はい封印完了、て言われてもギモンは残りますしね。ほんとにこんなことでいいのでしょうかね。
で、ラストシーンはファミリードラマになってしまいました。
↑夫妻が出てくると、やっぱり安心はしますけれど……。若干うしろの飾り付けが、あの駄作「ハッピー・デス・デイ(ハッピー・デス・デイ | みたたの日常と映画ざんまいそしてディズニー! (ameblo.jp))」のような気も……。
ラストだけちょっとホロっとしまして、映画終了となってしまいました。おもしろくないことはないのですが、「死霊館」が最初に君臨してますので、どうしても、の感は否めません。あれを超えるのはそらタイヘンだとも思いますけれど、でもそれを克服しないと観客は満足しないわけで、わたしの評価としてはやっぱり★4つがせいぜいかな、という感じでした。
長い、ウザい、ビックリさせられる、の三拍子では、いくら怖いところは怖くても、台無しになってしまう、ということの典型的な例だ、と言えるのでしょうかね。ほんとにザンネンな、でも怖い映画でした。こうなってくると、ちょっと最新作を観るのも違う意味で怖いですね。はたしてどうなりますやら……。
↑いやロレインさん、めちゃくちゃ長生きされたのですね。ちなみに夫のエドさんは2006年に71歳でお亡くなりになっておられました。後継者はいないのでしょうかね。ご冥福を心よりお祈りいたします。あの世では平穏に過ごしてくださいね。m(_ _)m
今日の一言
「あ~、じれったい...」