真田丸　ネタバレあらすじ　18話（18回）「上洛」⑥

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真田丸　ネタバレあらすじ　18話（18回）「上洛」⑥

真田丸　18話（18回）「上洛」⑤の続き。

昌幸、徳川の与力を命じられる。

信繁は、父と兄に、ちゃんと謁見してもらえるように、
茶々から秀吉にとりなしてくれるよう、願い出てみる事にした。
焼き菓子をつまみながら茶々＞「殿下に？」
信繁＞「どうしてもお願いしたい事があるのです。」
茶々は自分の頼みも聞いてくれる事を条件に、これを引きう受ける。

茶々からの口添えがあっても、秀吉は最初「忙しい。」と言って渋ったが、
傍から信繁が「上洛に遅れたのは父の落ち度でございます。
しかしながら、小なりとはいえ父にも誇りというものがございます。
お目通りが叶わねば出仕した事にはなりませぬ。父は帰って戦支度をするつもりでいます。
真田を敵に回すのは得策ではございませぬぞ。
伊達と結び、北条と手を組み、徳川を味方に引き入れ、いずれ必ず強大な敵となって殿下の御前に立ちはだかります。」
などと、ツラツラ述べて大見得を切った。
そして、秀吉の「わしを恫喝するか？」の言葉にも、信繁は怯む事なく「恫喝しております。」と堂々と言い返した。
この信繁の肝の座りように、秀吉は思わずニンマリと笑い、信繁の言い分を聞いてやる事にした。

再び平伏す昌幸らの前に秀吉が現れた。
しかも昌幸が献上した熊の毛皮を着て…。
秀吉＞「関白太政大臣豊臣の秀吉である。真田安房守昌幸。」
昌幸＞「へへっ。」
秀吉は「此度の上洛まっこと大儀であった。」と言うと、昌幸のところまで歩いて行き、目の前に屈んで
昌幸の手を取り「わしは誰よりも、そなたを家臣にしたいと思っておったぞ。
その知略と度胸、豊臣の大名として、これからはわしのために使うてくれ。なっ？」と、目を見て、人の善さそうな顔で願う。
昌幸＞「はっ。」
秀吉＞「頼りにしておるぞ安房守。治部。」
例によって細かい事の説明は三成から発表された。
三成＞「殿下は、これより新しき世の仕組みをお作りになられる。惣無事令もその一つ。もちろん存じておるな。」
昌幸＞「はい。」
三成＞「しかしながら万一戦となった時、誰が誰に従って、軍勢を動かすか。そこだけはハッキリとしておかねばならぬ。
大名は、それぞれ最寄りの大大名の与力となり、出陣の時はその下知に従う。よろしいか？」
昌幸＞「はっ。」
三成＞「安房守殿は徳川の与力となるように。」

信幸＞「徳川？」
信繁＞「お待ち下さい。殿下は真田に徳川の家来になれと仰せられますか？」
三成＞「家来ではない。与力だ。力を貸すのだ。」
信繁＞「父に徳川の下で戦えと命じるのでございますか！」
秀吉＞「そのかわり、真田の領地は徳川が守る。北条が攻めて来たとしても徳川が楯となってくれる。悪い話ではなかろう。
どうじゃ？安房守。」
昌幸＞「ははっ。」

昌幸の心中は穏やかではないが、その上、秀吉は、大阪から上田への帰り道で、
家康の所へ寄り挨拶をしていくようにとまで申し付けた。

秀吉＞「明朝、駿府へ立て。」

その頃、浜松から駿府へと移っていた家康は、
秀吉からの文に目を通すと、
真田昌幸を徳川の与力に指名した秀吉の計らいに、溜飲が下がる思いを噛みしめていた。
「関白殿も味な事をしてくれるのう。ふふふふふっ。…真田安房守がわしの前で頭を下げる日が来るとはな。
それもこんなに早く。ふふふふふっ。ふっはははははは。」
正信も共に笑う。「はっははははははは！」

対照的に、昌幸はすっかり、しょげていた。
「…面白いのう。人の世というものは…。武田が滅んでから今日まで、騙し騙され、裏切り裏切られ、死ぬ気でここまでやってきた。
己の全てを懸け、知力の限りを尽くして戦った。その挙句たどりついたのは、秀吉の家来となった徳川のそのまた家来。
ふぅーこんなに面白い事があるか？」

「申し訳もございませぬ。」いたたまれずに信繁は平伏して詫びた。
昌幸＞「お前が謝る事ではない。」

信幸が「父上冷えてまいりました。中へ入りましょう。」と父の体を労わるものの、
昌幸は予想外のこの顛末について、考え込まずにはいられなかった。
昌幸＞「源三郎源次郎。わしはどこで間違った？教えてくれ。わしはどこで間違った…？」
信幸＞「間違えてなどおりませぬ！」
信繁＞「父上は大名となり領地を守ったのです。」
気が晴れぬままであったが「さて…。休むとするか。明日は早い。」と昌幸が座敷へ上がろうとした時、信繁は切り出した。
「父上、実はもう一つお伝えしておかなければならない事がございます。なかなか折を得られず、今になってしまいました。
会って頂きたい人がいるのです。」

３人が部屋で待っていると、きりが松を連れてきた。
きり＞「お入り下さい。」
松の顔を見て、驚く信幸と昌幸。
信幸＞「姉上！」
昌幸は「生きておったのか！松！」と言って松を抱き締めたが、松は蝋人形のように無表情のままであった。
信繁＞「残念ながら皆と暮らしていた頃の事は全く覚えておりませぬ。」
信幸＞「覚えてない？」
きり＞「よほどお辛かったのだと思います。」
松＞「ちょっとお手をお離し下さりませ。」
昌幸＞「わしが分からんのか？わしじゃ！」
信幸＞「姉上！源三郎でございます！源三郎でございます！」
昌幸＞「父じゃ！」
いくら二人が力んで言ってみても、松は強張った表情のままで「やっぱり人違いではありませぬか？」と言う。
きり＞「そんな事ありません！」

信繁の提案で、思い出す切っ掛けになるかもしれないので、真田の郷の思い出を、みんなで、順番に言っていく事となった。

昌幸＞「お前が小さい時、よくおんぶして裏山行ったよのう。わしがおんぶするとお前は、必ず背中にしょんべんするんじゃ。」
信幸＞「子どもの頃、姉上にはよく泣かされておりました！沢ガニのはさみを俺の鼻に挟んで！」
きり＞「郷の真ん中に高い木があって、よく２人でそれに登って、下を通る村の男を見ては、
あの人は見目がいいとか、あの人は頭がでかすぎるとか品定めを致しましたね！」
信幸＞「そのような事を…。」
信繁＞「私がまだ子供だった頃、なぜか姉上が下さったひからびた蛙。えらく気味が悪かったです！」
松は首を傾げながら「姉上っていうのは、随分変わった人だったみたいねぇ。」と他人事のように言った。
順番が一周したので、また昌幸の番になったが、もう言う事がなかったようで
昌幸は困って「お前は、わしがおんぶすると絶対しょんべんするんじゃ！」とさっきと同じ事を力を込めて言った。
きり＞「それしかないんですか！？」
松＞「申し訳ありませぬ。何も思い出せませぬ。」
信繁が「姉上、焦る事はありませぬ。時をかけてゆっくり思い出していきましょう。」と励ましたが、松が憂鬱そうな顔をしたので、
きりが「少し風にあたりましょう。」と言って、廊下側へ連れ出した。

松は溜息をついて縁側へ座った。

その松の後姿を見ながら昌幸は「生きておっただけでももうけもんじゃ。」と呟いた。
昌幸＞「辛い事があればその分良い事もある。世の中ようできとるわい…。」

松の横に座っていたきりが、立ち上がろうとして、ふと「カサカサ…。」と自分の足の裏のかさつきを気にした。
その足の裏のかさつきについて、松は３年前にしたガールズトークを思い出した。

その時も、きりが「近頃、かかとがカサカサになっちゃって。見て下さいよ。」と足の裏を気にして見せていたのだ。
その時、松は自分が言った「あら！それはね潤いが足りてないのよ。」という言葉も、
梅が言った「淋しさが募ると荒れるって言いますよ。」という言葉も、思い出した。

松＞「きりちゃん…。」
きり＞「はい？」
松＞「私が貸してあげた手鏡。とうとう返してもらえずじまいでしたよね。…」

ついに松が記憶を取り戻した。
きりが「お松様！？」と大きな声を上げると、松の顔は急に笑顔に変わり、
後ろを振り向くと「父上！源三郎！源次郎ー！」と大声で呼びかけて走り寄り、３人の頬を順番に次々と両手でパチパチと叩いてから、
父に飛びついて、泣いて再会を喜んだ。

そして、昌幸は駿河へと徳川を訪ねる。
徳川の面々が揃う中で、家康に平伏して挨拶する昌幸。
「関白殿下の命により、真田安房守昌幸、徳川様の与力として力を尽くす事お誓い申す。」
家康＞「面を上げられよ安房守殿。」
昌幸＞「はっ。」
家康＞「武勇名高き真田安房守殿が、我らにお味方下されば万人力でござる。よろしゅうお頼み申し上げる。」
昌幸＞「はっ。」
家康＞「これからは、共に力を合わせてまいりましょう。ははははははははははははっ！うわっははははははははははっ！」

真田安房守昌幸、この年より徳川家康の与力大名となる。

真田丸　ネタバレあらすじ　19話（19回）「恋路」へ続く。

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