真田丸　ネタバレあらすじ　21話（21回）「戦端」⑥

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真田丸　ネタバレあらすじ　21話（21回）「戦端」⑥

真田丸　ネタバレあらすじ　21話（21回）「戦端」⑤の続き。

昌幸に秀吉からの呼び出しの書状が届けられた。

「京へ参る。殿下がお呼びじゃ。呼び出しの理由はわからぬが、呼ばれたからには行かねばなるまい。
ついでに向こうの屋敷の様子も見てくるわ。」と京の真田屋敷の設計図を広げて、信幸と内記に見せる昌幸。

「隠し扉を方々に作らせた。」と言って、その箇所を「ここ、ここ、ここじゃ。」と指さして示す。

内記＞「都も戦になりますか？」
昌幸＞「関白に子が出来た事でさまざまな思惑が動き始めた。やはり秀吉の世はそう長く続かんと思う。」
内記＞「ようやく面白くなってきましたな。」
昌幸＞「昌相も連れていく。すぐ伝えてくれ。」
信幸＞「父上！源三郎もお供しとうございます！」
昌幸＞「ばかを言うな。」
信幸＞「このところ息が詰まる事が多すぎまする。気を、晴らしとうございます。」
昌幸＞「おぬしにはこの城を守るという大事な役目がある。」

「お願いでございます！」と、信幸がいくら熱心に懇願しても、いつものように聞く耳を持たず払いのける昌幸であった。

昌幸＞「明日出立する。」
内記＞「はっ。」

「いずれは京で暮らせるぞ。喜べ。」という昌幸の話に、薫は色めきたった。
薫＞「まあ信じられませぬ！京に戻れるなんて！」
昌幸＞「関白殿下のお考えじゃ。」
薫＞「殿下が！…しかし殿下も私が京で生まれた事までようご存じでしたわね。」
昌幸＞「いやそういう訳ではない。いずれ全ての大名が奥方を京に呼び寄せる事になる。」
薫＞「何ゆえに？」
昌幸＞「大名同士が勝手に戦を始めぬように。」
薫＞「ん？」
昌幸＞「つまり殿下の傍に置いておくのじゃ。まあ…ひ…。」
薫＞「ひ…？。」
昌幸＞「まっ、体のよい人質だな。」

人質を毛嫌いする薫の顔から笑みが消えた。「嫌でございます。」
昌幸＞「京に住めるのじゃ我慢せい！」
薫＞「京だろうがどこだろうが人質だけは御免です！」

昌幸は深く溜息をつく。

京へ到着した昌幸は、早速、京の真田屋敷へと出向いた。
信繁も同行している。
昌幸＞「おお…なかなかよき屋敷ではないか。」
信繁＞「急ぎ作らせたのでまだ縁側の辺りが仕上がっておりませぬが。
ちなみに図面にあった隠し扉はなくてもよいのでやめました。」
隠し扉、却下の報告に昌幸は、けっこう内心ガッカリしたが、それよりも今回、京へ呼び出された理由が気になる。
昌幸＞「…でわしは此度何で呼ばれたのじゃ？」

その理由を信繁が告げたとたん、昌幸は怒り出した。
「そんな事ができるか！今更、沼田を北条に渡せる訳ないだろう！」
信繁＞「北条はそれと引き換えに上洛すると申しております。」
昌幸＞「知った事か！これまでどれだけ苦労して沼田を守ってきたか。お前も分かっておろうが！」
信繁＞「分かってはおりますが…。」
昌幸＞「そんな事のためにわしは京に来たのか！昌相帰るぞ。」
信繁＞「父上…。」
昌幸を引き止めようとする信繁に昌相が口添えする。「まあそう言うな。源次郎が困っておるではないか。」
信繁＞「父上、どうかお考え直しを。」
昌幸＞「どうしても沼田が欲しければ力ずくで攻め取るがよい！わしはいくらでも受けて立つ！北条にそう伝えろぉ！」

こうして信繁の説得は失敗に終わった。
信繁は翌日、それを御文庫で三成に報告した。「不首尾に終わりました。」
三成＞「まあそんなものだろう。ハナから当てにはしておらぬ。」
吉継＞「いっそこういうのはどうじゃ？北条殿と真田殿を引き合わせ殿下の御前でとことん談判をさせるのだ。
戦ではない話し合いで落着させる。
その上で本来沼田を治めるべきは北条か真田か、殿下が白黒はっきりおつけになるというのは？」

つまりは弁論大会で勝敗を決するというわけだが、三成がこの考えを秀吉に提案すると、
秀吉は膝を叩いて「面白い！」と言った。
三成＞「事の次第を承知している徳川殿にも来て頂きましょう。」
秀吉＞「すぐに手配せよ。」

しかし昌幸は参加を拒む。
「如何に北条の言い分が理不尽かこれではっきり致します。」と信繁が説得した。
氏政、家康の両名も来ると聞き、
「これが新しい時代の戦なのです。父上に殿下の前で氏政と渡り合って頂きたいのです！沼田を守るために！」
との語り掛けが昌幸の心を動かした。
昌相＞「戦ならば受けて立つより他はなかろう。」
ようやく昌幸は頷いた。

しかし…。
一方の氏政がこれを拒否。
「秀吉の言いなりにはならん。わしが京へ上るのはあくまでも沼田を取り戻してから。順序が逆よ。」
と意地を張って妥協しない。

氏直＞「しかしそれでは…。」
氏政＞「上洛はせぬ！」
江雪斎＞「ご隠居様！」

戦をなんとかして避けたいと思う江雪斎は「このままでは戦になり申す。」と氏直に縋る。
氏直＞「おぬしは秀吉と戦ったら負けると思うか？」
江雪斎＞「負けぬとしても大変な痛手をこうむりましょう。」
氏直＞「どうすればよい？」
江雪斎＞「御屋形様が代わりに京へ向かわれては…。」

すると氏直は「馬鹿を申せ！当主のわしが顔を出して命を狙われたらどうする！」というヘタレな言い分で、断固これを拒否する。
仕方なく江雪斎は「では私が名代として京へ上りましょう。」と大役を引き受けた。
「行ってくれるか！」肩の荷が下りたとばかりに喜ぶ氏直。

江雪斎＞「真田と渡り合い沼田を取り戻してごらんに入れます。」
氏直＞「頼んだぞ江雪斎！」
江雪斎＞「はっ！」

家康は、氏政が意地を張って話し合いのためであっても依然上洛しない事を聞いて、うんざりとしていた。
「沼田沼田…。まるで喉に刺さった小骨じゃのう。」
氏政が行かないのならばと家康も名代に正信を立てる事とした。

氏政・家康の両名ともが本人の代わりに名代が来ると聞いて、せっかく参加する気になっていた昌幸がまた翻意する。
信繁＞「北条からは板部岡江雪斎殿がそして徳川からは本多正信殿が。」
「馬鹿にするな！」昌幸は怒って立ち上がると
「あいつらが来ないなら、わしも降りる！」と言い張った。
名代しかこない場に自分だけが出て行くのは昌幸のプライドが許さないのである。
昌相が「一人の兵も失う事なく沼田を守り抜けるのだから、好機かもしれん。」と言っても、
へそを曲げてしまって、最早、聞く耳を持たない。

信繁が、こうした事情を三成と吉継に告げると、
吉継は「真田が加わらなければ話にならぬ。」と言い、
三成は「このままでは戦になる。そして、戦えば未曽有の大戦になる。
そうなれば、せっかくの惣無事が台なしになり、
またしても、大名が互いに喰らい合う乱世に逆戻りするだけだ！」と、声を荒げた。
「いま一度父親を説き伏せよ。」吉継が深刻な面持ちで信繁に命じた。
そして、もし、それが叶わぬ場合は、信繁が父の名代を務めるしかあるまいとも。

信繁は自分には荷が重過ぎると思い「それは無理です！」と即座に抗ったが、三成の「戦を避けるためだ！」という
真剣な剣幕に押されては最早、引き受けるしかなかった。

信繁が話し合いの部屋へ通されると板部岡江雪斎が既に待っていた。
信繁が江雪斎に挨拶をして、江雪斎との対面の席に着いた時、
本多正信が顔を出した。

見知った顔であるから信繁は少しホッとして正信に「本多様。」と声を掛ける。
正信＞「これはこれは真田源次郎殿。」
信繁＞「ご無沙汰致しております。」
礼儀正しい信繁に、軽く笑い、正信は江雪斎の方を向くと
「おお誰かと思えば板部岡殿ではござらぬか。北条様はご息災でおられまするかな？」と話し掛けた。

江雪斎は愛想なく「はい。」とただ一言返しただけである。
正信が「何より。」と言うと暫くの間、会話が途絶え、蝉しぐれが響き渡っていた。
高まる緊張の中で信繁は思わず立ち上がり「御免。」と一礼して廊下側へ出た。
実は、すぐ近くの部屋に昌幸が隠れていて、それを知っている信繁は、こっそりとその部屋へ行き
「父上ここに隠れているくらいなら一緒に向こうに参りませぬか？」と誘う。
昌幸は首を振って「わしは出ていかん。…決めた。お前がやるんじゃ。」と言う。
いわゆる丸投げである。
「しかし…父上。」信繁は、もし、父の納得する結果が出せなかった時の事を思うと気が重かった。

昌幸は「自分が出るのが嫌で言っとるのではないぞ。お前は上方に来て一段と成長した。
いつまでも親を頼るな。」と言うが、この場合むしろ、親が子を頼っている。

そして昌幸は信繁の襟首を掴み「わしがここにいる事、誰にも言うな。」と申し付ける。
信繁＞「言いませぬ。」
昌幸は頷くと「徳川を味方につけるのじゃ。徳川がどっちにつくかで勝負が決まる。源次郎。決して沼田を北条に渡すな。」
と若干のアドバイスを授けて、信繁に願いを託す。
神妙な顔でコクリと頷くと「かしこまりました。」と答える信繁の胸を拳で突いて
「これは戦じゃ。」と昌幸は告げた。

席へと戻った信繁は、早速、昌幸のアドバイスに従い如才ない笑顔を浮かべて
正信に「本多様はこちらへはいつお越しに？」と尋ねた。
正信＞「ああ昨日でござる。」
信繁＞「長旅ご苦労に存じます。」
正信＞「いやいや。この年になりますとな、いささか腰に来ましてな。」
信繁＞「そんな時は有馬の湯に行かれると良いですよ。」
正信＞「有馬？」
信繁＞「殿下もよく湯治に行かれます。殿下のお言葉を借りれば日の本一の名湯との事。」
正信＞「おおぉぉ、それはよい事を聞いた。帰りに是非寄ってみましょう。はははははははっ！有馬。」

秀吉が現れると、３人は恭しく頭を垂れた。
秀吉＞「関白太政大臣豊臣秀吉であるぞ。」

沼田城は上野の崖の上に立つ小さな城にすぎない。
しかしその小城を巡り、真田と北条と徳川、そして豊臣の威信を懸けた戦いが今始まろうとしている。

真田丸　ネタバレ・あらすじ　22話（22回）「裁定」へ続く。

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