【演劇】「ヴェニスの商人」の舞台を観て考えてしまいました。草彅さんの演技は良かったなぁ。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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今日は映画感想をお休みして、

 

舞台「ヴェニスの商人」

 

の感想を書かせていただきます。凄く考えさせられてしまいました。

 

「ヴェニスの商人」はもちろんご存じの通り、有名なシェイクスピアのお話です。舞台などでも何度か観ているし、映画かTVでも観たと思うのですが、今回ほど考えたことはありませんでした。今回の草彅さんの舞台は、原作に近かったのかな。

 

 

ストーリーは、アントーニオという貿易商が友人の結婚のためにお金が必要となったが貿易で資金を運用しており手持ちがなかったために、ユダヤ人の金貸し屋シャイロックからお金を借り、もし返せなかったら自分の肉を1ポンド切り取って良いという契約を交わした。後日、アントーニオの貿易は失敗し期限が来てもお金が返せなくなり、1ポンドの肉を切り取られることとなり、どうしようというお話です。

 

でもこの話、元々の発端は、キリスト教徒のアントーニオがユダヤ人のシャイロックを凄く虐めて、ツバを吐き掛け、足蹴にしたという事実があるんです。それでもシャイロックは我慢して我慢して金貸しを続けており、アントーニオは自分の手持ちのお金がないから金を用立てるためにシャイロックからお金を借りようとするんです。酷くないですか?

 

だって、ツバを吐き掛け足蹴にした人にお金を貸せという精神にも驚くし、人にモノを頼みながらもユダヤ人は嫌いだと言い放つんですよ。酷い差別ですよ。だって個人は関係なく、ユダヤ人だというだけで酷い差別をされる訳です。そりゃ、イスラエルも怒るはずだよと思いました。こんな差別を受けながらヨーロッパで生きていたなんて、よく頑張ったものです。

 

この話を観ていて、日本人だというだけで、中国や韓国から人殺しやらなんやら言われていることを思い出しました。反日教育をして嘘の歴史を教えられてそれを本当だと思って日本は嫌いだと言っているんだと思うけど、何で嫌いな日本に来るんだろう。不思議ですよね。自分の国がもっと酷いから日本に逃げてきているんでしょうけど。

 

話を戻して、シャイロックはそんな酷い差別を受けながらも、何とか仕返し出来るかもと思ってお金を貸したのに、今度は法廷までもがキリスト教の味方をして、シャイロックに肉を切り取っても良いけど血は流さないようにと言うんです。で、肉を切り取ろうとしたことで殺人未遂になり全財産没収されて、キリスト教に改宗させられるという酷い判決になるんです。

 

 

あまりにも酷い判決でしょ。ユダヤ人が自分たちで国を作ったのも理解出来るなと思いました。イスラエルを作らなければ、いつまでもキリスト教徒やイスラム教徒に酷い虐めを受けることになったでしょ。やっと安住の地”イスラエル”を手に入れて、二度と差別されることが無いように、少しの事でも直ぐに反応して戦争にしてしまうようになったんじゃないかな。

 

シェイクスピアのお話は知っていますが、舞台でこんなにもユダヤ人の事をキリスト教徒が虐めていたという原作通りの話を演出出来たなと思いました。現代ではこのヴェニスの商人の宗教上の虐め部分はあまり表現されないことが多く、裁判の判決に至っても問題のある裁定だと言われています。なので、今回、キリスト教への改宗までも描かれていて、凄いなぁと思いました。

 

この原作通りだと、どう考えてもユダヤ人シャイロックが可哀相な展開なんです。虐めを受けていて、お金を貸してあげたにもかかわらず肉を切る行為が殺人未遂だなんていう理屈にして、全財産没収で、キリスト教に改宗させられるなんて地獄でしょ。で、本当なら死刑だったけど慈悲で生かしてあげるから改宗しろだなんて、よく言うよね。ユダヤ教を信じているなら改宗という行為は死よりも辛いことなんじゃないかな。

 

このお話は、シャイロックが一番の被害者であり悲劇のヒロインなんです。悪役のように描かれているけど間違っていますよ。今度お金を貸すなら、「肉1ポンドとそれを切り取る時に起こる流血および痛み他は許容すること。また切り取る場合は前後1割までは許容する。」という注意書きをいれるようにすればいいよね。

 

あまりの差別に、ユダヤ人の境遇って日本と似ているような気がすると思ってしまいました。キリスト教徒は何を言っても自分たちが信じているモノが正しいんです。ユダヤ人全員が強欲ではないし、金貸しをしているのは、ユダヤ人は働き口を貰えないので自分で仕事をするしかなかったからなんです。とにかくキリスト教徒は反ユダヤ教育が酷いのでこんな差別をしてしまったのだと思います。

 

今回は知っている内容なのに、こんなお話だったのかと改めて感じました。今まで観たものでは、これほどユダヤ人を差別している演出は無かったので驚きました。でも、素晴らしいお芝居でした。面白かったし、宗教的な対立がよく描かれていたと思います。

 

 

私はこの舞台、超!超!お薦めしたいと思います。ま、お薦めしても、舞台に関しては簡単にチケットが手に入らないので、観に行ってくださいとは書けないんですけど。でも、今どき配信などで観せてくれないかな。良い作品なので観て欲しいです。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

舞台「ヴェニスの商人」