【イタリア映画祭2025】「ヴェルミリオ」戦争のせいで起きる悲劇を描いた傑作です。眠くなるけど。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【イタリア映画祭2025】

 

「ヴェルミリオ」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

第2次世界大戦末期の1944年、アルプスの高地にある山間の村ヴェルミリオ山間では、村人たちが厳しい冬を過ごしていた。ある日、負傷した村の若者を背負い、シチリア出身の青年ピエトロが脱走兵として村に現れる。

 

村の教師チェーザレを家長とする若者の親戚一家に匿われた彼に、一家の長女ルチアが恋をし、妊娠する。大家族に見守られ二人は結婚式を挙げるが、終戦をきっかけにピエトロはシチリアに一時帰国することにする。

 


 

ピエトロからの知らせが届かないことを案じる一家は、新聞記事を通じて、彼が既婚者であり、重婚の事実を知った妻に殺されたことを知る。ルチアは女児アントニアを出産するが、失意の日々を過ごす。両親と弟妹たちに支えられルチアは徐々に回復し、幼い娘を妹アダが修道女として働く施設に託して一人シチリアに旅立つ。

 

服役中のピエトロの妻に会い、墓を訪れてヴェルミリオに戻ったルチアは、村を出て街で働き、娘を迎えに戻ることを誓う。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画はとても静かな映画で、途中で少し眠くなってしまいました。睡魔をお茶で振り払い、何とか最後まで鑑賞!ふぅ~、映画祭は結構体力勝負なので、眠気を振り払う技も必要なんです。通常の映画鑑賞なら、寝ちゃったとしてももう一度観に行けばよいけど、映画祭はもう二度と観られないかもしれないので、眠っちゃったら終わりなんです。うんうん。

 

戦争では色々なことが起きるので、日本でも夫が亡くなったと思って再婚したら、夫が戦争から遅れて帰ってきて困ったことになったなんていうお話を聞いたことがありますが、この映画では、脱走兵が逃げた先で好きな人が出来てしまい、妻が待っているのに、逃げた先で結婚してしまったというお話なんです。

 

 

これ、どう考えても男が悪いよね。好きな人が出来て妊娠してしまったのは仕方がないかもしれない。でも結婚をする前に奥さんに連絡をして、どうしても離婚して欲しいと頼むべきなんです。でもキリスト教だと離婚を許してない会派もあるので難しいですよね。重婚を平気でしてしまったら、殺されても仕方がないかもしれません。宗教的に許されないことですから。

 

日本では離婚すればいいんじゃないかという考えになると思うけど、キリスト教圏は違うんですよねぇ。まぁ、現代では随分とゆるくなったと思うけど、1940年代でしょ。妻の立場からしたら、自分を裏切り、神様を裏切った夫を許せなかったんでしょうね。でも殺しちゃうのはどうなんだろう。もう少し良い解決法が無かったんだろうか。

 

 

ルチアの立場からしたら、はぁ???って感じですよね。好きになった人が答えてくれて、結婚してくれたし、子供も出来た。しあわせの絶頂だったと思います。田舎町だけど夫婦で仲良く暮らしていけると思っていたのに、突然、新聞で夫が亡くなったとしり、その上、重婚だったと知るなんて、もう地獄でしょ。でも、新聞だけじゃ信じられなくて、自分の目で見たくなりますよね。

 

情報の少ない田舎町で世界を何も知らなかったルチアが、ある男性と知り合ったことで、沢山のことを知ることになる。戦争が無ければと思うけど、でも戦争があったから彼女は世界を知ることになり、人の気持ちも理解するようになって、人間的に成長していくというお話で考えさせられました。

 

 

起きてしまった戦争を恨んでも仕方がない。それを乗り越えて、人間として成長していくことが、未来をよくすることだし、二度と戦争を起こさないことにも繋がるんじゃないか、と思いました。小さな村しか知らなければ、世界で何が起こっているのか解らないし、どこかで戦争が起きて、ただ巻き込まれるだけになってしまう。それなら世界を知って、戦争を止めるように勉強するべきじゃないかと思いました。

 

一人の女性を描きながら戦争が起こす不幸を描いていて、戦争はダメだよねって考えさせられました。暗かったなぁ。悲しかったけど、でも未来が見える映画でした。大体、家長制度が強くて、女性は酷く虐げられているような感じの村なので、そんな場所でその村しか知らなかったら、ずっと女性は男性の奴隷のような状態で続いていってしまいます。世界を知って良かったよ。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。でも、日本上映は難しいかなぁ。配信で観れるようになるとイイなぁ。ちょっと暗めの内容なので、あまり人気になるとは思えないんだけど、でも感動的な良い作品だったんです。ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を貰い、アカデミー賞のイタリア代表に選ばれた作品なので、映画のプロ達には素晴らしいと評価された作品です。もし、観れる機会があったら観てみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

【イタリア映画祭2025】