真田丸　ネタバレ・あらすじ　36話（36回）「勝負」⑤

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真田丸　ネタバレ・あらすじ　36話（36回）「勝負」⑤

真田丸　ネタバレ・あらすじ　36話（36回）「勝負」④の続き。

佐助が、人に気付かれぬように、秀忠の陣にいる信幸に信繁の策を届けた。
「戸石城かぁ…。」と信幸が呟く。

徳川の軍議で、正信が、家臣の平岩親吉を紹介した。
「この平岩殿は１５年前の上田城攻めにも加わっておりました。」

平岩＞「今度こそは上田城落としてみせまする！」

正信＞「あの折は、ほれ、ご城下に誘い込まれて、まんまと敵の罠にはまりましたな。
それを踏まえて、此度は一気には攻め上がりませぬ。」
秀忠＞「どうする？」

「まずは刈田を。」と正信。
秀忠＞「田を刈るのか？」
静かに頷くと正信は「敵の兵糧を奪い、味方の兵糧に致します。」と解説した。
秀忠＞「なるほど。」
正信＞「その上で城を囲みじわりじわりと。」

広げた地図上の戸石城を指し、正信は15年前を振り返る。
その時は、ここに昌幸が伏兵を潜ませていたのだ。
正信は平岩の顔を覗き込みながら言った。
「それによって我が軍は脇を突かれ、手痛い目に遭うたとか？」

平岩は「誠に面目ない！」と顔も上げられない。
正信＞「その伏兵を指図しておったのが…。」
「私でございます。」と述べた信幸に顔を向けた平岩の形相は怒りに引き攣っていた。

秀忠＞「それを踏まえて、この戸石城を押さえようというのだな。」
正信＞「さようでございます。」
信幸＞「その役どうかこの伊豆守にお任せ下さいませ。戸石城は勝手知ったる城。
攻めるには、それがしを置いて他にはございませぬ。」
秀忠＞「よい考えじゃ。どうだろう？佐渡守。」
正信＞「よろしいかと。ただ伊豆守殿は真田安房守の嫡男。親子で戦わせるのは如何なものかと。」
信幸が「その事はもうお忘れ下され。」と声をワントーン高くして言う。
秀忠＞「それは確かにあるな。」
信幸＞「本多様は私をお疑いなのです！」
秀忠＞「そうなのか？」
正信＞「半々でございますな。」
ここで信幸は、信繁から届けられた策を実施すべく、秀忠に
戸石城の中に内通する者がいるので、どうか戸石城攻めを、自分に任せて欲しいと申し出た。

夜半に、兵を率いて戸石城門前へと着いた信幸。
先鋒の者らは銃を構え、その後ろで控えた信幸の隣には同行した平岩親吉もいた。

すぐに櫓門上に現れた一人の武者は信繁であった。

「源次郎様…！」信幸の側にいる真田の兵達に、当然動揺が走る。
櫓門上の信繁が「放てー！」と命じると、源次郎の手前一列に現れい出た兵士達が構えた銃が一斉に火を噴いた。
銃声が次々と轟き、信幸が立つ前に設けられた盾に当たった。

これに対して信幸もまた平岩親吉に見せつけるかのように先鋒の兵らに「放てー！」と命じる。
銃撃戦となるが、まだ一人の死者も出ぬうちに、信繁は、後ろで控える三十郎に頷いて合図を送った。
三十郎は深く頷き返すと、打ち合わせ通りに城門を開けに行く。

そして予定通りに開門と同時に雪崩れ込む信幸軍。
それを確認して「引けー！」と号令を掛け、早急に兵を引き上げる信繁であった。

入城した信幸の元へ三十郎がやって来て傅くと
「矢沢三十郎頼幸！真田伊豆守の命を受け、只今より徳川方にお味方つかまつる！」と述べた。
信幸＞「ご苦労であった！」
三十郎＞「はっ！」

そして…佐助に習った煙幕を張り、混乱の中、信繁軍は兵を引き払った。
あっけなく、戸石城を奪い取った形となった信幸である。

この日から信幸は戸石城より一歩も動かなかった。
徳川勢が上田を攻めている間、真田勢同士がぶつかる事は一度もなかった。

真田の陣では昌幸が軍議を開いていた。
昌幸＞「向こうには本多佐渡がおる。徳川きっての知恵袋じゃ。前のように、やみくもに攻めてくる事はないだろう。」
内記＞「兵糧攻めで来ますか？」
昌幸は「それゆえこちらから打って出る。印をつけた所に敵の陣が敷かれておる。ここを一つずつ潰していく。」
と言うと、畳んだ扇子で、広げてある周辺地図に点在する朱の印を指し示した。

そして信繁に「左衛門佐。小競り合いでよい。攻めたらすぐに引け。
真田の兵は、いつどこから現れるか分からぬ、と敵に思い知らせよ。」と命じた。
信繁＞「かしこまりました！」
昌幸＞「茂誠。」
茂誠＞「はい！」
昌幸＞「敵の兵糧を奪え。３万の大軍じゃ。兵糧が先に底をつくのは向こうの方。
ただでさえ足りない兵糧をかすめ取ってこい。」
茂誠＞「かしこまりました！」
昌幸＞「作兵衛。兵糧の少ない敵は必ず刈田を行う。これを阻むのだ。くれぐれも敵に渡すな。」
作兵衛＞「はっ！」
昌幸＞「ではおのおの抜かりなく。」
一同＞「はっ！」

さて、秀忠の陣では、平野が、いつものようにスルメを齧っていると、
兵らが「敵じゃー！」と騒ぎ出した。
と、次の瞬間、陣幕が切って落とされ、真田の軍勢を引き連れた信繁が鎧姿を現した。

「かかれー！」という信繁の号令と共に雪崩れ込み台風の目のごとく引っ掻き回す真田勢達。

平野は、驚いて尻もちをついたままスルメの足をくわえて、目前の信繁に
「どこまで俺に付きまとうんじゃ！」と腹立ちをぶつけた。

刀を構えた信繁は無言のまま、その平野に近づき一刀両断に平野に向けて刀を振り下ろした。
だが…真っ二つになったのは、平野ではなくスルメだった。
そうして「あっ！」と言う間に引き上げて行った真田勢である。

一方、茂誠も命じられた通りに兵糧を奪いに徳川の兵糧小屋へ行くと、敵の武将に成りすまし
見張りの兵を殺して、配下の者達に兵糧を運ばせた。

作兵衛は、刈田に、徹底的に立ち向かう。

流石の正信も、こうした真田軍の神出鬼没ぶりにほとほと手を焼く。

正信＞「こちらと思えばまたあちら。敵もなかなかやりますなあ。」
秀忠＞「戦とはこういうものなのか？」
正信＞「いや、戦にもいろいろございますよ。」

戦１年生の秀忠は、少し嫌気が差してきたようでウロウロしながら
「このような小競り合いがあとどのぐらい続くのだ？」と正信に尋ねた。

正信が「戦は焦った方が負けでございます。」と忠告したが、早く決着をつけたい秀忠は、
もう15年前と同じ戦法でもいいんではないかとばかりに
「以前の攻め手は７千、此度は３万。攻め込んだとしても以前のようにはならんのでは？」
と性急な気分になっている。

その時、雨が降り出した。
正信＞「おっ雨でございますな…。」
真田安房守昌幸が時を稼いでいた理由を、この時、正信は気付いた。

正信＞「雨が降ると川の水が急に増します。」
秀忠＞「神川か！」

正信は、ふっと笑いを漏らし「退路を断たれましたな。」と言った。

上田城の窓から荒れた空模様を見る昌幸と内記。
内記＞「全て殿のもくろみ通り！正面から討って出ますか？」
昌幸＞「いや、その裏をかく。」

昌幸は信繁に、兵５百を連れて本陣の裏にあたる蚕山へ回り、秀忠の首を取って来いと命じた。

信繁＞「本陣まで気付かれずに攻め込めるでしょうか？」
昌幸＞「そのために半月かけて、山麓から染屋原の攻め口を切り開いてきた。
一気に突っ込めるぞ。」
「ここに本陣を置くのが分かっていたのですか？！」と信繁は驚いた。

昌幸＞「染屋原は上田城を攻めるには絶好の高台にある。此処しかないとハナから踏んでおったわ。」
昌幸は「戦はな、源次郎。始める前が肝よ。」と言ってにんまりと笑った。
信繁もまた、その頼もしい父に微笑み返した。

さて、秀忠の陣である。
秀忠は
「正々堂々と正面から攻めるぞ。これだけの軍勢で攻めれば負ける事はない！」
と言い出して、もう「兵の数を過信してはなりません！」と言う正信の忠告も聞かない。

秀忠＞「今すぐ出陣じゃ！」
正信が溜息をついた時、家康からの使者が飛び込んできた。
使者＞「内府様より火急の知らせにございます！」

その頃５百の軍勢を連れて土砂降りの雨の中を蚕山を目指す信繁。

城で昌幸と内記は、雨を見ながら朗報を待つ。
内記＞「果たして総大将の首取れますか？」
昌幸＞「取れんでもよい。秀忠は初陣じゃ。思いっきり怖がらせてやるのよ。
初陣で戦の怖さを思い知らされた者は、生涯戦下手で終わる。」

ようやく秀忠の陣営近くへ到着した信繁は、与八を偵察に行かせていた。
与八は戻って来ると「その先に寺があり、徳川の旗が見えました。」と告げた。
作兵衛＞「突っ込みますか？」
信繁は「待て。」と作兵衛に言うと「兵の姿は見えたか？」と与八に尋ねた。
与八が「いえ。」と答えると、信繁は一人でズンズンと行くので作兵衛が「危のうございます！」と言って追いかける。

しかし、辿り着けば、徳川の旗はあれど、陣内はもぬけの殻となっていた。

徳川勢は突然真田攻めを中止し撤退していた。
血気にはやった福島正則が石田方の岐阜城を落としたのである。
これで西国の緊張は一気に高まった。
慌てた家康は秀忠軍に合流を急ぐよう命じた。

西へ向かう道すがら、秀忠は真田との戦がなくなった事を残念がっていた。
自信満々に「総攻めをかけてやりたかったな。必ず勝っておった！」と息巻いて言っている様子を見て、
正信は、戦を甘く見ているのだなと思ったが、何も言わず黙って食事を終えてすぐに出立した。

９月15日。
石田三成率いる８万の軍勢は関ヶ原に陣を張った。
そこには、すっかり戦支度を整え、後は開戦を待つばかりの三成と吉継の姿があった。

対する徳川家康軍は９万。
天下分け目の大戦が、今、始まろうとしている。

信濃、上田城では不戦勝を祝って皆で盛大に酒盛りが行われていた。

昌幸＞「まずはめでたい。」
内記＞「これで我らは、２度にわたってこの城で徳川勢を討ち払った事になりますな。」
昌幸＞「酒がうまくてたまらんわ。」

この時、真田勢はもうすっかり勝った気分で浮かれていた。
昌幸は、信幸の事に話が及ぶと「結局あれには貧乏くじを引かせてしまった。」と、
勝者の立場から、敗者の側についた息子を労わる言葉まで口にしていたのだが…そんな浮かれ気分も、
様子を見に行かせていた佐助が戻って来て、事の成り行きを告げるまでの短い間であった。

遠い道のりを走って来たとは言え、入って来た佐助は妙に元気がない。
俯いたままで何か様子のおかしい佐助に昌幸が報告を促すと、やっと話し出した佐助。
「関ヶ原において、石田治部少輔様と徳川内府様との軍勢がぶつかりました！」

昌幸は思いっきり笑顔で「ついにぶつかったか！」と言い、
一同の間からも「おおっ！」という歓声が漏れた。
ざわつく皆を信繁が「皆静かに！」と注意したが、誰も言う事を聞かずに、浮かれ続けている。
内記などは昌幸に酌をしながら「甲斐、信濃は、殿のものでございます。」とまで豊臣の勝利を決めつけていた。
そんな中で信繁だけが佐助の様子がおかしいのに気付いており、杯を投げつけて、再び大声を張り上げた。
「静かにーーーー！」

やっと皆が黙って静かになると信繁は「佐助、続きを。」と促した。
佐助＞「はい。戦は朝方に始まり、昼過ぎには勝敗が決しました。徳川方の大勝利でございます！」

昌幸＞「何だと…。」
佐助＞「大谷刑部様はお討ち死に。石田治部様は行き方知れず。」
愕然として手に持っていた杯を落とす昌幸。
緊張の中で、信繁が呟いた。
「石田様が負けた…。」

真田丸　ネタバレ・あらすじ　37話（37回）「信之」へ続く。

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