【ドラマ】連続ドラマW「坂の途中の家」普通の母親、普通の子供って何?みんな違うんですよ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

今日は、WOWOWで「坂の途中の家」を一挙放送していたので、イッキミをしてみました。実は昨日、新宿サザンシアターに演劇「人間合格」を観に行ったのですが、東京のコロナ感染数があまりにも増えているので、新宿に行ったからには、ちょっと外出を控えようと思い、映画を諦めて、家にいたんです。このドラマ、何となく観たのですが凄く面白くて、感想が書きたくなりました。

 

 

ストーリーは、

1話
山咲里沙子は、3歳の娘と夫・陽一郎と3人で平穏な日々を送っていた。そんな時、裁判所から刑事事件の裁判員候補者に選ばれたという通知が届く。対象となる事件は、里沙子と同じ年頃の専業主婦の母親・安藤水穂が、生後8カ月の娘を浴槽に落として虐待死させたという事件だった。里沙子は、裁判員が欠席せざるを得ないとき、代わりに裁判員を務める補充裁判員に選ばれる。

2話
陽一郎に児童虐待だと言われ、理解してもらえなかったことに深く傷ついた里沙子だが、気持ちを落ち着かせて裁判に参加する。その日は水穂の夫・寿士と姑・邦枝が証言台に立つが、弁護側と検察側の主張は相変わらず正反対で、里沙子は混乱してしまう。そんな中、義母・里子に預けていた娘の文香が言うことを聞かず、里沙子は義父母の前で怒りをあらわにしてしまう。

3話
陽一郎が文香とともに実家に泊まりに行ったことで休息の時間を過ごした里沙子。しかし実は陽一郎が泊まりで同窓会に参加していた事実を知る。陽一郎からは事前に伝えたはずだと主張され、さらにキャパオーバーなのだと指摘され落ち込んでしまう。評議室でも他の裁判員よりも理解が遅く、また自分だけ異なる発言をしたことで自信を無くし始める。そんな中、実母が突然訪れ、里沙子はさらに困惑していくことに。

4話
前の晩、陽一郎のメール履歴を盗み見てしまった里沙子はその内容が頭から離れず、朝から言うことを聞かない文香に冷たく当たり陽一郎に注意される。その日、くしくも法廷では被告人の夫と昔の交際相手とのメールのやりとりが公開され、里沙子は居たたまれぬ気持ちになる。一方、裁判員のひとり、芳賀六実は公園で出会った少女・亜子のために連日菓子を作り、裁判後公園に立ち寄っていた。

5話
同僚の見舞いと偽り、精神科を受診させようとした陽一郎に怒りとショックを受ける里沙子だったが、義父母の里子と和彦は陽一郎を擁護して里沙子をたしなめる。ぼうぜん自失のままひとりで帰宅した里沙子の前に、以前一度訪ねてきた児童福祉司の新庄が再び現われる。一方、裁判の被告人・水穂は公判での態度を問題視され、担当弁護士からこのままでは適正な裁きが受けられないと説諭されるが。

6話
水穂と同じように育児に悩んでいたばかりか、わが子を傷つけてしまった過去の記憶がよみがえった里沙子。自らを母親失格と思い絶望するが、そんな状況の中でも法廷に通い裁判員を務め続けていた。一方、同じ裁判員の六実はいつもの公園で亜子と居るところに亜子の母親が現われ口論となる。いよいよ裁判は最終弁論から判決へ。真実は明らかにされるのか、それぞれの“家族”はそれぞれの幸せを見いだすことができるのか。

というお話なのです。公式HPのあらすじ、ちょっと解り難いですかね。

 

 

里沙子という2歳の娘を持つ主人公が、児童虐待死事件の裁判員に選ばれたことから、自分を見つめ直すというお話で、角田光代先生の小説が原作です。このドラマ、面白いなぁと思ったのは、虐待して殺してしまった母親と、殺しそうになったけど殺さなくてすんだ母親とを対比させて、どこが間違ったのか、本当は何が彼女をそうさせたのかという事を、克明に描いていたからなんです。

 

里沙子は一般的に見える母親なのですが、普通の母親って何なんでしょ。みんなそれぞれに違うし、子供だって違う。生まれた時に問題がある子もいれば、生まれて何年かしてから問題が出てくる子もいるし、教育によって問題児になる事もある。そもそも、子供に問題があるって何なの?標準的な子供って何?泣かない子供?言う事を聞く子供?そんな事を考えさせられる内容で、唸ってしまいました。

 

私もですが、普通ってよく使ってしまうけど、その”普通”って自分の基準なんですよね。他人の考えとは違うんです。だって、良く考えてみて欲しいのですが、デカルトの言葉で「我思う故に我あり」ってあるでしょ。自分が目を開いている時のみ、世界が存在しているんです。他人が何を言おうと、全ては自分の意識する中での出来事なのだから、万人の普通などあり得なくて、自分の普通なんです。

 

他人が言う事を真に受けて、それを信じて、自分を信じないなんてことはあってはいけません。もちろん周りの人に、色々な事を相談するって大切ですよね。でも自分を信じて、他人が何と言おうとそれに振り回される必要は無いので、良い事は取り入れて、納得がいかなければ聞き流しちゃえばいいんです。

 

特に初めての子供を育てる母親は、何もかもが手探りで、夫が親身になって助けてくれればよいけど、まず、そんな奴いないでしょ。夫は良いとこ取りして嫌な事は妻に押し付け、義母は訳の分からない古い考えを押し付けてきたり、実母でさえも味方になってくれなかったりと、誰もが自分の敵のように見えて相談が出来なくなっちゃうこともある。そんな時は一呼吸置いて、なんだったら子供を預けて、気晴らしをしてくればいいんです。子供を預けて少し離れる事は、母親にとっても子供にとっても大切な事だと思いますよ。

 

そうそう、このドラマ、子供を持った母親とその母親との関係も描いていて、それも良かったです。里沙子の母親は自分の価値観を娘に押し付けるタイプの女性で、自分が良いと思うこと以外は全てけなしてくるんです。こういう奴いるよねぇ。お前、何様なんだよって言いたくなるけど、大人げないから言わないけどね。映画の感想でも、自分と違う感想の奴に文句を言ってくる人が居るんですよ。人それぞれなのにねぇ。

 

 

ごめんなさい。なんかこのドラマ、凄く面白かったので、感想が尽きません。里沙子役の柴咲コウさん、やっぱり上手いです。裁判の被告人役を水野美紀さんが演じていて、この対比も良かったです。このドラマ、WOWOWのオリジナルですが、時々、他のチャンネルでも放送しているようなので、ぜひ機会があったら観てみてください。レンタルでもあるようです。ぜひ、観てみてください。

ぜひ、楽しんでくださいね。カメ

 

 

「坂の途中の家」

https://www.wowow.co.jp/dramaw/sakaie/