「山逢いのホテルで」
を観てきました。
ストーリーは、
スイスアルプスをのぞむ小さな町で仕立て屋として働く女性クローディーヌは、障がいのある息子をひとりで育てている。毎週火曜日になると彼女は白いワンピースを着て山の上のリゾートホテルを訪れ、一人旅の男性客を選んではその場限りの関係を楽しんでいた。もう真剣に恋をすることなどないと思っていたクローディーヌだが、ある男性との出会いによって彼女の人生は大きく揺さぶられる。
というお話です。
1997 年の夏、仕立て屋のクロディーヌは毎週火曜日に山岳電車に乗って、スイスのヴァレー州にあるグランディクサンスダム近くの山中にあるリゾートホテルに向かう。そこで彼女は一人旅の短期滞在の男性観光客を狙って、その場限りのセックスを楽しんでいた。
普段の彼女は障害のある息子バティストの面倒を一人で見ながら仕事をしています。彼女はその場限りの男性たちが彼女に語った故郷についてのお話を、息子に送る手紙の中に書いて自宅に送り、父親からの手紙だと話していました。
ある時、いつも通りにホテルで出会った男性との時間を過ごした彼女だが、そのドイツから来たエンジニアのミヒャエルは滞在を延長し、クロディーヌとの関係を続けていく。そしてクロディーヌもまた、ミヒャエルに対しての気持ちが膨らんでいき…。
後は、映画を観てくださいね。
うーん、私には難しい映画だったなぁ。恋愛映画でありながら、母と息子の愛情も描いていて、女と母親のどちらの自分も完璧に演出したいクロディーヌの気持ちがどちらかに傾いた時どうなるかというお話でした。私には、このクロディーヌの気持ちは理解しがたいものだったけど、こういう人もいるんだろうなぁと思いました。
このクロディーヌ、ホテルに一人で短期宿泊している男性客を狙ってナンパしているんです。上品に言えば誘っているんだけど、ただのそこら辺にいるナンパ小僧と同じですよ。いきなりカフェで近づいていき、”ご一緒していいか”と聞いて同じテーブルに座り、部屋に行きましょうと誘うんです。うーん、私には理解不能です。反対に男性がやったらセクハラで訴えられることもあるんじゃないの?
フランスだと男性がお断りするのは失礼に当たるから嫌でも部屋に行ってしまうかもと思いました。嫌でも行ったのなら、セクハラだよね。これ、若い人がやったら売○と言われちゃうかもしれないけど、もう初老のふたりだから許されたのかしら。妊娠は無さそうな年齢なので問題は無いとは思いますけどね。でも、観ていてちょっと気持ち悪いと思っちゃいました。
私、純日本人なので、おフランスの素敵な初老のラブロマンスと言われても、どーもくすぐったいというか気持ち悪いと思っちゃうんです。私の偏見なんですけどね。私もおばちゃんだし、初老という年齢なんだけど、この映画のようなこと怖いし恥ずかしくて出来ません。顔がミポリンになれば出来るかもしれないけど。ああー、ミポリンが亡くなったなんて信じられない。悲しいです。同年代だからヒートショック気を付けなきゃ。
映画の話に戻って、そんなクロディーヌには障害を持った子供がいます。既に成人を迎えているのかな。一人で面倒を見ていて、父親はいないようです。どーも父親は海外を周っていると嘘をついているようで、クロディーヌが手紙を書いて自宅に送り、父親からの手紙だと言って息子に読み聞かせていました。父親の情報は一切出てこないので、誰の子か分からないのかもしれません。
母親として息子をずっと世話をし面倒を見てきて、週に一度だけバカンスのようにホテルへ行って行きずりのSEXを楽しむというのが彼女の生活なんです。うーん、この年齢でもSEXがしたくてたまらないというのはお元気なんですねぇ。イイことなんだろうけど、私にはグロく見えてしまった。
で、息子の世話と行きずり男性とのロマンスとをバランスよく楽しんでいたんだけど、ある時、エンジニアのミヒャエルと恋に落ちてしまうんです。ミヒャエルは優しい人で、一緒に彼の故郷に行こうと言ってくれます。でもクロディーヌには息子のパティストがいて面倒をみなければならない。悩んで悩んで、パティストを施設に入れることも考え始めるんです。
私が思うに、障害を持っていて成人しているのならば、一人で施設に入って仕事をしながら自分の生き方を考えていくのも良いのかなと思います。いつまでも親が面倒を見てしまうと、突然にひとりになった時に困りますからね。障害があるなしに関わらず、一度は一人で生きていくことをしてみるべきだと思いました。
そしてクロディーヌがどんな決断をしたのか、映画で確認してください。私はこの映画のエンディング、気に入りました。年齢など関係なく、自分として生きていくという女性の姿が描かれていて、元気が貰えました。
どんなに年を取っても新しくやっていけるって思えて、ちょっと嬉しくなりました。でも、ハッピーな終わり方じゃないのかもしれません。色々なしがらみはあるけどそれは仕方のないことで、問題が出たらその都度考えればよいことなんですよね。考えすぎて前に進めなくなるのは一番よくないことだと思いました。
なんだか、最初の導入部はちょっと嫌な感じの映画だなぁと思ってグロテスクな雰囲気がしたけど、観ていく内に彼女の生活や境遇が解ってきて、色々と理解をしました。みんなそれぞれに問題はあるけど、それをクヨクヨ考えていても始まらないんですよ。やるときゃやらなきゃってことなんだと思いました。決断、大切です。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。初老のラブロマンスなのでちょっと若い人には向かないかもしれませんが、初老と言っても美しい俳優さんたちなので綺麗ですよ。年を取ればそれなりに抱えているモノは多くなるので決断には時間がかかるけど、新しい道を模索するのは良いことだと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「山逢いのホテルで」