真田丸ネタバレ・あらすじ 41話（41回）「入城」③

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真田丸ネタバレ・あらすじ 41話（41回）「入城」③

真田丸ネタバレ・あらすじ 41話（41回）「入城」②の続き。

その夜の事、寝屋で、稲は、信之の痺れた手を揉みながら、
戦での子供らの活躍を楽しみにしていると話した。
それから、気になっていた頼み事を切り出す稲。
「よい機会でございます。信吉を正式に嫡男にするというのは如何ですか？」

「わしも同じ事を考えていた。」という信之は、稲が我が子ではなく信吉を押すので驚いたが、
稲の気持ちを思うと言い出しにくくて、これまで口にせず来たのだ。
「先に生まれたのは信吉。嫡男となるべきは信吉にございます。」と稲は、信吉を立ててくれようとの考え。

武芸に秀でた信政が嫡男になれば信吉は、ますます居場所を失っていくであろう。
それでは信吉の行く末が心配であった。
信之は稲の目を見て「真田家を継ぐのは信吉。信政がそれを支える。逆はない。」と言った。
稲は頷くと「此度の大将、是非とも信吉に。」と言って微笑んだ。

信之と稲の二人から、
信吉を正式に真田家の嫡男にした上で、此度の戦の大将に据えるとの話を聞き、こうは戸惑い恐縮する。
「これまで尽くしてくれたあなたへの私からの礼です。」
信之＞「形としては稲の養子という事にするが異存はないな？」
稲＞「あなたから信吉を取り上げるつもりはありません。あくまでも形だけ。」
しかし、こうは喜びよりも、戸惑いの方が大きかった。
こう＞「信吉に跡取りが務まるでしょうか？」
信之＞「立場が人を育てる。その分、信吉には死に物狂いで精進してもらわねばならぬがな。」
こうは目に一杯、涙を溜めて「これ以上の喜びはございません…。」と二人に深く頭を下げた。
そのこうの手を取り稲は「おこう。これからも私たちを支えて下さいな。」と声を掛ける。
両手で稲の手を縋るように握ったまま、再び頭を垂れ、感激のあまり泣き続けるこう。

慶長19年（1614年）10月７日。
九度山の長兵衛の屋敷。

真田家の面々と村人との合同の酒宴が開かれていた。
浅野家から徳川の命により、遣わされた目付役の武本義太夫を、労うフリをして
酒宴へ誘い込む信繁と長兵衛。
武本に「くれぐれも、此処を抜け出すなどと愚かな事は考えぬように。」と言われ、
信繁は「それがし、ここを安住の地と考えております。」と述べ、長兵衛も笑いながら、
それに太鼓判を押す。

油断して、ついつい誘いに乗り宴に参加した武本義太夫。
中庭を警護していたその部下らも、酒席に呼ばれる。

宴もたけなわ。真田家の面々が総出で結び雁金の舞を披露した。
一張の弓の勢いは　雁金や　雁金や　結び雁金めでたけれ♪
（NHK：結び雁金の解説）
長兵衛ら村人達に酌をされて、
皆と同じく、武本義太夫はじめ目付役一同も、すっかり気を抜いて、盃を傾けて舞を堪能していた。

しかし、その裏では、真田家の者が一人抜け、二人抜けして脱出の準備に取り掛かっていたが、
みな、人数の減って行くのが、この踊りの趣向だと思って笑って見物していた。

最後の信繁が舞台から捌けて後、暫くして、ようやく謀られた事に気付いた義太夫であったが、
それを長兵衛が「村外れの森に寂れた寺がある。落ち合うとすればあそこです。」とミスリードする。

真田の面々はその頃、旅支度を整えて別の家屋の中に集合していた。
信繁が最後にそこへ到着し、いざ出発しようとした時、
豊臣と徳川の戦に、只ならぬ興味を示していた村人の九兵衛が「俺も連れていってくれ。」と姿を現した。
九兵衛の後ろには申し訳なさそうに女房の七も立っていた。
この男は宴が始まる前に信繁に「大阪へ行って、徳川をぶっ潰して欲しい。」と言っていた者である。

止める女房の言葉など、まるで聞かないこの男は「大阪へ行って徳川と戦って、手柄立ててゆくゆくは大名になる！」
と胸に野心を滾らせていた。
この九兵衛が「山を下りる近道を知っているというので信繁は、この辺りの地理に詳しい彼を連れて行く事にした。

一方、長兵衛に騙されて無人の寺へ連れて来られた義太夫と、その部下達。
「どういう事じゃ！」と怒ってみても、長兵衛は、ノラリクラリと言い訳をして交わす。

信繁が九度山を脱出したという知らせは、すぐに駿府の家康のもとに届いた。
正純は真田昌幸ではなく、その息子など恐れるに足りないと軽く見ていたが、これこそが家康が最も恐れていた事態であった。
「侮るな。真田安房守の息子だぞ。左衛門佐がどれだけ力を持っておるかはどうでもよい。
大事なのは、やつの父親が真田安房守だという事。安房守の勇猛ぶりは、いまだに語り継がれておる。
その息子が大坂方に加わる事でどれだけ敵の士気が上がるか。戦とはそういった事に左右されるものなのじゃ。」

信繁の大阪城入りを恐れた家康は、正純の勧めで伊賀より、服部半蔵に阻止を申し付けた。
だが…。
明日に大坂城入りを控えて、信繁一行が泊まった宿。
そこに、宿の者として忍び込んだ半蔵を佐助がいち早く見抜き、中庭で死闘を展開している所へ、
信繁と内記も加わって、逆に追い詰めると、尻尾を巻いて逃げて行った。

幸村が大阪城へ入ったのは、10月９日だった。
その入城は奇想天外な方法で成し遂げられた。
きりに手伝ってもらい白髪で歯の抜けたヨボヨボのじじいに変装した幸村にきりは
「どこから見ても得体の知れないじじいだわ。」と感想を述べた。
堂々と正面突破で大阪城に入ると思っていたきりは、こんな変装で入城するという幸村の気持ちが理解出来ずにいた。
だが、これも幸村の敵を油断させる作戦の一部であったと聞き、なんとなく得心する。
つまり徳川方にわざと、
長年に渡る九度山の過酷な暮らしで真田左衛門佐が老いぼれてしまって、今はかつての見る影もないという噂を流すのが目的だと言う。

実際、幸村がその格好で入城すると、その老いぼれぶりをチラ見した後藤又兵衛や毛利勝永らは、
その変貌ぶりに驚いていた。
しかしながら、豊臣の案内の家臣に厠に寄ると言って、着替えた姿はいつもの真田幸村である。

幸村は受付の木村重成の所へ真っ直ぐに行くと「真田左衛門佐、九度山より参上つかまつった。」と伝えた。
重成＞「あなたが真田殿…。」
この時、幸村は名を
真田左衛門佐信繁から左衛門佐幸村と変更した事を、伝え、筆を借り、
そこに記された信繁の名を自ら幸村と訂正した。

幸村が受付の部屋を出るとすぐに明石全登が喜んで出迎えて、待ちかねていた秀頼の居室へと通される事となる。
だが、その前に全登は浪人達の控室に幸村を案内すると、一同に幸村を紹介する。
全登＞「真田左衛門佐幸村殿でござる！」
それを聞くと、浪人達の間からどよめきが沸き起こった。
全登は、幸村に、その場にいた後藤又兵衛殿と毛利勝永を紹介してから、秀頼の居室へと向かった。

秀頼の居室で幸村が懐かしい金のひょうたんを眺めながら待っていると、
先に秀頼の側近である大野修理が現れた。

大野は秀頼が頼りにしている幸村に敬意を持って挨拶をした。
幸村もまた丁寧に挨拶を返し、兵の数の確認などをしているところへ秀頼が現れた。

幼き頃に別れたきりではあったが、秀頼は幸村をよく覚えていると言ってくれた。
秀頼＞「また会えて嬉しいぞ。上田城に籠もり、２度にわたって徳川勢を退けたというのはまことか？」
大野が「殿、それは左衛門佐の父、真田安房守…。」と言い掛けたのを幸村は遮り「私でございます。」
と言い切った。

幸村＞「世間では、父、安房守が采配を振るった事になっておりますが、実を申せば徳川を討ち破ったのは私。
父は黙って見守るのみでございました。」
「此度も是非、徳川相手に縦横無尽に戦ってくれ。」と期待を寄せる秀頼に幸村は早速、集まった１０万の兵の
兵糧の確保について確認をする。

大野は、秀吉が蓄えていた金銀を使って、大坂に入る限りの米を買い集めていると胸を張ったが、
幸村は「足りませぬな。すぐに堺を抑えましょう。」と提案をした。
堺の港を諸国からの兵糧の仕入れ口とすると言い、
それ以外にも、大坂にある徳川方の大名屋敷からも兵糧米を取り上げるなど、矢継ぎ早に段取りを付けていった。
幸村＞「それだけでも１０万石を超える米が手に入る算段。」
秀頼は「修理、真田が来てくれてよかったのう。」と感嘆混じりに言った。

この後、大蔵局とも再会した幸村は、
大蔵局に「石田治部も大谷刑部も加藤肥後も皆、死んでしまいました。頼りになるのはあなただけ。
豊臣の世をもう一度取り戻すのです。」と欲をかいたお願いをされた。

「かしこまりました。」と述べ低頭した後、幸村は、昔、植えたあの桃の木が、大きく育った姿を目に止めた。
「大きくなりましたね～。」幸村が桃の木を眺めていると茶々が姿を現した。
気付かずに向こうの廊下を行過ぎようとしている茶々に大蔵局が「お上様、左衛門佐が戻ってまいりました。」と、
声を掛けた。
その声に、茶々は踵を直角に返して幸村を見た。
そうして何歩か近づくと、にっこりと微笑んで「また会えましたね源次郎。」と呼び、
二人はまるで恋人同士のように、想いの籠った再会の視線を交わすのであった。

真田丸ネタバレ・あらすじ 42話（42回）「味方」へ続く。

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