濱マイクシリーズ「遥かな時代の階段を」「罠」30周年記念上映4Kデジタルリマスター版良かったです | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「遥かな時代の階段を」

を観てきました。

 

ストーリーは、

本業である探偵稼業は冴えない仕事ばかりの日々が続く濱マイク。そんなマイクと妹の茜の兄妹を捨てたストリッパーの母親・リリーが突然、黄金町に戻ってきた。一方、アジア系外国人が中心となっている裏組織「黒狗会」の内部では、黄金町の「川」の利権をめぐるいさかいが巻き起こっていた。しかし、川の利権の裏には黒狗会組長の神野すら手出しすることができない「白い男」という謎の男の存在があった。

というお話です。

 

 

「罠」

を観てきました。

 

ストーリーは、

横浜黄金町で女性ばかりを狙った猟奇殺人事件が連続して発生した。遊園地の観覧車の中、動物園のベンチ、遊覧船の中と、さまざまな場所で殺害された被害者に共通するのは、死化粧を施され、まるで着せ替え人形のように花柄のワンピースを着せられていたことだった。まったく手かがりがない、この連続殺人事件の真相を追う濱マイクは、事件に隠された異常な迷宮に次第に誘い込まれていく。

というお話です。

 

 

どちらの作品も、ホントに久しぶりに観ました。TVシリーズはDVDを持っているのですが、映画3作は、Blu-rayが出たら買おうと思っていて、ずっと待っていたんです。そしたら、今回、4Kリマスター版の上映があると聞き、嬉しくなって観に行きました。きっと、その内に4Kリマスター版のBlu-rayが発売されるのではないかと期待しています。
 

やっぱり、私は、濱マイクシリーズ、本当に好きです。古い探偵モノの雰囲気を持っていて、マイクがカッコいいんですよね。映像も、暗くて煙っていて、こういう雰囲気は、最近の映画に無いでしょ。映像が綺麗すぎるのも問題なんですよね。ちょっと、観にくいくらいが、謎が深まって、アウトローの匂いを醸し出すんです。

 

松田優作さんの「探偵物語」の後、これはと思ったのが、この「濱マイクシリーズ」でした。それに、撮影場所が横浜の黄金町。今のジャック&ベティがある所です。今から30年前には、風俗やら、恐そうなお店が沢山あり、私は親から、”行ってはいけない場所”と言われていました。今は、随分と健全になりましたが、その昔は、ヤ〇ザさんの事務所や、日本人以外の人が多かったり、そうそうオウム真理教の事務所などもあったと思います。なので、濱マイクの映画は、東京まで観に行ったと思います。”日劇”の辺りは怖いけど、ちょっと移動した伊勢佐木町という商店街は、賑やかで”不二家”や”瀬里奈”もあって、そちらには、よく行っていました。

 

 

そして”日劇”が無くなり、マンションが増えて、私も既に成人してからは、遊びに行っていました。友達に車で周って貰うと、ロシア系のオネエサンが立っている道、韓国系のオネエサンが立っている道、と決まっていて、本当に綺麗な女性が客引きで立っていました。そして、川べりの建物には、ちょっと高齢のオネエサンが2階にお客を連れて行く場所があり、怪しげで恐い場所もありました。そして、現在は、随分と綺麗になってしまい、ロシア人通りとか、韓国人通りって、今もあるのかしら。川べりの遊郭もどきは、既に無くなっているようです。

 

濱マイクの映画の中には、そんな古い横浜の風景が写っていて、本当に素敵でした。危なかったけど、面白い時代でした。今なら、直ぐにSNSなどに上げられちゃうんだろうけど、川を死体が流れていたり、ゴミ置き場に人が倒れていたり、しょっちゅうあった場所です。でも、人間が元気だったような気がします。今みたいに、税金にキューキューさせられる事も無く、お金が無くても、何かしらで食べていけたのだと思います。

 

 

映画の内容についてですが、「遥かな時代の階段を」では、マイクの母親が現れ、父親の存在を知っていくというお話でした。お母さんは美人だし、お父さんは、超カッコイイ方で、唸ってしまいました。こんな二人の遺伝子なら、永瀬さんが生まれるかもなぁなんて思っちゃいました。横浜の川を巡る抗争のお話で、それこそ古い時代の横浜が描かれていました。面白いお話でした。

 

「罠」ですが、3部作の最後の作品で、マイクが罠にハマり、連続女性殺人犯にされてしまうというお話です。今回はネタバレしてしまいますが、最後が、どう理解したら良いのか、悩んでしまいました。山口さん演じる水月が、自閉症の弟・ミッキーのために女性を殺していたというお話なんです。

 

そして、マイクが事件の解明をすると、ミッキーが水月を操って、女性を殺していたのではないかという事が解るんです。でもね、最後にミッキーとマイクが対峙して、闘うのですが、そこで、フッとミッキーが消えて、マイクは、幻のミッキーを相手に闘いを続けているんです。

 

 

このミッキーとマイク、永瀬さんが一人二役をしていて、もしかしたら、ミッキーが百合子を欲しがったのと同じように、マイクも百合子を自分だけのモノにしたくて、その欲望のみで闘っていたから、自分で自分を殴っていたのかもしれません。相手の気持ちを考えず、欲望のみで突っ走った自分を見て、我に帰り、彼女と旅に出て、自分を取り戻したら帰るつもりなのかなと、私は解釈したのですが、どうなのかしら。

 

色々な取り方はあるんだろうけど、私には、とても良いラストに思えて、感動してしまいました。昔観た時よりも、感動したような気がします。それだけ、私も成長したのかな。この時代、女に対して守ってやるという気持ちでマイクも動いていたような気がしますが、女が守っているんだよと突き返されたような最後で、良かったなぁ。

 

30周年記念で、永瀬さん、また、探偵濱マイク、やってくれないかなぁ。イケオジになったマイクが、若い探偵を教育しながらも、レイモンド・チャンドラーの「長いお別れ」のように事件を解決してくれたら、素敵だろうなぁと想像してしまいます。永瀬さん、今も素晴らしい俳優ですもん。観てみたいです。

 

 

私は、この2作品の映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。1作目が観れなかったのが、本当に残念ですが、ちょうど、コロナ感染していた時に公開していて、行けなかったんですぅ~!でも、2作は観れて良かった。4Kデジタルリマスター版、Blu-rayで早く出してくれないかなぁ。自宅でゆっくりと観たいです。皆さんも、機会があったら、ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「遥かな時代の階段を」