【作品#0437】スパイ・ゲーム(2001) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

スパイ・ゲーム(原題:Spy Game)


【概要】

2001年のアメリカ映画
上映時間は126分

【あらすじ】

引退を翌日に控えたCIAのミュアーの元へ、自身が育てたビショップが中国でスパイ容疑で逮捕されたことを知る。

【スタッフ】

監督はトニー・スコット
音楽はハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
撮影はダニエル・ミンデル

【キャスト】

ロバート・レッドフォード(ネイサン・ミュアー)
ブラッド・ピット(トム・ビショップ)
キャサリン・マコーマック(エリザベス・ハドレー)
シャーロット・ランプリング(アン)

【感想】

ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットという二大スター共演のスパイ映画。ブラッド・ピットは本作に出演するために、同じくスパイ映画の「ボーン・アイデンティティー(2002)」への出演を断っている。また、ブラッド・ピットにとって、トニー・スコットの監督作品に出演するのは「トゥルー・ロマンス(1993)」となった。

二大スター共演とあり、やはりロバート・レッドフォードとブラッド・ピットが画面内で顔を合わせるだけでも絵になる。特に建物の屋上で会話するシーンとそれをヘリから撮影するところは印象に残る。

本作では現在の1日と、15年以上に渡る回想シーンを交互に描くという作品である。こんな構成は製作する側も観ている側も大変なわけだが、辛うじて成立しているという印象である。ただ、ミュアーとビショップ、またビショップとハドレーの関係は描き切れたという印象はなく、特に後者の関係はかなり物足りなさを感じる。なぜビショップが冒頭で危険を冒してまで行動しているのかの重要なポイントだが、本作の描かれ方だと冒頭の行動に至る心理は回想シーンで描き切れたとは言い難い。ちなみに、トニー・スコット監督の話によると、ビショップとハドレーの関係は大幅に削除せざるを得なかったらしいので、残念なところではある。

また、本作はスパイ映画である。といっても敵国をスパイする話よりかは、ミュアーが同じCIAの人間を騙すというところが本作の肝となっている。衛星写真のすり替えはやや荒唐無稽だし、ミュアーの思惑通りに話が進み過ぎている印象はある。ただ、妻の話や「ディナー作戦」がなかなか効いており、ビショップが「ディナー作戦」について聞いた時にはグッとくるものがあるし、ミュアーを追及していたCIAの人間がまんまと騙されたと落ち込む場面はそれなりに爽快感もある。

それに、この手の映画ならミュアーとビショップの再会をラストに描くものだと思うが、本作では救出されたビショップが帰還していくところと、引退したミュアーがポルシェに乗って走り去るところを交互に映して映画が終わる。スパイ行為を成功させたミュアーが高級車に乗って走り去るのもスパイ映画らしくて良い。

二大スター共演ということを考えると、やや物足りなさは残るが、トニー・スコット監督らしい娯楽作には仕上がっていると感じる。

【音声解説】


参加者

├トニー・スコット(監督)


監督のトニー・スコットによる単独の音声解説。本編の2/3が回想シーンという作品へのアプローチの仕方、主演したロバート・レッドフォードとブラッド・ピットの演技プランの違い、憧れの女優シャーロット・ランプリングについての話、中盤に主演の2人が屋上で会うシーンでヘリ撮影をすることにロバート・レッドフォードが何度も質問してきた話、場所が変わるごとで演出される色調や音楽の話、細かいキャスティング、911以降の試写と予定通りの公開とその後の反応など、興味深い話をたくさんしてくれる。

中でも、脚本1ページが映画で1分程度になると言う目安があるが、トニー・スコット監督作品は速いテンポで見せるから脚本のページ数が上映時間にそのまま反映されることはないのに、スタジオ側から脚本を短くするようにと画一的な指示が飛んできた話はトニー・スコット監督ならではの苦悩だと感じた。



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【配信関連】

 

 

<Amazon Prime Video>

 

言語

├オリジナル(英語/ドイツ語/アラビア語/フランス語/広東語)

 

【ソフト関連】

 

<DVD(2枚組)>

 

言語

├オリジナル(英語/ドイツ語/アラビア語/フランス語/広東語)

├日本語吹き替え

音声特典

├トニー・スコット(監督)による音声解説

映像特典(Disc1)

├シークレット・オペレーション~「スパイ・ゲーム」の裏側に潜入せよ!

映像特典(Disc2)

├未公開シーン集

├監督による脚本からストーリーボード作成までのプロセス解説

├CIAエージェントになる為の条件(静止画/5枚)

├予告編(2種)&TVスポット(8種)

 

<BD>

 

言語

├オリジナル(英語/ドイツ語/アラビア語/フランス語/広東語)

├日本語吹き替え

音声特典

├トニー・スコット(監督)による音声解説

映像特典

├未公開シーン集

├メイキング&インタビュー「スパイ・ゲーム」の裏側

├監督による脚本からストーリーボード作成までのプロセス解説

├CIAエージェントになる為の条件(静止画/5枚)

├予告編(2種)&TVスポット(8種)