【作品#0448】ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022) | シネマーグチャンネル

【タイトル】

 

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(原題:Jurassic World: Dominion)


【概要】

2022年のアメリカ映画
上映時間は146分

※エクステンデッド版は161分

【あらすじ】

アメリカ本土に恐竜が連れて来られ、メイジーの手によって世界に恐竜が解放されてから4年が経過し、闇取引などを通じて恐竜たちは世界中に生息するようになっていた。「ジュラシック・パーク」を建造した会社のライバル企業バイオシン社では、イタリアの山奥に恐竜のほぼ施設を設立していた。

【スタッフ】

監督はコリン・トレヴォロウ
製作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ
音楽はマイケル・ジアッキーノ
撮影はジョン・シュワルツマン

【キャスト】

クリス・プラット(オーウェン)
ブライス・ダラス・ハワード(クレア)
イザベラ・サーモン(メイジー)
サム・ニール(アラン・グラント)
ローラ・ダーン(エリー・サトラー)
ジェフ・ゴールドブラム(イアン・マルコム)
キャンベル・スコット(ルイス・ドジスン)
B・D・ウォン(ヘンリー・ウー)

【感想】

「ジュラシック・パーク」の6作目であり、「ジュラシック・ワールド」3部作の最後の作品。サム・ニールとローラ・ダーンにとっては「ジュラシック・パークⅢ(2001)」以来、21年ぶりのシリーズ復帰となった。

今までのシリーズは長くても2時間ちょっとの上映時間だったのに、本作は過去最長の146分という上映時間になった。シリーズ1作目の「ジュラシック・パーク(1993)」のメインキャストからサブキャストまでが勢揃いとなり、彼らの場面もみっちり描く必要があり、この上映時間になったのだろう。特に久しぶりのシリーズ復帰となったサム・ニール、ローラ・ダーンへのリスペクトに溢れた描き方(ローラ・ダーンがサングラスを取るところや、サム・ニールがテントにやってくる時の影など)もあって、なかなか話が進んでいる感じはしない。中盤前のバイクチェイスシーンがなければ寝落ちしていたかもしれない(長くなることを見越して目の覚めるようなアクションシーンを入れたならそれは間違っていなかった)。

それから、旧シリーズ3作目「ジュラシック・パークⅢ(2001)」と同じく、新シリーズ3作目の本作でも子供を連れ戻しに行くという設定やパラシュートが気に引っ掛かるところ、恐竜の親子関係の話は踏襲されている。ただ、シリーズで唯一「島」が舞台ではない作品となっている。

また、前作から4年が経過し、世界中に恐竜が生息する世の中になっている割には世界が大パニックになっている訳ではない。ということは、本作の結末で語られる「人間と恐竜の共存」って本編で時間をかけて描かなくても「共存できているんじゃないの!?」と思ってしまうところである。保護地区を設けるという着地になっていたが、かつての島以上に恐竜を盗みやすくなったんじゃないのか。金儲けを考える連中が世の中にいる以上、何も解決することはないと思うけどな。

それから、グラントなどの行動はあくまでイナゴの大群がもたらす飢饉などへの対策である。遡れば「出エジプト記」には十の災いにおいてイナゴの大群が農作物を食べつくしたことが記されているので、それが元ネタだろう。ただ、彼らが施設に忍び込んでサンプルを入手するだけの任務はちょっとショボくないかな。味方する人間が続々と登場する流れも都合が良すぎると感じてしまう。

結局、新旧シリーズのキャストが勢揃いしなくてはいけないので、彼らが出会うことになるまでは結構都合よく話が進んでいるように見える(そうでもしないともっと上映時間がかかることになったとは思うが)。新旧シリーズのキャストが融合したと言うよりただ集まっただけになってしまったのは残念なところではある。

結局、恐竜関係では何が解決したのかよく分からぬまま終わってしまった。前作で下した決断から特段進展した様子はなく、「ただ受け入れよう」という結末である。ただ、キャラクター同士が何となくではあっても結ばれることが示唆される形で終わったのは良かっただろう。

最後に、本作を観ていて連想した映画を列挙しておく。「エイリアン2(1986)」「エイリアン4(1997)」「インディ・ジョーンズシリーズ」「ミッション:インポッシブルシリーズ」「007シリーズ」「ボーン・アルティメイタム(2007)」「地獄の黙示録」「アベンジャーズシリーズ」など。誰かが誰かのために犠牲になって死ぬ展開もあるかと思っていたが、本シリーズでは基本的に良い奴は恐竜に食われることはなかったので、そこはしっかり踏襲していたようだ。

1993年に始まったシリーズが約30年かけてひと段落した。人間が過ちの歴史を繰り返しているからこそ、同じような設定で何作品も作られて来たのだろう。ただ、前作で風呂敷を大きく広げた割には大した進展もせずに終わらせてしまった印象は残った。

【関連作品】


ジュラシック・パーク(1993)」…シリーズ1作目
ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク(1997)」…シリーズ2作目
ジュラシック・パークⅢ(2001)」…シリーズ3作目
ジュラシック・ワールド(2015)」…シリーズ4作目
ジュラシック・ワールド/炎の王国(2018)」…シリーズ5作目
「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2022)」…シリーズ6作目



取り上げた作品の一覧はこちら

 

 

 

【予告編】

 

 

【配信関連】

 

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├オリジナル(英語)

 

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【ソフト関連】

 

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本編

├劇場公開版

├エクステンデッド版

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映像特典

├短編「バトル・アット・ビッグ・ロック」

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本編

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映像特典

├短編「バトル・アット・ビッグ・ロック」

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本編

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映像特典

├短編「バトル・アット・ビッグ・ロック」

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├メイキング

 

<DVD(6枚組)>

 

 

<BD(6枚組)>

 

 

<4K ULTRA HD(6枚組)>

 

 

【音楽関連】

 

<CD(サウンドトラック)>

 

収録内容

├22曲/77分

 

【書籍関連】

 

<ジュラシック・ワールド 新たなる支配者>

 

著者

├スティーヴン・スピルバーグ/コリン・トレボロウ

翻訳者

├梅津かおり

長さ

├200ページ