【作品#0314】スウィッチ/素敵な彼女?(1991) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

スウィッチ/素敵な彼女?(原題:Switch)


【概要】

1991年のアメリカ映画
上映時間は103分

【あらすじ】

女性を見下していたスティーヴは、恨みを買った3人の女性たちから殺されてしまう。この世と天国の間に当たる煉獄でスティーヴは、神様から「自分のことを本当に好きと言ってくれる人を探せば天国へ行かせてやる」と言われ、スティーヴはこの世に戻って来るが、なんと女性の姿で戻されてしまう。

【スタッフ】

監督はブレイク・エドワーズ
音楽はヘンリー・マンシーニ/ドン・グレイディ
撮影はディック・ブッシュ

【キャスト】

エレン・バーキン(アマンダ)
ジミー・スミッツ(ウォルター)
ジョベス・ウィリアムズ(マーゴ)
ロレイン・ブラッコ(シーラ)
ペリー・キング(スティーヴ)
キャサリン・キーナー(スティーヴの秘書)
ティア・レオーニ(コニー)

【感想】

監督ブレイク・エドワーズにとって、代表作「ピンク・パンサー」シリーズ以外では最後の監督作品。アマンダを演じたエレン・バーキンはゴールデン・グローブの女優賞候補になった。ちなみに本作はヴィンセント・ミネリ監督、ウォルター・マッソー主演の「さよならチャーリー(1964)」が基になっているらしい。

プレイボーイで女性を見下していた男が、いかにも男がナンパしそうな女になってしまうという出オチ映画。このアマンダなる女性の身体にスティーヴが入り込んだわけではなく、突然現れた女性と言うことになっている。エレン・バーキンが男っぽい話し方や仕草をして、ハイヒールでなかなかうまく歩けないなどの行動で中身は男であることを表現している。エレン・バーキンの普段を知っている観客ならギャップはあるだろうが、そうでない観客だとそこまでギャップを感じ取れないかもしれない。しかも、スティーヴはこの体をあまりにも早く受け入れ過ぎてしまっており、シチュエーションコメディとしての面白さをもっと出せたはず。あまりにそこで躓くと話が先に進まないかもしれないが。

神様の言う好きになってくれる人がウォルターであることは早い段階で察しが付くのだが、にしてはウォルターが良い奴すぎて、それありきに見えてしまうのは残念。スティーヴが改心したとかそういう風にも見えない。割と中盤以降も、自分と関係を持った女性に電話する場面があり、「そろそろ気付けよ…」と思ってしまう。どうすれば人に好かれるのかをもっと真剣に考える場面は必要だったと思う。というか、本作における女性像だけでなく、男性像もあまりに単純であることは気にかかる。

このスティーヴが実は子供好きで…といった説明をウォルターがしてくれる場面がが後にあるのだが、スティーヴ自体の魅力がいまいち伝わってこない。仕事ができるんだからそれ相応の魅力はあるのだろう。その魅力をどう工夫すれば相手に喜んでもらえるかとかいくらでも考えようがあるのだが、基本的にずっと序盤からのスティーヴのままな気がする。

それから、中身は男で見た目は女なのに、別の女から好かれるという展開がある。ロレイン・ブラッコ演じるシーラとの場面だが、2人になると急にスティーヴ(声はアマンダ)のナレーションが入る。観客に伝わるか自信がなかったんだろうが、ここだけナレーションを入れるのは大いに違和感がある。


終盤の展開はちょっと読めないね。ウォルターと体の関係を持ったアマンダは妊娠してしまい、そこで母性に目覚めたアマンダが子供を出産するという選択肢を取ることになる。なかなかぶっ飛んだ展開だが、ラストは果たしてこれで良かったのかね。
 

 

 

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