【作品#0438】ジュラシック・パークⅢ(2001) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ジュラシック・パークⅢ(原題:Jurassic Park III)


【概要】

2001年のアメリカ映画
上映時間は94分

【あらすじ】

立ち入り禁止になったサイトB近くでパラグライダーを楽しんでいた父子が、先導する船の事故によりサイトBに迷い込み、それを知った母親がサイトBへ案内できる人間を探し、グラント博士に辿り着く。

【スタッフ】

監督はジョー・ジョンストン
製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ
音楽はドン・デイヴィス
撮影はシェリー・ジョンソン

【キャスト】

サム・ニール(アラン・グラント)
トレヴァー・モーガン(エリック・カービー)
ウィリアム・H・メイシー(ポール・カービー)
ティア・レオーニ(アマンダ・カービー)
アレッサンドロ・ニヴォラ(ビリー・ブレナン)
マイケル・ジェッター(ユデスキー)
ローラ・ダーン(エリー)

【感想】

「ジュラシック・パーク」シリーズ3作目にして最後となった本作はジョー・ジョンストンが監督を引き継ぎ、スティーヴン・スピルバーグは製作総指揮に回った。全世界で3億6千万ドルを稼いだが、前作よりもさらに売り上げは落ちてしまった。

1作目も2作目も基本的にお咎めなしだったジョン・ハモンド博士は本作には登場せず、彼の尽力によりサイトBは国連が管理し、人間の立ち入りができなくなっているという設定だ。ではなぜ、パラグライダーをする父子らはサイトBに近づくことができるのか。父子を島に取り残すことにして彼らを助けに行くというプロットありきだろうが、話を無理くり作り過ぎだろう。彼らがこの島に近づけたのも、管理しているはずの国連側の管理の甘さが原因だろうが、そういったことを追及するわけでもない。

それから、サイトBの案内役としてグラント博士は無理やり連れて来られることになるのだが、彼は金に目が眩んでサイトBへやって来ることになる。グラント博士は相変わらず恐竜の化石発掘に夢中であるという設定だ。それはまだ良いのだが、「ジュラシック・パーク(1993)」で交際していたエリーとは別れて独身のままであり、エリーは別の男性と結婚して子供がいると言う設定になっている。「ジュラシック・パーク(1993)」では、子供嫌いのグラントがハモンドの孫2人と行動をすることでそれを克服すると言うストーリーであった。その結果として、子供を望んでいたエリーと子供嫌いを克服したグラントがその後結婚して子供を作るかどうかは観客の想像に任されていたのだが、これでは1作目で描いたことをやや否定しかねない形になっている(全否定はしていないが、がっかりしたのは事実だ)。

また、子供を助けるためとはいえ、ポールとアマンダは金でグラント博士を釣ってサイトBへ連れて来たものの金はないと言うのだ。しかもサイトBはグラント博士が来た島とは別の島である。映画的にはポールもアマンダも恐竜に食われるべきキャラクターなんだが、子供を助けに来たために、子供の親を殺すわけにもいかずポールもアマンダも生きて帰ることになる。グラント博士を騙して島まで連れてきて、連れの傭兵はグラント博士を殴って気絶までさせている。グラント博士から「動くな」「大きな声を出すな」と言われているのに、みんな勝手に動いて、アマンダは叫んでトラブルをどんどん引き起こしている。こんな不快なキャラクターを生かしたままではやはり納得できないね。

恐竜による襲撃は前作でもすでにマンネリ化していたのに、本作でも基本的に同じことを繰り返しているだけだ。恐竜の種類とシチュエーションをただ変えているだけ。船や衛星電話を偶然にも見つける展開は脚本家が匙を投げたレベルで呆れてくる。

基本的に逃げるだけなので尺を伸ばすに伸ばせず、上映時間も全2作品から30分以上短くなり、エンドクレジットを差し引くと85分程度の作品になった。ヒット作だからって話を無理やり作ったところでうまくいく訳がない。それでもそれなりにヒットしてしまうのは困った話だ。

【関連作品】


ジュラシック・パーク(1993)」…シリーズ1作目
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997)」…シリーズ2作目
「ジュラシック・パークⅢ(2001)」…シリーズ3作目
ジュラシック・ワールド(2015)」…シリーズ4作目
ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018)」…シリーズ5作目
ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022)」…シリーズ6作目



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

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「ジュラシック・パーク」3部作の軌跡:再び冒険へ

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