「透明人間」を観てきました。
ストーリーは、
富豪の天才科学者エイドリアンに束縛される生活を送るセシリアは、ある夜、計画的に脱出を図る。悲しみに暮れるエイドリアンは手首を切って自殺し、莫大な財産の一部を彼女に残す。しかし、セシリアは彼の死を疑っていた。やがて彼女の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、命まで脅かされるように。見えない何かに襲われていることを証明しようとするセシリアだったが・・・。
というお話です。
富豪の天才光学博士エイドリアンと暮らしていたセシリアだが、エイドリアンは束縛が激しく、自分の思い通りの行動をセシリアがしないと、暴力を奮ったり、精神的に追い詰めたりするような男性だった。典型的なソシオパスだったのだ。
ある晩、セシリアはエイドリアンの元から逃げようと思い、彼に精神安定剤を飲まして眠らせ、ベッドを抜け出し、監視カメラの位置を変え、警報器を切ってから家を抜け出し、前もって連絡を取っていた妹エミリーの車に乗り込みます。逃げられると思った瞬間、車のガラスを割りエイドリアンが襲ってきますが、間一髪で逃げる事が出来ます。
セシリアはエミリーの恋人ジェームズの家に匿って貰います。見つかったら何をされるか分からないので、いつもビクビク過ごしていました。数日後、ジェームズの家にエミリーが訪ねてきます。そして「エイドリアンが死んだ」と伝えます。自殺をしたらしく、ニュースになっていました。
まさか彼がと思いながらも少し安心したセシリアだったが、それから間もなくして、エイドリアンの弟のトムから連絡が入る。彼は弁護士であり、エイドリアンは遺産の500万ドルをセシリアに遺したと言う。犯罪を犯したり、精神疾患が無ければ問題無くお金が毎月振り込まれるらしい。今回の事で世話になったジェームズと彼の娘に恩返しをし、これからの事を考えようと思った矢先、おかしなことが起こり始める。
寝ている間、布団が剥がれ、引っ張ると布団を足で踏んでいるような跡が見える。驚くのだが、その後は何も無くもやもやとしながらセシリアは仕事の面接に行く。すると面接に持って行った作品が鞄から消えており、めまいがしたと思ったら倒れてしまう。
病院で目が覚めると、精神安定剤の飲み過ぎだと言われるが飲んだ覚えはない。やはりエイドリアンは死んでおらず、何かを使って自分を追い詰めていると考え、彼の弟トムに連絡をし、止めるように言ってくれと言うが、トムはエイドリアンは本当に亡くなったし、遺体も確認したと言う。何かがおかしいと感じるセシリアはエイドリアンの家に行き、彼の研究を調べ始めると、そこには不思議なスーツが置いてあり・・・。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったです。主人公を追い詰める透明人間が凄く陰湿な感じで、こういう男に好かれたら大変だなぁ~と感じさせるように作ってあって、とても楽しめました。今までも、透明人間の映画って何作かあったのですが、今回は、今までとはちょっと違う感じで、楽しめました。
私が一番印象に残っているのは、ケビン・ベーコンが主演の”インビシブル”で、あの時代にしては、CGもよく出来ていたし、どこから襲ってくるのか分からない透明人間に恐怖を抱いたものですが、今回も同じようにどこから来るのか判らないというのも恐怖なのですが、相手がソシオパスなので、何を考えているのか分からないというところが恐怖でした。
ソシオパスって反社会性パーソナリテイ障害というのですが、その人物は、頭が良く、自分が魅力的に見えるように、相手を誘導して行くのが上手いんです。そして嘘をつくのが天才的に上手い。何故嘘をつくのかというと自分を守る為などではなく、相手を試したりギャンブル的につくんです。恐怖を全く感じず、楽しいかどうかだけの判断で動いて行くことが多いんです。なので、情があれば説得出来たりするのですが、それが無いので、どうしようもないんです。
セシリアはエイドリアンに支配されていて、子供が欲しいと言われていたのですが、子供が出来たら本当に逃げられないと思って、こっそり避妊薬を飲んでいたんです。そこまで嫌なら直ぐに別れて、逃げれば良かったじゃんって思うと思いますが、それが出来ないように、暴力や精神的な支配をしていて、怖くて逃げられなかったんです。でも、やっと勇気を出して逃げる事が出来た。そしたら、透明人間になって追ってきたんです。恐いよねぇ。直ぐに襲って来るならまだしも、近くにいて、ずっと見ていたり、すぐ後ろに立っていたりするんです。不気味ですよね。
で、頃合いを見て、セシリアの周りの人間に攻撃を与え始めます。彼女を追い詰める為に、お前のせいで周りの人間が倒れていくんだっていう感じで。セシリアは必死で訴えるのですが、透明だから誰も信じなくて、全てセシリアがやったんだろうと思われてしまうんです。こんなにも誰にも信じて貰えなかったら、人間不信になって、エイドリアンの元に戻りたくなっちゃうかもしれませんよね。それが彼の狙いなんです。
とにかく、ストーリーの展開が上手くて、息を尽かせないというのはこういう映画だと思いました。主人公のセシリアは、一見、それほどの美人ではなく、小太りだし、スタイルが良い訳でもないのに、何でそんなに執着するのかなと、最初は疑問に思うのですが、その抗い方を見ていると嗜虐心をくすぐるのかもなぁと思いました。こんなに脅えられたり、騒がれたりすると、虐めたくなるかも。私はこういう人を見ると意地悪したくなるタイプです。(笑)もちろん、かわいい弄り方ですけどね。
そうそう、今回の透明人間は、以前のように人間の身体が透明になる薬を開発した訳ではありません。攻殻機動隊にあるように、光学迷彩のようなスーツを開発したという事です。だから光学博士なんですよ。今回は光学迷彩ということで、これがまたネックになって、面白い展開になります。それも見逃さないでね。
この映画、面白いです。私は、超!お薦めしたいと思います。ホラー映画でゾッとしたいと思う方は、ぜひ、この映画でヒンヤリして欲しいです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
P.S : 今回の邦題、ストレートに”透明人間”で良いと思いました。周り周って、新しい感じに聞こえて、恐怖を感じました。