真田丸　ネタバレ・あらすじ　27話（27回）「不信」⑦

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真田丸　ネタバレ・あらすじ　27話（27回）「不信」⑦

真田丸　ネタバレ・あらすじ　27話（27回）「不信」⑥の続き。

一方、秀吉の御前に残っていた昌幸に三成が、伏見城の普請を持ち掛けてきた。
吉継が設計図を広げて見せ、説明を始めた。
「城は既に造り始めているが色々と変更がござってな。
当初は太閤殿下のご隠居所として考えていたのだが、公家の接待に用いたり、
明や朝鮮の使者を迎えるための場所が欲しいという事になり、こうなった。」

秀吉＞「本来は関白の仕事なのだが、あれも相当忙しい様子なので、わしができる事は手伝ってやろうと思ってな。」
三成＞「更に、これに敵を防ぐための備えを増築する。」
昌幸＞「敵…とは？」
三成＞「むろん惣無事令がある以上、大名たちが攻めてくる事はない。」
秀吉＞「しかし海の向こうは別じゃ。安房守、そなたの軍略を持って、伏見を難攻不落の城に造り替えてくれぬか？」
昌幸＞「かしこまりました。」

大阪城で控えの間に戻った昌幸は、信幸と信繁に「伏見城の改築を手伝わされる事になったわ～。」
と話そうとしたが、二人は揉めていて、それどころではない様子であった。
信繁＞「後にして頂いてよろしいですか？」
昌幸＞「ん？」
信幸＞「父上はご存じだったのですか？」
昌幸＞「何が？」
信幸＞「此度の叙任の件です。もともと源次郎だけに与えられるものだったと先ほど太閤殿下が。」
昌幸＞「知っとったよ。」
信幸＞「また私だけ蚊帳の外でしたか。」
昌幸＞「お前太閤に口止めしたんではないのか？」
信繁＞「お忘れになられたようです。」
信幸＞「しかし、いずれは知れる事！その時、私がどう思うかお考え下さらなかったのですか！？」
昌幸＞「まあ、よいではないか。理由はともあれ従五位下になったんだから。伊豆守だぞ大したもんだ。」
信幸＞「返上出来るものなら今からでも返上しとうございます！」
信繁＞「兄上そんな事仰らないで下さい。」
信幸＞「弟の情けで貰っても嬉しくも何ともない！」
昌幸＞「馬鹿な事を言うもんではない。貰えるものは、病気以外貰っておけばいいんだ。」
信繁＞「確かに始まりは私からでした。しかし関白殿下は、兄上の事を色々お調べになった上で、此度の事お決めになられました。
兄上がそれにふさわしくないと殿下が思われたら、この話はありませんでした。」
信幸＞「あの話は本当か？左衛門佐！」
信繁＞「源義経が左衛門尉だったのにあやかり、義経が兄、頼朝を支えたように、私も兄上をお支えしたいと思ったのです。
それだけです。他意はありませぬ。」
信幸＞「わしはそういうお前の何と言うか…抜け目のなさに無性に腹が立つのだ！」

「私の考えが足りませんでした！申し訳ございませぬ兄上！」と信繁は平伏して謝罪した。
しかし怒って出て行こうとした信幸を止めて昌幸は「伏見城の改築、お前やってみろ。」と声を掛けた。

それに信幸はますます腹を立てて「太閤殿下は、父上にお命じになったのです！御免！」と叫ぶように言うと出て行った。
尋常ではない信幸の怒り方に昌幸は驚き、信繁は肩を落とした。

「まあ放っておけ。一度吐き出せばそれで終わりじゃ。」昌幸は、信繁にそう言うと、余程、やりたくなかったのか。
先ほどの伏見城の改築の仕事を、今度は信繁に「これやってみるか？」と設計図を投げて聞いてくる。

「父上がおやりになるべきでしょう。」と言いながら、一応、手に取り、その設計図を広げて見た信繁は
「これは…。」と何事かに引っ掛かっている。
信繁＞太閤殿下は伏見城で政を行うおつもりなのですか？」
昌幸＞「うむ。…そのような事、言っておったな。」

「この事関白殿下が知ったら…。」と、信繁はせっかく、やる気を見せていた秀次の心中を案じた。
昌幸＞「さてわしも戻るとするか。…源三郎の事はわしに任せろ。うまくなだめておく。」
信繁が「すみません。」と一礼すると、昌幸は信繁が手にしていた設計図を指さして
「だから…。こっち頼む。」と言って出て行った。
やはり、余程やりたくなかったようだ。

ちょうど、そこへ秀次が入って来た。
「殿下！」慌てる信繁。
秀次＞「左衛門佐！太閤殿下のご様子はどうであった？」
信繁＞「我が事のように喜んで下さいました。」
秀次＞「それは何よりじゃ！」
信繁＞「ありがとうございます。」
秀次＞「ところできりはこちらへ来なかったか？」
信繁＞「今日は見かけておりませんが。」
秀次＞「実はな…。聞いておるかもしれんが、私はきりを側室に迎えたいと思っている。」
信繁＞「承知しております。願ってもないお話と存じます。」
秀次は「私の気持ちは伝えた。後は返事を待つだけだ。」とワクワクしたように言うと
信繁の後ろにあった伏見城の設計図に気付き「これは？」と手に取った。

「伏見城ではないか。なぜ此処にある？」と笑顔で図面を見て尋ねる秀次。
信繁＞「父が普請に加わる事になりまして。」そう答えながら信繁は心配そうに秀次の顔に目をやる。

やはり、秀次の顔色が変わった。
「ここに『謁見之間』とある。『評定之間』もある。伏見の城は叔父上の隠居所ではなかったのか？」

「そう聞いておりまする。」秀次の後ろに控えていた秀俊が答えた。

みるみる秀次の顔に焦りの色が広がった。
「太閤殿下は伏見城で政をなされようというのか！私はもういらぬという事か！…なぜじゃ…。
何ゆえ叔父上は私を信じて下さらぬ…。」

信繁は、この事を、秀吉に伝えに行った。
「太閤殿下のお心遣いが全て裏目に出ております。」
秀吉＞「ああめんどくさい！」
信繁＞「どうか関白殿下とお話になって下さい。」
秀吉＞「全てはあやつの心の弱さが元じゃ。あやつが強くならぬ限り、会っても話す事など何もない！」

更に秀次に追い討ちをかける出来事が起こった。
長らく病床にあった弟、大和中納言秀保が１７という若さで他界する。

この秀保の死に対して秀吉は非常に冷たい態度を取る。
秀吉＞「葬儀は隠密に済ませろ。事を大きくしてはならぬ。豊臣の者は誰一人参列してはならぬ。」
三成＞「よろしいのですか？」
秀吉＞「むしろ、なかった事にしてしまいたいくらいじゃ！」

信繁＞「何ゆえ太閤殿下はそのようにお怒りを？」
三成＞「今年で拾様は３つになられた。鶴松様が亡くなられたお歳だ。太閤殿下にとって今年は不吉な年。
それゆえ何事もなくこの一年をお過ごしになられたかった。」
信繁＞「そんな年に亡くなられた秀保様を太閤殿下は許さなかったという事でございますか？」

この肉親への仕打ちに寧は黙っている事は出来なかった。
「殿下！秀保はあなたの甥ですよ！数少ない肉親だにゃあですか！」
葬儀は質素でも、せめてみんなで見送ってあげたいという寧の意見も即座に却下された。

秀吉＞「あいつの罪は２つ。この年に死んだ事。そして将来、拾のために力を尽くさねばならんのに、それができなくなった事じゃ！」
寧＞「だからといって秀保を責めてはあの子が浮かばれません！」
秀吉＞「その名を二度と口にするな！縁起でもない！」

秀保の死に対する太閤の冷たい仕打ちは、秀次を戦慄させた。

秀次＞「これで分かった。叔父上にとって、我らはいらぬ者なのだ。あの方は、我らが邪魔なのだ！」

彼の不安は頂点に達した。
そして関白秀次は一つの決断をする。

聚楽第から姿を消したのである。
平野＞「関白殿下がどこにもおられん！」
信繁＞「そんな馬鹿な！」
平野＞「どこを捜しても見当たらぬ。間もなく内裏からお使者がお見えになるというのに！」
信繁＞「しかし…。」
必死に屋敷内を探し回る二人の所に秀俊が来て「殿下は多分もう此処にはおられない。」とボソッと言った。

その後、秀次は変装して大阪城に忍び込むと、庭の木の陰から、こっそりと仕事中のきりに声を掛けた。
きり＞「殿下！…。」

真田丸　ネタバレ・あらすじ　28話（28回）「受難」①へ続く。

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