シネマーグチャンネル

 

  タイトル

 

アイ・スパイ(原題:I Spy)

 

  概要

 

2002年のアメリカ映画

上映時間は97分

 

  あらすじ

 

アメリカが極秘に開発した最新型ステルス戦闘機「スイッチブレイド」が武器商人ガンダーズに盗まれた。彼がハンガリーで主催するパーティでこの戦闘機の入札を企てていた。一方のアメリカ国家保安局はエージェントのアレックスに戦闘機の奪還を命ずると、なんと彼の相棒はハンガリーでボクシングのタイトルマッチに出場するボクサーのケリーになり…。

 

  スタッフ

 

監督はベティ・トーマス

音楽はリチャード・ギブス

撮影はオリヴァー・ウッド

 

  キャスト

 

エディ・マーフィ(ケリー・ロビンソン)

オーウェン・ウィルソン(アレックス・スコット)

ファムケ・ヤンセン(レイチェル・ライト)

マルコム・マクダウェル(アーノルド・ガンダース)

ゲイリー・コール(カルロス)

 

  感想

 

テレビシリーズ「アイ・スパイ(1965-1968)」の初の映画化。7,000万ドルの製作費に対して全世界で6,300万ドルしか売り上げることができず、批評家からの評価も芳しくなかった。なお、ベティ・トーマス監督とエディ・マーフィは「ドクター・ドリトル(1998)」以来のタッグ作品となった。

 

テレビシリーズの映画化といえど、30年以上の時を経た2002年の映画化であり、当時のキャストが出演しているわけでもないので別にテレビシリーズを見ていないと分からないとかそういう作品ではないだろう。あくまでエディ・マーフィとオーウェン・ウィルソンが主演するコメディ映画ということだ。

 

ところがキャラ設定の時点でやや失敗しているように思う。おそらくスパイのアレックスとボクサーのケリーがコンビを組んで、プロのスパイのアレックスよりもスパイとしては素人のケリーの方が実は優れていたというギャップをベースに進めていこうと考えていたのだと思う。

 

ただ、だとしてもケリーがボクサーであるという設定はまるで意味がないし、アレックスがスパイとしては実はポンコツという設定も割とそのまますぎる。もしアレックスがスパイとして実はポンコツという設定にしたいのなら、スパイとして優秀そうに見える俳優をキャスティングする必要がある。なのにアレックス役にキャスティングされたオーウェン・ウィルソンは優秀なスパイには見えない割とそのままの見た目をしている。

 

一方のエディ・マーフィが演じたケリーはいつものエディ・マーフィ。ボクサーという設定を無視したような口八丁手八丁のマシンガントークを繰り広げる。エディ・マーフィは優秀そうなキャラクターもポンコツなキャラクターも演じ分けられると思うが、どちらかというと優秀そうなキャラクターを演じることが多い。そう考えるとこのエディ・マーフィもミスキャストじゃないかな。というかせめてエディ・マーフィとオーウェン・ウィルソンの役は逆の方がしっくり来たんじゃないだろうか。

 

そんな彼らの間に立つキャラクターがファムケ・ヤンセンが演じるレイチェル・ライトだ。ファムケ・ヤンセンは「007/ゴールデンアイ(1995)」でゼニア・オナトップという名前のボンドガールの一人を演じた女優だ。スパイ映画の代表格でボンドガールを演じた女優を連れてきた。そんな彼女は敵なのか味方なのか分からないキャラクターを演じているが、勘が鈍くなければ彼女が裏切者であることは容易に想像がつく。まあ軽いコメディ映画だから別に構わないが、ファムケ・ヤンセンという容姿の整った女優頼みという印象は拭えない。

 

キャスティングが失敗した上に、設定としてもうまくいっていない本作が面白くなるはずもなく、基本的にはエディ・マーフィの個人技頼みのような作品になってしまった。アクションシーンも要所に用意されているが、作品を面白くする要素にも見どころにもなっていない。

 

  関連作品

 

「アイ・スパイ(1965-1968)」…テレビシリーズ

「アイ・スパイ・リターンズ(1994)」…上記テレビシリーズの続編の単発ドラマ

「アイ・スパイ(2002)…テレビシリーズの映画化


 

 

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言語

├オリジナル(英語/ハンガリー語/ロシア語)

 

  ソフト関連

 

<DVD>

 

言語

├オリジナル(英語)

├日本語吹替

音声特典

├ベティ・トーマス(監督)、マット・フリードマン(編集)、ジェンノ・トッピング(製作)、デヴィッド・ロン(脚本)、ジェイ・シェリック(脚本)による音声解説

映像特典

├メイキング・ドキュメンタリー

├予告編

 

 

  タイトル

 

スタスキー&ハッチ(原題:Starsky & Hutch)

 

  概要

 

2004年のアメリカ映画

上映時間は101分

 

  あらすじ

 

1975年のカリフォルニア。性格が対照的な捜査官スタスキーとハッチのふたりは上司からの命令でコンビを組まされることになり、謎の水死事件の捜査を命じられる。すると、捜査線上に富豪の男リース・フェルドマンが浮上し…。

 

  スタッフ

 

監督はトッド・フィリップス

音楽はセオドア・シャピロ

撮影はバリー・ピーターソン

 

  キャスト

 

ベン・スティラー(デビッド・スタスキー)

オーウェン・ウィルソン(ケン・ハッチンソン)

ヴィンス・ヴォーン(リース・フェルドマン)

ジュリエット・ルイス(キティ)

フレッド・ウィリアムソン(ドビー主任)

ジェイソン・ベイトマン(ケビン)

クリス・ペン(マネッティ)

 

  感想

 

テレビシリーズ「刑事スタスキー&ハッチ(1975-1979)」の劇場版で、映画のラストにはテレビシリーズで主演した二人がカメオ出演を果たしている。全世界で1億7千万ドルを売り上げたが、日本では劇場未公開となった。

 

私は元となったテレビシリーズの「刑事スタスキー&ハッチ(1975-1979)」は鑑賞したことがない。製作された2004年時点でも四半世紀も前のドラマなんだから当時の観客だって見たことがない人が多かったんじゃないだろうか。主演してプロデューサーにも名を連ねるベン・スティラーはテレビシリーズ放映当時10代前半くらいなので小さい頃に彼が見ていたシリーズの映画化を希望したのかもしれない。

 

だとしても本作はどう見たって「刑事スタスキー&ハッチ」の映画化というよりベン・スティラー主演のいつものコメディ映画といった感じだ。しかも共演経験が多数あるオーウェン・ウィルソンが相棒役を演じている。

 

しかも映画の舞台となるのが1970年代という意味もない。テレビシリーズが放映されたのが1970年代だからという以外に理由なんてないだろう。1970年代の風俗を映しているが、ただそれだけ。それ自体が面白さに直結している印象もない。

 

更に犯人は観客も分かった状態である。この状態でどう面白くしていくか。観客にしても主人公の二人にしても犯人は富豪のリース・フェルドマンだと分かっている。それでもなかなか尻尾を出さないので苦戦するという流れになるのは当然だ。であるならばどのようにしてフェルドマンを捕まえることにするのかって話だが、別に罠を仕掛けたわけでもないし、巧妙な作戦があったわけでもないし、何度も挑戦してようやくって感じでもない。

 

それからこの凸凹コンビは周囲からも馬鹿にされており、特にクリス・ペンが演じたマネッティという同僚からは酷い仕打ちを受けている。言い合いになって上司がなだめるみたいな場面もあったが、マネッティのような嫌な同僚が登場するのなら、彼を出し抜く場面や彼が主人公二人を認める場面などは必要だったんじゃないかな。

 

いつものベン・スティラー主演のコメディ映画を見たいのならそれなりに満足感は得られるかもしれない。ただ、バディものとしても、馬鹿にされた人間が周囲を見返す物語としても、アクションコメディとしても、それから1970年代を舞台にした意味もすべてがイマイチだった。というかジュリエット・ルイスの使い方もったいなくない⁉

 

  関連作品

 

「刑事スタスキー&ハッチ(1975-1979)」…テレビシリーズ

「スタスキー&ハッチ(2004)」…テレビシリーズの劇場版


 

 

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言語

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<Blu-ray>

 

言語

├オリジナル(英語/韓国語)

├日本語吹替

音声特典

├トッド・フィリップス(監督)による音声解説

映像特典

├ハギー・ベアのファッション流儀

├撮影秘話~言いたい放題

├NGシーン集

├オリジナル劇場版予告編

├未公開シーン

├ヴィンスと過ごすひと時

 

 

  タイトル

 

誘拐

 

  概要

 

1997年の日本映画

上映時間は109分

 

  あらすじ

 

とある日曜日の朝に東昭物産の常務・跡宮が誘拐される事件が発生した。翌月曜日に犯人は身代金3億円、その受け渡しの様子をテレビ中継するように要求してきた。さらに受け渡しをする人物を同社監査役・神崎に指名してきた。犯人は3億円の入ったバッグを神崎に運ばせ、マスコミのカメラが彼を追う。重いバッグを運んでいた神崎はついに体力が尽きてしまい…。

 

  スタッフ

 

監督は大河原孝夫

音楽は服部隆之

撮影は木村大作

 

  キャスト

 

渡哲也(津波浩)

永瀬正敏(藤一郎)

酒井美紀(米崎マヨ)

磯部勉(安藤刑事)

西沢利明(神崎守)

上田耕一(原田堅吾)

石濱朗(跡宮壮一郎)

新克利(折田英正)

柄本明(橘警視)

 

  感想

 

渡哲也が「やくざの墓場 くちなしの花(1976)」以来となる映画の主演を務めた作品。

 

よほど勘が悪くなければ渡哲也が演じる津波浩が事件に関係していることに気付くだろう。捜査の過程で関係者がダムに沈んだ公害のあった下加佐村に繋がっていくわけだが、真相が分かったとてどうせそんなとこだろうなという感じだ。

 

それから津波のワイシャツのボタンが外れていたことが伏線になっており、そのボタンを誘拐現場で藤が発見したことで動かぬ証拠ということになっていた。ちなみに、津波のワイシャツのボタンが外れていたことを藤が目撃したのは日曜日の朝で、誘拐が行われたのが土曜日の夜。つまり津波は土曜日の夜に着ていたワイシャツを日曜日の朝に着ていたということになる。土曜日の夜に帰宅して洗濯してアイロンを当てて次の日の朝に着るというのはありえないとは言わない。この家にはいつの間にか住み着いたという若い女性までいることだし。

 

ただ、このワイシャツのボタンを津波が誘拐した証拠とするにはやや強引。この辺りもそうだが、特に映画中盤以降は土曜日の夜にテレビでやっているような2時間ドラマのような展開を見せていく。映画序盤は東京でのロケや空撮など金がかかっているような場面が多かったのに、陳腐な展開とカメラの配置によって2時間ドラマ感がかなり強い。

 

藤が津波の犯行を暴く場面のキャラクターの配置とかまさに2時間ドラマのそれ。下加佐村はダム建設によって水の中にあり、その水辺で彼らは対峙するのだが、なぜこの場面のほとんどの背景が水の側ではなくて枯れた草側なのか。なんか地味だなぁ。

 

かといって前半が迫力ある映像なのかと言えばそんなこともない。ただ犯人が指定する中高年の男たちが3億円の入ったカバンを背負って町中を走り回る様子がただ延々と流れているだけ。無数のマスコミのヘリが上空を飛んでいるが、おそらくほとんどCG。無数のマスコミが集まって注目を集めているのを演出するのが最優先されていると思うが、あの東京のビル群の上を10機くらいのヘリコプターがあの距離感で飛行するのはかなり危険だ。

 

あと、冒頭数分の時点でカメラ映像を確認するテレビ局のスタッフと思しき男が「日本中が注目している」と言っているが、たかだか野次馬が大勢いる様子が映っているだけなのに、その映像だけを見て日本中が注目していると判断するのはおかしい。別にこんな名前も知れない役者の言った一言で観客にそう思わせるのではなく、この中継を見ている日本中の家庭や家電量販店のテレビの前に集まる人たちの様子を描けば十分演出できるのに(手法としては古臭いかもしれないが)。

 

それから、永瀬正敏が演じた藤一郎というキャラクターも典型的な未熟な若者として登場しながら、ありとあらゆる役割を担わせている。アメリカ帰りで色んな勉強をしてきたエリートという感じなのだろうが、一方で若さゆえに未熟であるという設定だ。ただ、チンピラと殴り合いになって捕まるっていくら何でもアホすぎるでしょ。これなら津波と藤の間に立つ警察のキャラクターを一人配置しても良かったと思うほど。

 

誘拐の真相を探るサスペンスとしても、劇場型の犯罪に踊らされる人たちを映したアクションも、ベテラン刑事と若手刑事の交流もどれも中途半端だった。


 

 

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├オリジナル(日本語)

映像特典

├予告編

├空前絶後! 『誘拐』ロケーションの裏側

├インタビュー

├メイキング映像