真田丸　ネタバレ・あらすじ　30話（30回）「黄昏」⑦

真田丸ネタバレあらすじ・キャスト・最終回　まとめ＞真田丸　ネタバレ・あらすじ　30話（30回）「黄昏」⑦

真田丸　ネタバレ・あらすじ　30話（30回）「黄昏」⑦

真田丸　ネタバレ・あらすじ　30話（30回）「黄昏」⑥の続き。

自分の命がもう長くない事を悟った秀吉は、信繁に、三成と且元を呼ばせて形見分けを伝えると言う。

三成＞「『遠浦帰帆の絵』を徳川殿に？」
信繁＞「殿下が大事にされていた明の水墨画です。」
秀吉＞「助作お前は…。」
且元＞「我らにもあるのですか！」
秀吉は枕元の小箪笥から用意してあった巾着を取り出して「金子１５枚。」と言って、且元に渡した。
「ありがとうございます！」と恭しく受け取る且元。
秀吉＞「秀頼の事よろしく頼むぞ。」
且元＞「身命を賭して。」
秀吉＞「佐吉。金子５０枚。」
今度の巾着は、ズシリと大きくて重い。
「それとこれも。」と、秀吉は更に三成に小刀も差し出した。
三成＞「佐吉などにはもったいのうございます。」
秀吉＞「秀頼の事よろしく頼む。」
三成と且元では扱いに随分と差があるが、それでも貰えるだけいい。

且元が「そなたは？…何を頂いた？」と聞くものの
秀吉はすぐ傍に仕えている信繁の顔を見ても「誰？」と聞いて、わからなくなっている。
「真田源次郎でございます。」との且元の言葉にまじまじと信繁の顔を見るが「知らん。」と言う。

信繁は少なからずショックだったが、
三成＞「おぬしは我らと比べたら日が浅い。」
且元＞「我らは近江長浜の頃よりお仕えしておるからな。」と慰めてくれた。

秀吉が床に就くと、信繁は波打つ胸の痛みに目を瞑って耐えていた。
だが、フッと傍に人の気配を感じて目を開くと、隣に秀吉がしゃがみ込んで信繁の横顔を見つめていた。
驚いて信繁が秀吉の方を向くと、秀吉は「真田安房守の息子だな。」と言った。

秀吉の中で時間が撒き戻っていた。
「後だ。来い！」と呼んで秀吉は後ろの屏風の陰に隠れる。
信繁も秀吉の後ろに隠れるようにした。
初めて信繁と会った遠いあの日の事を繰り返す秀吉。
「遅いのう市松は。」
咄嗟に信繁は、秀吉に合わせて、その日の言動を再度演じる。
信繁＞「もしや…。」
後ろにいる信繁を振り返った秀吉は、あの日と同じにお茶目にニッと笑い「秀吉じゃ。」と言った。

秀吉＞「これから出かけるぞ。お前も来い。」
信繁＞「えっ？」
秀吉＞「面白い所へ連れてってやる。」
信繁＞「しかしこれから上杉様とお会いなされるのでは？」
秀吉は、また振り返り信繁を見つめて言う。「上杉は後じゃ。わしは利発な若者が大好きでな。お前も一目で気に入った。」
信繁＞「ありがとうございます。」
秀吉＞「これよりわしに仕えろ。」
信繁は頷きながら「殿下そろそろ横になられた方が。」と言うが、秀吉の心は、まだ、過去のあの日を浮遊していた。
秀吉＞「市松のやつは何をしておるのだ？佐吉に見つかってしまうではないか。」
信繁＞「福島様は今日はお見えになりませぬ。」
秀吉＞「何だと？」
信繁は、しょんぼりしている秀吉を床まで優しく導いた。
信繁＞「今日はもう床へお入り下さいませ。吉野太夫のところへはまた改めて参りましょう。」
秀吉＞「しかし約束してしまったんだ。」
信繁＞「太夫もまた今度と申しておりました。」
秀吉＞「そうなのか。」
信繁は、有能な介護士のごとく、こうして秀吉をベットに寝かしつけると
「どうか今夜はゆっくりお休み下さりませ。私が傍におりますので。」と言い聞かせた。
秀吉は目を瞑り、信繁は幼子を寝かしつけるように優しく布団に手を添えてトントンと押さえ、
声を潜めて「明日お城の中を案内して頂けると嬉しゅうございます。茶々様とカルタもやってみたいですし、
寧様は芋をゆでていらっしゃると伺いました。」と語り聞かせた。

そうするうちに秀吉は、やすらかな寝息を立てていた。

真田丸　ネタバレ・あらすじ　31話（31回）「終焉」①へ続く。

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