真田丸　ネタバレ・あらすじ　35話（35回）「犬伏」④

真田丸ネタバレあらすじ・キャスト・最終回　まとめ＞真田丸　ネタバレ・あらすじ　35話（35回）「犬伏」④

真田丸　ネタバレ・あらすじ　35話（35回）「犬伏」④

真田丸　ネタバレ・あらすじ　35話（35回）「犬伏」③の続き。

細川屋敷から火の手が上がっているのを見た、こうと稲。

そのせいで稲は、三成が人質を殺すつもりなのかと誤解して、
それならば、徳川家臣の父を持つ自分と子供もタダでは済むまいと考え、
すぐに脱出して沼田へ行こうと、こうに支度を命じる。

だが、細川屋敷の炎上は三成にとっても寝耳に水の話であった。
細川屋敷の炎上の知らせを島左近 (玉置孝匡）から受けて、三成もまた驚いていた。

左近＞「既に火は消し止めました。」
三成＞「なぜそんな事になった？！」
そこにまた下の者から報告が入り、左近が「細川屋敷から逃げ出す者たちを捕らえました。」
と三成に報告した。

それで、三成がその者達を見に行ってみると、見慣れた顔のきりであったので、
縄を解くように命じて、きりから、玉の消息と、その事情を聞くに至った。
細川忠興が妻の玉に、人質になるなら屋敷に火をかけ自害せよと命じたので、玉は亡くなったのだと聞かされた三成は、
事態の深刻さに衝撃を受け、思わず胃が痛みだす。
その場にいた吉継は「まずいな。人質を死なせた事が広まれば人心が離れ敵側につく大名も現れる。」
と危機感を口にした。

「すぐに戻る。」と三成が姿を消した後、吉継は、佐助に
「上杉討伐に向かっている安房守に密書を届けてくれ。」と頼んだ。
この時、佐助は、４日と半日で届けると答える。

三成達の挙兵は、やがて江戸城にいた徳川家康の耳にも届いた。
家康＞「石田治部と大谷刑部が挙兵を企てておるそうじゃ。」
正純＞「まさか！佐和山に引っ込んだ石田治部はもはや死に体（政治的な影響力などが失われて久しいさま）。
刑部は病人にございます。お気に留める事もございますまい。」
だが、それでも、家康は「気になる。上方の動き逐一調べて知らせよ。」と命じた。

夜、死に体と病人と嘲笑われていた三成と吉継が会話している。
吉継＞「わしは戦場で存分に働く事は叶わぬ。軍勢の采配はおぬしに任せる。」
三成＞「して、ご自身はどうされる？」
「わしはこれで徳川内府と戦う。」吉継の示したものは筆である。
吉継が三成の右手にあった壺を指して「そこに絵地図があろう。」と言って、三成がそこに丸めて差されていた
絵地図を広げてみる。
日本地図を各地の領地と領主ごとに区切って表されたものである。
吉継＞「去就をはっきりとさせていない諸国の大名たちをこちら側につかせる。そのための書状をこれから書く。」
三成＞「刑部殿の体が心配だ。祐筆はおらぬのですか？」
吉継＞「天下の行く末を決める大事な書状。人には任せられぬ。魂を込めて私が考え…魂を込めて…私が書く。」
しかし「うっ！」という短い叫びを上げて筆を落としてしまった吉継。
三成＞「刑部殿。」
見かねた三成は、吉継の口述を代筆する事に…。

吉継＞「徳川内府の政は亡き太閤殿下の御掟に背きその専横は目に余る。…ついに豊臣秀頼公は内府を討ち取るべしと、
老衆奉行衆にしかと命じられた。ついては天下の安寧を守るために貴殿のご同心ご加勢を願いたく候…。
見事、徳川内府を討ち果たした暁には、秀頼公の御名によって望み次第の知行を約するものなり…。」

代筆は三成がしたが最後の印は吉継が、ありったけの力を振り絞って押した。
こうして何通も何通も、書状を書き上げていく２人であった。

この作業は夜通し続き、朝を迎えた頃、部屋中に置いた書状を前に吉継は、息も絶え絶えに
「じ…治部…。この戦…。勝った…。」と言ってから倒れた。

７月19日。
徳川秀忠が３万の兵を従え江戸城を出立。
同じ日大坂では、宇喜多秀家と小早川秀秋が挙兵。

秀家＞「いざ出陣じゃー！」
一同＞「おおーっ！」

天下分け目の大戦の幕が切って落とされた。

７月21日。
徳川家康率いる３万の軍勢が江戸をたった。
同じ日、昌幸たちは下野国、犬伏に陣を張った。

真田の親子３人が軍議をしている。
昌幸＞「いつをもって上杉につくか？」
信繁＞「戦が始まり、我らに攻撃の命が下った刹那、上杉につくというのが最も有効かと存じます。」
信幸＞「それだ！…上杉には伝えておいた方がよいのではないか？」
信繁＞「すぐに密使を送りましょう。」

軍議を終え、兄弟が廊下を歩いていると風を切る音がして、佐助が来たのがわかった。
信繁が「佐助！」と呼ぶと佐助はすぐ傍へ来て、一通の書状を差し出した。

書状は、まず昌幸が目を通した。
昌幸＞「石田治部が挙兵した。」
信繁＞「石田様が！？」
昌幸＞「刑部殿も加わってるそうじゃ。今日は何日じゃ？」
信幸＞「２１日にございます。」
昌幸は「恐らく今頃、伏見城攻めが始まっておる。…早過ぎるわ！」と叫ぶと、書状をクシャクシャに丸めて放り投げた。
非常に怒っている。

昌幸が出て行くと、事情を呑み込めない信幸が「どういう事だ？」と信繁に聞いた。
信繁＞「父上は徳川と上杉の戦が始まったら即座に横合いから襲って、家康の首を取るおつもりでした。
その後に石田様が挙兵していれば、難なく江戸まで攻め込めたはず。」
信幸＞「どうなる？」
信繁＞「ここから徳川がどう出るかでしょう。このまま上杉と一戦交えるか、江戸に取って返すか。
はたまた西へ向かって石田勢とぶつかるか。」
信幸＞「いずれにしても大戦になるな。」
信繁＞「その時父上がどう出るか。」

その日の夜更けまで、昌幸は一人で考え込んでいた。
そして、真田の兄弟が家臣と共に控えている所へ来ると、兄弟を改めて呼び出した。

堀田作兵衛に「他の者は近づけるな。」と命じたので内密な話らしい。

一室にこもると昌幸は、息子達に切り出した。
「一日二日で終わる戦ではない。この先２年３年…。いや下手したら１０年続くだろう。
よく聞け息子達。これより我らは上田へ戻り城に籠もる。」
信繁＞「上杉に加勢するという話は？…。」
昌幸＞「一旦忘れる。」
信繁＞「では徳川に残るという事ですか？」
昌幸＞「徳川とは、これをもって縁を切る。とはいえ豊臣につく訳ではないぞ。真田はどちらにもつかん。
上田城に籠もり守りを固める。攻めてきた相手が敵じゃ。」

またしても仰天な事を言いだす昌幸に、信幸が驚きながら尋ねた。「その後はどうされるのです？」
昌幸＞「世は再び乱れる。日の本中の至る所で大名たちが、徳川方と豊臣方に分かれぶつかる。
１～２年も続けば、兵は疲れ士気は下がるだろう。それを見計らって、わしは一気に甲斐と信濃を手に入れる。
どうじゃ？」
つまりは漁夫の利を得ようというのであるが、信繁はこれに
「果たして父上のお考えどおりになりましょうか？」と疑問を呈した。

昌幸＞「何だと？」
信繁＞「今や合戦の成り立ちは大きく変わりました。敵味方が巨大な力にまとまり、それがひとところで一気にぶつかり合う。
そうなったらこの戦、案外早く決着がつくかもしれません。」
信幸＞「どれぐらいと見る？」
信繁＞「長くても幾月か。」
昌幸＞「それは困る。」
信繁＞「徳川と豊臣、勝った方が次なる覇者となります。どちらにもつかぬという事は、どちらも敵に回すという事。
いずれが勝っても真田の居場所はなくなります。」
昌幸＞「その時はその時じゃ。」
信繁＞「徳川であれ豊臣であれ戦に勝った後は、今よりはるかに大きな力を手に入れています。
太刀打ちなどできる筈がありません！」
昌幸＞「その時は上杉と伊達と手を組んで…。」

「夢物語はもう終わりにして下さい！父上！」珍しく信繁が父に向って声を張り上げた。
「源次郎…。」と思わず小声で名を呼び、驚いた様子の父に信繁はすぐに
「申し訳ございません。」と詫びたが、真田は今、緊急なる決断を迫られている。

信幸＞「どうすればよい？」
信繁＞「こうなったからには、徳川か豊臣か、どちらかに賭けて生き残るしかありません。」

外では、
３人の話の成り行きがどうなったのか気になって仕方のない三十郎が「様子を見て来い。」と佐助に命じる。
昌幸から、誰も近づけるなと命じられた作兵衛が止めたが、三十郎がひつこく佐助に命じるので、
綱家が「では私が。」と立ち上がった。
作兵衛が「おやめ下され！おやめ下され！」と止めるのを振り切って、綱家は行ってしまう。
だが綱家が観音開きの戸を開けたとたんに、信幸が怒って水筒を投げつけて、
これが綱家の口元に当たり前歯が折れた。
（史実では、昌幸が下駄を投げつけ、前歯が折れたと言われている。）

叱られた綱家が戸を閉めると、再び信繁が口を開いた。
「治部様が毛利様を立て、秀頼公を奉じた事は大きいと存じます。大坂城も既に抑えておられます。」
昌幸＞「豊臣に賭けるしかないか…。」
信繁＞「それしかないかと。」
昌幸＞「しかしわしが太閤の下で長、い間我慢してきたのを知っておるくせに。」
信繁＞「石田様は父上を買っておられます。うまく話を持っていけば、信濃甲斐の大名にもなれます。」
信幸＞「しかし豊臣が勝つとは限らんぞ。徳川内府は長い時をかけて多くの大名を取り込んできた。
太閤殿下恩顧の大名達でさえ徳川につく者は多い。侮ってはならぬ。」

信繁と信幸が深刻な面持ちで煮詰まっていると、
先ほどまで拗ねたように向こう側を向いていた昌幸が、また二人の方へと向き直ったかと思うと
両手に２つの紙縒りを握って「選べ。」と言って信幸に差し出す。

昌幸＞「黒が徳川朱が豊臣じゃ。ほれ…。」
信幸は両方の紙縒りを一度に取ると「何すんじゃ。」と言う父の顔を真っ直ぐに見て、
「こういう事はもうよしましょう。」と言った。

そして「私は決めました。…私は決めました父上。…私は決めた！」と次第に声を大きくして言った。
それから源三郎は決意を述べた。
「源次郎。お前と父上は豊臣につけ。俺は徳川に残る。」

真田が分裂するわけにはと思った信繁は「お待ち下さい…。」と引き止めるが信幸の決意は固く
「それが最善の道だ！いずれが勝っても真田は残る。」と言うのである。

「源三郎…。」と呟き昌幸も唖然としている。

「しかし敵味方に分かれるというのは…。」と信繁が抵抗を見せると、信幸は、こう宣言したのである。
「そうではない。源次郎。我らは決して敵味方に分かれるのではない。
豊臣が勝った時は、お前は、あらゆる手を使って俺を助けよ。そして、もし徳川が勝ったならば、
俺はどんな手を使っても、お前と父上を助けてみせる！
これは我ら親子３人が、いつの日かまた膝を突き合わせて語り合う日のための策じゃ！」

そして父の方を向き、信幸の言葉は続いた。
「たとえ、徳川と豊臣に分かれても、常に真田は一つでございます！」

昌幸は俯いたまま唸るように言った。「よき策じゃ。」

信幸と信繁の兄弟は、どちらが勝っても、戦が終わった先の世で、
二人のうちのどちらかが真田を背負ってゆくのだと約束を交わし、
いつかまた３人で飲める日が来る事を願った。

そして最後に、親子３人で盃を酌み交わした。
信幸は、この時、『史記』に出てくる劉邦の部下の将軍、韓信が、昌幸に似ていると語る。
「背水の陣」という言葉の語源になった韓信の策略が、奇抜で凄いところが昌幸に似ていると。
それを聞いた昌幸が「韓信は馬鹿だな。背水の陣の誠の狙いを全て見抜かれて書物に書かれてネタバレしていては、
はもう誰も背水の陣なんかできんわ～。」と言って、３人は大笑いして飲み明かした。

翌日の早朝、昌幸と信繁は上田へ向かい、信幸は犬伏に留まり、徳川を待ち、
家康に父と弟の離反を伝えた。

これより二月（ふたつき）の後、真田軍と徳川軍は、上田で再び激突する。

真田丸　ネタバレ・あらすじ　36話（36回）「勝負」①へ続く。

真田丸後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)/NHK出版

￥1,188
Amazon.co.jp

真田丸に関連したニュース　まとめ

【出演】堺雅人，大泉洋，木村佳乃，平岳大，中原丈雄，藤井隆，迫田孝也，高木渉，斉藤由貴，榎木孝明，温水洋一，林邦史朗，，草笛光子，高畑淳子，近藤正臣，内野聖陽，草刈正雄