『真田丸』ネタバレ・あらすじ　12話（12回）「人質」③

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『真田丸』ネタバレ・あらすじ　12話（12回）「人質」③

『真田丸』ネタバレ・あらすじ　12話（12回）「人質」②の続き。

死にざまは生き方を映す鏡

上杉謙信の像に向い景勝が信繁に語る。
「上杉は義のない戦いはせぬ。むろん外から攻めてくればこれに立ち向かう。
己の欲望のためだけに他国を侵略する事はない。」
信繁＞「素晴らしき事と存じます。」
景勝＞「謙信公の教えじゃ。」
信繁＞「御屋形様は漁師たちの諍いにも熱心に耳を傾けておられました。」
景勝＞「聞いておったのか。」
信繁＞「誰でもできる事ではありません。」
景勝＞「国づくりのおおもとは民が安心して暮らせるようにする事。民の心を掴まなくて何が国づくりじゃ。」
信繁は頷く。
景勝は祭壇から振り向き信繁へと目をやると言った。
「沼田の一件の折、おぬしは誰も死なせずに北条を追い払ってみせた。民を大事にする謙信公の心をわしはそこに見た。」
信繁は恐縮してカブリを振ると「もったいないお言葉でございます。」と平伏した。

ここで信繁は一つ質問をしてみたくなった。
「義を忘れ、己の欲のためだけに生きると人はどうなりましょう？」

景勝＞「織田信長の惨めな最期を思い出してみよ。死にざまは生き方を映す鏡。己に恥じぬよう生きるのみじゃ。」
この潔い答えに、信繁は改めて敬服する。

信繁からの文に目を通すと信幸は昌幸に言った。
「上杉では温かく迎えられたようですね。」
昌幸＞「景勝はわしとは正反対の義に厚い男じゃ。源次郎も学ぶところも多かろう。」
信幸＞「これで上杉とのヨリは戻ったと思ってよいのですか？」
昌幸＞「いやそれがそうでもないのじゃ。直江兼続から書状が届いた。やつめ更に注文をつけてきおった。」

兼続の更なる注文とは…。
沼田城を上杉に返して欲しいというものであった。
兼続の文には「沼田城はそもそも上杉が支配していた城である。これを返して頂ければ真田とは今後より良き仲となるであろう。」
と書かれてあった。

信幸は、この本末転倒な要求にも、呆れてしまう。
そもそも沼田城を渡す渡さないで北条と揉めて、徳川に反発し、上杉に助けを求めているので、
その沼田を上杉に渡してしまっては…もう何が何だかわからなくなる。

ところが、昌幸は、これに対して「よかったのう。源次郎を人質に出したかいがあったぞ。これはあいつの仕事だ。」
と言うから信幸はますます何の事やら、わからない。

景勝の安請け合い

中庭で家臣相手に剣の稽古をする景勝。
その光景を信繁と三十郎が眺めてた。

景勝が一息入れた折、信繁は上田城にいる父よりの知らせで、沼田城を上杉様に差し出せと言われたとの事を知ったと話す。
景勝の意向かと思っていた信繁は「初耳だ。」と言う景勝に「ご存じないのですか？」と驚いた。
景勝は、他国との談判は全て兼続に任せているので、兼続の判断だろうと言う。
信繁＞「沼田は真田にとって大事な城です。引き渡す訳には。
ひょっとして直江様は全て承知の上で無理難題を吹っかけているのではないでしょうか？」
景勝＞「何ゆえに？」
信繁＞「真田の本心を探るため。」
景勝は再び刀を構えると言った。
「用心深い男でな。だがその用心深さで上杉が持ちこたえたのも確か。兼続に掛け合ってやってもよいぞ。」
「お願い申します！」と平伏す信繁に
「任せとけ！」と頼りがいのある明朗な声を響かせる景勝であった。

だが…。
それより三か月も経とうという頃の事である。
剣の稽古をする信繁と三十郎に、
いつかの漁師達が再び春日山城を訪れて、仲裁の催促をしている声が聞こえた。
上杉の家臣の者が「今、調べておるところだ。もう少し待て。」と言って取り次ごうとはしない。
漁師達は切羽詰まっている様子で
「このままでは村同士がぶつかって大きな騒ぎになります。死人が出たっておかしくねえ！」
と訴えるが、
家臣は、やはり取り次ごうとはしないで「今日のところは帰れ！」と言う。
確かに、景勝はあの時「吟味の上早々によい答えを出す」と約束していた。
それが、三か月経っても、そのままとは、如何した事であろうと信繁も思った。

それで、無理やり漁師達が追い出されてから、信繁は、先ほど対応した上杉の家臣に聞いてみた。
「何があったのかはよく分からないのですが、なぜ早く収めてやらないのですか？」

上杉の家臣＞「真田からの人質衆でござるな。」
信繁＞「何やら先送りにしてるように見えたのですが。」
上杉の家臣＞「さよう先送りにしておる。」
信繁＞「どういう事でしょうか？」
上杉の家臣＞「門前払いは憐れとは思うが出来ないものはしかたなかろう。」
信繁＞「しかし御屋形様は約束をされました。」
上杉の家臣＞「そこはほれ、何事にも格好をつけられるお方だから。」
信繁＞「格好をつける？」
上杉の家臣＞「出来ない約束ばっかりなさるから、全部こっちにしわ寄せが来る。」
信繁＞「出来ない約束…。」
上杉の家臣＞「いま少し考えてからお話になって欲しいものだ。」
このように述べているところへ廊下の向こうから当の景勝が来た。
景勝＞「格好をつけてばかりですまなんだのう。」
上杉の家臣＞「ほぉっ！御屋形様！」
景勝の傍についていた兼続が「斬り捨てますか？」と尋ねたが景勝が「もう良い」と答えたので、
民の直訴を対応する役目の家臣は恐れて逃げて行った。

なんとも気まずい雰囲気の中、中庭へと降りてきた景勝は口もきかず悩ましげであった。
その景勝に代わって兼続が信繁に説明する。
「信濃には海がないので分からんであろうが、田畑と違って海には境目がない。それゆえ漁師たちの揉め事が起きやすいのだ。」

信繁＞「御屋形様は早々に落着させるとおっしゃいました。」
兼続＞「そういうお方なのだ。困っている者を見るとまず先に力になると約束されてしまう。」
信繁＞「ならばそれを叶えるのが家臣の役目ではないのですか？」
兼続＞「出来るものなら叶えて差し上げたい。しかし無理なものは無理だ。
訴えが来ているのはあそこだけではない。民の争いは尽きぬ。きりがないのじゃ。今の上杉にそんな余裕はない。」
信繁＞「御屋形様はご存じなのですか？」
ここで景勝が初めて振り返り会話に参加した。
「戦が続き過ぎた。今のわしには話を聞いてやる事しか出来ぬ。これが本当のわしじゃ。世の中、思いどおりにはいかぬ。」
肩を落として語る景勝に信繁は率直な言葉をぶつけた。
「正直昨日まで私は御屋形様を尊敬しておりました。」

兼続＞「源次郎殿言葉に気を付けられよ。」
景勝＞「今はそうでもないか？」
信繁＞「今はそれ以上に慕わしく存じます。」
ここで、信繁は思い出して景勝に駆け寄り小声で「ひょっとして例の沼田城の一件も？直江様には…。」と尋ねる。
すると、少し、気遅れした感じで、景勝「あ…まだ言うてはおらぬ。」と言う。
兼続が「沼田の件とは？」と聞き咎めると
信繁が「上杉様に引き渡す訳にはまいらぬと父は申しております。」と答えた。

すると兼続は「ならば話はたやすい。上杉は真田とは手を結ばぬ。それだけの事じゃ。」と、
つっけんどんに言い放ち背を向けて行ってしまった。
信繁は振り返ると、縋るように景勝の顔を見たが、景勝には兼続を説き伏せる力はないらしく申し訳なさそうな表情をして去った。

『真田丸』ネタバレ・あらすじ　12話（12回）「人質」④へ続く。

【出演】堺雅人，大泉洋，木村佳乃，平岳大，中原丈雄，藤井隆，迫田孝也，高木渉，斉藤由貴，榎木孝明，温水洋一，林邦史朗，，草笛光子，高畑淳子，近藤正臣，内野聖陽，草刈正雄

【真田丸　ネタバレ・あらすじ】

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