【イタリア映画祭2025】「狂おしいマインド」イタリア版脳内ポイズンベリーでした。これは面白い! | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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【イタリア映画祭2025】

 

「狂おしいマインド」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

離婚歴のあるピエロと、不倫相手の妻帯者を縁を切ったばかりのララ。知り合って間もない二人は、ララの自宅で夕食をともにすることに。

 

ピエロの脳内には、彼がどう発言し行動すべきか指示をだす4人の男性がいる。論理的なプロフェッソーレ、心優しいロメオ、偏執的ヴァリウム、好色なエロス。いわばピエロのなかの4つの異なる性格を擬人化した存在だ。彼らは話し合い、ふざけ合い、ときには強引にピエロに指示を出す。

 

同じく、ララの脳内には4人の女性がいる。直感的なトリッリ、ロマンティストのジュリエッタ、頑固なアフラ、何をしでかすか分からないスケッジャ。

 

ピエロとララはこれら内なる声に従いながら会話を交わし、距離を縮めようとするが、脳内で意見が分かれるので上手くことを運べない。おまけに家のインターホンが不意に鳴り出し、いい雰囲気になるのを拒んでくる。果たして二人は一夜をともにすることが出来るのか。後は、映画を観てくださいね。



 

この映画は面白かった。あの「おとなの事情」のパオロ・ジェノヴェーゼ監督作品で、今回もよく出来た作品でした。これはまた色々な国でリメイクされるんじゃないかな。日本でもリメイクしたら面白いと思うし、舞台化したらおもしろい作品だと思うのよ。

 

内容は、一組の男女が恋愛関係になれるかどうかの一夜を描いているんだけど、二人の脳内が色々と言ってくるのよ。これ、日本でもありましたよね。漫画「脳内ポイズンベリー」という作品で、その後、映画化もされて舞台化もされていました。映画化された時は、真木よう子さんが主役で、彼女の脳内人物を西島さん、神木さん、吉田さん、浅野さんなどが演じていて、豪華俳優陣が出演していたんです。

 

この映画は脳内ポイズンベリーと同じように、脳内の人々がそれぞれに言いたいことを言って、主(本人)がどう行動すればよいのかアワアワしてしまうという内容なんです。この映画の上手くて面白いところは、一夜の恋愛にしたという部分かな。

 

 

脳内ポイズンベリーだと、いちこさんの行動をずっと追っていくので何となく要点に欠けるのですが、この映画は違います。どうやって彼女、彼と上手く恋愛が行くようにするかということを、男女どちらの視点からも描いているんです。それぞれの頭の中であーでもないこーでもないと騒いでいるのを描いていて、その度に主がウロウロと動き回るという、何とも上手く出来ていて、それがとてもテンポよく進んでいくんです。

 

脳内にはそれぞれに4人の人間がいて、ピエロの中には男4人、ララの中には女4人、それぞれに個性豊かな人格がいるんです。その4人が言いたいことを言うのでもうめちゃくちゃ。確かに、色々な出来事に遭遇すると、こうすべきかああすべきかと色々と考えますよね。すぐにやってしまおう、いやもう少し待とう、やっぱり辞めてしまおうなどなど、頭の中をぐるぐると考えが回るでしょ。それを描いているんです。

 

その4人がとてもイタリア人っぽいのよ。日本人だとポチティブとネガティブと真面目と不真面目との4人になりそうだけど、イタリア人の脳内は4人とも明るいのよねぇ。あまりネガティブと思えるような人格が無くて、これは面白いなと思いました。あ、もちろんエロ担当や逃げ担当もいたかな。でも自分なんてという引きこもりタイプは無かったなぁ。

 

 

ここで面白いのが、若い20代とかではなくバツ一男と不倫解消女を持ってきたこと。若い子だと経験がないから脳内も薄っぺらいでしょ。でもある程度経験を積んでいて、色々な事を学んできているからこそ、脳内の人物たちも大騒ぎするわけよ。ピエロはおっさんと言われているし、ララは中年に差し掛かりかな。30代後半かなと思います。

 

いやぁ、まさか脳内ポイズンベリー的な内容をまた観れるなんて、嬉しい限りです。あの映画、好きだったんですよねぇ。でも、ちょっとダラダラしている部分があって、それが気になったんだけど、この映画ではビシッと1本の映画に脳内をまとめてきて、それも一夜の恋愛にしてきたというのが絶妙でした。素晴らしいです。10年前に気になっていた部分を、この映画でやっと昇華してくださいました。さすがパオロ・ジェノヴェーゼ監督ですっ!!でも、脳内ポイズンベリーだって、佐藤祐一監督なんですけどね。

 

 

パオロ・ジェノヴェーゼ監督は、20年ほど前からこの内容を考えていたそうです。ずっと温めていたお話を今回は映画化したそうです。映画化にあたり、人間パートと脳内パートを別々に撮影することになったそうですが、人間パートを観ながら脳内パートの人物たちがテンポよくツッコミを入れていくという部分がキモなので、そこが難しかったそうです。

 

そうですよね、その部分のテンポが良くないと楽しくないんですよ。そして脳内の動きと男女の対比を描くには一夜にすることが最適だと思って、このストーリーにしたそうです。ホント、この一夜は絶妙だったと思います。これだよ!求めていたのは!と思いましたもん。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは日本公開してくれるんじゃないかなぁ。こんなに面白いのに皆さんが観れないなんて勿体ないなと思いました。日本では「脳内ポイズンベリー」が人気だったので、イタリア版脳内ポイズンベリーとして公開して欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

【イタリア映画祭2025】