真田丸　ネタバレ・あらすじ　34話（34回）「挙兵」③

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真田丸　ネタバレ・あらすじ　34話（34回）「挙兵」③

真田丸　ネタバレ・あらすじ　34話（34回）「挙兵」②の続き。

その日も暮れて、縁側に面して春の酌で酒を飲む信繁。
「これでお役ごめんだ。」
信繁は春に、今後は兄ともども真田の家のために尽くすと語る。
直属の上司がいなくなった今、上田と伏見の行き来をし、いずれは春も故郷の上田に連れて行ってやりたいと。
「楽しみでございます。」と春は微笑んだ。

信繁が徳川からの家臣になれとの申し出を断った件は翌日にはもう伏見城の且元にまで知れていた。
徳川が如何に力を増そうとも、その権力に日和見ない信繁の態度を且元は好ましく思い
「気に入った！」と言った。

この日は、先日、三成が贈った桃の木の加減が悪いという事で、その相談に乗るために登城した信繁であった。
桃の木の傍で茶々と秀頼も信繁がやって来るのを待ちわびていたらしい。

草木の事は、信濃の山奥育ちの源次郎に聞けば万事解決と茶々が思い込んでいたので信繁が呼ばれた。
「わざわざ来てもらってすまぬ。」と且元は頭を下げるが、信濃の生まれだからと言って、
農業をして育ったわけではない信繁は「流石に桃の木の扱いまでは知りません。」と困惑した。

「まぁ、役に立たない事！」と相変わらずのズケズケとした物言いの茶々。
傍で秀頼も母に感化されて頷いており、何とも教育に悪い発言であった。
どうしたものかと信繁が考える顔をしたところ、
間髪を入れず三十郎が「百姓たちが苗木を植えているのを見た事がございます！」と助け舟を出した。
そこで信繁も百姓達が植木について話していた事を思い出した。「そう言えば…水が多過ぎると根が腐ってしまうとか。」

三十郎が桃の木の植わる根本の土の加減を見て「もう少し水はけの良い場所に移してみては如何でしょうか？」と言い
早速、移植作業を始めた３人。
その様子を見ながら茶々が三成について日頃、感じていた事を話しだした。
「正直、あまり好きではありませんでした。石田治部の事ですよ。何を考えているのかわからないのですもの。」
信繁は「一度心を開きあえば、あれほどわかりやすい人もおられません。」と三成をフォローした。

その間に且元が桃の木の先端部分を掴んでグリグリと力任せに引っ張り抜こうとしており、
三十郎が「片桐様！折れてしまいます。」と注意した次の瞬間、勢い余って後ろ側にドスンと尻もちをついた。
そのヘマを見て秀頼が面白そうに笑った。
且元はピシャリと自分で自分の額を叩くと笑顔で起きて、秀頼は更に声を立てて笑った。
信繁も茶々も笑い、その場は和やかなムードに包まれた。

それより一年が過ぎた。
慶長５年（1600年）５月。
家康は秀頼がいる大阪城へ移り、ほぼ天下を手中に収めている。
発端は会津に戻った上杉景勝に謀反の疑いが生じたことにあった。
上洛せよとの家康の命を景勝は断固拒否。
直江兼続は家康に対する痛烈な批判の書状を送りつけた。
以下、兼続の書状。
「我らが戦道具を集めているとの事なれど、上方の武士が茶器などをお集めになるように、
我ら田舎武士は鉄砲や弓矢を集めるだけ。
そのような事に拘るのは、天下を預かるお方らしからぬご了見。
我らに逆心はないと申し上げた筈。にもかかわらず『逆心なければ上洛できる筈だ』とは、赤子の理屈で全く話にもなり申さぬ。
家康様にご分別がついた頃には上洛できると存ずる。どこぞの誰かのように、太閤殿下のご遺言に背き、起請文も破り、
秀頼公をないがしろにしたりは致しませぬ。さような事をして天下を取っても悪人と呼ばれるのは必定。
末代までの恥とあいなりますゆえ。」

家康はこの文を破り捨てると、上杉景勝への怒りを滾らせた。

この状況を聞いて真田家では、憂鬱に顔を曇らせる兄弟と昌幸が話し合っていた。

「自分達も上杉と戦う事になるのだろうか…。」と、信幸、信繁がそう話していると、
昌幸は、その上杉から密書が届いたと打ち明ける。

昌幸＞「家康を迎え討つ気満々じゃ。上杉はわしに味方せよと言ってきよった。共に力を合わせて徳川を倒そうと。」
信幸「…何と！」
昌幸は、この誘いに乗ると言うので、信幸は絶句する。

昌幸＞「合戦が始まったら横合いからいきなり徳川本陣を責める。徳川は一たまりもあるまい。」
「徳川を倒した先はどうされます？」との信繁の質問に昌幸は、再び乱世が訪れる事を予見した。
「その機に乗じて、甲斐、信濃、駿河、信玄公が治めていた領地を、この手で奪い返す！」
虎視眈眈と、心の奥底で、その機会の再来を待っていた昌幸である。
そんな昌幸にとっては、まさに絶好の機会到来であった。

「小田原の陣で死を覚悟した北条氏政にわしは言った。
『死にたければ死ね。されど生きておれば、まだまだ楽しいものが見られますぞ。』と。
これはわしにとって今度こそ最後の機会じゃ。わしの我儘、聞いてくれんか。」

この昌幸の言い分は、徳川に反感を抱く信繁には問題はないが、
徳川の養女である稲を妻に迎えて子までも設けていた信幸にとっては、難しいものだった。

「どうか頼む！この通りじゃ。」と息子たちに頭を下げる昌幸に、先に信繁が答えた。
「源次郎は父上に従います。」
「源次郎！」顔を上げた昌幸の目に希望の光が宿る。

信繁＞「徳川家康は、最早、太閤殿下のご遺言を踏みにじる大悪党と成り果てました。許しておいてはなりません！」
昌幸＞「よう言うた！」
続いて昌幸は信幸の方へ視線を移すと「そっちは？」と聞いた。
困惑の表情を浮かべ信幸は悩みの渦中にあったが、それを振り切るように顔を上げると
「私は…真田安房守の嫡男。父上に従うに決まっておるではありませんか！」と決意を語る。
昌幸＞「源三郎！」
源次郎、源三郎、兄弟揃って、全く同じ拳を作って前に手を付く前傾の胡座で
信繁が「我ら兄弟どこまでも父上に付いて参ります。」と述べ、固い決意を表した。

昌幸はまず信幸の手をしかと握った。
この決意には、弟よりも、より多くの苦渋を伴ったであろう。
信幸の顔を見つめ「良き息子を持った！」と叫ぶ。
そして次に信繁の手を引っ張り上に重ね「良き息子を持った！」と言う。
３人は互いの手と手を重ね合い此処に真田の結束を新たに誓い合った。

父が去ると「やはり父上は、戦がないと生きていけないお方なのだなぁ…。」とポツンと信幸が呟いた。
信繁も、北条や上杉や徳川と凌ぎを削っていた昔の父の姿を思い出したと話した。
信幸＞「…俺もだ。」
信繁＞「本当によろしいのですか？」
信幸＞「舅殿とは敵・味方に別れるが致し方ない。稲には辛い思いをさせるが。」
信繁が兄にどう言葉を掛けて良いやら迷っていると信幸は
「源次郎。徳川がいなくなれば、父上が言うように、また戦乱の世に戻るのか？」と尋ねた。
信幸＞「上杉様には、豊臣に代わって天下を治める気はないと存じます。」
信幸＞「ではどうなる？」
信繁＞「何とかなります。」
信幸＞「石田様が戻って来られるのか？」
信繁＞「わかりません。しかし、あの方がおられなくても新しい世はやって来ます。
宇喜多中納言様はまだお若いが必ず立派な大名になられます。大谷刑部様もおられます。
そして秀頼公は、まだ子供ながら実に聡明であられます。
御成人の暁には太閤殿下に勝るとも劣らぬ天下人になられましょう！」と信繁は自身の知りうる見解を述べ尽くした。

信幸＞「流石、よう見ておるな。」
信繁＞「父上には申し訳なき事ながら望まれるような混乱は起きないと…私は思います。」
信幸＞「何故、父上を欺く？」
信繁＞「もちろん、上杉に勝利を齎すため真田安房守の力がどうしてもいるのです。」
信幸は肩で笑うと「策士だな。」と言った。
信繁も微笑み「真田昌幸の息子ですから。」と切り返す。

徳川が掲げた上杉征伐の出陣の日が決まり、
家康に呼び出された且元は、老衆筆頭である事を笠に着る家康に対して、
この討伐に際して秀頼の命を賜りたいとの要請を断固拒否した。
上杉と豊臣の間に諍いはないとハッキリと言い切る且元であった。

すると家康は今度は茶々の元へ行って同じ事を頼もうとするが言い出す前に傍に控える大蔵卿局に
「秀頼公の名前は出しませぬ。」と釘を刺される。
しかし粘り強い家康は「士気を上げるために戦場への陣中お見舞いが欲しい。」と言い出す。
家康の提示したお見舞いとは、軍用金二万両、兵糧二万石であった。
これには大蔵卿局も反対しなかったので、すんなりと茶々は手配を約束してしまう。
だが、家康の狙いは他にあった。
大蔵卿局が陣中見舞いの手配のために部屋を出た隙に、家康は
「此度は、それがしが秀頼公より豊臣の軍勢をお借りして上杉を懲らしめんとする戦。
ついでに、豊臣の旗のぼりもお許し頂ければ…更に士気は高まりましょう。」と切り出した。
茶々は、これを、政に疎い故に「好きにせよ。」とあっさり許可してしまった。

さて、上杉討伐（会津討伐）のために徳川の軍勢が、ことごとく大阪を出た隙に、
宇喜多秀家が中心となり、家康の横暴に反感を募らせていた武将達が集結し、反徳川の決起集会が開かれた。
しかしながら、その黒幕は蟄居した筈の石田三成であった。

そして、秀家、秀秋、三成の３人は密かに、
この反徳川の決起に、なくてはならぬ人、毛利輝元(浅地直樹)の到着を待っていた。

日本の歴史上、未曾有の大戦が、この時より始まった。

真田丸　ネタバレ・あらすじ　35話（35回）「犬伏」①へ続く。

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